裏岩手/八幡平〜大深山荘〜三ツ石山〜不動平〜岩手山〜相の沢
- GPS
- 46:56
- 距離
- 41.3km
- 登り
- 2,159m
- 下り
- 3,191m
コースタイム
八幡平レストハウス 11:50→見返峠 12:02→ガマ沼 12:06→八幡平 12:16→めがね沼 12:24→鏡沼 12:28→八幡平レストハウス 12:42(24分休止)→裏岩手縦走路入口 13:20→畚岳分岐 13:40→畚岳 13:48(6分休止)→諸桧岳 14:42→石沼 15:08→前諸桧 15:22→嶮岨森 16:00→大深山荘 16:30
10/6
大深山荘 5:34→大深岳分岐 5:56→大深岳 6:00→八瀬森分岐 6:14→小畚山 6:54→1448.1m三角点 7:12→三ツ沼 7:20→三ツ石山 7:48→三ツ石山荘 8:18(20分休止)→大松倉山 9:06→犬倉分岐 10:24(20分休止)→犬倉山 10:52→犬倉水場分岐 11:08(水場往復10分)→姥倉分岐 11:54→黒倉分岐 12:10→黒倉山 12:20→切通し 12:42→大地獄分岐 13:00→御花畑 13:26(30分休止)→御釜湖 14:02→御苗代湖 14:04→御花畑 14:15→不動平避難小屋 15:28
10/7
不動平避難小屋 4:30→焼走り分岐 5:00→岩手山 5:04(64分待機)→不動平避難小屋 6:24(50分出発準備)→鬼ヶ城分岐 7:22→笠締 8:12→大滝展望台 8:50→わらじ脱ぎ場 9:12(18分休止)→切接 9:45→林道合流 10:04→県道合流 10:20→鞍掛山登山口 10:30→相の沢温泉 10:46
天候 | 10/5 晴のち曇 10/6 霧のち曇 10/7 晴一時霧 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
岩手県北バス 八幡平自然散策バス 盛岡駅→八幡平頂上(専用乗車券1,200円、駅東口ロータリー内の窓口で購入) 復路 岩手県交通 盛岡バスセンター行 滝沢相の沢温泉前→盛岡駅(950円) |
コース状況/ 危険箇所等 |
●コース状況 ・八幡平〜大深山荘 八幡平付近は危険箇所などはありませんが、山頂の展望台は11月いっぱいまで改築工事を行っているそうです(冬に入るともう工事はしないということだと思いますが、来年春以降に再開するのかどうかは不明)。 八幡平レストハウスから縦走路入口までは車道を歩くため、通行する車に注意。 大深山荘までの区間では、嶮岨森山頂付近がやや切り立った稜線になっていますので、強風時などは注意が必要かもしれません。 ・大深山荘〜犬倉分岐 小畚岳への登りが急登です。踏跡も入り組んでいるので視界が悪いときには混乱するかもしれません(多分、どこを通っても大丈夫だとは思いますが)。 三ツ石山荘では分岐が少し分かりにくかった。大深岳方面から来た場合、山荘前の分岐を左へ進むと犬倉山・岩手山方面(すぐ先でさらに松川温泉方面とも分岐)、右へ行くと奥産道・滝ノ上温泉への下山ルートになります。 ・犬倉分岐〜不動平 犬倉山と黒倉山のピークは巻き道があり、時間や体力を節約したい場合はショートカットが可能です。ただ、黒倉山頂から見下ろす大地獄谷の光景は迫力があり、立ち寄る価値ありと思いました。 黒倉山の少し先にある切通し分岐で、御花畑方面と鬼ヶ城方面に道が分かれます。どちらを通っても不動平で合流して岩手山に行けますので、山行目的に応じて道を選ぶとよいでしょう。 今回選んだ御花畑経由のルートは、御花畑から不動平まで急登が続くので、心してかかってください。 ・不動平〜岩手山 前回の記録を参照 http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-131953.html ・不動平〜相の沢 笠締付近に崩壊地あり、若干へつり気味に通過する箇所もあります。 また大滝展望台までの区間は、ペンキ印を見落としてルートを誤ると沢に入り込んでしまうおそれがあるため、視界不良の時は要注意です。 