ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 2953892
全員に公開
アルパインクライミング
谷川・武尊

荒沢岳〜大源太山(敗退)

2021年02月20日(土) ~ 2021年02月22日(月)
 - 拍手
GPS
75:32
距離
32.7km
登り
3,467m
下り
3,331m

コースタイム

1日目
山行
3:00
休憩
0:00
合計
3:00
10:15
180
土樽駅
13:15
荒沢山
2日目
山行
9:30
休憩
0:15
合計
9:45
6:15
225
荒沢山
10:00
10:15
345
足拍子山
16:00
コマノカミノ頭先1400m付近
3日目
山行
10:00
休憩
0:15
合計
10:15
5:45
270
コマノカミノ頭先1400m付近
10:15
165
七つ小屋山ー大源太山間最低コル
13:00
13:15
165
シシゴヤの頭
16:00
土樽駅
天候 20日:快晴 21日:快晴 23日:快晴
過去天気図(気象庁) 2021年02月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車
土樽駅よりアプローチ
コース状況/
危険箇所等
20日:2年ぶりにバイルをザックに括り付けて出発。いつものように鈍行で土樽駅へと向かう。学割切符で上越線に乗るのもこれが最後か。コスパのよいアクセスにいつも感謝。今回は昔からあたためていたルートで荒沢から足拍子の稜線だったが、日程が確保できたのでさらに足を延ばして、大源太山までの贅沢な計画だ。駅前の尾根にとりつくとすぐにトレースがでてきて頂戴する。途中で追いつき、交代しながら荒沢岳まで。今日は晴天なので、ピーク直下にテントを張り、明日に備えてザイルワークの練習をする。初日の晩は、持ち寄り鍋で、ビールも豊富で大変幸せ。
21日:今日は勝負日。気温がかなり上がるので、午前中に核心をクリアしたい。荒沢岳から5分も進むと急激に痩せ尾根となり、核心が始まる。ホソドのコルまでの稜線が細く急なため1ピッチロープを出す。終了点は正規の懸垂地点より20mほど上だったが、ロープが届きそうだったのでまとめて懸垂下降する。ホソドのコルからの上り返しもかなり急だったがステップ決まるのでそのまま慎重に通過。足拍子岳までの稜線は雪庇がかなり複雑であり、ルート取りに気を遣う。足拍子への最後の登りは、クラックの入る急な斜面であり、時期と雪質によってはかなり気を遣うだろう。足拍子からの下り口は吹き溜まりかたが良くなくて急なので、ハイマツを掘り起こして懸垂下降する。最低コルからクロガネノ頭への登り返しはじめが雪壁になっていて、滑落・雪崩ともにテンションが高い。遠目からみていた分には絶対無理だろ!と思われたが、近づいてみると案外行けそうということでmaruトップでgo. 30mザイルいっぱいいっぱいの雪壁登り。中間支点になるような木はない。雪崩無くてよかった。直後の下りは稜線上は雪庇が複雑に崩壊している箇所があり、懸垂下降での通過を余儀なくされる。クロガネノ頭までも稜線細く、ルート取りは慎重を要する、絶悪な稜線だ。クロガネノ頭からは暫く稜線が太く落ち着ける区間だが、コマノカミの頭周辺では再び雪庇のルート取りが難しく、気温上昇もあいまって緊張するルートどり。一回稜線に亀裂が入って緊張した。1464を過ぎるとようやく穏やかになり、テントを張ることができた。今日は長く、緊張する行動であった。
22日:今日も気温があがる予報だったので、早くに出発する。シシゴヤノ頭から先の稜線は絶品である。標高が上がったためか、これまでの稜線と違ってハイマツや灌木の無い真っ白な雪稜が延々と続く。国境稜線から太陽が覗きモルゲンロートに染まるなか最高の歩行が続く。細く白い稜線の真上をつぶしていくが、雪質がよくそこまで恐怖はない。1544で反対に向かう2人組に遭遇。こんな素晴らしいルートに全部トレースをつけてしまって大変申し訳なく思う。谷川連峰の絶景を拝みながら七つ小屋山まで。大源太山はこちらからのルートだと岩が見えていてクラックが大きく入っているので不安を覚える。最低コルにかけて稜線細くなり、白雪庇判断となる。反対斜面はあちこちで全層雪崩の後があり、恐怖を覚える。最低コル手前で30mロープを連結して60m分ザイル出して通過、その直後のことだった。雪庇の際(?)を通過時に大きな亀裂とともにバスン!!という音が響く。とっさに避難すべきだが、雪庇が落ちるのか反対側の斜面が雪崩れるのか分からず、どちらに避難すべきか迷って恐怖のどん底に。結局どちら側も落ちなくてよかった。気温が上がりすぎて、明らかに雪崩のテンションも高い中、大源太山への稜線には無情にもクラックがスパスパ入っていて、そこかしこに全層雪崩の跡もある。命は大事ということで引き返し。今日歩いてきたルートをほぼ全部引き返して、コマノカミーシシゴヤの中間から延びる尾根を使って蓬沢へと下降する。蓬沢から土樽までは渡渉もなく快適なルートであった。
荒沢山への登り
2021年02月20日 11:20撮影 by  TG-6 , OLYMPUS CORPORATION
2/20 11:20
荒沢山への登り
これから向かう稜線が険悪にみえる
2021年02月20日 12:05撮影 by  TG-6 , OLYMPUS CORPORATION
2/20 12:05
これから向かう稜線が険悪にみえる
春の陽気。あつい。
2021年02月20日 12:09撮影 by  TG-6 , OLYMPUS CORPORATION
2/20 12:09
春の陽気。あつい。
足拍子岳をのぞむ
2021年02月20日 13:20撮影 by  TG-6 , OLYMPUS CORPORATION
2/20 13:20
足拍子岳をのぞむ
荒沢山ピーク
2021年02月20日 13:29撮影 by  TG-6 , OLYMPUS CORPORATION
1
2/20 13:29
荒沢山ピーク
国境稜線方面
