台高テン泊縦走(大又~尾鷲)


- GPS
- 40:09
- 距離
- 70.1km
- 登り
- 5,398m
- 下り
- 5,704m
コースタイム
- 山行
- 5:50
- 休憩
- 0:11
- 合計
- 6:01
- 山行
- 9:00
- 休憩
- 1:18
- 合計
- 10:18
- 山行
- 11:39
- 休憩
- 1:40
- 合計
- 13:19
- 山行
- 10:17
- 休憩
- 1:40
- 合計
- 11:57
天候 | 11:ガス後晴、12,13,14:晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
10/11(日) 1日目 大又〜明神平〜千石山(泊) 12(月) 2日目 千石山〜池木屋山〜池池越(泊) 13(火) 3日目 池池越〜川上辻~大台ケ原ビジターセンター~尾鷲辻(泊) 14(水) 4日目 尾鷲辻〜(尾鷲道)〜JR尾鷲駅 往路: 大阪6:46-(JR,180円)-7:02鶴橋7:09-(近鉄,770円)-8:00榛原8:18-(奈良交通バス,520円)-8:38菟田野8:40-(東吉野村コミュニティバス,200円)-9:30大又 ※東吉野村コミュニティバスは、事前予約必要(0746-42-0441) (午前9時までに出発する便は前日19 時まで、その他の便は乗車時刻の2時間前まで) http://www.vill.higashiyoshino.nara.jp/life/wp-content/uploads/sites/2/2020/03/hycommunitybus_guidance_r2.3.14.pdf 復路: 尾鷲16:56-(JR,1520円)-18:56松阪19:01-(近鉄,1590円)-20:56鶴橋21:00-(JR,180円)-21:15大阪 |
コース状況/ 危険箇所等 |
コース状況: ・大又〜明神岳〜池小屋山 よく整備された登山道。ただし、分岐には注意。 ・池小屋山〜馬の鞍峰〜山ノ神ノ頭〜大台辻 基本、ルートファインディングが必須。 池木屋山から馬の鞍峰は、ヤブ化が進んで道が判りにくい箇所有り。 全般的に、小さなアップダウンが延々と続く。道を外さないように注意。 痩せた岩尾根もあれば、歩きやすい広い尾根もあり変化に富む。 岩や木の根ミックスの尾根はスリップ注意! 三重県と奈良県の県境の尾根を歩くため、境界柱が目印となる。 ・大台辻〜大台ヶ原 筏場道は現在通行止めですが、難所にはロープ等があり通り抜けは可能。 大人のアスレチックコース。 ・大台ヶ原〜尾鷲 尾鷲道はよく整備された登山道。ただし、終盤の古和谷道(渡渉点から 古和谷林道まで)は、悪路のため通行要注意。 地蔵峠に下りたほうが無難かも。 ※古和谷道に残された森林鉄道跡について 路線名:相賀林道 古和谷線 運用:1927年〜1969年 総延長:7.1km 管轄:山林局 ※大台ケ原周辺は、林業が盛んで、森林鉄道が合計14(総延長150km)も 敷設されていたそうです。昭和40年代にトラック輸送に代替され その役目を終えました。(既に廃止後50年が経過しているので、 道が荒れるのも仕方がないか) |
その他周辺情報 | テン場:(○今回利用) ・明神平 ○千石山(南に下る) ・霧の平(P1166の手前) ○池池越 ・ブナノ平 ・振子辻の先 ・引水サコ ・大台辻 ○尾鷲辻(東屋を利用) ・山賊(営林署)小屋跡 水場:(○今回利用) ・明神平 ○千石山(南に下る) ・霧の平(P1166の手前) ○池池越(東に下る) ○ブナノ平(水位観測所裏) ・振子辻の先 ・引水サコ ・大台辻(西ノ谷へ下る) ・金名水 ○大台ケ原ビジターセンター (今回は「心・湯治館」で水を頂いたが、 駐車場のトイレの水も飲料可とのこと) ○山賊(営林署)小屋跡 下山後のお風呂: 銭湯 新生湯 ・料金300円 ・営業時間16〜19時 ・水曜日定休(;_;) 地図: iphoneのヤマレコアプリにて地図データ持参。 ピークごとに進むべき方向を確認すべし。 長い尾根を間違いなく進むには、GPSが必須と思われる。 参考にさせて頂いたnanfutsuさんのレコ: 「台高縦走(高見山〜明神平〜池木屋山〜大台ヶ原まで58km)」 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-466344.html |
写真
感想
いよいよ台高縦走にチャレンジのときがやって来ました。nanfutsuさんのレコを拝見してから、いつか歩いてみたいと計画を温めていました。
お呼びでない台風14号のおかげで、直前まで対応に追われる。結局、当初計画から1日短縮し、出発日を台風通過後の日曜日に変更。この縦走路は、エスケープが困難なため、一度踏み入ると最後まで抜けるしか無い。距離は長いが、途中、避難小屋もなく、テン泊縦走が基本となる。屋久島と並び、日本屈指の多雨地帯で知られる大台ケ原では、天候に要注意だ。(昨年は、天候の読みが外れて、池木屋山で引き返すことになった)
以下、道中記録です。
◆1日目:大又〜薊岳〜千石山(泊)
コミュニティバスで大又に移動。バスの運転手さんから台風による雨は少なかったことを聞く。増水してなければ明神谷ルートもありか?と考えたが、大事を取って薊岳ルートから登ることを決めた。笹野神社は、地域の方が掃除の最中でした。まずは、土地の神様に、道中安全をお詣り。「これから天気は良くなるよ。」とおっちゃんにエールをもらう。神社の脇から歩き始めた。
急登を詰めて薊岳へ。女性2名のパーティがランチ休憩中でした。そこに、途中で追い越した、女性10名ばかりの団体さんも登ってきた。このパーティは、今日は明神平へは寄らず、ここで引き返すと伺った。大又から明神平へ登る谷道は、途中が崩れて通行止め(人は通行可)だそうだ。折角、頑張って縦走路に乗ったのに、すぐに引き返すのはもったいない気がした。(山深い台高山脈。人と会うのはここで最後で、大台ケ原に抜けるまでは、誰とも会うことは無かった)。
前山を過ぎた辺りで、ランチ休憩。湯を沸かしパンとコーヒーを頂く。周囲はガッスガスだが、台高らしい光景だ。明神岳を越え、笹ヶ峰へ。ここまでは、以前に一度歩いたことがあるので、地図も確認せずにテープを追っていた。ここで、いきなりルートミス。
千石山に着いたと勘違いして、斜面を適当に南に下りて行く。古いテープもあったので、暫く間違ったことに気付かなかった。だいぶ下りた所でGPSで確認してびっくり。登り返した。(ここで反省。以降、基本に忠実に、ピークでは地図を確認してから下りた)
明るいうちに、千石山南に到着。ここでテントを設営し、水を汲んだ。夕方、ガスが晴れて、お日様が顔を出した。嬉しかった。明日も晴れることを願って、早めに就寝。
◆2日目:千石山〜池木屋山〜池池越(泊)
3時半起床で5時出発。ヘッデンを点けて歩き始めた。朝日が昇り、登山道がモルゲンロートで真っ赤に染まる。天気は良さそうだ。(予報では午後から雨模様だったが、実際には降らなかった。ラッキーでした)。
まずは、池木屋山に到着。池木屋山から先は、テープもまばらで本格的なルートファインディングが必要となる縦走路。ここからはヤマレコアプリを起動して、GPSで地図を確認しながら進んだ。池木屋山からの下りは、ヒメシャラの幼木の間を進む。余り人が入っていないのか、ヤブ化が進んでいた。少しでも道を外すとヒメシャラの跳ねっ返り攻撃を受ける。慎重に歩を進めた。
