憧憬の常念岳 前常念岳ルート
- GPS
- 32:00
- 距離
- 10.8km
- 登り
- 1,929m
- 下り
- 1,929m
コースタイム
6:50三股駐車場 〜 7:12三股登山口 〜 10:50樹林帯を抜ける 〜道迷い 〜11:59昼食休憩12:23 〜 13:32前常念岳山頂 〜 14:47常念岳分岐 〜 15:05常念岳山頂 〜 16:00常念小屋 テント泊
6月4日
4:08起床 6:22常念小屋 〜 常念山頂手前分岐 〜 8:39前常念岳 〜 9:52樹林帯到着 〜 12:43三股登山口 〜 13:00三股駐車場
天候 | 6月3日 晴れ 少し霞みがかった様子 夕刻は西の空に雲多い 6月4日 快晴 これ以上の晴れは無いだろうというくらいの晴れの中の晴れ キング オブ ハレってやつ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
登山口手前駐車場 |
コース状況/ 危険箇所等 |
三股登山口より樹林帯を抜けるまでは、整備された登山道で道迷いの心配は無いと思います、上部に成るほど雨に浸食された段差が大きくなり、滑り易いので転倒に注意が必要でした。 樹林帯を抜けきる辺りは、踏み跡が不明瞭な個所多数で、10メートルおきにルート確認(踏み跡確認)する必要あり。 HandMはこのこまめな確認を怠り、雪渓の上の踏み跡に気を取られて往復1時間のロスを犯してしまいました。 前常念岳までの岩稜帯は目印の黄色いペンキを辿れば大丈夫。ペンキが薄くなっている部分も多いため、確認しながらの前進は必須。 前常念岳から常念岳までの岩稜の尾根は、芯をとって歩けば問題なし。 しかし大きな物で乗用車並みの大きさの岩までが折り重なった岩稜は、転んだら大怪我する可能性が高いと思います。 常念岳から常念小屋まではガレ場となり、浮石や落石に注意が必要だと思います。 |
写真
感想
山歩きを始めた昨年の秋に見た「日本百名山」という番組が、今回の常念岳を紹介している物だった。
我が家のテレビ越しに見ても素晴らしい景色が広がり、年甲斐もなく常念岳への憧れをHandMに抱かせるには、なんの不足も無かった。
1か月前の5月の連休には蝶ヶ岳に登ったが、残雪の多いその時期に、初心者のHandM夫婦が蝶ヶ岳〜常念岳への縦走は世間が許しても、お山が許してはくれなかったのだ<爆
と言うよりも、HandM夫婦にはまだ脚力体力財力が無かったのだ。
まだまだ残雪は有るらしいが、常念岳に行きたい病はピークを迎えるにあたり、これ以上先延ばしにするのは、体に毒と思ってしまった、と言うよりそう思い込んでしまったと言うべきであろう。
毎度の様にいきなり登山口です・・・
未明の3時に起床して、自宅を出発したのは3時半。
目的に一番近い安曇野インターまでは、中央道と長野道を乗り継いだ快適なドライブだ。
深夜割引を利用したこのルートなら、一般道は30分も走らなくて済むし、料金が半額の2600円とリーズナブル。
帰り道に分かった事であるが、高山から上高地経由のルートを選択していたら、夜間工事通行止めと言う、舞の海の「ねこだまし」的な技がさく裂して、三股の駐車場に辿りつけたかどうかさえ疑わしい所であった。
平日とあって三股の駐車場は閑散としている、こんな時は平日休みの有りがたさを感じる。
早速ザックを担いで登山口へ向かう。
何時もの事ながら気が急いてしまっていけませんね、いつまでたっても子供のままのHandMです。
ヤマレコのお陰で、初めて来たこの登山口の建物や水場でさえ、初対面には思えない。
有難い水場で、2Lの水をプラティバスに補充して出発。
樹林帯の中の見通しの効かない登山道を黙々と進む。
梅雨に入ったなんて発表するもんだから雨が降らない、毎度の事なんだから梅雨入りの発表をしなけりゃいいのに、なんて勝手な事を、気○庁の方々が一生懸命研究している事なんか、これっぽッチも考えないで、勝手な事を・・考えている。
標準コースタイムもろくに知らない状態だったのか?
