【八峰作戦】八海山(薬師岳〜大日岳〜入道岳)・五竜岳・阿寺山
- GPS
- 09:49
- 距離
- 19.1km
- 登り
- 1,799m
- 下り
- 1,809m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
道の状況: 濡れ場で滑る、落ち葉で滑る、ガレ場で滑る、岩場(湿っていた所のみ)で滑る、とにかく滑る。 滑らせてよいのは片足まで。上りも下りも気をつけないと転倒・尻餅・滑落の危険あり。鎖場自体は、手足のホールドが豊富。八海山というと屏風道・八ツ峰の鎖場が取り上げられることが多いが、鎖の無い岩上りも結構あることに留意。 登山ポスト: 二合目登山口にあり。登山カードの用紙は切れていた。自前で用意すべし。 下山後の温泉・飲食店: 今後の課題 |
写真
感想
秋の日の澄み渡った青空、エキサイティングな山稜歩き、鮮やかな紅葉、最高の展望、とっても気持ちのよい一日。山への別れの挨拶は、いつも「ありがとう!」。
※呼気からアルコールが抜けても、血中からはまだ抜けていない場合があるので注意!
火曜日に天気予報を見ると、土曜日は新潟方面晴れそうだ。今の今まで週末の晴れに恵まれなかったが、ついに来たか。他の方の山行記録でもよくあるが、「八海山で八海山」をやりたいと、夏の初めに八海山純米吟醸2本とアルコール検知器を買い、どのくらいの時間でアルコールが呼気から抜けるのか実験を今夏の「川乗谷・日原鍾乳洞散歩」でやって、あとは本番をいつやるかと機会をうかがっていたのだ。
今年中の決行はもう無理なのではないかと半ば諦めかけていたが、晴れの予報に接し、俄然色めき立つ。だが、「女心と秋の空」ということわざもある。ぎりぎりまで見極めよう。木曜日に当日の晴れは確実とみて準備、金曜夜、仕事は定時で切り上げて一路関越道を新潟へ。途中、水上から谷川岳の辺りで結構な雨に降られ、ラジオニュースでは魚沼は濃霧注意報と報じ、これはまずったかと思ったが、新潟に入ると雨はなく、八海山麓も満点の星空だった。星がたくさん見えるだけでなく、何だかでっかく見える。
ここ、八海山においても深夜わざわざ外に出てしゃべりまくる、しょーもない人々の安眠妨害を受けたが、それにもめげず睡眠は十分とることができた。
八海山スキー場駐車場は「17時30分まで」と看板にあったので、その手前の広い転回場に停めたのだが、やはり登山口までは結構ある。二合目登山口まで車を移動して歩行距離も短縮しようと発進したまでは良かったのだが、初めて来た者の哀しさ、まだ日の出前、暗い中場所がわからず、元の場所に引き返す。その後、寝ている間にどこかに行ったカードケースを探したり(出発を遅らせるわけにいかないため捜索断念、帰着後無事発見)して0530時発予定のところ0543時出発。
二合目登山口は、先ほど引き返したところから、さらに数百m先にあり、十台弱の車が停まっていて、まだ若干の余裕があった。八海山に至る登山道の案内板を見たのち、いよいよ山の中へ。ほぼ同時間帯に出発したのは、他に概ね3〜4名。
最初に屏風沢を渡渉した後は、なだらかな山道を小さな沢をいくつか渡りながら上っていく。四合目まで到達すると水場分岐。そちらに行くと屏風沢にぶち当たって上流に大きな滝を見上げ、下方に霧の海を見下ろす。
四合目を過ぎた辺りから鎖場が始まる。何mも登る箇所もあるが、周りが草木だからか恐怖感はさほど無い。ホールドも十分なので、落ち着いてゆっくり行けば大丈夫。鎖の無い岩場もあるので、そういったところをより慎重に。
五合目辺りから紅葉見頃となる。しかし、太陽がまだ稜線の向こう側にあるので、しばらくは色鮮やかではない。摩利支天の前後から陽光が稜線を超えてきて、赤や黄色に染まった木の葉を照らし、紅葉は鮮やかな煌きを見せる。
覚悟を決めて臨んだからか、ほぼ難なく鎖場を越えて、稜線の一端に出ると八海山避難小屋・千本檜小屋が小さく見え、間もなく八ツ峰の取り付きに至る。
薬師岳で小瓶を遂に開封。以降、ピークに到達するたびに一口から二口あおる。東には駒ヶ岳から中ノ岳に至る稜線、西には霧の立ち込めた越後平野。非常に素晴らしい光景。小屋に戻ってトイレを借用した後、いよいよ八ツ峰の稜線にトライだ。