林道に出たところからは、その林道を左に行くと相の沢方面への近道になりますが、この林道はどうやら関係者専用らしく(写真参照)、もしかすると右へ進んで普通に御神坂駐車場から県道に出たほうがいいのかもしれません。 県道に出てからは道の脇を歩くことになりますが、日によっては交通量がそこそこ多い様子なので気をつけてください。 途中の鞍掛山登山口にある「たきざわ自然情報センター」では、相の沢温泉の100円割引券(500円→400円)がもらえます。 ●水場の状況 ・大深山荘下:問題なし ・三ツ石山荘下:未確認、ただし他の登山者の話によると涸れている様子 ・犬倉山下:出ていません ・岩手山八合目 御成清水:問題なし このほか、八幡平レストハウス1F(最上階)の外に水道がありますが、実際に水が出るかどうか、出ても飲用可かどうかは確認していません。 |
写真
感想
昨年夏に初めて岩手山に登り、その後もここヤマレコで岩手山の記録をちょくちょく拝見するにつけ、また登ってみたいなあ、次は違うコースだな、などと考えるようになっていました。
そして今回、紅葉の時期に合わせて再び岩手山へ、しかもなぜか八幡平から縦走という壮大な計画に。
今回のポイントは
・車ではないので、バスで入山・下山できるコースプランであること
・帰りに温泉に入って汗を流せること
・ヘタレなのでなるべく下りが多くなるほうがよい
・1日に十何時間も歩くようなドMな計画は避ける(笑)
というわけで、1日目に八幡平から入って大深山荘まで、2日目は不動平避難小屋まで、3日目に御神坂コースを下山し相の沢温泉まで、ということになった次第です。
そんなこんなで、やってきました裏岩手。
まずは盛岡駅からバスで八幡平へ。
八幡平の市内は雨がポツポツ降っていて、天気が心配でしたが、上っていくうちにだんだん晴れてきて、八幡平レストハウスでバスを降りた時にはすっかり青空になっていました。
さっそく八幡平山頂を目指しますが、山頂の展望台が改築工事中なのを知らず、山頂に到着してみてガッカリ。
すぐにレストハウスに引き返して少々の休憩の後、いよいよ裏岩手縦走路へ。
縦走路に入って最初のポイントは畚岳ですが、できるだけ早いうちに小屋に着いておきたいため、当初の予定では山頂へは寄らないつもりでした。
しかし先行している方がいたので、何となく付いていく形でそのまま山頂へ。
畚岳山頂は360度の展望が開けた素晴らしい眺めでした。やっぱり来て正解だったな。
先行していた方と少しお話をすると、地元(盛岡)の方で、今日は天気がいまいちだったのでどうしようかと思っていたが、午後から晴れるというので急いでやってきたとのこと。
八幡平の山頂からも近いし、セットにするといいハイキングコースになるかもしれません。
畚岳から下りて、諸桧岳・前諸桧・嶮岨森とピークを越え、大深山荘へ。
小屋には男性2人組の方がすでに到着しており、裏岩手を逆コースでやって来て、明日八幡平へ向かうとのこと。
遅れて、乳頭温泉方面へ向かうという女性2人組も到着し、この夜は5人での宿泊となりました。
男性2人は横浜と小田原、女性2人は川崎から来られたとのことで、奇しくも(?)私を含め5人全員が関東からの遠征ということのようです。
それにしてもこの大深山荘、とても綺麗な小屋でした。
備え付けのノートを見ると、八幡平市観光協会の方が定期的にやってきて、掃除やトイレットペーパー補充などのメンテナンスをして下さっているようです。感謝。
翌朝、先に出ていかれた4人を見送ってから出発。
ガスであまり天気はよくありません。予報ではこの3日間のうちでは一番晴れ間の多い日のはずだったのにな。山の天気は難しいものです。
大深岳を越え、小畚山の急登をこなし、三ツ石山へ。
ここの紅葉が素晴らしいという記事を地元紙(岩手日報)のネット記事で読んでいたので、来る前から楽しみにしていたのですが、山頂手前までやってきてみるとガスが濃くてあまりいい雰囲気ではありません。
かなり風が強かったので、もしかしたらガスが切れることもあるかと思い、晴れろ!と念じ続けながら数分待っていると、本当にガスが切れて、見事に三色の絨毯になった斜面が姿を現しました。
これはすごい!