行けども行けども樹林帯は続く、永遠に終わらないんじゃないかと思えるほど続いた樹林帯。
心配していた残雪は、ここのところの気温と日差しで急速に溶けてしまったみたいだ。
HandMは雪を嫌って、この南向き斜面の多い前常念岳経由のルートを選んだという理由も有る。
さんざん歩き倒したあと、前常念岳につながる坂が見えた、やっと樹林帯が終わったのだ。
とてつもない大きな岩がごつごつと飛び出した、ここまで歩いてきた登山道とは、すべてが違うぞと感じさせるに十分な迫力をHandMにぶつけてきた。
ここでHandM痛恨のミス・・・<泣
此処までにすでにかなりの時間を費やして来たのに、残雪の上の踏み跡を辿ってしまい、なかば道迷い・・遭難か?
しばらく残雪の上を進むが、踏み跡はけもの道も無い樹林の中へ消えた。
しかし、前常念は大きく見えて居る。
今来た道を後戻りし、ちゃんと道を確保している地点まで戻ってみた。
不明瞭ながら、登山道が有った!!
不明瞭??そんな事はない、そんな不明瞭な登山道に木で組んだ梯子が有る訳が無い。
HandMは前常念岳に気を取られて、夏道の登山道を見落としていただけの事だった。
あとでロスした時間を調べたら、1時間近かったのには驚いた。
本当に無駄な事をしてしまったと、大きく反省。
樹林帯から大きな岩の転がる岩稜帯に入ってしばらく、時間は正午に近い。
じつにここまで5時間がたっている。
「腹が減った」何時もならHandMが言うこの言葉を、今日は連れが発した。
HandMも空腹を感じて居たので、「じゃぁ、お昼にしましょう」と、登山道がすこし広く鳴った場所で、ザックをおろす。
今日のランチは焼きそば。
生めんのちゃんとした正統派の焼きそばだ!<エッヘン
フライパンは21cmと言う小ぶりな物なので、一度に焼けるのは一人前がいいところ。
無理に2人前を炒めても、こぼしたりするだけでいい事は何もない。
一人前づつ炒めて、食べ終わったらもう一人前を炒めると言う、非効率ながらも一番確実な方法をとって、さぁ・・3人前目は?
HandMも連れも、疲労と暑さから食欲が無く、一人前づつで終了。
一人一人前食べれば十分って?・・・たしかにおっしゃる通りです。
ランチを食べながら、大滝山から蝶ヶ岳の山なみを眺めて堪能する。
あの雄大なスカイラインこそが、常々HandMが夢見てやまない北アルプスの一端なのだって。
見上げるほどの急登。
ごつごつした山肌は大きな岩の塊が突き出し、いまにも落ちてきそうな勢いを感じる。
ルートには黄色いペンキマークが所々に有るが、それらは随分と色があせ薄くなっているので、時々は立ち止まってペンキを探さなくてはいけない。
三点支持(三点確保)を連れに呼びかけながら、手で岩を掴みながら一つづつ岩を越えて行く。
それにしても素晴らしい高度感だ。
これこそHandMが望んでいたトレッキングだ!絶対そうに違いない。
いきなりその岩の上に投げ出されたら、恐くて足がすくんだろう事だけど、一個一個確実に乗り越えてきた今は、大きな岩の上に立っても、爽快感が勝って恐怖感はさほど感じて居ない。
後から聞いたところでは、この前常念岳を経由するルートは、中級レベル以上のルートで、山歩き半年のHandMの来るところでは無かった様だ。
とは言え、本当に楽しい。
連れはどうかと言えば、いつもほど愚痴が出て居ない所を見ると、雄大な景色を堪能して居る様だ。