なんとか突破して、弥次平峰に到着し、ホッと一息。靴下も脱ぎ去って足を休める。巻くこと無く、小ピークを越えていく。100m未満の小刻みのアップダウンが延々と続く。なかなかタフな稜線だ。ここからも気の抜けない道が続く。岩の痩せ尾根に木の根ミックスと、気を緩めると直ぐにツルっと体を持っていかれる。なにしろデカザックを背負っているので、1歩のミスが命取りとなる。特に痩せ尾根では気を引き締めて進んだ。
馬ノ鞍峰で、ランチ休憩。池池越には、15時過ぎに到着!東に下りた所にある沢で、水を汲み、テントを設営。行動時間も長くめっちゃ疲れた。夕食後、シュラフに潜って、即爆睡。
◆3日目:池池越〜川上辻~大台ケ原ビジターセンター~尾鷲辻(泊)
4時起床で、5時半出発。日の出と共に歩き始める。朝一からきっつい急坂に喘ぎながら登る。台高のお山は、どこまでも楽をさせてくれない。山の神の頭で小休止。docomoの電波を確認したが入らず。なかなか山深い。(万一のことを考えて、ピーク通過点では、こまめに家族にメッセージを入れる様にしていた)。
尾根を下りていくと、レコでよく見かける雨量観測所が見えた。久々の人工物を見ると安心する。ヤマレコアプリが「ルート逸脱警告」を通知している。確認すると1本東の尾根を下りてきた様だ。ここで小休止。脇の水場で水を汲み、コーヒーを頂いた。空を見上げると、今日も青空が覗いており嬉しかった。
稜線を繋いで振子辻へ到着。まだ12時過ぎ、このペースを維持できれば、大台ケ原まで抜けれるかも。ランチ(いつものパンとコーヒー)を手早く済ませ、出発。ルートミスで時間をロスせぬよう、ピークではGPSの確認を忠実に行った。急登を上り詰め、イワイワの稜線に乗る。ここでゴールとなる大台ケ原が見えた。御座(ゴザグラ)にも立ち寄る。
大台辻には、16時前に到着。日没まで、もう時間が無い。体は相当キツいが、ここまでくれば進むしか無い。難路の筏場道を進む。筏場道はアスレチックコースだった。でも、歩く人も多く、難所にはロープが付けられており安心して進めた。なんとか日没直前に、川上辻に滑り込む。やったー!なんとか辿り付いたぞ~。後は舗装路を大台ケ原ビジターセンターまで歩くだけ。
大台ケ原ビジターセンターに到着し、営業中の宿「心・湯治館」さんに立ち寄り、水を分けて頂く。平日にも拘らず、駐車場は結構いっぱいでした。天体観測用の赤道儀とか機材を下ろして、準備中でした。空を見上げると天の川が見えた。すっげー。
尾鷲辻に移動する道が判らない。駐車場にいた天体観測準備中のおっちゃんに道を尋ねるも「尾鷲辻への道?登山はしないから、分からないなぁ。」とのこと。そうか、これは登山道なんだ。(川上辻からビジターセンターまでの道が舗装路だったので、勘違いしていました)。
駐車場の周辺をウロウロしましたが、なんとか登山道の入口を見つける。1本道を30分ほど進んで、尾鷲辻に到着!東屋にテントを張って、夕食後、速攻で眠りに落ちた。
◆4日目:尾鷲辻〜日出ヶ岳(ピストン)〜尾鷲辻〜(尾鷲道)〜JR尾鷲駅
3時起床で、5時前に出発。まずは、日出ヶ岳で日の出を拝む。正木ケ原からは木道を歩く。整備されてめちゃめちゃ歩き易かった。途中の展望台では、尾鷲の海(熊野灘)が見えた。今日はあそこまで下りるんだ。感慨深く海を見下ろした。
山頂展望台に移動し、皆で日の出を待つ。「今日は、富士山も見えているよ」と、居合わせた人が教えてくれた。すっげー、本当に見えるんだ。日の出を拝んで、気持ち良く歩き始める。今日も長い距離を歩く。足早に、尾鷲辻に戻る。
