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Yamareco

記録ID: 297783
全員に公開
沢登り
奥秩父

【甲武信ヶ岳】地図から消えた道で山頂へ!【釜ノ沢東俣】

2013年05月12日(日) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
18.4km
登り
1,843m
下り
1,836m

コースタイム

【往路】

西沢渓谷入口駐車場05:00-05:35鶏冠谷出合(アイテムチェンジ)05:50-06:40茅ヶ崎市役所看板
-07:20東沢出合-07:55山の神08:05(朝食)-09:50釜ノ沢出合09:55-10:00魚留滝10:15
-10:50両門ノ滝11:10(昼食)-12:30ミズシ沢出合12:40-12:56ミズシ沢出合リターン(ストック忘れ)
-13:45ポンプ小屋-14:02甲武信小屋14:25(アイテムチェンジ)-14:42甲武信ヶ岳山頂到着

【復路】

14:52甲武信ヶ岳山頂-15:20木賊山-15:32戸渡尾根分岐-16:43近丸新道・徳ちゃん新道分岐
-17:50徳ちゃん新道登山口-18:15西沢渓谷入口駐車場

※今回は各ポイントで、コンパスと高度計を使って読図する時間を設けました。
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2013年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
コース状況/
危険箇所等
・鶏冠尾根水平経路

バリエーションルートです。踏み跡は比較的明瞭ですが、最終的に行く手を倒木
が塞ぎます。来た道を戻らず、登山道に巻き上がる場合はRFが必要です。

・鶏冠尾根〜東沢出合

バリエーションルートです。茅ヶ崎市役所山岳部設置看板から東沢出合へ降りる
クライムダウンは初心者だと難しいと感じました。残置スリングがあったので
そこそこの傾斜があると思います。初めての方は進退極まる局面もあるかと思われ
ますので使う場合は慎重に。岩場は濡れて滑りやすいため沢靴のほうが安心です。

・山の神〜甲武信ヶ岳

笛吹川東沢渓谷(釜ノ沢東俣)は、かつて、甲武信ヶ岳へ至る登山道として
活躍したルートなので巻き道を使えば初級者でも遡行は可能です。

グレードは一級上と格付けされています。

一級上というのは、巻き道を使用した際の遡行グレードです。個人的には直登で
遡行する場合は、二級程度の難易度があると感じています。魚留ノ滝はスラブで
ホールドも少ないしヌメっているのでとても難しいです。6m曲がり滝は取り付く
までに泳ぎが必要です。遡行距離は長いほうなので体力を必要とする沢です。
初めて入渓する場合は、日帰りではなくテン場で一泊するなど余裕をもった行程
を組んだほうが楽しめます。

沢詰めは、そのままピークに詰め上げようとするとガレ場が待っています。
今の時期の甲武信ヶ岳源流部は雪が緩み、岩と岩が微妙に動いている時期です
のでポンプ小屋から稜線に上がるルートを詰め上げたほうが無難です。