70リットルのザックに入りきらないで、右の脇に括りつけたウレタンのシュラフマットと、やっぱりしまい切れないテントマットはザックの下に縛り付けてある。
いずれもザックのコンプレッションベルトが使えたので、ブラブラする事は無いが、岩の間をすり抜けるには十分すぎるほど邪魔だ。
夕飯時に飲もうと忍ばせてきた缶ビール・・・500mlしかも2本<ゴクリ
登山口で汲んだ水。
体を左右に振った時に揺り戻しが来るほど重い。
体を後ろに引っ張る感覚が強くて、この時ばかりは欲張りな自分を恨めしく思った。
前常念岳の登りからの常念山脈は、蝶ヶ岳とはまるで組成が違い、山肌はほぼ岩稜に覆われている。
だから、前常念岳から常念岳への稜線は、いささか大袈裟だが大きな岩の上を飛んで渡って行くのに近い感覚だ。
岩飛びペンギンの事を思いながら、右手に持ったストックを確実に岩に突き、三点支持ならぬ二点支持で岩の上を渡っていく。
狭い尾根では有るが、幅は十二分にあるので、コケても山腹を転落していく事はまず無いと思う。
ただ、所々に本当に端っこを、その突き出した岩の外を、下は谷底って言う所を岩の端を掴みながら、体は谷の上をすり抜ける様な所もあるので、スリルは十分!満点以上だ。
前常念岳から一時間ちょっとで常念岳と常念小屋への分岐に到着。
このまま常念小屋に下れば、テントを張って晩飯を作っても余裕の時間が有る。
連れにこのまま常念小屋に下りるか、それとも常念岳に登頂するかを相談する。
30数年連れ添って来て、HandMの性格を知り尽くした連れは、「頂上に行っておこう」と即断。
そう言われればそうだね。
きっとHandMの事だから、明日に成ったら、「頂上はまた今度来た時に・・・」って分からない理由を言って登らないに決まってる。
分岐にザクを置き去りにしても良かったが、水が飲みたいとかカメラが持てないとか言って、重いザックを背負ったまま登頂。
思いのほか分岐からは近い頂上だったので、苦にならずに到着。
これが夢にまで見た頂上か・・・
うれしくてちょっとこみあげてくる物があったが、昼に食べた焼きそばでは無い。
空は青空、すこし霞んでは居るが視界は良い、残念なことに西に見える穂高や槍ヶ岳には雲がかかっている。
一か月前に蝶ヶ岳から見た景色とは違う新鮮な物だった。
雄大だ、とてつもなく大きい。
綺麗な稜線を放つ山が、槍ヶ岳の右手に大きく見える。
方位盤によれば薬師岳と案内されているその山は、頂上から左右に均等ななだらかな稜線を備え、こちらを向いた山腹には白い残雪とむき出しの山肌のコントラストを際立たせながら、見せつけるようにしている。
「来て良かった」
友人に「そんなに辛いのに、何が楽しい?」と問われる。
しかし、自分の肉眼で見えるこの景色と感動を、その友人に伝えるほどの言葉を、HandMは持ち合わせていない。
自分自身、この山行は辛かった。
欲張った荷物のお陰で、20kgをゆうに越してしまったザック。
想像以上の急登と岩稜は、HandMの体力を奪うのになんの苦もなかった。
しかし、「来て良かった」
そんな言葉しか出てこない自分が恥ずかしい。
十分山頂を堪能した。
北の大天井岳方面から来たという青年が、これから蝶ヶ岳ヒュッテのテント場を目指して行くと言う。
時間はすでに3時に近い。
コースタイム通りに行けたとしても、ヒュッテに到着するのは午後6時だろう。
聞いた話では、常念岳からの下りには雪が残り、つぼ足では踏みぬきが多発してしまうらしい。
