【過去レコ】富士山 登山中に震度3の地震があり富士山噴火するのかと焦った…
- GPS
- 32:00
- 距離
- 15.6km
- 登り
- 1,856m
- 下り
- 1,856m
コースタイム
- 山行
- 6:50
- 休憩
- 2:50
- 合計
- 9:40
天候 | ガス・雨・晴れ・震度3の地震 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2005年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
その他周辺情報 | 本6合目「瀬戸館」さんに宿泊 須走温泉 天恵で入浴 http://tokinosumika.com/tenkei/ |
写真
感想
富士山の登山道は吉田口(=河口湖口),富士宮口,須走口,御殿場口の4つある.今回は,混雑する夏の富士山の中でも比較的静かな山歩きを楽しめ,6合目付近までは緑や花も多い須走口からその山頂を目指すことにした.
前日朝までの天気予報では両日とも晴れであったのに,夕方になってくもり/雨の予報に変わってしまう.よほどひどい雨になったら引き返してくることにして,とりあえず6時過ぎに岐阜を出発.御殿場目指して東名高速をひた走る.最後のSAで昼食を食べた後,御殿場ICで高速を降り,R138からふじあざみラインへと入る.ほとんど視界が利かないほどのガスに覆われ,行く先が不安だ.
12時前に須走口5合目の駐車場着.「満車」の看板がかかっているが,何とか空いているスペースに停めることができた.天気は雲の上に出たからか,ガスが多いもののうす晴れといった感じ.今日は6合目の小屋まで行けばよいので,2時間とかからない.そこで,ウォーミングアップを兼ねてまずは小富士まで散策することにする.小富士までの道は遊歩道として整備されているが,歩いている人はごくわずかで,5合目の賑やかさとは隔世の感がある.天気が良ければ,富士山頂が間近に仰げる場所だが,今日の天気では展望はゼロ.「小山町観光12選」の看板だけ写真に撮って登山道へと戻る.
最初は樹林帯の登りだ.ジーパンにTシャツと軽装の登山者も多く,いかにも富士山らしい.左手から下山道が合流した先で樹林帯を抜け,砂礫地に出る.ここで,テントを背負い,牛のようにゆっくりと歩いているおじさんに出会った.汗だくでいかにも苦しそうだ.なんでこんなにバテているのかと思ったら,富士山3往復目だという.かつて山頂を7周したこともあるとか.英語教師だというこのおじさん,その体力と根性にはただただ脱帽である.
登山道はこの後,砂礫地と灌木帯を交互に繰り返す.左手には砂走り下山道が見えるが,走らずに歩いている人ばかりだ.足元に目をやると,クルマユリ・ヤマホタルブクロなどの花がポツポツ咲いており,潤いを与えてくれる.また,適度に風もあり,まずまず涼しい.
新6合目の長田山荘からわずかに30分余りで6合目の瀬戸館に到着.ずいぶんあっけなく着いた感じで,疲労感もないほどだ.できれば初日に7合目まで行っておきたかったが,満室で予約が取れなかったとあっては仕方がない.標高2700mにあるこの瀬戸館は富士山中では樹木が生育する最高所に建つ山小屋.小屋の前からは,ガスで山頂までは見えないが,富士山の大きな山容は窺い知ることができた.小屋番のおじさんは気さくで親切な人で,山頂までの時間,ご来光のこと,8合目から先で2時間渋滞することなどを教えてくれた.小屋ではおじさんの他に高校生くらいのアルバイト?の男の子がひとり働いていた.布団は2〜3人で1枚を覚悟していたが,意外にも間仕切りがあるスペースにひとり1枚!夕食まで随分と時間があったので,布団に入ってウトウトしていると地震で目が覚めた.「富士山噴火?????」かと焦ったほど,揺れの時間は長かった気がした.(東京で10数年ぶりの震度5を観測したこの地震,御殿場では震度3であった).
夕食にククレカレー(山積みになっているのが見えてしまった)を食べた後は,やることもないので早々に就寝.しかし,小屋の中も外の休憩スペースも騒々しく,また軽い頭痛がしてなかなか熟睡できなかった(1時間おきに目が覚めた).しかし,隣を見れば彼女は爆睡.なんともうらやましい・・・
日付が変わって3時前に起床.おにぎりをもらって外に出る.出発しようとしたその瞬間,雨が降り出してしまった.ストームクルーザー,スパッツ,ザックカバー,レイングローブと完全装備に変身し,気を取り直して出発.小屋番さんの「具合が悪くなったら戻ってきて休んでいいよ」の声に見送られた.まだ真っ暗でヘッドランプの灯りだけが頼りとなる.
