【連嶺作戦】滝子山・ハマイバ丸・大蔵高丸・白谷ノ丸・黒岳・牛奥ノ雁ヶ腹摺山・小金沢山・大菩薩嶺【乙68.4】
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- GPS
- 10:51
- 距離
- 30.9km
- 登り
- 2,648m
- 下り
- 2,262m
コースタイム
- 山行
- 9:47
- 休憩
- 1:05
- 合計
- 10:52
天候 | 晴れ 後半雲増える |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路:大菩薩の湯バス停〜JR中央線塩山駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
滝子山:最初に見えるピークは山頂ではない。その次に見えるピークも山頂ではない。その次も同様。何回目かのピークが山頂。 滝子山以降:尾根に乗ってしまえば一部急な所はあるが、苦にはならない。 小金沢山以降:標高が高いというのと北側にあるということで、融雪の泥濘が見られる。その上、木の根や岩が張り出しているので注意を要する。 大菩薩峠以降:再度、乾いた歩きやすい道になる。 雷岩〜丸川峠:残雪も若干あり、泥濘の度合いが酷い。 下山後の温泉: 大菩薩の湯:外湯・内湯・サウナ 飲食: 大菩薩峠介山荘 大菩薩の湯 |
写真
感想
丹沢の疲れが残っていないか心配だったが、天気も良いので当初予定通り出かけた。
かねてより行こう行こうと思っていた大菩薩の湯と大菩薩連嶺を巡る散歩。
春の大型連休が前半後半ともに晴れに恵まれるというのは珍しいように思われ、せっかくだから後半も一歩きするかと後半で最も好天が予想される5日をターゲットに、前の週の筋肉痛が早く治るよう3日と4日は図書館と映画館で大人しく過ごす。
天気予報では午後にかけて雲が増えそうな感じではあったが、午前中には展望が期待できるであろうと未明の街に自転車を漕ぎ出す。
青天の下、駅員のいない初狩駅に降り立つ。今回の最終目的地は大菩薩の湯。線路沿いから滝子山を見上げながら、最初が肝心だなと感じる。実際その通りとなった。
高速を潜り集落を抜けて真っ直ぐ行くと民家脇に指示標柱があって、そこを左折。暫くは車も通れる幅の道だが、森の中に入って空沢を渡ると本格的な山道となる。
最初は沢音を聞きながら、沢の右左を行ったり来たりしながら緩やかに上っていくのだが、最終水場を過ぎると、いよいよ高度を上げ始める。まだ、歩き始めて間もないので、ちょっとやそっと傾斜が急になったくらいはどうということはないのだが、尾根に乗って周りが見えてきて山頂を意識すると危ない。尾根に乗って最初に見えるピークはもちろん山頂ではなく、上りきった所でさらに先にピークが現れる。いやはやあれが山頂かと思えばまた違う。檜平で富士山を見て息を整え、これを上りきれば山頂部だろうと上っていったら、山頂はさらにもう一つ先のピークであった。
こんなことはどんな山でもよくあることで、体が慣れていなかったり、傾斜が急になったりして辛くなってくると「山頂はまだか?」などと考えてしまうが、最初からがっつかない方が精神衛生上もよい。
後から振り返れば最初から1,150mを越す標高差。道理でつらくなってくるわけだ。途中から「現実的な終着点はどこになるか」という考えが頭をよぎるが、とりあえず滝子山でよく休んでから考えようとひたすら歩く。
そして山頂へ。遠方は霞みがちだったが、ほぼ全方位の山々を見渡せる。この時間帯ではまだ富士山の姿を拝むことができた。周囲の雲の状況からすると時間が下るにつれて冨士が雲に覆われることが予想されたが、今回はどのあたりまで富士山を望むことができるだろうか?
