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Yamareco

記録ID: 3194302
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
大雪山

トムラウシ

2010年08月13日(金) ~ 2010年08月14日(土)
 - 拍手
GPS
32:00
距離
27.2km
登り
2,111m
下り
1,741m

コースタイム

1日目
山行
8:45
休憩
1:30
合計
10:15
6:30
55
7:25
7:40
60
8:40
8:50
65
1100m
9:55
10:15
60
11:15
10:30
110
第二公園
12:20
12:40
55
1680m
13:35
13:50
65
ポン池
14:55
15:05
55
2日目
山行
7:50
休憩
2:05
合計
9:55
6:35
6:45
35
7:20
15
7:35
7:55
65
9:00
9:20
35
9:55
10:25
20
10:45
10:50
35
11:25
11:35
25
12:00
12:10
80
13:30
13:40
55
新ルートのピーク
14:35
14:40
40
15:20
15:25
20
15:45
短縮登山口
天候 8/13:雨のち晴れ、14:晴れ
過去天気図(気象庁) 2010年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
バス タクシー 飛行機
旭川からタクシーで天人峡へ。
2010年08月14日 09:57撮影 by  NIKON D90, NIKON CORPORATION
8/14 9:57
撮影機器:

装備

個人装備
長袖シャツ Tシャツ ソフトシェル タイツ ズボン 靴下 グローブ 防寒着 雨具 日よけ帽子 着替え 予備靴ひも サンダル ザック ザックカバー サブザック 行動食 飲料 ライター 地図(地形図) コンパス 計画書 ヘッドランプ 予備電池 GPS 筆記用具 ファーストエイドキット 常備薬 日焼け止め ロールペーパー 保険証 携帯 時計 サングラス タオル ツェルト ナイフ カメラ テントマット シェラフ
共同装備
調理用食材 調味料 ガスカートリッジ コンロ コッヘル 食器 調理器具 ポール テント

感想

8月11日 雨のち曇り

 君津駅5:55-6:40羽田空港7:45-9:10旭川空港9:40-10:20旭岳RW14:00-15:15旭川駅

 4:30起床。君津駅から5:55のアクアラインバスに乗る。
 天気予報は旭川は午前中から雨。雨は覚悟しているが、強風でロープウェイが運休しないか心配だ。
 羽田空港は夏休みとお盆休みで大混雑!繁忙期の割増1,050円とクラスJの差額1,000円の計2,050円をカウンターで支払う。
 荷物受付は長蛇の列。このまま成り行きでは到底7:25の搭乗締切には間に合わないが、途中で時間切れ間近の人を優先して手荷物を受付けてくれたのでギリギリ間に合った。
 7:20頃搭乗、クラスJの5-Fと5-Hだったが5-Gの人に席を替わって貰い右の窓際に二人並んで座ることが出来た。7:45離陸、羽田は晴れ。
 JAL-1103便・旭川行きの機材はA300-600Rで、290席は満席。流石にお盆休みだ。
 9:10旭川空港に着陸。天気は小雨。北海道の西にある前線を台風4号が刺激をして雨模様なのだ。
 荷物の出て来るのが遅く、一番最後に出て来た。
 到着ロビー出口で予約していた個人タクシーの三本(みつもと)さんが出迎えてくれる。一緒に予約しておいたガスカートリッジ2個も受け取る。タクシーで旭岳ロープウェイまで約40分で到着したが山麓駅は小雨。 風による運休を心配していたが、10:20の便で姿見へ。
 姿見の駅舎内にはカッパを着た登山者が多数居る。
 駅舎の中の登山指導員から声を掛けられ、姿見で風速15m/s以上、旭岳山頂付近は30m/s超なので今は登らないで欲しいとのこと。ロープウェイも我々が乗った便を最後に運休になってしまった。風速30m/s以上となると 飛ばされてしまいそうなので入山を断念!
 11:00に風が弱まった隙に姿見の登山者と観光客を降ろすためロープウェイが運転したので下に降りたが、 その後また運休してしまった。雨は横殴りで強い!
 駅舎内のラーメン店に入ったので11:10の旭川行きバスに乗りはぐってしまった。次のバスはなんと3時間後の14:00だった。
 ラーメンを食べながら今後のスケジュールを検討する。天気、レンタカー、宿など色々な要素を携帯電話のインターネットで調べ、8/13早朝には台風は抜けそうなので、8/13〜14でトムラウシに登ることにした。
 トムラウシ温泉から往復する案と馬場さんが電話で教えてくれた、天人峡から化雲岳経由でヒサゴ沼に一泊し、 翌日トムラウシに登頂する案を検討し、天人峡案に決定した。馬場さんに感謝!
 8/11、12は旭川市内のホテル泊り、8/13朝5:00に今朝乗った三本タクシーを予約した。
 14:00のバスに乗り15:10頃に旭川駅に着いた。バスの乗客は約25人で半分以上は登山者だ。滋賀大学ワンゲルの10人位のパーティ(たぶん我々と同じ境遇)も一緒だった。
 駅の観光案内所で旭山動物園についての情報を聞き、歩いて電話予約した「ファミリーホテル・オノデラ」へ。オノデラは 小ぢんまりしたビジネスホテルで旭川駅から徒歩約30分だった。部屋はツインで素泊り2泊で1人9,000円だった。
 部屋はごく普通のビジネスホテル仕様で、可もなく不可もなくと言う感じだが、土地柄なのか冷房が弱い。
 一休みしてから、夕方ホテルから約1kmの新旭川駅に行ってみた。改札の無い無人駅だったが丁度ノロッコ号(バーベキュー列車付き)の回送列車が停車していた。
 ホテル近くのコンビニでビールを買って戻り、風呂に入って乾杯! ビールは珍しいラッキーヱビスだ! 数百本に1本の超レアものだが今はヱビスの120周年記念で皆ラッキーヱビスになっているのだ。
 夕食は荷物を減らすため山小屋で食べる予定だった食料をそのままホテルで食べる。今夜は五目飯、ツナ缶、キュウリ、味噌汁。
 明日は念願の旭山動物園に行く予定だが雨が強かったらどうしようか?
 21:45就寝。