一通り歩いてみた感想としては、「怖い」というよりも「楽しい」。屏風道の鎖場は周りが草木だらけだが、八ツ峰の稜線は下まで遮るものがなく、ずっと下の谷までよく見える。もちろん遠景もだ。時折強い風が吹くが体勢を崩させる程のものではなく、気持ちがよい。一度だけ緊張が走ったが、それは崖の傍で携帯が落ちた時だった。大日岳からの下りも後から振り返って「あんな所を下ったのか」とは思うが、下りたり上ったりしている時は、ただただ楽しい。
不動岳と大日岳の先に「ここから先は…」という画像にもある看板があるのだが、岩を下りてきて、二つ目の看板を見たときは、「ああ、これで最危険地帯は過ぎたんだな」と名残惜しくも、どこかしらホッとする。やはり楽しみつつも緊張しているんだなあと思う。
入道岳に着いて大休止。八ツ峰の稜線を眺めると、続々と登山者が現れている。せっかく見晴らしが良いのだからゆっくり来りゃあいいのにとは思うが、山行には各自個々に目的とペースがあるからなあ。
駒ヶ岳と中ノ岳、そしてこちら八海山側につながる稜線を見ながら残った般若湯を飲み干し、昼食をとる。「越後三山縦走…」という言葉が頭を行き交う。百名山踏破に興味は無いが、○○三山縦走には食指が動く。しかし、中ノ岳は非常に難儀しそうだ。八海山に魅せられた私は早くも次はどのような形で八海山を訪れようか考えていた。
三々五々と人の増えてきた入道岳を辞し、後半戦へ。中ノ岳〜五竜岳間の五竜岳近くに見えるピラミッドピークが非常に気になる。荒山かとは思うが、荒山にしては五竜に近過ぎるような。ちょっと足を伸ばしてみようかとも思ったが、近づくにつれ、やっぱり五竜からはそれなりに離れているように見え、時間に余裕も無くなるだろうと大人しく阿寺山へ。「いずれ三山縦走の時に通るだろう」と既に三山縦走が規定路線のような思考。
八ツ峰の岩稜はエキサイティングで楽しかったが、阿寺山への道も、稜線の湿原にいるような感じで楽しい。『風の谷のナウシカ』に出てくるような「金色の野に降り立つ」云々といった感じだ。人通りは少ないようだが、道ははっきりとある。阿寺山付近だけ藪になっているのは何故だろう?それが不思議。
阿寺山以降はひたすら下り。この下りがいかにも滑りやすそうな地面だったりする。下りは勢いがつくだけに最後まで気が抜けないというわけだ。近くに立っている木の幹や枝を掴みながら下りる。慎重に恐る恐る下りるため、最終的に2時間足らずで登山口に至るわけだが、やたら長く感じる。まだ下るのかなあと思い始めたところで一旦沢に出て、ちょうどいいリフレッシュ・気分転換となる。
一旦沢に出れば、後は、沢を歩いたり、沢から外れたりを堰堤が現れるまで繰り返す。堰堤まで着けば登山口はもう近くだ。この先は他の山行記録でもルートどりに戸惑うようだが、最初入道沢の左側を歩いていくと、ピンクリボンのある辺りで、そのまま左側は歩けないので一旦沢の右側に渡る必要がある。しかし、ここからさきはもう大丈夫だろうと言うのか、そこから先は特段河原の石に印など付いていないようである。その後、左側に歩けるスペースのできた辺りで、左側に戻り、河原を歩いて行くというのが正規のルートだろう。しかし、私はちょうど左側に戻ったところで、沢から上がった先に道があるのに気づく。今ではススキが生い茂って道を隠そうとしているが、明らかに車のわだちが残っている。この道はきっと先に続いている。続いていなくても、また沢に戻ればよいと恐る恐る歩を進めるとすぐに道路に出た。正規の登山口とは別の所に出てしまったが、まあ良しとしよう。
最後は、八海山神社にご挨拶の後、八海山の峰々に手を振り、帽を振って別れを告げる。本日は本当に楽しかった。素晴らしい山行をありがとう!と。
というわけで、非常に満足のいく山行であった。唯一心残りがあるとすれば、時間の関係で山行後温泉に行けなかったことだが、それについては、今後時間を十分とって越後三山縦走をやるか、新開道を下りることで時間を作るかして達成したいと思う。
いずれにしても再訪が前提となるが、また来たくなるほどの素晴らしい山だ。深田久弥が百名山に選ばなくとも、私は私の百名山に必ずこの山を加えよう。
〜おしまい〜
【呼気中アルコール濃度】
薬師岳 :0.10mg(飲み始め)
摩利支岳 :0.15mg(八ツ峰の各ピークで1〜2口)
大日岳 :0.20mg
入道岳 :0.30mg(飲み終わり)
五竜岳 :0.20mg
下山開始時:0.15mg
14時時点 :0.10mg
15時時点 :0.00mg
山行完了時:0.00mg
帰京発進時:0.00mg
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