休憩を終えて山頂を下ると、下にメッシュ地のものを着ていたからであろうか、非常に体が冷える。とにかく体を動かさないとと米背負峠までガンガン下る。結局、その後気温が上がったからか急激に体が冷えたのは滝子山だけだったが、朝昼の温度差が激しい時節は何を着ていくかよく考えないといけない。しかし、便意を催さなかったのは幸いだった。
滝子山と大谷ヶ丸の間から擦れ違う人がポロポロ現れる。大菩薩から来ているとしたらかなり早くに出発したんだろうな。朝日も雷岩辺りから拝んでいることだろう。滝子山まで上ってしまえば当分の間は標高差100m程度の緩やかな道をゆるゆる行くので、その間に体も慣れる。ハマイバ手前からは山上の草原が眼前に現れるので、滝子山までの労苦が無かったかのように元気になる。
里から1000m以上上昇する滝子山までを第一段階、標高1700m前後をゆるゆる歩く滝子山〜大蔵高丸までを第二段階とすると、第二段階から標高が約200mアップする白谷ヶ丸からが第三段階である。小金沢連嶺の中でも最も標高の高い部分。湯の沢峠からは急な上りとなり、通常であれば、それまで延々歩いてきた後の急な上りというのは結構大変なのだが、それほど苦に感じなかったのは、上空に青空あり、展望と道に恵まれたからであろう。惜しむらくは富士山がついに雲に隠れてしまったことくらいだ。
そんな歩きやすい道も小金沢山あたりまで。南側から歩いていたためか、それまではほとんど乾いた歩きやすい道だったが、小金沢山北面は樹林帯の中、雪が若干残り、道もぬかるみがちであった。その上、倒木の他、木の根や岩が地面に張り出しているので非常に注意して歩く。樹林帯を抜けて狼平に出れば再度日当たりのよい歩きやすい道となるが、石丸峠を過ぎて熊沢山を通過すると大菩薩峠手前の樹林帯の急降下がこれまた泥濘である。大菩薩間近だからといって気を抜いたらずるっといきそうだ。歩く人が多いので自分のことだけでなく周囲を歩く他の人も意識しつつ慎重に降りていく必要がある。自分が慎重に降りるだけでなく、前を歩く人を焦らせないよう、また、万一の場合も巻き込みや泥はねをしないよう適度に間をおくことも大事。
そんなこんなで山行第三段階終了。当初予定では携行食糧をモソモソ食べる予定だったのだが、思ったほど混んでいなかったため介山荘でラーメンを食す。前回の丹沢山行では甘味系ばかり口にして飽きてしまったが、やはり汗をかいた後は塩分摂取だなあと思う。
食べるものを食べ、出すものを出して第四段階へ。まだ日は高かったが、人が多いのは介山荘付近だけで、雷岩方面に向かうにつれ人がいなくなる。大型連休中でもあり、雷岩辺りでは昼食中の人でいっぱいなのではないかと思っていたが、昼食の時間には少し遅かったためか、雷岩に到達した頃には、まだ15時前だったが、鹿が一頭食事をしているのみだった。ちなみにこの鹿、こちらを警戒してはいたが、かなり近づいても逃げることはなかった。
雷岩から先の道はそれまでよりも道の状況は酷い。北部・高地・樹林帯という条件が揃っているからだろうが、最初の大きな水溜りに始まり、泥濘に次ぐ泥濘。大菩薩嶺山頂部で一時落ち着くが、そこからは再度泥濘。一部雪が道に残っている箇所もあり、転倒・泥はねをしないよう、ゆっくりゆっくりと降りていく。しかし、ゆっくり降りるということは膝への負担がかからないということでもある。
丸川峠が近づくと道も乾いてきて山行も平常運転に。上る時は非常に苦しい道も下りはサクサクと進み、意外なほど早く下山。何事も勢いというのは大事である。
最終的には行程30kmを超えたようだが、そんなに歩いたという実感が無い。何だかテクテク歩いていたら、何時の間にか結構歩いていたという感じだ。それは滝子山以降の山々について標高差がそれほど大きくないからではないかと思われる。
大菩薩の湯では十分ゆったりと入浴できただけでなく、飲食の時間もあり、バスも空いていた。他の人が「もしバスが満員で乗れなかったら」と話しているのを聞いて、あ、そういえば大型連休中だったと焦ってしまったが、さすがに最終バスまで大菩薩登山口にいる人はほとんどいなかったようである。
そういうわけで、また一つ素晴らしい山のプロムナードを発見した。
一週前に歩いた丹沢も毎回素晴らしいと思うが、今回歩いた山々もそれに劣らず楽しい道だった。しかも自分の家からのアクセスは丹沢より良く、丹沢ほど人でごった返すわけでもない。穴場というのは案外近くにあるものだ。紅葉〜落葉期にまた来ると良いのかもしれない。
心躍らせ、歩も弾ませる青空と山々に感謝すること頻りである。
〜おしまい〜
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