【甲武信ヶ岳】地図から消えた道で山頂へ!【釜ノ沢東俣】
- GPS
- --:--
- 距離
- 18.4km
- 登り
- 1,843m
- 下り
- 1,836m
コースタイム
西沢渓谷入口駐車場05:00-05:35鶏冠谷出合(アイテムチェンジ)05:50-06:40茅ヶ崎市役所看板
-07:20東沢出合-07:55山の神08:05(朝食)-09:50釜ノ沢出合09:55-10:00魚留滝10:15
-10:50両門ノ滝11:10(昼食)-12:30ミズシ沢出合12:40-12:56ミズシ沢出合リターン(ストック忘れ)
-13:45ポンプ小屋-14:02甲武信小屋14:25(アイテムチェンジ)-14:42甲武信ヶ岳山頂到着
【復路】
14:52甲武信ヶ岳山頂-15:20木賊山-15:32戸渡尾根分岐-16:43近丸新道・徳ちゃん新道分岐
-17:50徳ちゃん新道登山口-18:15西沢渓谷入口駐車場
※今回は各ポイントで、コンパスと高度計を使って読図する時間を設けました。
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・鶏冠尾根水平経路 バリエーションルートです。踏み跡は比較的明瞭ですが、最終的に行く手を倒木 が塞ぎます。来た道を戻らず、登山道に巻き上がる場合はRFが必要です。 ・鶏冠尾根〜東沢出合 バリエーションルートです。茅ヶ崎市役所山岳部設置看板から東沢出合へ降りる クライムダウンは初心者だと難しいと感じました。残置スリングがあったので そこそこの傾斜があると思います。初めての方は進退極まる局面もあるかと思われ ますので使う場合は慎重に。岩場は濡れて滑りやすいため沢靴のほうが安心です。 ・山の神〜甲武信ヶ岳 笛吹川東沢渓谷(釜ノ沢東俣)は、かつて、甲武信ヶ岳へ至る登山道として 活躍したルートなので巻き道を使えば初級者でも遡行は可能です。 グレードは一級上と格付けされています。 一級上というのは、巻き道を使用した際の遡行グレードです。個人的には直登で 遡行する場合は、二級程度の難易度があると感じています。魚留ノ滝はスラブで ホールドも少ないしヌメっているのでとても難しいです。6m曲がり滝は取り付く までに泳ぎが必要です。遡行距離は長いほうなので体力を必要とする沢です。 初めて入渓する場合は、日帰りではなくテン場で一泊するなど余裕をもった行程 を組んだほうが楽しめます。 沢詰めは、そのままピークに詰め上げようとするとガレ場が待っています。 今の時期の甲武信ヶ岳源流部は雪が緩み、岩と岩が微妙に動いている時期です のでポンプ小屋から稜線に上がるルートを詰め上げたほうが無難です。 入渓にはフェルトシューズなどの沢靴は忘れずに。 ・甲武信ヶ岳〜西沢渓谷入渓ポイント 徳ちゃん新道で下山しました。整備された良い登山道です。危険な箇所は ありませんでした。標高2000メートル近辺までは残雪がありましたが アイゼンの必要性は感じませんでした。 |
写真
感想
甲武信ヶ岳(こぶしがたけ)は、甲州(山梨県)、武州(埼玉県)、信州(長野県)
の3県にまたがる県境ピークです。魅力的な名前ですね。
富士川、荒川、信濃川、3つの源流をその裾野に抱えてます。
西沢渓谷入り口から甲武信ヶ岳2,475mに突き上げる感覚は爽快そのもの。
その突き上げルートである釜ノ沢東俣は、日本アルペン史上、沢登り発祥の地
(聖地)の一つと言われていますので、沢歩きファンは一度は訪れてみても
損はしないと思います。一枚岩の「千畳のナメ床」は何度訪れても感嘆せざるを
得ない素晴らしさです。
今回、丹沢ではなく、秩父に来たのは、2,000メートルを超える山で高度計の使い
勝手を確認したかったからです。前回、暗闇でめくらコンパスを切ったことで
やや危険な山行になってしまった為、高度計を今後の山行に取り入れてみたく