2021年02月20日 15:46撮影 by  TG-6 , OLYMPUS CORPORATION
2/20 15:46
国境稜線方面
てんば。最高。
2021年02月20日 15:46撮影 by  TG-6 , OLYMPUS CORPORATION
2
2/20 15:46
てんば。最高。
2021年02月20日 16:59撮影 by  TG-6 , OLYMPUS CORPORATION
2/20 16:59
夕焼け。今日も晴れ。明日もはれ。しあわせ。
2021年02月20日 17:09撮影 by  TG-6 , OLYMPUS CORPORATION
2/20 17:09
夕焼け。今日も晴れ。明日もはれ。しあわせ。
翌朝、勝負日
2021年02月21日 06:25撮影 by  TG-6 , OLYMPUS CORPORATION
2/21 6:25
翌朝、勝負日
ホソドのコル
2021年02月21日 07:50撮影 by  TG-6 , OLYMPUS CORPORATION
2/21 7:50
ホソドのコル
緊張する稜線
2021年02月21日 08:42撮影 by  TG-6 , OLYMPUS CORPORATION
1
2/21 8:42
緊張する稜線
足拍子への登り。雪崩警戒。
2021年02月21日 09:55撮影 by  TG-6 , OLYMPUS CORPORATION
2/21 9:55
足拍子への登り。雪崩警戒。
足拍子からの下り。吹き溜まり方がいやらしかったので懸垂
2021年02月21日 10:26撮影 by  TG-6 , OLYMPUS CORPORATION
2/21 10:26
足拍子からの下り。吹き溜まり方がいやらしかったので懸垂
コルからの登り返し。今日一番の急斜面。
2021年02月21日 11:25撮影 by  TG-6 , OLYMPUS CORPORATION
1
2/21 11:25
コルからの登り返し。今日一番の急斜面。
直後の険悪な懸垂下降。稜線上は雪庇崩壊しつつあり進めない。
2021年02月21日 12:22撮影 by  TG-6 , OLYMPUS CORPORATION
1
2/21 12:22
直後の険悪な懸垂下降。稜線上は雪庇崩壊しつつあり進めない。
ようやく落ち着いてなだらかな稜線に
2021年02月21日 14:42撮影 by  TG-6 , OLYMPUS CORPORATION
2/21 14:42
ようやく落ち着いてなだらかな稜線に
気持ちのいい景色だが、このころからアイゼンに雪がしつこくまとわりつく。まだ2月なのに。
2021年02月21日 15:01撮影 by  TG-6 , OLYMPUS CORPORATION
2/21 15:01
気持ちのいい景色だが、このころからアイゼンに雪がしつこくまとわりつく。まだ2月なのに。
3日目の朝。染まる。
2021年02月22日 06:30撮影 by  TG-6 , OLYMPUS CORPORATION
3
2/22 6:30
3日目の朝。染まる。
ただただ美しい。
2021年02月22日 06:41撮影 by  TG-6 , OLYMPUS CORPORATION
1
2/22 6:41
ただただ美しい。
なぞる。
2021年02月22日 06:41撮影 by  TG-6 , OLYMPUS CORPORATION
1
2/22 6:41
なぞる。
頂点をたどる。
2021年02月22日 06:54撮影 by  TG-6 , OLYMPUS CORPORATION
3
2/22 6:54
頂点をたどる。
稜線から顔を出した朝日にむかって。
2021年02月22日 06:57撮影 by  TG-6 , OLYMPUS CORPORATION
3
2/22 6:57
稜線から顔を出した朝日にむかって。
今回のハイライト
2021年02月22日 07:01撮影 by  TG-6 , OLYMPUS CORPORATION
3
2/22 7:01
今回のハイライト
ふりかえって
2021年02月22日 07:02撮影 by  TG-6 , OLYMPUS CORPORATION
1
2/22 7:02
ふりかえって
自分たちのトレース
2021年02月22日 07:04撮影 by  TG-6 , OLYMPUS CORPORATION
5
2/22 7:04
自分たちのトレース
延々と
2021年02月22日 07:21撮影 by  TG-6 , OLYMPUS CORPORATION
2
2/22 7:21
延々と
至福の時間が続く。
2021年02月22日 07:26撮影 by  TG-6 , OLYMPUS CORPORATION
2
2/22 7:26
至福の時間が続く。
七つ小屋山へ
2021年02月22日 08:17撮影 by  TG-6 , OLYMPUS CORPORATION
2/22 8:17
七つ小屋山へ
上越国境稜線
2021年02月22日 08:26撮影 by  TG-6 , OLYMPUS CORPORATION
2/22 8:26
上越国境稜線
七つ小屋山
2021年02月22日 08:53撮影 by  TG-6 , OLYMPUS CORPORATION
3
2/22 8:53
七つ小屋山
上越マッターホルン、雪崩で敗退。
2021年02月22日 09:27撮影 by  TG-6 , OLYMPUS CORPORATION
2
2/22 9:27
上越マッターホルン、雪崩で敗退。
エスケープ尾根へは雪庇の切れめから
2021年02月22日 14:05撮影 by  TG-6 , OLYMPUS CORPORATION
2/22 14:05
エスケープ尾根へは雪庇の切れめから
緩やかな尾根をくだり、沢沿いを歩いて下山
2021年02月22日 14:14撮影 by  TG-6 , OLYMPUS CORPORATION
2/22 14:14
緩やかな尾根をくだり、沢沿いを歩いて下山
撮影機器:

