篭坂峠ー弘法山 途中敗退(すべては神の思し召し)
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- GPS
- --:--
- 距離
- 39.8km
- 登り
- 1,940m
- 下り
- 2,820m
コースタイム
天候 | 晴れ→未明に少々雪 スタート時−1℃ 最低−3℃ 稜線では風が2〜3mぐらい |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
15:37→16:08 御殿場駅からバス 御殿場駅−篭坂峠(40) 17:10−17:50 http://bus.fujikyu.co.jp/line/jikokuhyo/13.html |
コース状況/ 危険箇所等 |
・篭坂峠から石保土山の辺りまで登山道に雪が積もっていました。 |
写真
感想
当初の予定は日没(16時半)に篭坂峠を出発して丹沢を縦走して弘法山まで日没までの24時間で到達できるか挑戦というものでした。
あわよくば鍋割山へ寄ってスタンプラリーも完成させてしまおうと。
さてさて実際は・・・。
自宅を出発した時から何か変だった。
思ったより準備に手間取り一時間遅れて自宅を出発(→昼寝の時間がその分減る)
車で伊勢原駅の直前まで来たときに、この日の為に買った赤いジャケットを自宅に忘れた事に気がついて取りに帰る。(往復2時間のロス、昼寝なし決定)
寝られなくても眼だけでもつぶって休ませておきたかったので電車に変更して出発。伊勢原駅でお風呂セットをコインロッカーへ入れる。
新松田へ着いた時に伊勢原駅にストックを置き忘れた事に気がついて取りに戻る。イタタタ・・・。
御殿場線が一本遅くなり16時半登山口到着予定が18時到着になってしまった。
出てくる言葉は「まったく!」「何なの?」ばかり。
何度も何度も翌日に変更しようかと思うが、そのたびに何とか踏みとどまってようやく登山口へ到着。
スタートから気温はいきなり氷点下。さっそくジャケットを着込む。
ザックは新しい軽いのを買ったにもかかわらず、ドリンク類を入れ過ぎてしまいほぼ10kgとなってしまった。重たいザックがちょっと心配になってくる。
前回の失敗から前半は抑えて心拍数を140bpm前後に抑えて余裕を残して歩いたり走ったりを繰り返すが、それでも時間は予定よりやや早め。さらにペースをほんの少しだけ遅くするのにかなり注意を払う。
汗をかいてきた。ジャケットの透湿が追いつかないのか中がぐっしょり濡れて体が冷えてくる。ジャケットを脱いでもインナーの汗は乾かず冷たいままで、寒さもあってまた羽織る。わきの下のベンチレーションもほとんど役に立たない。
すると今度は最近調子の良くない足首にも軽い痛みが出てくる。
ペースは悪くないし疲れも無いけど、不安要素がてんこ盛りでどうもいやな感じ。
いつもは気にならない、ヘッデンに照らされる木枝の影が生き物に見えてビックリしたり、肩に当たった木の枝が後ろから人に肩を掴まれた感覚にそっくりで、驚いて大声を出してしまったり。こんなことも初めて。
そんなこんなで5時間ほど進んで菰釣山避難小屋へ到着。体が冷たかったので中に入ると寝ている人がいてビックリされた。当たり前か、夜の10時過ぎに人が来れば・・・。(お騒がせしてすみませんでした)
本当はまだ飲む予定ではなかったお湯を半分飲むと食欲が湧いて羊羹を食べられた。しかしこれでお湯はあと半分の100mlだけ。朝までもたない。
とりあえず出発するが、これまでの不安要素が一気に噴出して心を覆う。
昼寝が出来なった影響か、ペースがきつくなってくる。心拍数も簡単に150bpmを超えはじめる。というか、そもそも時間ばかり気にしていることがつまらなくなってくる。
やっぱりやめようか。
今日何度も襲ってきたこの感覚。
登山口に着くまでに使い切ってしまった、ここから巻き返す気持ちはもう残っていなかった。驚くほどあっけなく下山決定。
といってもまだ夜中の12時前でしかも山のど真ん中。
道志へ降りてもバスが無いので、ちょっと遠いが西丹沢へ降りることにする。
水はある(不必要なほど)、食料はある、怪我している訳ではない。
慌てる必要はない。ゆっくり進んで城ヶ尾峠に着くがそれでもかかった時間は当初の予定通りなのでちょっと驚いた。