入渓にはフェルトシューズなどの沢靴は忘れずに。

・甲武信ヶ岳〜西沢渓谷入渓ポイント

徳ちゃん新道で下山しました。整備された良い登山道です。危険な箇所は
ありませんでした。標高2000メートル近辺までは残雪がありましたが
アイゼンの必要性は感じませんでした。
おはようございます。本日は沢沿いの登山道を使って甲武信ヶ岳に登ります。
2013年05月13日 17:01撮影 by  DSC-WX100, SONY
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5/13 17:01
おはようございます。本日は沢沿いの登山道を使って甲武信ヶ岳に登ります。
ネトリ橋WC通過。 
2013年05月13日 17:04撮影 by  DSC-WX100, SONY
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5/13 17:04
ネトリ橋WC通過。 
二俣吊橋。直進すると西沢渓谷の周遊ルートに入ります。
2013年05月13日 17:06撮影 by  DSC-WX100, SONY
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5/13 17:06
二俣吊橋。直進すると西沢渓谷の周遊ルートに入ります。
吊橋から見る鶏冠山。鶏のトサカにそっくりな山容。
2013年05月13日 17:10撮影 by  DSC-WX100, SONY
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5/13 17:10
吊橋から見る鶏冠山。鶏のトサカにそっくりな山容。
本日は東沢渓谷の遡行なので西沢渓谷看板を直進せず右折します。
2013年05月14日 08:56撮影 by  DSC-WX100, SONY
5/14 8:56
本日は東沢渓谷の遡行なので西沢渓谷看板を直進せず右折します。
確かに事故が多いです。単独のみなさん、お互い気をつけましょう。
2013年05月13日 17:14撮影 by  DSC-WX100, SONY
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5/13 17:14
確かに事故が多いです。単独のみなさん、お互い気をつけましょう。
鶏冠谷出合。対岸へ渡渉します。山の神には直接行かず、一度鶏冠尾根を登ります。
2013年05月13日 17:17撮影 by  DSC-WX100, SONY
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5/13 17:17
鶏冠谷出合。対岸へ渡渉します。山の神には直接行かず、一度鶏冠尾根を登ります。
踏み跡がかすかに残る水平経路を発見。探索してみました。
2013年05月13日 17:22撮影 by  DSC-WX100, SONY
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5/13 17:22
踏み跡がかすかに残る水平経路を発見。探索してみました。
何度か難所をクリアするも倒木で行き詰まり、高巻いて正規登山道にエスケープしました。
2013年05月13日 17:24撮影 by  DSC-WX100, SONY
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5/13 17:24
何度か難所をクリアするも倒木で行き詰まり、高巻いて正規登山道にエスケープしました。
ふふふ・・・今日は朝から冒険ごっこです。未知の沢下りはワクワクしますね。クライムダウンを開始。
2013年05月13日 17:27撮影 by  DSC-WX100, SONY
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5/13 17:27
ふふふ・・・今日は朝から冒険ごっこです。未知の沢下りはワクワクしますね。クライムダウンを開始。
ふむふむ。こんな感じの谷です。つかめるものはなんでもつかんで降ります。ザザーッと・・・。
2013年05月13日 17:37撮影 by  DSC-WX100, SONY
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5/13 17:37
ふむふむ。こんな感じの谷です。つかめるものはなんでもつかんで降ります。ザザーッと・・・。
結構しっかりしてたので残置スリングを使用。フリーにこだわりはないです。
2013年05月13日 17:30撮影 by  DSC-WX100, SONY
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5/13 17:30
結構しっかりしてたので残置スリングを使用。フリーにこだわりはないです。
足場のいやらしい棚をサクっと処理し、無事沢沿いの古道に降り立ちました。ひと仕事終えた気分。
2013年05月13日 17:32撮影 by  DSC-WX100, SONY
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5/13 17:32
足場のいやらしい棚をサクっと処理し、無事沢沿いの古道に降り立ちました。ひと仕事終えた気分。
花の出迎えに感動。満足しちゃったので行くか戻るかしばし考えちゃいました。そういえば高度計!
行きます。
2013年05月13日 17:49撮影 by  DSC-WX100, SONY
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5/13 17:49
花の出迎えに感動。満足しちゃったので行くか戻るかしばし考えちゃいました。そういえば高度計!
行きます。
ホラの貝ゴルジュ入り口。単独では入りません。誰かと一緒のほうがいいです。
2013年05月13日 17:42撮影 by  DSC-WX100, SONY
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5/13 17:42
ホラの貝ゴルジュ入り口。単独では入りません。誰かと一緒のほうがいいです。
巻き道からのゴルジュ。今日の水量は多いほう。この季節に突入する人いたらスゴイです。
2013年05月13日 17:44撮影 by  DSC-WX100, SONY
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5/13 17:44
巻き道からのゴルジュ。今日の水量は多いほう。この季節に突入する人いたらスゴイです。
山ノ神に到着。安全な遡行を祈念。対岸に石塔尾根経由で西沢まで抜ける廃道があるそうです。興味津々。
2013年05月13日 17:50撮影 by  DSC-WX100, SONY
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5/13 17:50
山ノ神に到着。安全な遡行を祈念。対岸に石塔尾根経由で西沢まで抜ける廃道があるそうです。興味津々。
高度計を持ってきました。今日の山行は高度計の確認がメインです。
2013年05月13日 17:54撮影 by  DSC-WX100, SONY
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5/13 17:54
高度計を持ってきました。今日の山行は高度計の確認がメインです。
入渓。丹沢に劣らず美渓です。さすが秩父、突き刺すような冷たい水に感動。
2013年05月13日 17:58撮影 by  DSC-WX100, SONY
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5/13 17:58
入渓。丹沢に劣らず美渓です。さすが秩父、突き刺すような冷たい水に感動。
乙女ノ滝。暴力的な景観なのに乙女とは・・・。アイスクライミングの人気スポットです。
2013年05月13日 18:01撮影 by  DSC-WX100, SONY
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5/13 18:01
乙女ノ滝。暴力的な景観なのに乙女とは・・・。アイスクライミングの人気スポットです。
逆層の絶壁。メラメラと闘志がわいちゃう人いるんでしょうね。
2013年05月13日 18:05撮影 by  DSC-WX100, SONY
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5/13 18:05
逆層の絶壁。メラメラと闘志がわいちゃう人いるんでしょうね。
CUTEな人面岩。 
2013年05月13日 18:07撮影 by  DSC-WX100, SONY
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5/13 18:07
CUTEな人面岩。 
東のナメ沢。300メートル超スラブ滝。肉眼でみると異様な迫力。
2013年05月14日 08:52撮影 by  DSC-WX100, SONY
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5/14 8:52
東のナメ沢。300メートル超スラブ滝。肉眼でみると異様な迫力。
鼻唄を歌いながらユラユラと・・・。
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鼻唄を歌いながらユラユラと・・・。
西のナメ沢。こちらもダイナミックですね〜。カナダやニュージー系のおもむき。
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西のナメ沢。こちらもダイナミックですね〜。カナダやニュージー系のおもむき。
写真左隅下の大きい岩が前触れもなく眼前に落っこってきました。危機一髪(汗)当たらなくてラッキーでした。
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写真左隅下の大きい岩が前触れもなく眼前に落っこってきました。危機一髪(汗)当たらなくてラッキーでした。
東沢渓谷エメラルドグリーン炸裂!いっそこのまま魚になってしまいたい。
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東沢渓谷エメラルドグリーン炸裂!いっそこのまま魚になってしまいたい。
水量1:1の分岐。直進方向が金山沢。右折して釜ノ沢に入ります。
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水量1:1の分岐。直進方向が金山沢。右折して釜ノ沢に入ります。
魚止ノ滝に到着。ここからが遡行の本番。カープは好きな球団ですが熱烈なファンというわけではありません。
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魚止ノ滝に到着。ここからが遡行の本番。カープは好きな球団ですが熱烈なファンというわけではありません。
落口からの眺め。落差はないですが美瀑です。ドドドドッ
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落口からの眺め。落差はないですが美瀑です。ドドドドッ
富士スピードウェイの30度バンクのようなナメからいよいよ始まりますね。 
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富士スピードウェイの30度バンクのようなナメからいよいよ始まりますね。 
行きます!
来ました!釜ノ沢名物「千畳のナメ」畳千枚分とはよく言ったものです。長すぎて先が見えません。
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来ました!釜ノ沢名物「千畳のナメ」畳千枚分とはよく言ったものです。長すぎて先が見えません。
一枚の大きな岩の道に水が流れています。またしても帰りたくない症候群が・・・。
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一枚の大きな岩の道に水が流れています。またしても帰りたくない症候群が・・・。
雪解けの水と昨日の雨で今日は水量が豊富。正にスプラッシュマウンテン!
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雪解けの水と昨日の雨で今日は水量が豊富。正にスプラッシュマウンテン!
たいしたことないと思うか、スゴイと思うかは自分のココロ次第。ピース!
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たいしたことないと思うか、スゴイと思うかは自分のココロ次第。ピース!
6m曲がり滝。いい滝です。取り付く為にはまずスイム。右側から巻けます。
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6m曲がり滝。いい滝です。取り付く為にはまずスイム。右側から巻けます。
両門ノ滝30mに到着。右滝の東俣を選択。
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両門ノ滝30mに到着。右滝の東俣を選択。
沢バナナの会設立・・・パクリ過ぎなのでやめておきます。
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沢バナナの会設立・・・パクリ過ぎなのでやめておきます。
両門東滝はガバが取れるので水流キワを直登します。今日一番のハイライト。
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両門東滝はガバが取れるので水流キワを直登します。今日一番のハイライト。
ワンハンドガバで両門の釜を撮影。もうすぐテラス。
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ワンハンドガバで両門の釜を撮影。もうすぐテラス。
落口に無事到着!傾斜が寝てるっていってもここからスライダーをする勇気はないです。
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落口に無事到着!傾斜が寝てるっていってもここからスライダーをする勇気はないです。
テラスにあがって(;゜Д゜)! 落ち葉かと思って手をつくところでした。正直ビビりました。
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テラスにあがって(;゜Д゜)! 落ち葉かと思って手をつくところでした。正直ビビりました。
ヤゲンの滝を通過し、カラマツ林がキレイなテン場に到着。稜線が見えてきました。