興奮の中、すぐ山頂に出たところ、あたりは再びガスに閉ざされてしまい、真っ白に。
ほんの一瞬だったな…。まさに奇跡ともいうべき瞬間だと思いました。
三ツ石山荘へ下りていくと、登ってくる人と次々にすれ違います。
山荘に着いて休憩している間にも、入れかわり立ちかわり登山者がやってきていました。
やっぱり皆さん、三ツ石山の紅葉が目当てなんでしょうか。ガスが晴れていたらいいのですが。
大松倉山を過ぎ、犬倉山までの道でも相当の人とすれ違いました。
この人たちは網張からのリフトを使って登ってきたのでしょうか。
間もなく犬倉分岐というところで、向こうからやってきた初老の男性としばし立ち話。
話好きな方のようで、裏岩手を縦走中だというと、岩手山のことをあれこれと話しだしました。
軽装だったり午後から登ったり、あげくに遭難したりで、最近の登山者は山をナメているやつが多いなどと熱弁をふるわれ、若干辟易しかけていたのですが、最後に「相の沢温泉まで行くんだったら、鞍掛山登山口のビジターセンターで割引券を配ってるよ」と教えていただきました。
貴重な情報をありがとうございます!(笑)
犬倉分岐で補給のため休憩した後、犬倉山へ。
ここは巻き道があるのでそちらを通るつもりでしたが、予定のコースタイムより早く来ていることもあり、前日の畚岳同様に山頂を通っていくことにしました。
しかし、ここはそれほど特徴のあるピークでもなく、やっぱり巻き道でも良かったかな…。
犬倉山から下りて、水場のある分岐へ。
状況を確認するため、縦走路から30mほど下の水場へ下りてみましたが、残念ながら出ていませんでした。
大深山荘の水場で多めに入れてきていたので問題はありませんでしたが、ここの水を当てにしていた人はショックだろうな。
ここからは姥倉分岐までの登りになりますが、この登りが意外に急で、ふうふう言いながら進みます。
途中で、下りてきた初老の女性グループとすれ違い。タイムオーバーか体力がなくなっただかで、登頂をあきらめて下りてきたそうです。
「無事に家に帰らないといけないですから」とのこと。本当にその通りですね。
荒涼とした姥倉分岐から黒倉山へ。
ここは岩手山周辺の火山活動のために、一時期立ち入り禁止になっていた区域です。
この山頂も当初は巻いていく予定でしたが、犬倉山同様にピークを踏んでいくことにします。
山頂からは真下に大地獄谷が見え、なかなかの迫力。ここは犬倉山と違って登る価値のある場所でした。
黒倉山を下り、切通し分岐から大地獄谷・御花畑へと下っていきます。
計画時点では鬼ヶ城ルートにしようかとも思ったのですが、今回は紅葉が目当てなので、鬼ヶ城はまた次の機会に。
大地獄谷まで来ると、谷の中だけでなく鬼ヶ城を見上げた斜面にも紅葉(まだ盛りには早かったですが)を見ることができ、やはりこっちに来て正解だったと思いました。
御花畑分岐で補給休憩を入れた後、ザックをそのままデポしておいて御釜湖・御苗代湖へ。
片道10分ほどで湖のすぐそばまで(というか湖畔まで)行けるのはお手軽ですね。
静かなところで、もっとのんびりしたかったものですが、そうもいかないのが残念なところです。
分岐に戻って、この日最後の難関(?)不動平への登りにかかります。
登りに入ってすぐのところで、先行していた女性数名のグループを追い抜かせてもらったはいいものの、そこから先は急登がおよそ1時間にわたって続き、心身ともにヘロヘロ。
ようやく稜線に出て岩手山が見えたときは、内心で「やったー!」と叫んでいました。いや、もしかすると口にも出していたかもしれない。
目標だった10時間を割るコースタイムで、不動平避難小屋に到着。
すでに中はほぼ満員に近かったものの、何とか1人分のスペースを見つけてもぐり込ませてもらいました。
どうしても入れなかった場合は八合目避難小屋までさらに下りることも覚悟していましたが、翌日は岩手山の山頂をピストンして御神坂へ下りる関係上、なるべく不動平に泊まりたかったので助かりました。
詰めてくださったお隣の方、ありがとうございました。
しかし、不動平には水場がないので、いずれにせよ八合目まで下りていかなくてはなりません。
というわけで水筒を抱えて15分ほど、久しぶりの八合目避難小屋に。
給水がてら小屋で手ぬぐいもゲット。今年は紫色です。
3日目にして最終日の朝、岩手山山頂で御来迎を拝むべく、暗いうちから小屋を出発。
同じことを考える人はいるもので、すでに中腹でヘッデンの光がちらほら、振り返れば八合目小屋の方からも光の列が。
山頂に到着し、5時半頃の日の出を待ちますが、東の空は雲に包まれていて、うっすらと赤い筋が見えてはきたものの、結局はうっすらとした筋どまりで真ん丸の朝日は見ることができませんでした。
6時くらいまで粘ったのですが、残念。
小屋に戻り、荷物をまとめ直してから出発。
鬼ヶ城分岐からしばらくはハイマツの中の緩やかな下りですが、次第に岩場が増え、急な下りになってきました。
笠締のあたりで最初の登山者と遭遇。
その後も下山するうちに、登ってくる方々と続々とすれ違いました。
御神坂は健脚向けコースと言われているのに、さすがですね皆さん。
面白かったのは、下山する私に対して皆さん「もう下りてきたんですか!?」と、一様に吃驚していたこと。
ゆうべは不動平に泊まってました、というと、ああなるほどと納得されるのですが、とにかく皆さんが同じような反応をするので、むしろ逆に不思議なくらいでした。
縦走でここから下山する人は多くないんでしょうかね?