畦が丸避難小屋で緊急用に持っていたインナーとシャツを着替え、ダウンをジャケットの上に着たらやっと体が温かくなった。ホッカイロもお腹に貼る。
ここでも小屋で寝ていた人を起こしてしまう。そりゃ夜中の12時過ぎに人が来れば・・・、ほんとスミマセン。
こんどは汗をかかないようにゆっくり西丹沢自然教室へ降りて行く。(大滝沢方面は通った事がないので遠回りだが西丹沢自然教室へ)しかしこのジャケット、内側がしっかり防水してあるかのようにすぐに湿気がこもる。ニセモノか?という思いが何度も頭をよぎる。
雪が舞ってきてガスも出てきた。少し緊張しながらコンパスを何度も確認し、2〜3回通った事のある道を慎重に進んでいく。既にアクシデントは一つ起きている。もう一つ起こしたらまさに致命的。
長い時間かかってやっと自然教室へ到着。そうはいってもまだ深夜3時。
じっと待っていても寒いし始発バスは7:11。銀シートにくるまっていれば朝の賑わう登山客の中では目立ってしまうしさすがにちょっと恥ずかしい。
丹沢湖まで歩けば、もう少し早いバスがあるかな?谷峨駅まで歩ければ早い時間の電車に乗れるだろうと道路を歩きはじめる。
アスファルトの上はやはり足首にくる。嫌な感じがしながらも単調に足を動かすマシーンと化す。ところがブナの湯あたりでこのポンコツマシーンは早くも眠気が襲ってきた。半分寝ながら歩いていて雨も少し降ってきたので、屋根のあるバス停で銀シートにくるまって横になる。30分ほどで寒さに目が覚めそれ以後は寒くて寝ていられない。残っていたホッカイロを足先、手、背中に貼るが震えが出始めてそれでもまだ寒い。
山の中だったらヤバかったなと思いながら、水はある、食料はある、自販機もこの辺にある・・・はずだ。と思うとじっと寒さに震えているのが馬鹿らしくなって歩きはじめる。雨もやんでいた。
歩き始めてしばらくすると、夜が明けて明るくなってきた。しかし雲が多くすごい速さで流れている。こりゃ今日の天気は良くなかったかなと思いながらバス停を次々に通り過ぎていく。歩きながら色々なことを思いだす。
もし忘れ物をしなければ、もしストックを忘れなければ、そして予定通り16時半にスタートしていたら、もう1時間半山の中で寒い時間を過ごさなければならなかっただろう。
いやもし体調万全で蛭ヶ岳まで行けても、残雪と強風で大変なことになっていただろう。そもそも寒くてもずっと走り続ける体力は初めからなかった。
やはり最初からこうなる事になっていたのだろう。
棚沢キャンプ場前のバス停で20分ほど待っていると新松田行きのバスが予定通りやってきた。
おしまい。
使用レポ
パールイズミのフェイスマスク(3,500円)
思ったより軽い。薄手の柔らかいフリース生地のようなもの。口の部分が膨らんでいるので口紅を塗っていても大丈夫(塗らないけど)。口が少し開いて飲み物が飲めるが、行動食を食べるのには穴が小さい。結局マスクを全部外してしまう。これならワークマンの1,000円ぐらいの顔を覆うフリースでも一緒だと思った。
パタゴニア トレントシェル 160$
色に惹かれて買ったが、もしかしたらトレランしながら着るようなものじゃないかもしれない。汗の蒸発スピードに生地の透湿が明らかに追いついていない。せっかく気に入っているのにちょっと涙目。
ウルトラアスパイア ザック 150$
700gと軽量はいい。ウエストベルトとチェストベルトが普通のバックルではなくホックを引っかけるような構造の為非常に使いにくい。また背負いながらきつさを調節できないので×。
耐久性も低そうなので恰好だけでしょうね。
お湯
わざわざ200ccだけ保温水筒に入れて用意した。食欲が無くなってもお湯を飲むと固形物を食べられた◎。ただどうしてもぬるくなってしまうのが難点。出発してから12時間ぐらい持たせられればいいが、これ以上は重たくて難しい。
次回への対策
ウェア ソフトシェルで完璧な透湿対策が必要(ウールのセーターは?)。ダウンベストで防寒対策。毛糸の帽子。-5℃に対応
持ち物 バーナー(小)でお湯作成、
前半は固形物を摂取、胃腸に負担がかかるためゼリーは後半にしておく。
カレー粉、100均ミニラーメンがいい。
チャレンジャブル!
