池口岳-三伏峠
- GPS
- 24:58
- 距離
- 72.7km
- 登り
- 6,907m
- 下り
- 6,358m
コースタイム
01:00 池口岳登山口
06:10 光岳
08:50 茶臼岳
10:40 聖平小屋
12:20 聖岳
15:00百間洞山の家
8/9(日) 11時間 33km +2,500m CT0.61
01:30 百間洞山の家
03:10 赤石岳
04:10 荒川小屋
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05:00 荒川小屋
07:00 高山裏避難小屋
09:10 小河内岳
10:20 三伏峠小屋
12:30 夕立神パノラマ公園
天候 | 8/8 ガス-昼から晴れる 8/9 ガス、西風強い |
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過去天気図(気象庁) | 2020年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
18:10 大島バス停着 ダイヤ通りにはいかない 19:00 池口避難小屋着 |
写真
感想
何の予定も無いまま夏休みに入ってしまったので直感的に行きたいと思った山、南アルプスの南部へ行くことにした。とりあえず衣食住担いで池口岳にGoToよ。3日目に熊-仙丈-甲斐駒-黒戸尾根から下山したかったが2日目の三伏峠で満足してやめた。
8/7(金)
半どんで仕事を終えたら飯田駅へ。中央道に乗ったらすぐ飯田に着いた。近い。駒ヶ根より南だったっけ。飯田駅近くの駐車場にクルマを置いた。16:35発の遠山郷線のバスに乗り池口岳の登山口となる大島バス停へ向かう。以前18時のバスに乗った時もそうだったが今回もバスの乗客は遠山郷から飯田の高校へ通っている高校生だけだった。毎日毎日朝と夕方、片道1時間半もバスに揺られて通学しているなんてすごい。バス停から小一時間歩いて池口避難小屋へ。ここに泊まるのは4度目だ。3年前に池口から鋸まで北上して鳳凰三山から甘利山へ抜けた時の自分のらくがきが残っていた。池口避難小屋には過去3回泊まっているがいずれも秋。真夏に来たのは初めてだった。真夏の池口避難小屋はカマドウマがうじゃうじゃ住んでいてもう大変。退治しても退治しても次々出てくる。ガサガサ(カサカサではない)うるさくて眠れないし顔の上に飛んでくるしもう最悪なので外にテントを張って寝た。秋は快適だが真夏の避難小屋利用はおすすめできない。
8/8(土)
深夜1時に元気に出発。まずは光岳まで1,600m登る。登り標高差だけ見たら羊蹄1回分だが距離があるので長い戦いになる。池口の登りはもう慣れたもの。「加加森山の右折」や「草原は大体北巻き」、「2,381mから先の尾根取り付きは沢筋」を頭に入れておけば間違えることは無い。初めて来た時は右往左往して大変だった。光岳に着いても雲を抜けることは無かった。今日は一日ホワイトマウンテンか。聖平まで下りてきたら水を汲んで大休憩。今年はノーポンチである。よく考えたら東海フォレストエリアは7月半ばから9月はじめ、1年間のうち2ヶ月弱しか営業していない。春も秋も、当然冬も無人なので実はこのエリアでは営業小屋が営業していない状態がむしろレギュラーなのかもしれない。
聖岳に向かって登り始めるとぶわっとガスが溶けて青空が見えた。うおおおお晴れるとは思っていなかった。嬉しい。西風がビュンビュン吹いているが登りはめちゃ暑くて汗だくなので涼しくて気持ち良い。空気は薄くて身体は重いが歯を食いしばって南アルプスのおいしい空気をいっぱい吸い込んで脚を前へ出した。なんだか感極まってきちゃって涙が出てきた。2015年に出張の帰りに友人と茶臼岳に登った。初めて登った本州の山だった。その時に見た聖岳の勇姿が今でも目に焼き付いている。なので聖岳は僕にとっては結構思い入れのある山だ。今年もこの山に会いにくることができて嬉しい。聖岳を登ったら兎、小兎、中盛丸山のラッシュが控えている。僕は時々「この登り返しは兎岳くらいキツかった」と記録に書くことがあるが1年ぶりに登った兎はやっぱりキツかった。さすが本家は違う。百間洞に着いたら今日の行程は終了。荒川まで頑張れそうな気もするが無理はしない。
8/9(日)
荒川前岳周辺は暗闇での通過は危険なので荒川小屋辺りで明るくなるよう逆算して1時半に百間洞を出た。ものすごい濃霧で足元しか見えない。西風は猛烈に強くて体が冷える。コンディションはかなり悪いが先へ進まなければならない。赤石の下りはかなり厳しくて消耗した。荒川冬季小屋に転がり込むと男性が2名優雅に朝食を摂っていた。お湯飲む?とカップを差し出してくれたのでありがたくいただいた。うめぇー。ここ最近飲んだ飲み物の中で一番うまかった。彼らはライチョウの調査のために入山しているそうだ。足輪を付けた雷鳥を探しているらしい。こんな広い山の中で特定の1羽の雷鳥を探すなんて気が遠くなりそうな仕事だ。
一休みしたら辺りが明るくなってきたので気合を入れて中岳へ。稜線の風はやっぱり強くてメンタルとフィジカルをガリガリ削られる。水と行動食をガブガブ投入して気合を入れて小河内岳へ。西側のハイマツ稜線は強風がダイレクトに当たってもう泣きそうだった。ここでぶちっと集中力が消れた。もうあかんわ。塩見は越えられない。そうと決まれば下山だ下山。三伏峠小屋でちょうどテントを畳んで帰る支度をしている単独の男性を見つけたので元気よく「下界まで乗せてください!!」とお願いするとすんなりOKをもらった。その後は楽しくおしゃべりしながら一緒に下山して温泉入ってご飯食べて飯田駅まで送ってもらった。上は8月とは思えないほど寒かったが下界は35度の猛暑日だった。どうかしている。こんな気温で駅までロードジョグしたら足の裏が死んでいただろう。ありがとうございます。
ただでさえ人の少ない南部だが今年は営業小屋が休みなのでもっと少ない。入山している人はガチっぽい人ばかりだった。こんな静かな南アルプスはもう二度と来ないだろう。力のある人はぜひ。
と思ったが「秋が早めに来た」と考えれば別にプレミアムは無かった。
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