高山病と共に歩む 木曽駒ヶ岳・空木岳
- GPS
- 14:37
- 距離
- 24.2km
- 登り
- 1,646m
- 下り
- 3,400m
コースタイム
- 山行
- 7:36
- 休憩
- 0:43
- 合計
- 8:19
- 山行
- 5:22
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 6:02
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
日陰に一部雪が残っており、早朝はカチカチに凍っているが、慎重に通過すればアイゼン不要。 |
その他周辺情報 | 前泊:駒ヶ根プレモントホテル 温泉:こまくさの湯 |
写真
感想
【感想】
ロープウェイで標高2,611mまで上がれるため、後は平行移動して下るだけのゆとり山行だろうと高を括っていたが、実際は細かいアップダウンがひたすら続き、累積の登りが2,639mにも及んでめちゃくちゃキツかった。
【高山病の発症と推移】
序盤はサクサク進み、木曽駒ヶ岳に至っては荷物をデポってダッシュでアタックするほどの快調ぶりであった。
しかし、檜尾岳を過ぎた辺りからは少し登っただけですぐに息が上がるようになり、ちょっと歩いては腰を下ろして休むというような状態になった。
木曽殿避難小屋には明るいうちに到着する予定であったが、熊沢と東川の中間辺りで日没を迎えてしまった。
ここ数ヵ月間、毎週末山に繰り出していたとはいえ、所詮日帰りの軽量装備で標高2,000m弱をウロウロしていただけなので、15kgの荷物を担いでの中央アルプス縦走に対してはあまり効果がなかったようだ。
17時過ぎ、ほうほうの体で避難小屋に辿り着くも、食事が喉を通らなかったため、ウィダーインゼリーと水のみ摂取して、シュラフに潜り込む。
すると徐々に頭が痛くなってきた。
横になって朦朧としていると、会社の同僚だという男性二人組が避難小屋に到着。
話を聞くと私より2時間以上遅いスタートだった。
えぇ…到着は十数分差なんですけど、速すぎませんか!!?
どうやら日常的にフルマラソンやトレランをされているとのことで、納得。
以前住んでいた場所が非常に近く、またスポーツ遍歴がかなり似ていたことで話が盛り上がり、一時頭痛を忘れることに成功する。
午後10時頃、体調悪化。
頭痛と吐き気が限界に達し、ウィダーインゼリーと水をリバースしてしまう。いや、お前らまだ胃におったんかい!
(小屋から離れたところにある茂みに出したので、次の利用者はご安心下さい)
ふと上を見ると、そこには満点の星空。
戦場ヶ原や小笠原諸島で見た星もなかなかだったが、私の中ではここが一番素晴らしかった。
小屋に戻って苦しんでいると、一人が異常に気づいて声をかけてくれた。
症状的に高山病っぽいと教えていただき、ここで初めて病気であると認識する。
さらに浅い呼吸だとなかなか酸素を取り込めないので、息を出し切ってから吸うようアドバイスを頂く。
この呼吸法で徐々に吐き気は治まり、断続的に眠ることができた。
翌朝は6時起床。
お腹は本調子でないのか、朝食のカレーメシは半分でギブアップしたものの、頭痛も消え去り、昨晩の状態からは想像できないほど回復。
小屋でお世話になったお二人と空木岳ピークで写真を撮り、一緒に下山させていただいた。
【考察 原因及び対策】
・ペース配分ミス
過去の実績からコースタイムは標準タイムの0.8倍に設定し、それに基づき行動していた。
しかしながら、普段登っている山よりも1,000m近く標高が高いこと、また装備が倍近く重いことを考慮すれば、妥当なペースではなかった。
・高度順応不足
千畳敷駅到着後すぐに行動を開始したが、暫くは現地に留まり環境に体を慣れさせるべきであった。
また行動中から深い呼吸を意識したり、体が冷えないようにしたりするなど、酸素を全身に行き渡らせるための施策を講じるべきであった。
・避難小屋の酸素不足
小屋入りしてから如実に体調が悪化した。
建物が通気性のない構造になっているので、換気しないまま中で過ごしたり火器を使用したりということが何日にもわたって行われると、酸素濃度はかなり低下するものと思われる。
最初に小屋入りしたタイミングで、室温の許容範囲内でドアを開けて換気すべきであった。
【お礼】
ご自身もお疲れの中、一晩中気に掛けてくださったSさん、Uさん本当にどうもありがとうございました。
二日目も下山まで付き添っていただき、大変助かりました。
この場を借りて改めてお礼申し上げます。
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