装備

個人装備
長袖シャツ 長袖インナー ハードシェル タイツ ズボン 靴下 グローブ アウター手袋 予備手袋 防寒着 バラクラバ 毛帽子 着替え 予備靴ひも ザック アイゼン ピッケル ビーコン スコップ ゾンデ 行動食 非常食 飲料 水筒(保温性) コッヘル 食器 調理器具 ライター 地図(地形図) コンパス 計画書 ヘッドランプ 予備電池 ファーストエイドキット 針金 ガムテープ 常備薬 日焼け止め ロールペーパー 保険証 携帯 時計 サングラス ナイフ カメラ シェラフ ハーネス ヘルメット 確保機 カラビナ クイックドロー スリング ロープスリング
共同装備
ガスカートリッジ(梶田大1・北島小1) ポール(丸山・梶田) テント(丸山・梶田)・アイスアックス4(梶田2・丸山2)・テントマット(北島・丸山)・ロープ(梶田1・北島1)・スノーソー(梶田)
お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:1197人

コメント

おつかれさまでした!
こんにちは。荒沢山→足拍子まで同じルートをたどった2人組のうちのひとりです。
大源太までは行かれなかったのですね。写真だけでも、とても悪そう・・・。
こちらも南尾根の下山が悪すぎで苦戦しました。
またどこかでお会いできたら嬉しいです!
2021/2/26 9:00
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。

ルートを登録する

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら