【ホントノソラ】安達太良山~突発福島遠征1日目~


- GPS
- --:--
- 距離
- 10.8km
- 登り
- 755m
- 下り
- 745m
コースタイム
08:30 勢至平分岐
09:00 くろがね小屋
09:50 峰の辻
10:20 牛の背分岐
10:40 安達太良山山頂
11:15 表登山口分岐
11:40 みはらし台
12:25 スキー場駐車場
天候 | はれ |
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過去天気図(気象庁) | 2013年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
駐車場はスキー場のもの(無料)を利用 早い時間はトイレ等開いていないので注意 復路:土湯バイパス~磐梯吾妻レイクラインで裏磐梯 翌日の下見をしてから喜多方の町に下りる |
コース状況/ 危険箇所等 |
残雪もほんの少し、泥濘もなく歩きよい道でした。 くろがね小屋から峰の辻に上がっていくところで、崖下に気を取られていて大きくコースはずれ。かなり登ってしまったので、藪をまっすぐ横切ることに。反省。 コンビニは岳温泉にファミリーマートあり。 立ち寄り湯は空の庭リゾート、日帰り入浴600円。気持ちのいい露天風呂。 喜多方の街に下りて「食堂なまえ」で手打ちラーメン。 |
写真
感想
「あれが阿多多羅山、あの光るのが阿武隈川」
またしても突発的に降って湧いた2連休。テント泊?遠征?そうだ、福島に行こうと思い立ったのは、先日会津若松の知人が紹介していた磐梯山と、喜多方のシンプルなラーメンの写真が脳裏に焼き付いていたから。
とりあえずテントやらシェラフやら車に積み込んで、出発。栃木を抜けるときに襲ってきた豪雨も福島に入る頃には止み、空には包丁でストンと切ったような半分の白い月が。
さすがに少し寝ようと思い駐車場に車を停め、シートを倒したのだが、あまりの青空に気持ちソワソワ。結局少しウトウトッとして目が覚めたら40分しか経っておらず、あきらめて出発準備。
駐車場の反対側に停めた軽トラから年配の男性が降り、こちらに歩み寄ってきた。聞くと小名浜の仮設住宅に暮らすものの、狭い家にうんざりしてしまい毎日山に入り山菜を採っているのだと言う。お元気。
山に入りしばらく遊歩道を歩いていると、先ほどの男性が滝のわきの笹やぶをガサガサと探っている。近寄って見せてもらうと、なるほど山菜の水煮なんかによく入っている細身の筍のようなもの「ささ茸」が。その後進林道のわきでもチラホラ見かけたが、ぼくが採るべきではないと思い、そのままに。
「智恵子は東京に空が無いといふ。ほんとの空が見たいといふ。」
森を抜けると、まるで水彩絵の具をデタラメにぶちまけたような青い空。その境界に咲くピンクやら白やらの花を愛でながら、ズンズンと進む。くろがね小屋に近づくにつれ辺りに漂う硫黄臭、そうだ、ここは源泉なのだと思い出す。
くろがね小屋の上の岩場で人懐こいイワヒバリの歌声に耳をすませ、道を間違え藪を掻き、岩場をどんどん詰めると、視界にはもう山頂と青い空しか入ってこず。峰の辻にて持ってきたビールでひとり乾杯。
時間に余裕があったので、ぐるりと牛の背を回ったのが大正解。翌日登ろうと思っていた磐梯山やら、その奥の飯豊山が一望。山頂はなかなかの賑わい、岩を登って三角点に立つと下から「おーい!」と声をかけられ手を振ると、大きなレンズを携えたカメラで撮影されていた。
下りは勢いよく、すれ違う登山者に声かけながらズンズン。みはらし台まで来ると、ゴンドラで上がってきた方々がわらわら。ゲレンデに辿り着き、リフトをくぐって駐車場。振り返ると、青い空はだいぶ雲に覆われていた。
岳温泉で汗を流し、安達太良山をぐるりと巻いて磐梯山へ。明るいうちに登山口を確認し、喜多方の街へ。大通りから少し入ったところにある古びた佇まいの「食堂なまえ」。
ラーメン専門というわけでもなく、普通の街の食堂。手打ちラーメン520円、見た目の通り余計なものを一切省いた引き算のラーメンだが、パワーのある手打ちの太麺は圧倒的。会津若松の街で食糧と酒を買い込み、再び峠道を登り、裏磐梯スキー場の駐車場で車中泊。
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千恵子の言う「ホントノソラ」の対義語は「ウソノソラ」なのか? 否、そうではない、東京にだってもちろん空はある。ただ空の輪郭を形成するものが陸との境界線であるのならば、あのポコンと山頂の突き出た緩やかな稜線は、彼女にとって唯一無二の存在だったのだろう。
暮れゆく山を眺めながら、そんなことをぼんやりと考えた。
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