青年の無事を祈るが、彼を留立てする理由も何も持ち合わせないHandMであった。
山頂から常念小屋への下りは、もうすぐで到着と言う安堵感で、歩く気力が挫けてしまったHandMと連れには辛い物に成った。
なんとか午後4時に常念小屋に到着できた。
登山口から9時間もたっている、疲れた・・本当に疲れた。
連れと二人でテントを張る。
テントの中でシュラフマットを敷きながら「あっれ〜?この前より広くない〜?」と言う連れ。
「えっ?」ってとぼけ倒そうとするHandM。
「この前は二人分のマットを広げたら、ザックの置き場が無かったけど、今日はザックが置ける〜」ってのたまう連れ。
「良かったね〜、荷物が置けて。」って何処までもとぼけるHandM。
言葉だけでなく疑惑に満ちた眼差しまでがHandMを射るので、とうとう新しく買った事を白状した。
GWに使ったのはモンベルのステラリッジ2って二人用で、今回は同じモンベルのステラリッジ3って一回り大きく成ったやつ。
おかげでザックから靴まで相部屋でお休みできます。
すでに5時を回ってしまい、晩飯を食わないと夜に成ってしまう。
夜になったら何をするって事も無いけど、暗くなると何かと都合が悪い。
どうも大半の人がそうらしいが、あいにくHandMは暗がりでも見える目を持ち合わせていないから。
米を炊きます。
今回は毎食分いちいち炊きます。
なので、今日の夕食用に1合1勺ほどの無洗米を何時ものチタンコッヘルで炊き上げる。
あいにく疲労と空腹で画像を残すのを忘れてしまった、毎回の事なので自分自身あきれる。
鶏肉に味付けしてキャベツや玉ねぎと一緒に炒めて行く「ケイチャン」を作る。
予想に反して胃は食べ物を受け付けず、半分も残してしまった。
ガラ空きのテント場の端っこの方で、ちょうど夕食を食べて居る青年を発見。
ケイチャンの入ったフライパンを持って彼に駆け寄り、なかば無理やりケイチャンを押しつける。
クーリングオフの出来ないこのやり方は、かなり悪質だ。<笑
やっと夕飯が終わった。
食にこだわるのも良いが、重い面倒時間を食うと、いろんな障害が有るのだ。
さて、次回の山行の晩飯は、焼き肉にでもするか!!ワハハ
7時に成る頃には日も落ち、夜の闇が帳を下ろしてきた。
疲れと満腹感、それに暖かい羽毛のシュラフ・・
モンベルの#1って言う奴は、すでにこの時期オーバースペックかと思いきや、寒くも無く暑くも無く、知らないうちに眠りにおちて居た。
ぐっすり眠ってから目が覚めた、トイレに行きたくなったのも手伝ったのだろう。
外は寒い!!
着こんでからトイレに歩いて行く。
常念小屋のテント場は、はい松の藪を挟んで2か所あり、常念小屋に近いほうのテント場にトイレが有る。
20mほど北へ離れた2か所目のテント場は、槍ヶ岳の見える西側に樹林などの遮る物が何の無いので、天気が良くて無風なら最高のロケーションと言えるだろう。
テント場の東側は一段高く成った稜線に成り、北の横通岳から常念岳につながっている。
その稜線の東の斜面には残雪が十分にあり、HandMが昨日重たい思いをして担ぎ上げたきた500mlの缶ビール2本を冷やすのに役立った。
期間限定ではあろうが、飲み物を冷やすには事欠かない山だ。
槍ヶ岳が朝陽に染まる頃、朝ご飯の米を炊く。
魚肉ハムとウインナー、そして生卵3個を使った目玉焼き。
目玉焼きは焼けるのが待ち遠しくてターンオーバーにしてやった、ざま見ろ!
