オートルート後半(神岡-北ノ俣-黒部五郎-三俣蓮華-新穂)
- GPS
- 14:09
- 距離
- 38.5km
- 登り
- 2,870m
- 下り
- 2,986m
コースタイム
- 山行
- 12:06
- 休憩
- 2:02
- 合計
- 14:08
天候 | 快晴! |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
もう1台でスタート地点となる飛越トンネルまで向かう。 飛越トンネルは駐車場手前3km地点にデブリあり、ここまで車で入れた。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆飛越トンネル手前〜北ノ俣岳 ・飛越トンネル駐車場までは3kmほど歩く必要あり。 ・登山道は今のところ雪がタップリ。割とどこでも歩ける。 ・アップダウンは多いがトラバースしていくより稜線を素直に歩いたほうが楽。 ・北ノ俣岳直下はハイマツが出ているので臨機応変にルートを選ぶ。 ◆北ノ俣岳〜黒部五郎岳 ・中俣乗越までスキー滑走。そこから少しシールで登ってシールのまま黒部五郎岳の基部まで滑走。そのまま山頂までクトーを装着して登頂。 ◆黒部五郎岳〜黒部五郎小屋 ・黒部五郎カールへは山頂からエントリーしたが、時間が早かったためまた硬かった。もう少し緩むタイミングを待つか、肩の安全な場所からエントリーした方がよい。 ・黒部五郎小屋へは南側の斜面をトラバースしていく。 ◆黒部五郎小屋〜三俣蓮華岳 ・2,340mから2,840mまで標高差500mあるので頑張って登る。 ・途中雪が切れている箇所もあるので臨機応変に。 ・今回はクトーを装着してすべてスキーで登った。 ◆三俣蓮華岳〜双六小屋 ・とにかく丸山まで登り返すことがポイント。手抜きして山頂から滑ると双六小屋までたどり着けない、またはすごく苦労する。 ・丸山からもできるだけ高度を落とさないようにトラバースしていくと楽。 ◆双六小屋〜大ノマ乗越 ・双六沢を滑って大ノマ出合まで滑る。 ・そこから大ノマ乗越まで登り返すが、かなり急斜面なので注意。 ・今回は昼過ぎなのに気温が低く斜面が硬かったのでクトーを着けて登った。 ◆大ノマ乗越〜新穂高温泉 ・今年はデブリが少なく快適なザラメ滑走が楽しめた。 ・林道もデブリがあるがスキーですべて行ける。 ・たまに切れているところもあるが中崎橋を超えて穴毛谷出合の手前までスキーで行けた。 |
写真
感想
今週末は土日とも好天、ビッグ山行を狙う人が多そうだ。
そういう自分もそのひとり。当初は単独で黒部五郎でも行こうかと思っていたところへYSHRセンセーからオートルートへ行かないかと声がかかった。
渡りに船ということで即答OK。トラさんも参戦ということで3人で縦走することになった。
この山行は山行自体もハードだが車を回すのが大変。
前夜の22時に新穂高温泉でトラさんと待ち合わせ、自分の車をデポしてトラさんの軽トラで飛越トンネルを目指す。
23時半にスタート地点に到着、YSHRセンセーの到着を待って揃ってスタートした。
まずは3kmの林道歩き、まあ白山の林道に比べればどうということはない。
飛越トンネルの登山口から沢沿いをショートカットして夏道に合流。
飛越新道は夏はぬかるんで大変だがこの時期はむしろ歩きやすい。
ただアップダウンがあるのでピストンはなるべくしたくないルートだ。
今回は新穂高に抜けるので問題ない、気にせず尾根筋をガンガン歩いていく。
寺地山に到着すると先行者のライトが見えた。
北ノ俣岳への登りもまだ真っ暗。このペースなら稜線でご来光が拝めそうだ。
北ノ俣岳に到着するとちょうど先行者に追い付いた。
少し話をすると、どうやら3月の白山で会った方だったようで薬師岳へ行くとのこと。地獄軍団のこともご存じだったらしい。
それにしても寒い、インナー1枚とカッパだけだと凍えてしまう。
中に1枚着てそこそこ暖まってきたがとても4月とは思えない気温だった。
まずは黒部五郎岳を目指す。このルートは何度も行っているので庭みたいなものだ。
雪の季節はスキーでシューっとトラバースできるのでめちゃくちゃ楽ちん。スキーを知ってしまうとあまり歩きたくなくなる。