8月12日 雨のち曇り

 新旭川7:26-7:35旭川7:40-8:15旭山動物園12:30-13:00旭川ラーメン村-南永山14:59-15:03新旭川

 5:30起床。マジックパスタのカルボナーラとコーヒーとヨーグルトの朝食。
 天気は小雨だが蒸し暑い。北海道とは思えない蒸し暑さだ。
 7:10にホテルを出、新旭川7:26発のJRで旭川駅に行き、7:40の旭山動物園行きバスに乗る。開園は9:30なのでバスはまだガラガラだ。客は3人だけ。
 8:15に動物園着。開園まで1時間以上あるので人影無し。駐車場もガラガラで開園待ちの車が数台だけ。 正門でスタッフに聞くと夏休みとお盆休みで人出が多いので、開園を30分繰り上げて9:00に開園するそうだ。
 入園料は800円とリーズナブルだが、なんと年間パスポートは驚愕の1,000円! 東京ディズニーランドは入園料5,800円でパスポートは45,000円もするし、 ドイツ村でさえ入園料1,200円、パスポートが4,000円なのに・・・・。いくら旭川市営とはいえパスポートが安すぎる!
 人気のほっきょくぐま館やあざらし館が近い西門で開園を待ち、9:00の開園と同時に入園した。9:00時点で西門前にいたのは15〜20人で、雨とはいえ意外に少ない。
 まずはほっきょくぐま館へ。間近に見られてとても面白い。透明アクリルのドーム状の窓から覗くのも面白い。あざらし館では円柱水槽の中を泳ぐ姿がとても面白い。 アザラシも楽しんで泳いでいるようで、何度も上下に行ったり来たりしている。
 ぺんぎん館も透明な水中トンネルの中から空を飛ぶようなペンギンが見られて面白い。
 旭山動物園では動物が間近に見られ、生態をなるべくそのまま見せる展示方法の工夫が面白く、超人気なのに納得した。
 入園時にはあまり混んでいなかったが、11:00頃にはかなり混みだし、人気のほっきょくぐま館やあざらし館、ぺんぎん館は長蛇の列だった。
 12:30の旭川駅行きバスに乗り、途中で降りて約1.5km歩いてラーメン村へ。
 人気のラーメン店が8軒軒を連ねるラーメン村はどのお店も長蛇の列が出来ていた。パンフレットの写真が美味そうだった「いってつ庵」に並ぶ。
 13:00から約20分待って入店。とりあえず生ビールを飲み、ダブルチャーシューの塩ラーメンを食べた。流石に旨かった!
 ラーメン村の近くにあるスーパー・ウエスタンで富良野メロンを2個買って君津の我が家に送った。それから今夜の食材として刺身盛り合せとカットフルーツを買った。
 ウエスタンのレジの一部にはセルフレジがあり、初めて実物をみた。
 最寄り駅の南永山で電車に乗って隣の新旭川駅へ。
 ホテルに着いた頃には青空が広がり、TVの天気予報では北海道各地の大雨被害を伝えておりトムラウシ温泉〜新得間の道路が不通になっていないか不安になったので、東大雪荘に電話で聞いたが大丈夫だった。
 夜になると本降りの雨になった。夕方の青空は偽りだった。でも天気予報では明日は台風が抜けて回復するとのこと。台風一過の晴天を期待しよう。
 夕食はかなり豪華になった。まずは刺身盛り合せでビール。メインは瞬間美食カレー、ミネストローネスープ、仕上げにフルーツ盛り合せ! もう満腹になった。山にも登らず食ってばかりなので、確実に太っていそうだ。
 携帯電話で見た気象協会の登山天気予報のトムラウシ予報では明日13日は朝曇りで9:00〜15:00晴れ、その後曇り。14日は3:00〜晴れになっていて大いに期待させる。
 明日は3:00起床、5:00出発なので19:45に就寝した。雨は止んでいる。

