秋の大峯奥駈道 〜途中敗退の顛末〜
- GPS
- 32:00
- 距離
- 69.9km
- 登り
- 4,864m
- 下り
- 4,019m
コースタイム
- 山行
- 20:40
- 休憩
- 0:50
- 合計
- 21:30
天候 | 晴れのち曇りのち雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
|
コース状況/ 危険箇所等 |
熊野古道の中でダントツに難易度が高い奥駈道は危険個所が目白押し。特に注意が必要なのは、以下の区間。 大普賢岳〜七曜岳:崩れた斜面、朽ちた木の階段、崖にかかる鎖など通過に神経を使う 釈迦ヶ岳:熊笹が茂り、足元が見えない。急にトレイルが切れていて、足を踏み外しそうになること多数。 地蔵岳:岩峰の集合地帯。鎖場の登り下りが続き、気が抜けない。 |
写真
感想
去年に続き、大峯奥駈道に挑戦してきた。
結果は玉置神社で敗退。
今年は熊野古道小辺路、中辺路、それに京都1周トレイル等、ロングトレイルを重ねてきて、長時間動き続けることにはなれているはずだったが、奥駈の難易度は、他の追随を許さないほど、別格なのだと改めて思い知らされた。
今年に入り、もう一度、奥駈道に挑戦できる機会を伺っていたが、中々チャンスがなあった。
そのうちに、季節も夏が終わって秋に移り変わっていった。都心部では暖かい日もあれば寒い日もあり、このままでは、今年中の奥駈道挑戦はできないか、そんな気持ちの焦りもあった。
そんな中、意図せずに10月4連休の公休がもらえた。前半2日は家族とキャンプに行く予定を立て、後半2日で奥駈をやろうと試みたのだった。
心配だったのは天気だった。直前まで、4日間とも雨予報。これは、また挑戦を断念しなくてはならないかと心配になった。
前半のファミリーキャンプでは予報通り、雨に降られ、テントを建てずに車中泊をして過ごした。
キャンプ場にて、スマホで天気を確認すると、奥駈挑戦の2日間は何とか天気が持ちそうなのを確認し、挑戦を決意。
あとは、何時に出発するかで悩んだ。
2日間という限られた時間の中で挑戦を完遂するには、出来るだけフルで時間を使った方が良い。キャンプから戻った日の終電で吉野に向かうべきか、翌朝の始発で向かうかで悩んだ。
結局、雨の影響がまだ残っていることを考え、翌朝の始発で吉野に向かうことにした。
朝7時半に吉野駅に到着し、奥駈の旅をスタートさせる。
洞辻小屋辺りから、山の紅葉が美しく、心癒されながら、弥山まで順調に進むことができた。
幸い、弥山小屋の売店もやっており、ジュースと菓子パンを購入して腹ごしらえをすることも出来た。
弥山で軽食を取っていると、身体が冷えて寒くなり、ウールの長袖に着替えた。
また、夜間走に備え、ヘッテンとニット帽を装着した。
八経ヶ岳を過ぎた辺りで、辺りは暗くなりだしてきた。それとともに、霧が発生。視界が悪くなり、ペースが落ちていった。
釈迦ヶ岳周辺は熊笹が茂り、慎重に通過していった。途中、霧が晴れて、遠く街の明かりが見えた。暗闇の中、独りさみしく夜間走をしていたが、街の明かりをみて、少しホッとした。
天狗岳を過ぎたあたりから疲労と睡魔が襲ってきた。歩くのが徐々にしんどくなり始める。
あまりの疲れに、嫁越峠でヘッテンを消して小休憩を取る。空にかかっていた雲が晴れて、満点の星空に思わず息を飲んだ。これは、明日の天気は良いかもしれない、そんな淡い期待を抱いた。
嫁越峠を過ぎてからも疲労と空腹が収まらない。行動食は摂っているのだが、腹にたまらず、力が出ない。あまりにしんどくなり始めたため、持経の宿でドロップしようか、本気で悩みだした。
深夜2時に持経の宿に到着。前回はここで、持参したコンロでドライフードのリゾットを食べ、4時間ほど仮眠の時間を取った。
今回は、仮眠をせずに進む予定だった。
ここでドロップすべきか、先へ進むべきか悩んだ。
明後日は出勤日。本日中に自宅に帰る必要がある。
本宮から紀伊田辺への最終バスは16時40分だ。それを考えると、遅くとも16時には本宮に到着していなくてはならない。
残り時間と、残った行動食の量を確認し、結局、先へ進むことにした。
持経の宿では20分ほど休憩し、出発。熊野本宮を目指した。
行仙岳を過ぎた辺りで再び疲労と眠気に襲われる。更に笠捨山を過ぎた辺りで雨も降りだし、追いうちをかけてきた。
行動食を食べても、腹にたまった感じがせず、力がでない。
ペースが上がらず、このまま進んで、本宮に16時までにたどり着けるのか、だんだんと不安が募っていった。
地蔵岳を過ぎると、雨は本降りになり、このまま進んでは、今日中に帰宅できなくなると考え、結局、玉置神社でドロップすることを決めた。
玉置神社のトイレで着替えをし、駐車場脇の売店でうどんとめばち寿司を食し、ようやく人心地ついた。
平日の雨の中、意外にも車で訪れる参拝客が多くて、驚いた。
玉置神社は標高1000m以上の山の中にある神社のため、公共交通機関が通っていない。
玉置神社でドロップしたものの、帰る手段がないのだ。
背に腹は代えられず、麓の十津川村からタクシーを呼んだ。紀伊田辺行のバスがでる本宮大社までタクシーで移動した。タクシー代は1万円かかったが、他に帰る手段がなかったので、仕方がない。
熊野本宮に到着後は、本宮を参拝。
本当は自分の足で、ここまで来たかった・・・
参拝後はバスで紀伊田辺まで向かい、その後はJR、近鉄と乗りついで、何とか生駒の自宅まで帰ることが出来たのだった。
四寸岩岳でお会いした東大阪の滝川と申します。
所属??は深北大学で、週末の早朝に生駒山を走っております。
また、どこかでお見かけしましたら、声をかけさせていただきます。
コメントありがとうございます!
吉野駅に向かう近鉄電車のなかでお見かけし、「ひょっとして、奥駈かな?でも、靴がロードラン用だし、違うかな?」と、失礼ながら、勝手に詮索していました(笑)吉野駅で声をかけていただき、嬉しかったです!自分も生駒山は庭みたいなものなので、お互いにお見かけしするかもしれませんね!
一人で夜の「大峯奥駈」をやること自体が偉大です! 私も昨年の同時期にやりましたが、初日から暴風雨にたたかれ、釈迦ケ岳でリタイヤしました。来年の5月頃、もう一度やろうと考えています。でも、一日で完全走破は無理です。凄すぎます!
ありがとうございます。
今回は去年の教訓を活かして、準備もしましたが、敢え無く敗退しました。コースの難しさも、水が補給できる場所も、ロストしやすいポイントも、全て頭に入っていた筈なんですけどね。奥駈を完走するには、計算だけでは導き出せない、何かが必要なのかもしれません。そう考えると、去年は真夏の高温の下、水不足、食料不足と、遥かに条件が悪かったのに、よく完走できたなと、我ながら感心しました。
来年のチャレンジ、是非頑張ってください!
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