歩き始めてすぐに彼女が頭痛・吐き気の体調不良を訴えだした.そういえば,自分も少し頭が痛い.これが恐れていた高山病か?彼女はいかにもつらそうで,全くペースが上がらない.7合目まで登れば砂走り下山道に行けるから,とりあえず7合目の小屋を目標にがんばる.この頃,東の空が薄っすら明るくなってきて,ご来光への期待が膨らむが,厚い雲に覆われ,朝日を拝むことはできなかった.7合目大陽館の前で,おにぎりを食べ,鎮痛剤を飲む.彼女の症状は少し和らいだようで,まだがんばれそうだと言う.
登山道はすでに森林限界を超え,オンタデが点在する溶岩と砂礫の道となっている.7〜本7合目はコース中で1番の急登とガイドブックにあったが,ペースが遅いからか,それほどつらいとは感じない.本7合目まで来ると,雨も上がり,ヘッドランプも不要になったので,気分的に随分と楽になった.青空も見え,山頂の小屋も肉眼で捉えることができる(本7合目にいた頃がこの日唯一晴れた時期).
8合目からは河口湖口と合流し,登山者の数も一気に増える.それでも渋滞するようなことはなく,自分のペースで登ることは可能だ.この後,各小屋の前で10〜15分程度休憩しながら山頂を目指した.しんどい時は,意識的に歩幅を小さくして地道に登った.天候は次第に悪化し,一面のガスと霧雨となる.道端に座り込み,酸素缶を吸う人が見受けられ,異様な光景が広がっている.
最後のひと踏ん張りで,久須志神社の鳥居をくぐれば,富士山頂にたどり着く.6合目の小屋を出てから,休憩も含めて4時間半であった.近くに居合わせた人と記念撮影をした後,頂上扇屋で休ませてもらう.注文したうどん(\800)と小屋で作ってもらったおにぎりを食べてひと休み.ココア(\400)も温かくてうまかった.お土産としては例の如く,ピンバッジを購入.
展望は全く期待できないが,体力的には大丈夫そうなので,お鉢巡り(時計回り)をすることとした.山頂までの道と異なり,標識がほとんどないので時折不安になるが,富士宮口頂上・山頂郵便局を経て「日本最高点」剣ヶ峰(3776m)に無事到達,感動もひとしおだ.この天気ではさすがにここまで来る人は少ない.交代で写真を取り合った後,須走口頂上まで戻った.薬が切れたせいか,頭痛がひどくなって,再び鎮痛剤服用.頂上山口屋支店で豚汁(\800)を注文し,体を温めた.さらに下山用として500mlのアクエリアスを購入(\600).
下山時も展望がないのでひたすら下るのみ.7合目でトイレを済ませた後は,いよいよ砂走りに入る.砂がクッションになり,膝に優しいため,ぐんぐん面白いように高度が下がる.ゆっくり歩いている人たちをごぼう抜きだ.7合目から砂払い5合目までわずかに35分!舞い上がった砂で顔が真っ黒になるかと思っていたが,今日は砂が湿っているのでその心配もない.砂払い5合目の売店横から樹林帯へと入れば,あとは30分ほどで新5合目へと戻る.ここでは,売店の人が下山してきた人にお茶を振る舞っていたので1杯いただくと,何とこれがしいたけ茶・・・残っていた体力が全て抜けていった.
高山病かと思った頭痛は,下山しても一向に良くならず,風邪を疑い,コンビニで買った冷えピタを貼って運転した.冷えピタが効いたとは思えないが,しばらくすると頭痛は軽快.結局,高山病が遷延したのか,風邪なのか良くわからないままだった.
岐阜までの岐路は,気が張っていたからか眠たくなることもなく,順調に運転.いつものように上郷SAで夕食を取り,20時半頃には家に着いた.
帰ってきてから数日経っても何だか本当に登ったのか実感がない富士登山.よく「富士山は汚い」と言うけれど,ゴミもほとんどなく,トイレもきれいだったのには驚いた.「一度も登らぬバカ,二度登るバカ」とも言うが,また登ってみたいと思う.
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