なりました。
昼間で視界が効く場合は、高度計の必要性はあまり感じませんが、夜間や濃霧の
場合、現在地を割り出すには便利だと思いました。
※夜間のVRは危険なのでしばらくやるつもりはありません。
あまり道具に頼ると野生の勘が衰えそうなので、今後は夜間と視界が利かない場合
のみ使っていこうと思います。
今回は、歩き慣れたルートでポイントごとにクロスベアリングして、2箇所の目印
から現在地を割り出す整置にもトライしてみました。見通しの悪い谷では使えない
ことが多い技ですが、高度計とセットで使えば、現在地をなんとなく割り出すこと
ができると感じました。
【山行後記ー高巻き】
甲武信ヶ岳山頂までのルートとして使った道は、かつて登山道として使われていた
沢沿いの古道です。このような古道は丹沢にもあります。城ヶ尾峠〜信玄平付近の
旧東海自然歩道(バケモノ沢沿いの生活古道)もそのひとつです。
現在のように登山道が整備されていない時代には、山村から山村へ移動するために、
沢沿いの道がよく使われていたと聞きます。深い藪を避けて峠や尾根を越えるために
沢を使ったのでしょう。沢は合理的です。沢自体が道そのものですから。
その道も地図から消え、現在は立ち入り禁止となり、沢ヤ以外は遡行しないルート
となっています。
このような道を歩くには、「高巻き」のスキルを上げる必要がありますね。
沢には、滝やゴルジュなどの遡行困難な障害物があります。この障害物をかつての
人々は「高巻き」をすることで越えていったのです。生活者にとって滝やゴルジュは、
楽しむ対象ではなく、やっかいなものでしかなかったのでしょう。
今回のルートは、その「高巻き」をたくさん経験できます。
若い頃は、「滝を巻くのはチキン」だと思ってましたが、今では高巻きこそ
沢歩きの醍醐味なのではなかろうかと思ってます。初見でベストな高巻きルートを
見つけた時は思わずガッツポーズがでてしまいます。
かつての生活者の導線に想いを馳せ、高巻きをすることで、スポーツとしての
登山ではなく、生活のための「歩み」を実感することができます。
みなさんも今年の夏は高巻いてみませんか?
【山行後記ー古道のうわさ】
かなり昔の話ですが、”鶏冠尾根アプローチ部には、沢と尾根の中間に位置する
水平経路があるらしい・・・”。そんなうわさを耳にしたことがありました。
探してみました。
等高線の間隔が比較的緩いポイントにそれらしい道はあったのですが、倒木で前に
進めなくなりましたので、どこに続いているか確認することができませんでした。
最終的には清兵衛沢にぶちあたるんでしょうが、清兵衛沢の岩場の処理さえできれば
水平は保てないもののやや下り気味で山の神までなんとかトラバースルートを
つなげそうな感じでした。
増水などで通れなくなった際の避難ルートだったのでしょうか?それとも・・・
単なる作業道とは違う印象の道・・・ロマンがかきたてられます。
山行後、地図を眺めながらあることないこと勝手に想像している時間が至福の時です。
時間があるときにでも再探索したいと思ってます。
【山行後記ー沢下降】
茅ヶ崎市役所山岳部が設置した「東沢出合へ」の道しるべが通るたびに気になって
いました。「清兵衛沢かホラの貝沢のクライムダウンルートなのではないか?」
いずれは探索しておかなくてはと考えていたので下降してみました。下り始めは
どちらの沢を下っているのかわかりませんでした。
こういうVRは好奇心を刺激します。
前回夜間の沢下降で痛い目にあっているので、時間に余裕がある朝イチでこの沢の
下降にトライしてみました。
一箇所いやらしいところがありましたが、1.8+1.2メートルのテープスリングを
残置にかませ、安全を確保して下降しました。おそらく懸垂で下降に使ったか、
アイスクライミング用のトップロープ用支点として使ったのでしょう。残置を