フリーズドライのお味噌汁も忘れてはいない。
米が炊ける間に、シュラフカバー、シュラフ、シュラフマット=空気入り、シュラフマット=ウレタン、テントマットなどをかたずける。
しかし、初心者HandM夫婦・・・
遅い遅い・・・捨てて帰ろうかと言うくらい手間が悪いから、時間ばかりがたってしまう。
夜明け近くから米を炊き、靴を履いて出発したのはそのあと6時半。<泣
常念小屋の御主人にお世話に成った礼を告げ、今日も前常念経由で帰る事を伝える。
「気をつけて・・」と言って下さる御主人だが、HandMが山歩き経験半年と知って、随分と心配して下さった。
恩に報いるためにも事故を起こしては申し訳ない。
どうしても時間がかかるようなら、途中でインスタントラーメンの昼ご飯を食べる事にして、小屋を後にする。
常念岳8合目の分岐までの登りがきつい。
歩幅を小さくして黙々とあるく。
昨日と今朝で大半の食材は消費したとは言え、ゴミはすべてザックの中。
確かに昨日よりは軽いが、昨日の疲労が抜け切れなかったHandMには、十二分に重いザックだ。
昨日をさらに上回る晴天。
King of 晴天 とはこの事や。
おりしもサッカーのワールドカップ出場が決まった日なので、サムライブルーと言った方が良かったか?
南南東を見れば、遠くに5合目から上くらいを見せた富士山、その右に南アルプス、さらに右に中央アルプス。
富士山から少し左に目をやると八ヶ岳の山塊がすそ野を大きく広げている。
北側には立山と剣岳が真っ白な姿を見せてくれている。
日本中の名山を、いっぺんに見られる事の幸せ、すれ違う人ごとに「あなたのお陰です」と言って歩いた。
たちの悪いおっさんやな〜・・ほんとに。
分岐から道をたがえて前常念岳に向かうと、人には合わなくなる。
こんなに気持ちの良い登山道なのに・・もったいないと思う。
辛くて苦しい分だけ、達成感や満足感は大きくて、かなりお勧め出来る景観なんだが。
中級者以上向け・・か・・・
どんな線引なのか分からないが、自己責任と言うには、遭難事故を起こした時に第三者に掛ける負担は大きすぎるのは確かだ。
イワトビペンギンの事を考えながら、そういえば昨日も出てきたなペンギンって、
妄想しながら歩くHandM。
ほどなくして前常念岳に到着。
小屋を出てから2時間、休憩を入れての時間なので優秀か?
前常念岳の頂上からの下りはスリリングだ。
昨日の登りなんか比べ物にならないくらいスリリングだ。
荷物でパンパンのザックは、意地悪くHandMの背中を何回も押す。
大きな岩はザックに括りつけたテントマットの銀の部分をはぎ取っていく。
大きな岩稜に、ザラザラに滑るザレ場も入り混じって歩きにくい。
下りなんで特に気を使う、今回の山行の核心部だな、これは。
しかし、気持ちがいいゾ・・連れも文句も言わずついてくる。
いや、下りはいつも連れの方が早いし、上手だ。
HandMは体が硬いので、大きな段差や急な斜面が苦手でならない。
二人とも4月に北アルプス用に購入したスカルパのトリオレプロって靴を履いて来てるんだけど、まさにこの岩稜用だぞって勢いで歩きやすい。
硬くて歩きにくいと思う時も有るが、この岩場用に作られた様な気がしてきた。
すこし楽をさせて頂いたか?