雪はグリップが良かったので黒部五郎岳にはシールで登頂。
さあどこからドロップしましょうか。
この山、雪庇の付き方が毎年違う。
今年は山頂の雪庇がない・・・これはピークから滑るチャンスなんじゃないのか。
斜度は55度くらいだろうか、イメージ的に奥穂の直登ルンゼとか不帰嶮のCルンゼと被る。
東面だから緩んでいそうということで自分が最初にドロップすることに。
お、柔らかい・・・?と思って少しトラバースしたらカチカチ斜面に。
やばい、これはいつぞやのゴールデンウィークの奥穂直登ルンゼに似ている。
ターンしたら滑落すると感じたので横滑りで高度を落としていくとようやくターンが切れる雪質に変わってくれた。
次にトラさんがエントリー。
トラさんも硬い斜面に苦労していそう…と思った瞬間に転んで滑落!!マジか。
止まらない、どうしようもない…たまたま岩に当たって止まった。
身体は大丈夫そうだが板が片方折れている。この先が心配だ。
YSHRセンセーは???と思って見回すと少し下った肩のところからドロップしていた。
しかも崖の方に滑ってくる、そこはやばい、上からは崖が見えないんだ。
声をかける暇もなくセンセーの体が宙に舞った、次の瞬間落ちて視界から消えた。
まずい、あの高さから落ちたらタダでは済まない。
トラさんのことも心配だがセンセーの方がやばい、探して滑っていくとはるか下の方でうずくまっていた。
話してみるとどうやら体は大丈夫そう、なんて身体だ。60代とは思えん。
しかし板もウィペットもGPSもみんな雪面に散らばっている。
トラさんと自分でこれらを回収してセンセーに渡した。
不幸中の幸い、最悪遭難のパターンだったが事なきを得た。
トラさんはスキーが折れていたが器用に滑っていた。
仕切り直しで三俣蓮華へ向かう。
二人ともそれなりに滑落のダメージは負っていたが元気に歩いている。精神力すごいな。
雪の季節の三俣蓮華は初めてだったので感激した。
後は双六小屋経由で大ノマ乗越へ。ラストの登りは暑くてハードだったがいいトレーニングになった。
思わぬご褒美が大ノマ乗越から林道までの滑走だった。
いつもはデブリだらけになるらしいが今回は面ツルザラメで少しフィルムクラストになっていた。
気持ちよくザラメ雪を楽しんで最後は林道滑走をこなしてゴール。
色々あった割には14時間の快速山行だった。
Big Dayの本日、神岡和佐府から寺地山-北ノ俣岳-黒部五郎岳-三俣蓮華岳-小池新道経由で新穂高へ抜けた。
今日の核心部は黒部五郎岳の滑走だった。通常山頂付近には大きな雪庇ができるのでエントリーできないが今日はできてなかった。これは行くしかない、快晴で日当たりも良く雪は緩んで快適に滑れるだろう。名手がんが最初にエントリー、まさかのガチガチ急斜面でターンは不可、しばし横滑りで少し緩んだところでターンを決めて安全地帯まで、これを見て自分は危険と判断してトラに止めたほうが良いと進言、しかしトラは制止を振り切りエントリー、ガチガチ急斜面でエッジが外れ滑落、やってしまった。
止まらず滑落、下に大きな岩がありここに背中から激突、ジャンプして運良く吹き溜まりで止まった。しかしアウターは切り裂かれ、しかも板を片方折ってしまった。これを上から見て自分は一段下がった場所からカールにエントリー、二人が待つ場所にトラバースしながら滑降、しかしトラバースラインでいきなり雪面が切れた、その先は崖だった。スピードが出てて崖から発射、宙を舞った。
崖は7mほどあっただろうか、ヤバい瞬時に両足から着地しようと試みた。しかし雪面はカチカチで着地はしたが板が二本ともぶっ飛んだ。そしてゴロンゴロン滑落、かなり落ちて止まったが板もウィペツトもGPSもカメラもサングラスも全部吹き飛んだ。大きな怪我はなかったが右腕を強打してしまった。装備はすべて回収できたが新穂まで痛い右腕で辛い帰還だった。
トラも折れたスキーで新穂まで試練の滑りであった。まあそれでも午後二時過ぎには皆無事に新穂に帰還して和佐府へガン号で車を回収しに行った。まあ人生色々である。この失敗を糧にして進もう。