8月13日 雨のち晴れ

 ホテル・オノデラ4:50-5:45天人峡

 天人峡6:30(55)7:25滝見台7:40(1:00)8:40 1,100m 8:50(1:05)9:55第一公園10:15(1:00)
 11:15第二公園11:30(50)12:20 1,680m 12:40(55)13:35ポン池13:50(1:05)14:55化雲岳15:05(55)
 16:00ヒサゴ沼避難小屋(計7:45)

 3:00起床。天気は曇り。朝食はコーヒー、赤飯、さんま缶(塩焼、蒲焼)、みそ汁。
 テレビの天気予報は晴れ。台風4号は昨日夕方秋田に上陸し、秋田から岩手を横断して今朝3:00に北海道南方沖で温帯低気圧になった。
 予約していた四ツ星会の吉田タクシーで4:50にホテルを出発。四ツ星会のメンバーは4人との事 だ。
 55分で天人峡に到着。登山口が判らず、橋を渡って一番奥の天人閣の先まで行ってしまった。
 タクシー代は9,000円だった。
 天人峡温泉は明治33年に発見された古い温泉郷で、ホテルが4軒あるだけの秘境温泉だ。近くには天女の羽衣で知られる「羽衣伝説」の「羽衣の滝」があり、日本の滝百選にも選ばれている。
 山はガスに包まれていて、いまにも雨が降り出しそうだ。公衆トイレを探したが見つからず、 トムラウシ登山口の近くで登山の準備をしていた旭川ナンバーの4人パーティーに聞くと、「天人閣」で貸して貰えるとのこと。天人閣に行ってフロント氏に声を掛けると快く貸してくれた。 トイレはウォシュレットだった。フロント氏はとても気さくな良い人で、山の天気の話をしてく れたり、ロビーの天然水を勧めてくれた。天然水は冷たくて美味しかった。登山道には下草が多いとのことなので、カッパのズボンとスパッツを着用したが、出発準備中に雨が降り出した。
 天人閣から忠別川に架かる橋を渡り登山口で記念写真を撮って出発した。登山道入口の道標に は「トムラウシ17km」とある。かなりのロングトレイルだ。
 最初はかなりの急登だ。雨はあまり強くないのでカッパの上着は着ずに傘を差して登る。
 羽衣の滝の滝見台からはガスで何も見えず残念!滝見台から先はドロンコの泥濘が続き、結局 ポン池あたりまで泥濘とくるぶしまで位の川となった登山道ですこぶる歩きにくい。笹や這松で 濡れるので雨が上がってもカッパのズボンは必須アイテムだ。
 第一公園は開けた湿原に木道が敷かれていて、花もたくさん咲いていてとても良い所だが、第二公園はそれほどでもなかった。
 天気予報では9:00頃から晴れだったが、午前中は降ったり止んだりで、時々陽が差しても直ぐにガスが掛かってしまう。ガスが切れると忠別川を堰き止めた忠別ダムの忠別湖が見えた。
 ポン池周辺は広々とした草原でチングルマの大群落があり、とても気持ちの良い場所だ。
 ポン池の前で休憩していると、ソロの人が通り過ぎていった。今日登山を開始してから初めて出会った登山者だったが、結局登山中に出会った唯一の人だった。
 ポン池から約1時間で化雲岳に到着。山頂には「化雲岩」という大きな岩があった。山頂の気温は13℃、風が強いので寒い。ポン池で会った人は今日は忠別岳避難小屋泊まりで、明日は黒岳から層雲峡に下るとのことだった。
 化雲岳から少し下ると木道で歩きやすい道がヒサゴ沼まで続いている。
 ヒサゴ沼は想像していたより大きな沼で、とても良い感じの所だ。小屋の前にテントが4張あ ったので小屋は満員かと思ったら、先客は僅か4人だった。後からトムラウシ温泉から来た2人を入れて全部で8人だった。
 避難小屋は30人収容のこぢんまりした小屋で、夏の最盛期も管理人は居ないが、トイレはある。 沼の水は飲めないので、木道脇の雪渓からの雪解けの流水を汲んで煮沸して使う。
 水は今夜と明日朝の食事用と明日の行動用の水として6リットル用意した。
 入口に近い所に場所をとり、まずはコーヒーを入れてくつろぐ。夕食はα米の白飯にアマノ フーズのフリーズドライ「とろろ」をかけたとろろご飯、ツナ缶、トウガラシふりかけ、デザートとしてアマノフーズの杏仁豆花、緑豆しることシンプルながらも充実のディナーだ。
 18:15頃夕食が終わり、後片付けをして18:30には寝る体勢完了。外は風がゴウゴウと唸っている。室内温度15℃。今回用に買った薄手の夏用羽毛シュラフで快適だ。