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ヤゲンの滝を通過し、カラマツ林がキレイなテン場に到着。稜線が見えてきました。
見事です。よくここで夜空を見ながら焚き火しました。少し遡行速度を上げます。
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見事です。よくここで夜空を見ながら焚き火しました。少し遡行速度を上げます。
階段状ナメ滝とミズシ沢出合をかっとばして1990m付近の円盤矢印二俣に到着。右俣を遡行。
2013年05月14日 14:56撮影 by  DSC-WX100, SONY
5/14 14:56
階段状ナメ滝とミズシ沢出合をかっとばして1990m付近の円盤矢印二俣に到着。右俣を遡行。
岩陰に咲く一輪の花。
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岩陰に咲く一輪の花。
大ナメ滝直前のプチ雪渓。結構な量の残雪がありました。
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大ナメ滝直前のプチ雪渓。結構な量の残雪がありました。
ぐんぐん高度が上がります。源流の様相になってきました。青空に向かって突き上げます。
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ぐんぐん高度が上がります。源流の様相になってきました。青空に向かって突き上げます。
ダイナミックな沢詰めですね。
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ダイナミックな沢詰めですね。
捨て去られたワラジ。ここまで頑張ってきたワラジ君はきちんと持ち帰りましょう!
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捨て去られたワラジ。ここまで頑張ってきたワラジ君はきちんと持ち帰りましょう!
どの石も浮きまくってます。後続はいませんが石を流したくないのでポンプ小屋へ。
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どの石も浮きまくってます。後続はいませんが石を流したくないのでポンプ小屋へ。
ポンプ小屋に到着。甲武信小屋で使う水はここから汲み上げています。
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ポンプ小屋に到着。甲武信小屋で使う水はここから汲み上げています。
大河の源泉。超冷たくて美味しかったです。
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大河の源泉。超冷たくて美味しかったです。
立ち入り禁止のロープをまたいで稜線に出ました。稜線裏が甲武信小屋です。
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立ち入り禁止のロープをまたいで稜線に出ました。稜線裏が甲武信小屋です。
甲武信小屋です。宿泊予定のハイカーの方と一緒に山頂を目指しました。
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甲武信小屋です。宿泊予定のハイカーの方と一緒に山頂を目指しました。
まだまだ雪深いですね。
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まだまだ雪深いですね。
しばらく歩くと視界が開け、国師ヶ岳と金峰山が眼前に!絶景です!
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しばらく歩くと視界が開け、国師ヶ岳と金峰山が眼前に!絶景です!
14時42分、日本百名山「甲武信ヶ岳」に到着!眺望が良い山頂です。
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14時42分、日本百名山「甲武信ヶ岳」に到着!眺望が良い山頂です。
高度計も正確でした。名残惜しいですがハイカーの方に別れを告げて下山します。
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高度計も正確でした。名残惜しいですがハイカーの方に別れを告げて下山します。
次のターゲットは「木賊山(とくさやま)」2498m。高い山ですが眺望はありません。
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次のターゲットは「木賊山(とくさやま)」2498m。高い山ですが眺望はありません。
木賊山からの「甲武信ヶ岳」。鬼ヶ岩から眺める蛭ヶ岳とシルエットが似ています。
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木賊山からの「甲武信ヶ岳」。鬼ヶ岩から眺める蛭ヶ岳とシルエットが似ています。
木賊山の山頂に到着。1メートル以上は残雪があります。
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木賊山の山頂に到着。1メートル以上は残雪があります。
冬山ですね。バッドロックは想像以上に雪上のフィーリングがいいです。
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冬山ですね。バッドロックは想像以上に雪上のフィーリングがいいです。
近丸新道と徳ちゃん新道との分岐。近丸は適当に沢を降りちゃう恐れがあるので右折。
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近丸新道と徳ちゃん新道との分岐。近丸は適当に沢を降りちゃう恐れがあるので右折。
機会があったら次はあそこへ!
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機会があったら次はあそこへ!
ヘッドライトは使わなくてOKっぽいです。murrenさんにお叱りいただくことがなさそう♪ ふふふ
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ヘッドライトは使わなくてOKっぽいです。murrenさんにお叱りいただくことがなさそう♪ ふふふ
幻想的な落日。
無事日没前までに下山完了♪
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無事日没前までに下山完了♪
茜雲と暮色に染まる鶏冠山。今日も遊び尽くしました。
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茜雲と暮色に染まる鶏冠山。今日も遊び尽くしました。
前半部の立役者。これ以上これ以下でもないミニマムな厳選装備。
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前半部の立役者。これ以上これ以下でもないミニマムな厳選装備。
駐車場に無事到着。これから中央高速に乗って帰ります。本日登られた方、お疲れ様でした。完!
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駐車場に無事到着。これから中央高速に乗って帰ります。本日登られた方、お疲れ様でした。完!