今回の山行では登りで、遠くの雪渓に雷鳥を見たが、他には遭遇しない。
クマスズをザックに片付けて、静かに歩きながら、時々前方に目を凝らすが、やはりなかなか見つからない。
前常念からの下り、大きな岩を右手に回り込むと、その先は大きく段差に成って落ちている。
目をそこへやると、一羽のライチョウがすすっと走った。
急いでカメラをだしましたが、雷鳥がはい松に隠れる方が早くて、残念ながら記録には残せませんでした。
懸命に写真を撮ったが、自分で見てもどこに雷鳥が写っているのか分からない始末。
2回目の北アルプス山行で、2回とも雷鳥を間近で見る事が出来たのは、ラッキーだと解釈しないと罰が当たるだろう。
結構な時間を費やして岩稜を下り切る。
ここからまた視界の効かない樹林帯に成る、気分が晴れないので歩いていて疲れが倍増するな。
風が無いし気温も高いから暑くて仕方ない。
ザックの右の脇についているボトルホルダーには、1リットルサイズのペットボトルを差し込んであるが、そのボトルの残量も少なくなってきた。
ペットボトルの中身が無くなれば、ザックからプラティバスを取り出し、ペットボトルに補給しなければならない。
連れは炭酸水が飲みたいと言って、わざわざ1リットルの炭酸水ペットボトルを持って来て居る。
だから蓋をひねる度に、プシュッって音がして羨ましい。
連れが持ってきたと言っても、それが入って居たのはHandMのザックの中だったんだけど。
HandMのザックはどおりで重いはずである、しかしその重さも人生鍛錬か?文句を言ってはいけないので有る。
非常に苦しみながらやっと登山口に到着。
12:42分だったかな・・・小屋を出てから6時間と20分程経っている。
標準コースタイムは休憩なしで6時間と成っているから、コースタイム通りだ。
しかし、登山口から駐車場までの800mが遠かった。
めげました。
駐車場には昨日蝶ヶ岳に上がった練馬からのカップルがいた、ちょうどHandMの車と隣同士だったので、片づけをしながらお話をする。
感じの良い青年とその可愛らしい彼女でした、やまでお会いするカップルは皆、良い方ばかりと感じるのはHandMだけか?
「ほりでーゆー」に入って帰ろうとお風呂セットも積んできた。
車を出して、後は舗装された林道を下って行くだけ・・・と、なにやら前方にでかいザックが歩いている。
近づくにつれてそのザックには足が付いていた、人間である。
「はっは〜ン、ここから安曇野の町にある最寄りのバス停まで、歩いて行く魂胆やな〜」って勝手に妄想しながら、その大きなザックの横まで来てクラクションを鳴らす。
一瞬左に大きく体を動かしてから、こちらを向いたそのザック・・いや彼は、昨日常念岳頂上で会って、話をした例の青年だった。
昨日あれから蝶ヶ岳ヒュッテまで辿り着き、テント泊して今朝下りてきたという。
彼は一ノ沢に車を停めて、大天井岳まで足を伸ばしたが、その先は雪渓に阻まれ槍ヶ岳方面には進めず、折り返して常念岳を経由して蝶ヶ岳まで縦走したと言う。
そして、蝶ヶ岳から三股に下り、その足で林道を歩いて一ノ沢の車まで戻る気でいたらしい。
三股から一ノ沢までは18km程らしいから、とても彼をほって行けない、おせっかいの虫が出て、ザックと彼をピックアップして、一ノ沢まで運んだ。
すこし予定が狂って「ほりでーゆー」には入れなかった。
別れ際に彼は「少しですけどお礼を・・・」と言いながら、財布を取り出した。
まさか若い彼からお金をもらう訳にはいかない。
「あなたのそのお礼をしようとする気持は、今度あなたが会う困っている人にあげてください。私の親切を、あなたが次の誰かに差し上げれば、世の中が楽しく成ると思いませんか?」
キマッた・・・決まりすぎるほどクサイ台詞が自然に口をついてでしまった。
そんな事はさておき、風呂に入るタイミングを無くしてしまった。
いまさら「ほりでーゆー」まで戻る気にもならないので、安曇野から平湯、高山経由で帰る途中の、平湯バスターミナルの3階にある風呂で、笠ヶ岳をまじかに見ながら湯に浸かろう。
笠ヶ岳まで堪能して今回の山行は幕を下ろした。
さて、次は再来週の「白山」だ!
百名山に妙に縁が有る気がするが、狙っているわけではない。
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月曜日に蝶に登ったものです、ちなみに駐車場の写真に写っている、デリカD5です
晴天に恵まれて本当に最高でしたね
heartsさんはじめまして。
3日は本当によい天気に恵まれました、おかげでかなり日焼けしてしまいました。
蝶ヶ岳から常念岳への縦走は多くの方が踏破されていますが、現在の私の実力(脚力)では無理だと思い、常念小屋の往復にいたしました。
お住まいが近いようですので、どこかのお山でお会いできると良いですね。
有難うございました。
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