笈ヶ岳(西尾根)
- GPS
- --:--
- 距離
- 15.6km
- 登り
- 1,390m
- 下り
- 1,374m
コースタイム
- 山行
- 9:33
- 休憩
- 1:17
- 合計
- 10:50
天候 | くもり |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2009年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
水平道以外は正式な登山道ではありません。 コース図は手書きです。 |
写真
感想
降水確率0%の晴れ予報.深田久弥も日本百名山に入れたかったと近年人気の笈ヶ岳を目指す.もちろん何度か来られたことのあるM氏の協力をあおぐ.一般的には残雪期の登山だが,ウワサの藪ルートが西尾根にあるという.M氏も歩いたことがあるらしい.
白山市の一里野の中宮発電所から林道を行くか,その手前の中宮集落から林道を行くか.発電所からは歩きになるはず.中宮集落からも,発電所からの道の合流の少し前に鎖のゲートがあるとのこと.今回は裏技で林道も車で進んでしまいました.歩く方には申し訳ないです.
05:05
【標高670m 林道終点発】 ダート林道を終点まで.後から聞いた話では,対岸の護岸工事をしているらしい.広場に駐車.裏技を使わなければここまでMTBで往復だろう.行きはつらいかもしれないが帰りは楽になる.
暗い中ヘッドライトで歩き出す.林道の先に作業道が続く.崖にくりぬかれたような所もある水平道だ.左手には雄谷の水流の音が暗闇に聞こえ不気味な感じ.道には白杭で,○○km/3.6kmと表示されていて残りがわかる(取水堰堤が3.6km地点のよう).歩いていくと右側に吐水口が現れ,さらに標識が現れて取水堰堤に着く.
05:37
【標高700m 取水堰堤】 まだ薄暗いがさらに歩き出す.堰堤をわたって対岸へ.ここから少し登ると水平道になる.雄谷の河原におりることなく進んでいける.かなり行くといったん河原におり,わずかに進むと左側に沢があり,その左岸に踏み跡が続く.
ここから高度を増していく.予報に反してまだ曇っている.雄谷の紅葉がきれいだが,日を浴びればもっと映えるだろうに.地形図で雄谷がZ字状となる所から北北東にのびる谷を右手に見ながら進む.標高900mあたりでこの谷を渡る.「スズメバチの巣があり迂回」の看板があった.
06:26〜06:33
【標高900m? カワキ谷】 谷は水流がわずかだ.ここから対岸を登ってさらに水平道を行く.谷側の紅葉がきれいだ.大瓢箪山の東から南に登る尾根をまわり込むところで,コンビニおにぎりの袋が捨ててある.何でそんなことするんでしょうか?見ると10月7日と10月18日の日付のようで,金沢市西部のもののよう.ここから水晶谷に向かって下る.谷に赤い鉄板の橋が見えて来た.最近かけられたらしい.
07:09
【標高920m? 水晶谷】 この時期でもかなりの水流だ.橋がなくても何とか渡れるか.ここで後ろから単独行が来た.6時前に林道終点というからただ者ではない.この後,山頂までご一緒したがこちらのペースでは物足りなかったかもしれませんね.
道中の話からは,やはりただ者ではなく,いろいろお伺いした.この橋の由来を聞き,「マダム橋」と名付けることで意見が一致.
ここから登り返し.くり返しだが紅葉がキレイだ.尾根をまわり込み,右手に清水谷が見え隠れする.ほどなく平坦な草むらのような箇所となる.立派なブナやトチが目立つ.進むとブナの森がすばらしい雰囲気.紅葉も美しい.左に踏み跡が分岐し,ここが尾根の取り付きらしい.
07:50〜08:00
【標高1140m 清水谷から尾根取り付き】 ここから踏み跡はうすくなる.紅葉の写真を撮りながら高度を稼ぐ.振返ると特徴的な冬瓜山が紅葉に浮かぶ.大瓢箪山も目立つ.2人について登っていくので迷わないが,1人ならうまくルート取りできるだろうか.
西尾根の主稜線にのって東進する.登るにつれ紅葉は終わりの様相.左手に大笠山がちらちら見え出す.正面に大きなコブが立ちはだかる.コブの上近くになると,岩壁が現れる.殺生岩というらしい.これは岩の基部を右へと巻き,さらに岩峰の右のへりを登る.ここから見る冬瓜山〜シリタカ山の稜線とその手前斜面の紅葉がすばらしい.その奥にうっすらと白山が見える.天気は相変わらずで今日はこれ以上の回復は無理かも.遠望もイマイチか.
