黒部五郎岳・雲ノ平・薬師岳(往復新幹線利用、折立in/out)
- GPS
- 29:22
- 距離
- 53.3km
- 登り
- 4,050m
- 下り
- 4,030m
コースタイム
- 山行
- 3:30
- 休憩
- 0:08
- 合計
- 3:38
- 山行
- 10:53
- 休憩
- 1:16
- 合計
- 12:09
- 山行
- 8:33
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 9:43
天候 | 毎日午前中は快晴、午後は雲が出るものの、降雨はなし(二日目に一瞬天気雨)。 朝の気温は10-12度程度、日中は20-25度ほど(体感的にはもっと暑い)。 |
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過去天気図(気象庁) | 2020年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰りは同ルート。バスは9時、11時のみ。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
折立に登山ポスト無し、太郎平小屋で提出。折立の駐車場付近は人慣れした熊が出没するらしい(テント場は閉鎖中) コースは大変良く整備されてるが、薬師沢への下りが滑りやすいので注意。 |
その他周辺情報 | 立ち寄り湯 満天の湯(750円) 地鉄不二越駅の隣。9時発のバスだと乗り継ぎ良く到着できる。 |
写真
感想
職種的にお盆には休みが取れず、翌週に取れた5日間の連休。折角ならば長期縦走したいと思いつつ、このコロナ禍で自分の中で課した今年の制約、「夜行バスには乗らない」「小屋泊はしない」を守ってどこだったら行ける?と探してみると、北アルプスの最奥部、薬師付近はテン場の制約が全くない。そして、折立ならバス便もある。ここで新幹線利用の折立in/outを軸に、できれば雲ノ平に行きたいし、折角なら百名山にも・・・とヤマタイムで試行錯誤すると、反時計回りであれば全ての条件を満たすコースがあることが判明。が・・・最終日のバス最終便が11時という制約があり、2〜3日目に日程が凝縮され、2日目に至っては11時間20分のコースタイム。でもまぁ、去年の聖岳・光岳縦走でCT14時間を歩ききれたし、状況によっては途中のテン場が使えるし、予備日だって1日ある。予定通りに進まなくても逃げ道が確保できそう。というわけで、性懲りもなく2年連続で限界に挑戦系の山行計画を立てることになった。
初日:多少雲はあるものの、文句なしの晴れ。樹林帯のうちは良いが、森林限界を超えてからが暑かった。この日のトピックは、登山相談所での計画書提出。単に紙を出すだけだと思っていたら、係の人がチェックしてくれている。雰囲気を察して「明日は"できれば"雲ノ平まで行きたいんですよねー」と先手を打つと、あっさり「無理」の一言。折立から太郎平小屋までの所要時間を問われ、約3時間半と答えると「なら三俣までね」と言われる。まぁ、普通はそういうよね・・・と思いつつも、実際問題雲ノ平まで到着するまでに天候が崩れてしまうのではという懸念もあり、この時点では「三俣での停滞」が現実味を帯びていた。とはいえ、雲ノ平まで行けないと3日目に予定している薬師岳登頂は不可能になるはず。結局明日はどうするか確信を持てぬまま、就寝。
二日目:翌日2時半に起きると、満天の星空。ここでSCWをチェックすると、やはり午後12時ごろから天候が怪しくなるとの予報。前日の予報でも午後から崩れるとあったので、出発を30分早めて4時スタート。薬師峠から黒部五竜岳方面はしばらく木道が続き、暗闇でも迷うことはない。4時半を過ぎるころには徐々に明るくなり、やがて夜明けを迎える。これ以上ない快晴で、少なくとも黒部五郎岳は最高のコンディションで登頂できそうだとワクワクしてくる。が。太陽に直接照らされる森林限界の上、完全無風で、歩いていると熱波の塊すら顔に当たる。明らかに、いつもよりも歩が進まない。黒部五郎岳登頂の時点で、30分間の貯金を10分ほど使っていた。山頂からは、素晴らしい景色。槍ヶ岳、穂高岳のほうも良く見渡せる。時間に余裕があればのんびりしたいところだと思いつつ、先を急ぐことに。黒部五郎のカールを歩いているあたりで、なんと同じ山岳会の後輩と遭遇。計画が出ていることは気が付いてたけど、ルートですれ違う可能性までは考えてなかった!嬉しい出会いに喜びつつ、更に歩を進める。黒部五郎͡小舎を過ぎたあたりで微妙に東風が吹き始めて、歩くペースが普段と同じくらいになる。暑さでこれほどまで歩くペースが変わるのか・・・と改めて実感する。この頃からヤリホ方面は完全に雲に覆われていた。そして、予定より若干早めに三俣小屋に到着。ここで三俣にとどまるか、雲ノ平まで進むかしばし悩む。体力的にはあと2時間ほどは大丈夫そう。天候は・・・天気図から想定されるとおりに東風が吹き、雲はヤリホで堰き止められている。5時半にチェックしたscwでもヤリホの西側は晴天になるとの予報だったこともあり、そのまま雲ノ平に進むことにした。ここから雲ノ平への登りは再び無風になり、時折雲に太陽が隠れるのがありがたく思えるくらい。このままだと熱中症もありえる?との不安も出てきて、あまり無理をせず、水を多めに取って登っていく。そして、雲ノ平に到着。途中で日本庭園などへの分岐があるが、とても立ち寄る余裕もなく、まっすぐにテン場を目指した。ああ、ここはきっとのんびり泊まって景色を楽しむところで、駆け抜けるような場所じゃなかったんだなぁと思いつつ・・・。