中央アルプス 宝剣岳から空木岳まで縦走
- GPS
- 445131:10
- 距離
- 20.8km
- 登り
- 1,318m
- 下り
- 3,109m
コースタイム
- 山行
- 6:52
- 休憩
- 0:49
- 合計
- 7:41
- 山行
- 4:48
- 休憩
- 1:20
- 合計
- 6:08
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
深夜バス(毎日あるぺん号):竹橋→菅の台バスセンター タクシー:菅の台バスセンター→しらび平駅 ロープウェイ:しらび平駅→千畳敷駅 ■復路 路線バス(伊那バス):菅の台→女体入口 高速バス:駒ヶ根インター→新宿 |
コース状況/ 危険箇所等 |
宝剣岳を含む空木岳までの稜線は、岩場も多い為ヘルメットとグローブの持参が望ましい。 |
その他周辺情報 | 下山後は、菅の台の「早太郎温泉こまくさの湯」で入浴。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
ザック
ザックカバー
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
調味料
飲料
ハイドレーション
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
予備電池
ファーストエイドキット
常備薬
保険証
携帯
携帯用充電器
時計
タオル
ストック
ナイフ
カメラ
ヘルメット
携帯トイレ
シュラフカバー(小屋からの持参推奨)
|
---|---|
共同装備 |
計画書
|
備考 | 小さなアルコールスプレーがひとつあると安心 |
感想
昨年も悪天候で中止となった空木岳への縦走。今年も何かの縁なのか、台風14号の動向を気にしつつ当日を迎えた。
土曜日の23時00分。深夜バスに乗り込んだ時にはまだ東京は雨の中だった。
天気予報によると台風は逸れ、風も弱まるとの事だったので、晴天が期待できると思いつつも止まない雨に少し不安を感じていた。
■1日目
早朝4時00分、菅の台のバスセンターへ着くと雨はすっかり上がっていて、雨量規制のかかっているしらび平駅へ続く林道の通行止めの解除を待つばかりだった。
6時00分には通行止めが解除となり、予約していたタクシーでしらび平駅へ。改札前に一番初めに並ぶこととなった(タクシー代:4,440円)。
雨の降った後は空気が澄み、「山が近い」とタクシーの運転手が話していた。
ロープウェイの始発は7時00分。7分30秒で千畳敷駅まで上がる。
千畳敷駅の外へ出ると、見慣れたカールの姿が目に飛び込んでくる。思えばおよそ45年ぶりにここへ立つのだが、それでも懐かしさを感じる佇まいだった。
初めから飛ばさないように気を付けながら乗越浄土まで約300m程高度を上げる。途中、身軽で元気なふたりの青年に道を譲り、30分かけて乗越浄土へ到着した。スタート時間が予定よりも1時間遅れなので駒ヶ岳登頂は諦め、ヘルメットを装着して宝剣岳を目指す。宝剣岳の頂には先ほど我々を抜いていた青年が見えた。宝剣岳では岩に取り付くと、3点確保を意識ながら慎重に登る。自然と慎重にならざるを得ない高度感が感じられる。15分程で山頂に立った。
ここから、今日の宿泊先の木曽殿山荘までは下り基調なので、眺めの良い稜線をずっと気持ち良く歩けると思っていたが、割とこまめなアップダウンがあり、更に鎖を伴う岩場を行くことも多いので、意外と時間がかかってしまった。もちろん見える景色に心を奪われ、ついつい写真を撮ることに夢中になってしまうのも時間がかかってしまった原因のひとつだが。
濁沢大峰、檜尾岳、熊沢岳と越え、最後の東川岳を登ると残るは木曽殿山荘まで下るだけとなり、ここでストックを取り出した。
下りながらも目の前には、明朝に登る空木岳が難攻不落の城のように立ちはだかっている。それでも「明日は明日の風が吹く」と考え、木曽殿山荘で飲むビールの事ばかりを頭に思い浮かべている内に小屋へと到着した。
小屋へ着くとまずは缶ビールで乾杯をし、夕食用の水を汲むために10分程離れた義仲の力水へと向かった。
木曽殿山荘は今日が今シーズンの最終営業日。2階は片付けてしまったとの事で1階の食堂の奥のスペースで寝かせてもらう事となったが、それでも、ビールを注文するとご主人がおつまみをサービスしてくれたり、食事をしていると塩尻産だというワインをご馳走してくれたりと、最終日もなかなか悪くない。
こんな最終日の宿泊客は我々3人、そして急遽止まる事となったと言うもう一組(ふたりの青年)だけだった。
それぞれ長い行程での疲れが出たのか、全員が20時30分頃には布団に入り、消灯の21時00分を迎える前に眠りについた様子だった。
■2日目
熊鈴の様な微かな音と、遠くから聞こえる人の話し声で目を覚ますと、時刻は03時40分。まだ布団を出るには少し早いが、もう一度眠ることはあきらめてしばらく布団の中でじっとしていた。昨夜仲間が「ここ(木曽殿山荘)は出るらしい」と話していた事を思い出し、さっきの話し声や熊鈴は幻聴だったのだろうかなどと布団にくるまったまま考えていた。
04時30分過ぎに仲間のひとりが起き出したので、同じタイミングで布団から出てバーナーで湯を沸かし、朝食の準備を始めた。
朝食を終え、出発の準備に取り掛かっていると、外が徐々に明るくなってくる。表へ出てみたが、この時期ここからは日の出を見ることができない。空木岳の陰になってしまうからだ。ただ雲海の向こうが紅く染まってくるだけだが、とてもきれいな朝焼けだった。
出発準備を整え、小屋のご主人に挨拶を済ませ06時00分に出発。空木岳山頂までは標高差約350mの登りでいきなりの急登となるが、できるだけ汗をかかないようにペースを落として登り始めた。
およそ90分をかけて山頂に到着。山頂からは雲海に浮かぶ南アルプスの山々やその向こうの富士山、そして八ヶ岳、浅間山が見え、宝剣岳や今まで辿ってきた稜線が見渡せ、槍ヶ岳を含む北アルプスや御嶽山も見えた。やはり山は天気の良い時が良いし、眺めの良い方が良い。
山頂では先に出発していたふたりの青年と互いに写真を撮り合い、彼らより我々が先に下山を始める事となった。
空木駒峰ヒュッテを過ぎ、20分程下ると駒石に到着した。石を“イワ”と読ませるのか分からないが、“イシ”と呼ぶにはあまりに大きすぎる存在感のある石だ。東の方角から回り込むと石の上に登れる事に気づき登ってみた。登ると楽しくて子どもの様にはしゃいでしまう。30分近くも写真を撮りながら遊んでしまった。
ここから15分程下ると森林限界を超え、森の中に入る。少し先でやせ尾根を通り過ぎる時にはそれなりの緊張感があるのだが、ここからは落ち葉を踏みしめながら、比較的単調な登山道を下る事になる。
駒石から120分程で池山の避難小屋近くの水場に着き、水を補給して更に下る。眺望の無い登山道は単調だ。本来はタカウチ場の先の林道の終点からタクシーで下山できるのだが、工事による通行止めで今日は菅の台まで歩くしかない。
更に面白味の少ない道を進み、水場から90分程で菅の台のバスセンターに到着。ここをゴールとした。
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