右に冬瓜山の稜線と紅葉,左に大笠山を見つつ,藪を進む.背を越す笹だが,足元にわずかにスペースがあり,それを頼りに登っていく.ここでも所々にコンビニおにぎりの袋やカップ麺の容器などが捨てられている.何でそんなことするのかなあ.単独行は何と2週前にもこのコースを歩いており,その時にはなかったと話している.正面に特徴的な形の山頂が見えてくる.右には南へ続く稜線も見えて来た.最後の登りをこなすとひょこっと薮のないスペースにでた.そこが山頂であった.
10:29〜11:29
【標高1841.4m 笈ヶ岳山頂】 金沢山岳会の山名標識があり,その手前に三等三角点の点名・笈岳が鎮座している.他に石製の小さな山名標識と,可愛い表情のお地蔵さまも佇んでいる.記録ノートも用意されており,簡単に記載した.
あいかわらずの高曇りで残念ながら遠望はきかないものの360度の大展望.北は大笠山が目立ち,地形図に千丈平と書かれたカールのような地形がはっきりと見える.大笠から右へ延々と下っているのは道のあるフカバラ尾根.奥には大門山と猿ヶ山が目立つ.奈良岳と見越山はおそらく大笠の後ろで見えない.大笠から左へ延々続く尾根は大瓢箪山へと至る.その奥にあるのは奥三方山.
南には,冬瓜山からの稜線が合流し,その奥に仙人窟岳も見える.はるか奥にはうすく雪を抱く白山が見えるが,イマイチくっきりとしない.北縦走路の山々もシルエットのように見える.残念ながら北アルプスは見えないが,猿ヶ馬場山と尖りの籾糠山,あるいは人形山やそれより目立つ三ヶ辻山が見える.
のんびりしていると岐阜県側から青色のヘリコプターが飛んできた.山頂を旋回した後,ここより少し南の稜線近くでかなりの時間ホバリングしている.一度去ってまた戻る.また去ってまた戻る.何をしているのだろう.何かの調査かそれとも遭難か.(←ヘリコプターは岐阜県警の「らいちょう」のようです.この日かわかりませんが,白山で山岳救助訓練をした,という記載を見かけましたので,おそらくその訓練だったのでしょうか.
今日もハンディ無線機を持って来たが声は出さず.かなりのんびりしたのでそろそろ下りますか.ただ者ならぬ単独行は先に下っていった.やはりペースがもっと早いのだろう.
下ってすぐに,またヘリコプターがやって来た.しばらくホバリングして,M氏曰く何かつり上げていったような...観察にしばし時間をとってしまった.微妙に小尾根の分岐もあるので,迷い込まぬように注意しながら藪を下る.やはり清水谷の南側斜面の紅葉がキレイだ.何枚も写真を撮るが,光りの加減でイマイチだ.
紅葉の写真を撮るのに何度も足を止めつつ,の下山となる.登り単独行にすれ違う.枯れ葉の積もった斜面は滑りやすく,慎重に下っていく.周囲の紅葉が目立ち始めたら,もうすぐ清水谷だ.ほどなく分岐に到着する.
13:13〜13:20
【標高1140m 清水谷から尾根取り付き】 ここからも紅葉の写真を撮りつつ,なのでなかなか足が進まない.紅葉に浮かぶ清水谷がきれいだ.
14:06
【標高920m? 水晶谷】 あとで聞いた話では,来週「マダム橋」を撤去するとのこと.それにしても帰りの登り返しはこたえるなあ.振り返ると紅葉の尾根の切れ間から山頂が顔をのぞかせていた.
14:39〜14:50
【標高900m? カワキ谷】 この辺りからは雄谷の紅葉がきれいだ.一気に河原まで下る.あとはほぼ水平な移動のみ.
15:22
【標高650m 取水堰堤】 堰堤では何かの補強工事を行っていた.
行きは暗くてよくわからなかった水平道だが,やはり所々高度感もあり,高所恐怖の身には気持ちのよいものではない.
15:55
【標高620m 林道終点着】 1.4km/3.6kmくらいで林道終点になったと記憶している.12時間を覚悟していましたが,林道歩きをカットしたぶん,早く戻って来れました.裏技なのでいつも使えるとは限りません.
今日は予報に反して終日高曇りでした.日射しがあれば紅葉ももっと美しく見えたことでしょう.山頂からももっと遠くの山々が見えたことでしょう.残念ですが,念願の笈ヶ岳に,しかも無積雪期に,登頂でき感激です.
注意:今回のコースは水平道以外は正式な登山道ではなく踏み跡の薄い箇所もあります.本報告はこのルートを推奨するコースガイドではありません.
(2020年11月6日にアップロードしました。当時公開していたホームページ(閉鎖)からの抜粋です。)
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