今日の山行は飛越トンネル〜新穂高抜けるルート、1ヶ月ぶりの山、ろくに運動もしてなかったのでバテないか心配でした。 22時に新穂高でガンさんと待ち合わせして僕の軽トラでスタート地点の飛越トンネルの林道に向かいました、くねくね道なの行くだけでも疲れます。 スタート地点について準備していたら先生も到着^^
まずは林道歩き3キロほどで済んだのでなんか得した気分^_^ トンネルに着いたら右の谷から登りました、いつもは右の尾根から登っていたけど谷の方が薮も少なく、近いので今度から谷から登ろう。
北ノ俣岳に着くまではほんと眠かったたまに居眠りしたような気がした。北ノ俣岳に5時に着いたほんと早かった、いつもは太陽が出ていたけど今日は日の出前でした。さぁ〜シール剥がしてはじめの滑走あっという間に五郎の下、ここからまた登りけっこう急登で板抜いてもいいかなって思ったけど今日はよくシールが効いたのでそのまま登った、それでもガンさんの後は急で怖かったので僕はハイ松の方に行ってズルをした。いつも思うけどガンさんの登坂能力はすごい。
黒部五郎岳に到着、いゃ〜いい天気ほんと最高です。 ここ最近日曜日が雨ばっかでしたけど今日はほんといい天気^_^ さぁ〜2回目の滑走、今日は山頂から行けるらしくていいチャンスみたいだ、さぁ〜ガンさんが飛び込んで行った! おぉーさすが、出だしは雪が緩んでいたそこから下は硬いみたいだったけどあの緩んだ雪面を見たらやる気満々、せっかく先生が「横滑りばっかで楽しくないから別のとこ行こう」と行っていたけど、もう僕の心は山頂直下、調子こいて飛び込んでしまった、おぉ〜最初は行けると思っていたけど降りて行くにつれガリガリのでこぼこ斜面、うぁーエッジが外れた、ウィペットを刺しても止まりません、どんどん加速していって岩が視界に入った時はもうだめだと思った。岩に激突してジャンプして止まった。あぁーよかった頭打たなかった、バックが破って板が折れてしました、バックと板が僕を守ったみたいだ。 ガンさんがすごく心配していた、ほんと無事でよかった。
今度はガンさんが、先生がジャンプしたやばいよっと言って下の方へ行ったので僕も下に行ったら、先生が雪の上に座っていて板とストックがそこらじゅうに散らばっていた、板とストックを回収して合流、先生もちょと腕が痛いくらいで無事だった。 みんな無事で良かった、あの時先生の言う事を聞いて別のところ滑っとげばよかった、後の祭りです、なんか悔しいのでいつか雪面が緩んだら挑戦したいと思いました。 板が折れたので先が不安でした、ガンさんにスクレーパーを借りてテープで補強、なんとかシールもしっかり貼れてよかった。三俣蓮華までは遠かった、何回も言うけど今日はほんといい天気景色も最高、ほんとここはいいところ毎年行きたい所です。3回目の滑走は双六小屋の上にでる大トラバース、僕はテープ付きの板だったので板が走らない、もう腕がぱんぱんになるぐらいでした、途中先生たちが待っていて、テープを剥がして滑ったらとアドバイス そこからは大ノマ乗越下まで快適に滑れた。 ここから最後か登り、ここはほんと急登、汗だくになって登りました。 さぁ4回目の滑走いつもの小池新道はデブリだらけだったけど今日は面つるシャバランチ会長でした、最高によかった板も軽くなって扱いやすかった。 色々あったけど今日も大満足の1日でした。
コメント
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ご無事で安心致しました。
しかし、急斜面からの10mの崖をジャンプして大きなケガが無いとは。
まさに鉄人としか申し上げることが出来ません!
レス有難うございます。
今シーズンは特にトラブルなく終われそうと思っていたのに終盤になり痛い目に遭いましたね。幸い右腕の打撲だけですみました。宙を飛んだ時はヤバいと両足からうまく着地できるように構えました。やはりヘルメットは大切ですね、滑落時かなり頭を打ちましたがヘルメットのおかげで頭部は全くダメージはありませんでした。どんな外傷でも頭部損傷だけは致命的になります。他山の石としてヘルメットの重要性を再認識して頂けたら幸いだと思います。
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