残念でしたが、文章が良かった。読ませますね。
kohi-さん、こんにちは。
スタートまでで1本のレコになりそうですね。
この時期にこのルートを企画・実行する勇気が凄いです。
私も12月中に24Hを1本行こうかなと思ってますが
夜間が14時間はありますからね。
道路かな・・・・・
以前、westmalleさんがコメントで長距離屋というのを
使われていましたが、kohi-さんも仲間入りですね。
自販機のほっとドリンク、あの暖かさは何物にも
代えがたいですよね。
頬をスリスリしたことあります。
jpさんこんにちは。
いつも文章が長くなってしまいます。
簡潔にまとめられればいいのですが難しいですね。
次こそは
kohi-さん、こんばんは。
「まったく」「何なの」には共感してしまいました
こういうことって、あるんですよね。マンガみたいに。
この時期、寒波が来るってときに、丹沢24Hに挑戦しよう
とは、取り憑かれてますね。
人のこと言えないだろって、ごもっともです
気持ちが後ろを向いたときは早めに引き返すのが正解ですね。
お疲れさまでした。
そういえば、第1回の丹沢24時間の時にも、コンビニにストックをお忘れだったような、、、
Kohi-さん、忘れ物するようなイメージがないだけに、微笑ましいというか。
これからも、どんどんチャレンジしてくださいね
millionさん、こんにちは。
大変だと予想する箇所が違っていました。思ってもいないところが引っかかりました。
夜間が長いのも思ったよりきつかったですね。太陽が出ないとモチベーションも上がりませんし、気温も上がりませんし。0時スタートというのは理にかなっていますね。
長距離屋ですか。原理主義者に比べるとインパクトに欠けますね
何かカッコいいのを命名してください
millionさんの24h、私の分も成功させてください
BBCさん、ご無沙汰しております。
やり場のない憤りが、マッタク! ナンナノ!
と連呼させます。結構精神を消耗しますね
寒波が来るって知りませんでした。情報収集不足ですね
冬になってヤマテンも解約してしまって・・・
BBCさんもお疲れ様でした。
ご無沙汰しています。lonさんのコメントもちらほら見かけるようになり少し安心しています。
だいぶ良くなられているようですね。良かったです。
忘れ物は微笑ましいレベルをはるかに超えてます
毎回必ず何かしら忘れます。リストを書いても、目の前にあっても忘れます。今回は出発直前に、座ってお茶を飲んで一息ついても駄目でした。はぁ
挑戦は、出来るか出来ないか、ギリギリたぶん出来る「だろう」というのを攻めて行くのが楽しいですね。
今回の敗退が次回の成功の感動をさらに大きくさせると思います。がんばります
kohi-さん こんばんは
millionさんも言われてますが・・・
この時期に24時間計画凄いですね。
夜も長いし、寒さも。
色々あると良いモチベーション、難しいですね
でも挑戦楽しみにしてます
避難小屋で寝ている方は吃驚するでしょうね
kankotoさん、こんにちは。
−5℃ぐらいまでは予想してましたが、ウエアが失敗しました。汗びしょで冷えるとは
検証すればするほどパタゴニア失敗だった・・・
12時間エイドなしもきついですね。荷物が重くなるしで。しかしお湯を確保できれば行ける気はしました。
あとは西丹沢にセルフエイドポイントを作るか。
菰釣山避難小屋では、窓からちらっと中を覗いて何も見えなかったので、勢いよくドアを開けたら人がいて・・・、声出して驚いていました。ホントスミマセン
畔が丸ではゆっくりドアを開けました
kohi-さん、こんばんは。
皆さんおっしゃってますが、この時期にチャレンジするとは。
本当に、お疲れ様でした。
今の季節にナイトハイクすると、夜明けが限りなく遠くて泣きそうになります。
kohi-さんも粉飴使ってましたか。
こっちのほうが安くて便利ですよね。
一般的には2kg入りのマルトデキストリンが売れてるようですが。
westmaleさん、こんにちは。
ドリンクを減らして固形燃料持って、フリースで行けば完走できたと思います
考えれば考えるほど・・・
良い経験だと思って次回に生かします
粉飴、あまり深く比較しないでブログで見たのをそのまま購入しました。
粉末レモンと合わせれば、粉の状態で持って行って途中でボトルに水と投入すればかなり軽量化できますよね。(非常食にもなりますし)
ただ作りすぎて飲みきれず、捨てることも多々
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