大滝展望台を過ぎ、わらじ脱ぎ場で休憩の後、切接を経て林道に合流。
通常は合流点から右に折れて御神坂の駐車場へ進むのですが、今回はゴールが相の沢なので、左へ進めば近道になるかと思い、あえて反対方向へ。
しかし、県道に出たところではゲートが道をふさいでおり、そのゲートには「関係者以外立ち入り禁止」のサインが。こっちに来てはまずかったかなあ?
GPSログを見ても実際にそこまで近道になっているかどうかは微妙ですし、やっぱり大人しく駐車場を経由していたほうが良かったかもしれません。
何はともあれ、県道を進んで(もちろん途中で鞍掛山登山口に立ち寄りセンターで割引券を入手して)、無事に相の沢温泉に到着!
近くの岩手高原スキー場でハーレー関連のイベントが開催中だとかで、革ジャン姿のいかついお兄さんたちが闊歩する中、3日間の疲れをゆったり温泉で癒しました。
ここから先は余談になりますが、温泉から上がった後、改めて荷物をまとめて、盛岡に戻るべくバス停へ。
ところが、どうやらバスの時間を勘違いしていたらしく、盛岡行きのバスは10分ほど前に出てしまっていたのでした。
次のバスは3時間後…。
仕方なく、温泉に戻って食堂で昼食にしたり、かき氷を追加したり、お茶(無料)も2杯もらったり、それでも時間が余るので3日間で撮った写真を眺めたりして、何とか3時間をやり過ごし、ようやく盛岡に帰ることができました。
皆さん、バスの時刻はちゃんと控えておきましょうね。
このほかに反省すべき点として、
・1日目に大深山荘に到着した後、GPSロガーの電源をオフにし忘れていて(夜中に起きた際に画面が点滅していてやっと気がついた)、3日目にも使い回しするはずだった電池をパーにしてしまった
・煮炊きに使うガス缶の中身が残り少なくなっているのに気づかず、2日目の夜で燃料切れになってしまった(おかげで3日目の朝食はラーメンを作れずパンに変更)
などがありました。
まだまだ精進が足りませんな。
さて今回の山行にあたり、noriaさんの記録
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-140609.html
がとても参考になりました。
また、shira-gaさんの記録
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-129338.html
も、コースタイム的にはまったく参考になりませんでしたが(笑)、たいへん楽しませていただきました。
この場を借りて(自分の記録だから「借りる」は変か?)お二方に感謝申し上げます。
なお、元サイズの写真は
http://photozou.jp/photo/list/74507/7270556
で公開していますので、「写真小せーよ!」という方はそちらへどうぞ。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
3日間で縦走されたんですね!!
私は日帰り専門なので、3日分もの装備を持って歩かれる方を尊敬します
お天気はいまいちだったところもあるようですが、暑すぎず、良いペースで歩けたのではないでしょうか。
そうそう、連休は、バイカーさんのイベントだったんですよね〜!
あの一帯はもちろん、小岩井農場付近や盛岡のイオンなど、あちらこちらででっかいバイクに乗った集団を見かけましたよ
三ツ石に登る前、御神坂登山口のトイレに寄ったのですが、バイクが駐車場にズラリと並んでいて、その間を通らねばならず、「姐さん!」とか声掛けられたらどうしようと心配しておりました(全然違う集団ですが )。
コメントありがとうございます。
岩手山は昨日が初冠雪だったようですが、運良くその前に登ることができましたし、確かに気温もちょうどいいくらいで条件も悪くなく(天気はアレでしたけど)、2泊3日とはいってもそこまで大変ではなかったですよ。
Springさんもいつかはぜひ泊まりがけ縦走に挑戦してみてください!
バイカー集団、ナンバーを見ると岩手だけでなく青森や秋田など、東北一円から集結していたみたいです(もしかすると東北だけじゃないかも?)
2日目に御花畑で休憩していた時に地元の登山者の方からイベントのことを教えてもらっていなければ、下山して「なんだこれは?」と目が丸くなっていたかもしれません
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する