感想

甲武信ヶ岳(こぶしがたけ)は、甲州(山梨県)、武州(埼玉県)、信州(長野県)
の3県にまたがる県境ピークです。魅力的な名前ですね。

富士川、荒川、信濃川、3つの源流をその裾野に抱えてます。

西沢渓谷入り口から甲武信ヶ岳2,475mに突き上げる感覚は爽快そのもの。

その突き上げルートである釜ノ沢東俣は、日本アルペン史上、沢登り発祥の地
(聖地)の一つと言われていますので、沢歩きファンは一度は訪れてみても
損はしないと思います。一枚岩の「千畳のナメ床」は何度訪れても感嘆せざるを
得ない素晴らしさです。

今回、丹沢ではなく、秩父に来たのは、2,000メートルを超える山で高度計の使い
勝手を確認したかったからです。前回、暗闇でめくらコンパスを切ったことで
やや危険な山行になってしまった為、高度計を今後の山行に取り入れてみたく
なりました。

昼間で視界が効く場合は、高度計の必要性はあまり感じませんが、夜間や濃霧の
場合、現在地を割り出すには便利だと思いました。

※夜間のVRは危険なのでしばらくやるつもりはありません。

あまり道具に頼ると野生の勘が衰えそうなので、今後は夜間と視界が利かない場合
のみ使っていこうと思います。

今回は、歩き慣れたルートでポイントごとにクロスベアリングして、2箇所の目印
から現在地を割り出す整置にもトライしてみました。見通しの悪い谷では使えない
ことが多い技ですが、高度計とセットで使えば、現在地をなんとなく割り出すこと
ができると感じました。