ザックを担いで、尾鷲道を歩き始める。台高縦走路とは打って変わって歩き易いトラバース道を気持ちよく進む。登山道は、よく手が入れられており歩き易かった。整備を担当されているNTRCさんには、本当に感謝です。
立派な大蛇瑤魃手に眺めながら、歩を進めた。雷峠、コブシ嶺、木組峠とつないで、そこから稜線道を選択。(トラバース道は崩壊が進んで「高リスク」とのこと)。稜線道は結構登らされる。息せき切って、龍辻に到着。なかなかキツいが、ここからは基本下りだ。ゴールの尾鷲まで時間との勝負だ。(明日は出勤なので、夕方の電車にはなんとしても間に合わなければならない)。
古和谷分岐から激下りにて高度を下げる。なんとか下りきって、ホッとする。(予想に反して、ここからも悪い道が延々と続くのであった)。山賊小屋跡を過ぎた所の水場で、ランチ休憩。パンとコーヒーを頂く。下りまくって足裏が相当痛い。ちょっと限界を越えている。靴も靴下も脱いで、しばし足を休ませる。
渡渉点を過ぎて、道はますます悪路になる。ボロボロの登山道に泣かされた。ちょっと道の選択をミスったか?ここは筏場道を超えるアスレチックコースでした。でも、もう進むしか無い。大きく高巻いて、激下って、這々の体で登山口まで下りた。
後は、林道を歩くだけ。相当疲弊しているが峠は越えており、気は楽だった。林道を詰めて、舗装路へ。クチスポダムを抜け、坂下トンネルへと詰める。真っ暗な坂下トンネルは、ライトを点けて進む。そこで一台の車が抜き去った。その車がトンネル出口で待っていてくれた。「乗ってくかい?」と助け舟を出してくれた。ありがたく、ピックアップ頂いた。
おっちゃん3人組(岸和田、名古屋、和歌山の方)は、朝6時に大台ケ原の駐車場を出発し、尾鷲道を歩いてきた。皆さん定年されていて、山仲間でハイキングを楽しまれている方でした。今日は地蔵峠に下りて、予めデポしておいた車で大台ケ原駐車場に戻る所で私を見かけたので声を掛けたとのこと。大又から入って、台高山脈を縦走してきたことを話すと「テン泊装備で、ようやるわ。まだまだ若いね。」と仰っていました。JR尾鷲駅まで送って頂き、そこで別れた。本当にありがとうございました。
駅にザックをデポして、お風呂にGo!でも、「新生湯さん」はあいにくの定休日。(新聞配達のおばちゃんに教えてもらった。土曜定休って、ホームページに出てたのに、違うやん(;_;))。そこから尾鷲の海まで歩いて、栄光のゴール!最後はJR尾鷲駅まで戻り、ビールで祝杯を挙げました。
台風の影響で1日短縮となりましたが、お天気は回復し、なんとか尾鷲まで繋ぐことができて満足です。山深くどこまでも続く台高山脈、誰にも会うこと無く、ただ熊鈴が鳴り響くのみ、この個性的な山歩きは私の記憶に残る山旅となりました。
今日も良い山でした。
(1日の消費量 水1.5L、燃料80ml(夜30ml+朝30ml+昼20ml)
荷重16kg、アルファ米 8/10食、行動食 500ml×0本)
コメント
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レコ参考に大台ヶ原から尾鷲駅迄歩きました。ありがとうございました。おかげ様で無事故で快適な山行とありました。有難うございます。
tomytomyさん、こんばんは。
レコを拝見しました。尾鷲道を歩かれたのですね。(レコがお役に立てた様でなによりです)。
こんな天気が良い日に、左手にでっかい熊野灘、右手に奥駈の稜線を眺めながら歩けたら最高ですね。やっぱりSummitToSeaの山歩きにはロマンも感じます。
お疲れさまでした。
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