そしてやっとテン場に到着。さすがにコースタイム11時間20分、黒部五郎の肩でデポして山頂を往復した20分間を除いて全て全荷、しかも休憩込みでコースタイムの0.9倍で歩かなくてはならないのはキツかった(よく考えると、昨年12時間弱行動した時も5時間半はテントをデポってたんだから、全荷の最長記録更新・・・)。テントを張って一息つくも、テントの受付とビールの販売は雲ノ平小屋なので、更に片道20分を往復しなくてはならない。空身とはいえ、残業をしているような気分になる。ビールは冷えてなかったけど、教えられたように水場で冷やしたら、キンキンに冷たくなった。この日の夕食は、絶対に疲れ切っているだろうからと予想して持ってきた贅沢品、鎌倉ハムの豚角煮を使って作った角煮丼。これがビールにベストマッチで、素晴らしい美味しさ!明日への良いパワーチャージになった。
三日目:この日はコースタイム通りに歩ければ問題ないので、余裕あり。2時45分頃に起床。新月に近く、かつ小屋の明かりすら全く届かない場所だけに、天の川がくっきり見える。昨日の残りの角煮でラーメンを作り(これまた絶品)、予定通りに4時半に出発。歩きはじめるころには徐々に明るくなり、素晴らしい雲ノ平の朝の光景を独り占め(写真だとよくわからないのが残念)。一旦薬師沢小屋に降り、黒部の源流に注ぐ小沢を楽しみつつ、太郎平に登っていく。この日も素晴らしい快晴で、登りが辛い・・・が、あまり薬師岳登頂が遅れると天候が崩れるんじゃないか?と予想していて、気持ちは焦る。実際、昨日と違って西風が吹いていて、雲が徐々に出始めていた。薬師峠でテントを張り、荷物をデポって急いで山頂を目指す。時折山頂が雲に隠れて焦ったものの、幸運なことに山頂到着時は視界良好。雨が降り出す雰囲気もなく、3日目にしてやっとのんびりと山頂時間を過ごすことができた。見渡すと、ヤリホ方面には稲光が見える。西風が吹いて雲が沸き上がってるのにこちらは降らないのが不思議なくらい。結局この日は全く降られることもなく、素晴らしい夕陽を楽しむことができた。
最終日:この日は真夜中に目覚めてしまい、顔をテントから出して星空を楽しんだりしていたが、1時半を過ぎるころに寒さでいよいよ眠れなくなった。小腹も減っていたので、真夜中に味噌汁を作って飲むという初めての経験。体の芯を温めて、壁際に寄ってしまってたマットを直したら、やっと寝付くことができた。翌朝、3時15分起床。テントの撤収前に夜露を拭いていたら、自分のペグを蹴っ飛ばしてしまい、隣の人を巻き込んで大捜索。結局3mほど離れたところに落ちてるのを出発直前に隣の人が見つけてくれて、無事に手元に戻ってきた。本当にありがとうございました!!撤収後は、ひたすら初日に登ってきたコースを下っていく。雲海を眼下に眺めながら歩くのが楽しい。下りだから余裕でしょ、と思ったら、土曜日だけに登ってくる人が多くてなかなかスピードが出せず、ほぼ予定通りの時刻に下山。
当初土曜日は崩れる予報だったが、実際はまたもや快晴になり、結果的に行程中ずっと晴天に恵まれた山行になった。この時期にこれだけ晴天がもつことは少ないので、ラッキーだったとしか言いようがない。この行程がコンプリートできたのも晴天に恵まれたからで、天候が崩れたらそうはいかなかったろうなぁ。今回は交通の制約で滅茶苦茶詰め込んだ行程になってしまったけど、雲ノ平はじっくりと楽しむ場所だったんだろうなと思う。いずれは高天原温泉への行程も含め、再訪してみたい。
【備忘録】
・最終日の夜間、寒くて眠れなくなったのは、横に斜めになってるところにテントを張り、寝ているうちに体が壁にくっついてしまったのが理由と思われる。今度そういうときは、下側に荷物を固めて落ちないようにしよう。。
・カレーメシを作るとき、ちょっと水を少なめに作って混ぜ、あとで沸きたてのお湯を足すと柔らかさの調整がしやすく、しかも暖かさが保たれる!これは発見。
・今回炊飯時は0.7合。一食分としてはちょうど良い。水はリペットの下にあわせるとちょうどいい。
【食料】
[1日目] 朝食 明太昆布おにぎり(180)、セサミチーズウインナパン(320) / 行動食 赤飯おにぎり(230)、フレンチトーストパン(300)、ヨモギ蒸しパン(230) / 夕飯 クリーミーバターチキンカレー(750)
[2日目] 朝食 ハヤシメシ+ミックスビーンズ(500)、ヨモギ蒸しパン半分(115) / 行動食 ヨモギ蒸しパン半分(115)、ウインナマヨパン(400)、豆パン(430)、柿ピー少々 / 夕食 角煮丼+担々スープ(900)
[3日目]朝食 角煮味噌ラーメン(600) / 行動食 チョコチップメロンパン(600)、ランチパックツナ(300)、アップルシナモンケーキ(360)、ドライフィグ2個(50) / 夕食 チーズハンバーグパスタ(600) / 夜食 ナスの味噌汁(40)
[4日目]朝食 カレーメシ+コーン(500)、ドライフィグ3個(75) / 行動食 ミニ羊羮、チョコケーキ(360)
毎度ながらに行動食の量に迷ったので、後の参考に書き出してみた(カッコ内はkcal)。持っていくときは「ちょっと多い?」と思ったけど、実際は「腹具合的にはちょうど良い」といったところ。ただ、行程にしてはカロリーが足りてない気もする。今回の場合、ガチで予備日を使う可能性あったので予備食を2回分持つ必要があり、重量的にはキツかった。が、この暑さでは柿ピーみたいなカサカサしたものは食べれたものではなく、重量とのバランスは難しいところ。
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