【山行後記ー高巻き】

甲武信ヶ岳山頂までのルートとして使った道は、かつて登山道として使われていた
沢沿いの古道です。このような古道は丹沢にもあります。城ヶ尾峠〜信玄平付近の
旧東海自然歩道(バケモノ沢沿いの生活古道)もそのひとつです。

現在のように登山道が整備されていない時代には、山村から山村へ移動するために、
沢沿いの道がよく使われていたと聞きます。深い藪を避けて峠や尾根を越えるために
沢を使ったのでしょう。沢は合理的です。沢自体が道そのものですから。
その道も地図から消え、現在は立ち入り禁止となり、沢ヤ以外は遡行しないルート
となっています。

このような道を歩くには、「高巻き」のスキルを上げる必要がありますね。

沢には、滝やゴルジュなどの遡行困難な障害物があります。この障害物をかつての
人々は「高巻き」をすることで越えていったのです。生活者にとって滝やゴルジュは、
楽しむ対象ではなく、やっかいなものでしかなかったのでしょう。

今回のルートは、その「高巻き」をたくさん経験できます。

若い頃は、「滝を巻くのはチキン」だと思ってましたが、今では高巻きこそ
沢歩きの醍醐味なのではなかろうかと思ってます。初見でベストな高巻きルートを
見つけた時は思わずガッツポーズがでてしまいます。

かつての生活者の導線に想いを馳せ、高巻きをすることで、スポーツとしての
登山ではなく、生活のための「歩み」を実感することができます。

みなさんも今年の夏は高巻いてみませんか?


【山行後記ー古道のうわさ】

かなり昔の話ですが、”鶏冠尾根アプローチ部には、沢と尾根の中間に位置する
水平経路があるらしい・・・”。そんなうわさを耳にしたことがありました。

探してみました。

等高線の間隔が比較的緩いポイントにそれらしい道はあったのですが、倒木で前に
進めなくなりましたので、どこに続いているか確認することができませんでした。
最終的には清兵衛沢にぶちあたるんでしょうが、清兵衛沢の岩場の処理さえできれば
水平は保てないもののやや下り気味で山の神までなんとかトラバースルートを
つなげそうな感じでした。

増水などで通れなくなった際の避難ルートだったのでしょうか?それとも・・・
単なる作業道とは違う印象の道・・・ロマンがかきたてられます。
山行後、地図を眺めながらあることないこと勝手に想像している時間が至福の時です。

時間があるときにでも再探索したいと思ってます。

【山行後記ー沢下降】

茅ヶ崎市役所山岳部が設置した「東沢出合へ」の道しるべが通るたびに気になって
いました。「清兵衛沢かホラの貝沢のクライムダウンルートなのではないか?」

いずれは探索しておかなくてはと考えていたので下降してみました。下り始めは
どちらの沢を下っているのかわかりませんでした。

こういうVRは好奇心を刺激します。

前回夜間の沢下降で痛い目にあっているので、時間に余裕がある朝イチでこの沢の
下降にトライしてみました。

一箇所いやらしいところがありましたが、1.8+1.2メートルのテープスリングを
残置にかませ、安全を確保して下降しました。おそらく懸垂で下降に使ったか、
アイスクライミング用のトップロープ用支点として使ったのでしょう。残置を
否定するとか、回収するとかの趣味はありません。自分はとにかく前進するために
掴めるものがあればなんでも掴む派なので・・・。

いくつかの岩場、ガレ場をクライムダウンしていくと東沢沿いの登山道に出ました。

沢のクライムダウンは、前ダメ、右ダメ、左ダメになったら敗退するしかないので
退路を残しておくことが肝要です。退路さえ残しておけば大胆に前進することが
できますので自然とルートは拓けます。今回も残置にスリングをかけておいた状態で
その先のルートを見定めて、降りれそうだと判断した段階でスリングを抜きました。
退路を断ってまで沢を下ると焦りから迷いが生じ、凡ミスに繋がる恐れがあります
のでご注意を。

