ニセ巻機山
- GPS
- 08:27
- 距離
- 7.7km
- 登り
- 1,124m
- 下り
- 1,113m
コースタイム
11:35ニセ巻機山─13:50五合目─14:45桜坂駐車場 [3時間10分]
天候 | 曇りのち小雪/小雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
清水からの道路の積雪は5〜10cm程度。わだちもあって問題なく通れた。 駐車場は二子沢川の橋をわたってすぐのところ。 暗かったのと記憶が不確かだったことで、橋をわたってからまちがって右の道に入り、工事現場まで行ってしまった。 駐車場には雪がなかった。 料金所と登山ポストは撤去されている。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山ポスト: 山の宿雲天近くの西谷後バス停あたりに冬季登山ポストが設置されるというのだが、見つけられなかった。 桜坂駐車場の登山ポストも撤去されていたため、登山届が提出できなかった。 何もしないよりはいいだろうと、用意してきた登山届をビニール袋に入れて車のワイパーにはさんだ。 登山届は、警察に提出すればよかった。 今確認してみると、いつのまにかメールでも提出できるようになっている。 http://www.police.pref.niigata.jp/osirase/sangaku/keikakusyo.html 雪の状況: 樹林帯の雪はくさった状態だった。 ツボ足で、五合目まではくるぶし程度。時々ひざまでもぐった。 六合目までは足首かふくらはぎ程度。二度ばかり股まではまった。 六合目をすぎたところで降参して、ワカンジキをつけた。 もっと早く、岩が露出していなくなった時点でつければよかった。 森林限界を越えると、雪がどんどんしまっていった。 ニセ巻機山の急斜面では、ワカンジキがほとんど沈まなくなった。 気温はそれほど低くないので、ワカンジキのキックステップで登ることができた。 ニセ巻機山の下りでは、ワカンジキだとトラバースができないので、12本爪アイゼンにつけかえた。 危険箇所: ■ガスと急斜面落下 ニセ巻機直下でガスが濃くなり、10メートルほどしか視界がきかなくなった。 足元は見えるのだが、白くてはっきりしない。 コースの方角が変わる1830メートル地点あたりで東側の急斜面につっこみ、足をふみはずして50センチほど落ちた。 凍結などの状況によっては、そのまま急斜面を滑落してもおかしくなかった。 ■ガスと現在位置喪失 ニセ巻機山からは、自分の踏み跡をたどることで確実に下山できるものと思っていた。 ところが、雪がしまっているために踏み跡がはっきりせず、途中で見失った。 それまでたどってきた踏み跡は、その上を歩いたためにわからなくなってしまった。 ガスでニセ巻機山の方角がわからないので、現在位置を推定することもできない。 行動を停止してガスが薄くなるのを待つか、登り返して避難小屋をめざすか迷ったが、結局そのままゆるい尾根を下った。 尾根は二股に分かれている。 急斜面が出てきたらまちがった尾根なので、その西側にあるはずの正しい尾根に移動するということにした。 下ったのはさいわい正しい尾根で、やがて古い踏み跡が見つかった。 |
ファイル |
2012年11月23日午前9時の天気図
(更新時刻:2012/11/24 21:18) |
写真
感想
■初めての雪山
雪の積もり始めた山に登ったのは初めてだ。
ワカンジキをつけたのは2回目。1回目は20年以上前で、それもほぼ平地でのことだった。
アイゼンをつけたのは初めてだ。
ピッケルも購入していたが、持って行かなかった。
実際に登ってみてはじめてわかったことはたくさんあった。
身支度に時間がかかるようになる。
荷物と足がやたらと重くなる。
コースタイムの見当がつかない。
登山道がなくなり、自分でルートを判断しなくてはならない。
視界が利かなくなると動きがとれなくなる。
小さな不注意や判断のミスが致命的な結果をもたらす。
■視界不良対策
行けるものなら、もちろん巻機山まで行きたかった。
実をいえば、たぶん行けるのではないかと楽観的に思っていた。
11時30分という時間でニセ巻機山から引き返したことについては、われながら妥当な判断だった。
しかし、ふりかえって考えると、視界がきかなくなってきた時点ですぐに引き返すべきだった。
下からニセ巻機山が見えなくなった時点であきらめてしかるべきだった。
天気が下り坂であることはわかっていた。
雪山に登る人は、ホワイトアウトに備えて、たとえば赤布をつけた竹竿を用意しているようだ。
http://homepage3.nifty.com/timtam/yukiyukiyuki.htm
私には視界がきかなくなるという状況がまったくわかっていなかった。
■防寒対策
気温については、天気予報のとおり高めだった。
http://megalodon.jp/2012-1123-0353-12/season.tenki.jp/season/mountain/famous100/point-126.html
http://tenkura.n-kishou.co.jp/tk/kanko/kad.html?code=15150009&type=15&ba=hr
ニセ巻機の気温がせいぜい0℃程度、風速は10m/s程度だった。
行動中に寒くなることはなかった。
上半身には、モンベルのミドルウェイトのジオライン・アンダーウエア、ユニクロの薄手フリース、20年以上前の秀山荘のレインウェア。
下半身には、同じくジオラインとフリースに、やはり20年以上前のノースフェイスのオーバーパンツ。
オーバーパンツの上からロングスパッツをつけていたが、下山中の雨のためか、靴下が濡れた。
冷たいというほどではなかったが、足の防寒対策には不安をおぼえた。
ワークマンのフリース顔出し帽が小まめな温度調節に活躍した。
ウールの手袋は、びしょ濡れになったが冷たくなかった。
風の中でオーバーミトンを使ったら、腕が暖かかった。
歩き出したときには厚手のウールのセーターも着込んでいたが、暑くなってすぐに脱いだ。
ウェアをある程度調整したら、暑くも寒くもならないようなペースで行動するのが合理的だと思った。
長く立ち止まったり休憩したりするときには、体を冷やさないように気をつけなくてはならない。
ただし、もっと気温の低いところでは対応できそうにない。
■行動停止・ビバーク対策
吹きさらしで長時間行動を停止する準備が不十分だった。
行動停止という選択肢がないと遭難の可能性が飛躍的に高まるのを実感した。
ザックに入れた荷物の大部分は非常用のものだが、ないよりはましという程度だった。
ぜひとも必要だと思ったのは、持参したヘリテイジのエマージェンシー・ソロシェルターよりも大きなツェルトだ。
■主な装備
スキー用ストック2本・ワカンジキ・12本爪アイゼン
ザック(35リッター)・デジタルカメラ・地図コンパス一式・ポカリスエット(0.5リッター)・行動食(270g)・おにぎり(380g)・ポリタン(1.5リッター)・ヘッドランプ・予備電池・ツェルト・細引き・アーミーナイフ・ホイッスル
ポリ袋(70リッター)・ウールセーター・非常食(640g)・アルコールバーナー・コッヘル・アルコール(200g)・固形燃料・ろうそく・ライター・洗車用タオル・薄小銀マット・スリーピングパッド(90cm)・シュラフカバー・ウォームアップシーツ・フットウォーマー・ウールキャップ・予備靴下・予備手袋・ミニカイロ
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