否定するとか、回収するとかの趣味はありません。自分はとにかく前進するために
掴めるものがあればなんでも掴む派なので・・・。
いくつかの岩場、ガレ場をクライムダウンしていくと東沢沿いの登山道に出ました。
沢のクライムダウンは、前ダメ、右ダメ、左ダメになったら敗退するしかないので
退路を残しておくことが肝要です。退路さえ残しておけば大胆に前進することが
できますので自然とルートは拓けます。今回も残置にスリングをかけておいた状態で
その先のルートを見定めて、降りれそうだと判断した段階でスリングを抜きました。
退路を断ってまで沢を下ると焦りから迷いが生じ、凡ミスに繋がる恐れがあります
のでご注意を。
souldoctorさん、お疲れ様でした〜
釜の沢、若い頃に2回歩きました。
もちろん、初心者用の講習会で沢で1泊しました。
山スキーは24年振りに再開しましたが、赤ヘルやハーネスや沢シューズやらは24年間の眠りからなかなか覚めそうもありません
しかし、souldoctorさん、バナナやらピースやら、なんかヤマレコ病に侵されつつあるような
え? 私のせいは無しよ〜
その通りです。もはやヤマレコ病患者ですね
山バナナの会の方や、ふふふでわでわの方たちのウイルスに
犯されつつあります
そして
ヤマレコで登ったことのない山のキレイな写真見てるときが幸せかも
そろそろ水が暖かくなるので赤ヘル復活期待してます!
では〜
soulさん、甲武信お疲れ様でした〜。
瀑・瀑・瀑、すんごい迫力ですね 音まで伝わってきそうな写真の数々。さすがです!
特に写真23の東のナメ沢ですか、写真でも存在感ビシバシ感じます。生だともっとすごいんでしょうね
自分にはとても歩けないルートなので、気分だけ味あわせてもらいました 次のレコも楽しみにしてます
souldoctorさん、おはようございます。
コースタイムに「茅ヶ崎市役所看板」とあったので
???と思って読み進めて納得です。
甲武信ヶ岳のレコはいくつか読んだことがありますが、
全く違う山のレコに思えました。
写真も素敵ですが、色々な状況を楽しんでおられる
souldoctorさんはもっと素敵ですね。
いつもながら嬉しいお言葉ありがとうございます
ヤマレコの皆様の写真は素晴らしいクオリティのものばかりなので
コンデジの限界を感じつつあります
「こんな写真で参考になるのだろうか・・・」といつも考えてしまいます。
東のナメ沢はfunkyさんの一眼レフならもっと迫力あるように撮れたハズ
なんですけどね〜
雲取の写真を見て、デジタル一眼が欲しくなってきました。そして次は
久しぶりに雲取にお邪魔してみたくなりました
写真の威力ってスゴイですね
millionさんおはようございます
富士山のmillionさんの笑顔サイコーに輝いてましたね
きっと夜間歩いているときも、長距離歩いている時も笑顔なんでしょうね
自然とあのような笑顔が出るよう、もっともっと山を楽しみたいと思ってます
次はどちらに? 次回百万歩も楽しみにしてますね〜
でわでわ
高度計、購入しましたね
SPALDING社製はアナログっぽくていい感じです
でもsoulさんには必要ないのでは?
確かに、野性的「勘」は大事にしていきたいですよね
それにしてもここはナメ滝が美しいですね
この夏行ってみたくなりました
それにしても、タイトルが探検心をくすぐります
is隊には是非東沢⇔西沢のVRを開拓してもらいたいです
東沢の山の神から石塔尾根を越えて西沢渓谷の七ッ釜に
抜ける廃道があるらしいんですが、自分は尾根筋の地図読み
が苦手なので躊躇してます
isさんとgoeさんが開拓した後にでも入ろうかなと
ヨロシクです〜
高度計については後ほど日記に使い勝手を備忘して
みるつもりです
では今週頑張りましょう
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