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コメント

ピースしてるし〜
souldoctorさん、お疲れ様でした〜

釜の沢、若い頃に2回歩きました。
もちろん、初心者用の講習会で沢で1泊しました。

山スキーは24年振りに再開しましたが、赤ヘルやハーネスや沢シューズやらは24年間の眠りからなかなか覚めそうもありません

しかし、souldoctorさん、バナナやらピースやら、なんかヤマレコ病に侵されつつあるような
え? 私のせいは無しよ〜
2013/5/14 21:00
FRESCHEZZAさんの影響大です!
その通りです。もはやヤマレコ病患者ですね

山バナナの会の方や、ふふふでわでわの方たちのウイルスに
犯されつつあります

そして

ヤマレコで登ったことのない山のキレイな写真見てるときが幸せかも

そろそろ水が暖かくなるので赤ヘル復活期待してます!

では〜
2013/5/14 21:34
すごい迫力ですね
soulさん、甲武信お疲れ様でした〜。

瀑・瀑・瀑、すんごい迫力ですね  音まで伝わってきそうな写真の数々。さすがです!

特に写真23の東のナメ沢ですか、写真でも存在感ビシバシ感じます。生だともっとすごいんでしょうね

自分にはとても歩けないルートなので、気分だけ味あわせてもらいました 次のレコも楽しみにしてます
2013/5/15 1:20
茅ヶ崎市役所?
souldoctorさん、おはようございます。

コースタイムに「茅ヶ崎市役所看板」とあったので
???と思って読み進めて納得です。

甲武信ヶ岳のレコはいくつか読んだことがありますが、
全く違う山のレコに思えました。

写真も素敵ですが、色々な状況を楽しんでおられる
souldoctorさんはもっと素敵ですね。
2013/5/15 4:08
funkyさんおはようございます!
いつもながら嬉しいお言葉ありがとうございます

ヤマレコの皆様の写真は素晴らしいクオリティのものばかりなので
コンデジの限界を感じつつあります

「こんな写真で参考になるのだろうか・・・」といつも考えてしまいます。
東のナメ沢はfunkyさんの一眼レフならもっと迫力あるように撮れたハズ
なんですけどね〜

雲取の写真を見て、デジタル一眼が欲しくなってきました。そして次は
久しぶりに雲取にお邪魔してみたくなりました

写真の威力ってスゴイですね
2013/5/15 6:08
millionさんの笑顔には負けます
millionさんおはようございます

富士山のmillionさんの笑顔サイコーに輝いてましたね
きっと夜間歩いているときも、長距離歩いている時も笑顔なんでしょうね

自然とあのような笑顔が出るよう、もっともっと山を楽しみたいと思ってます

次はどちらに? 次回百万歩も楽しみにしてますね〜

でわでわ
2013/5/15 6:12
おぉ、高度計!
高度計、購入しましたね
SPALDING社製はアナログっぽくていい感じです
でもsoulさんには必要ないのでは?
確かに、野性的「勘」は大事にしていきたいですよね

それにしてもここはナメ滝が美しいですね
この夏行ってみたくなりました

それにしても、タイトルが探検心をくすぐります
2013/5/15 17:55
isさんこんばんは!
is隊には是非東沢⇔西沢のVRを開拓してもらいたいです

東沢の山の神から石塔尾根を越えて西沢渓谷の七ッ釜に
抜ける廃道があるらしいんですが、自分は尾根筋の地図読み
が苦手なので躊躇してます

isさんとgoeさんが開拓した後にでも入ろうかなと

ヨロシクです〜

高度計については後ほど日記に使い勝手を備忘して
みるつもりです

では今週頑張りましょう
2013/5/15 21:46
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この記録に関連する登山ルート

ハイキング 奥秩父 [日帰り]
甲武信ヶ岳(徳ちゃん新道〜近丸新道)
利用交通機関: 車・バイク
技術レベル
2/5
体力レベル
3/5

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