8月14日 晴れ

 ヒサゴ沼避難小屋5:50(45)6:35ヒサゴのコル6:45(35)7:20天沼7:20(15)7:35日本庭園7:55(1:05)
 9:00北沼分岐9:20(35)9:55トムラウシ10:25(20)10:45南沼分岐10:50(35)11:25トムラウシ公園
 11:35(25)12:00前トム平12:10(1:20)13:30新ルートのピーク13:40(55)14:35カムイ天上分岐14:40
 (40)15:20温泉コース分岐15:25(20)15:45短縮登山口(計7:50)

 短縮登山口15:55-16:20東大雪荘

 3:50起床。室温13℃、雲はあるものの一応晴れ。夏用シュラフにTシャツとフリースで寒くは 無かった。朝食はマジックパスタのペペロンチーニとコーヒー。
 出発時14℃。沼の北西端からイワイワの斜面と雪渓を登り、ヒサゴのコルへ。コルにはザックがデポしてあったが、昨夜小屋で一緒だった、天人峡に下る若者のものだった。
 ヒサゴのコルからの登りから下を見ると沼で幕営していた4人パーティーが登ってきた。彼らのペースはかなり速く、日本庭園で追い付かれ、あっ言う間に追い抜かれた。
 ヒサゴのコルから少し登ったところからは前方にトムラウシが良く見え、その後もずっと見え ていた。
 天沼、日本庭園と池が点在していてとても綺麗だ。アイヌは大雪を「神々の遊ぶ庭」と呼んだが、まさにそんな感じだ。ロックガーデンはそれほどの難所ではなかった。
 濡れ防止のためカッパのスボンを穿いて来たが、下草やハイマツで濡れる心配は無かったので、日本庭園でカッパのズボンを脱いだ。
 ロックガーデンのイワイワ急斜面を登り切ると北沼が見下ろせる場所に出る。北沼越しにトム ラウシが目前に迫り、迫力がある。
 北沼分岐で南沼キャンプ場からトムラウシ山頂を巻いて来た4人パーティーは旭岳まで縦走 するとのこと。南沼にはテントが10張あったそうで、意外に多いのだ。
 トムラウシ山頂には10人以上の人がいた。ここまでずっと静かな山歩きだったが、突然混雑の山頂に驚いた。皆軽装備なので短縮登山口かトムラウシ温泉から日帰りの人が大半のよう だ。外人の4人組も嬉しそうに記念写真を撮っていた。
 トムラウシ山頂の標識の下には新しい花束が置かれていた。昨年7月の大量遭難事故の遭難者に手向けたものだろう。今日の気持ちの良い天気からは想像もつかないが、厳しい天候の中、山頂周辺で悲惨な気象遭難事故が起こり9人が疲労凍死したのだった。私も遭難者の冥福を祈って手を合わせた。
 山頂に着く前は展望が良かったが、山頂に着いてからはずっとガスで展望は効かなかった。
 30分ほど滞在して下山開始。山頂から20分程で南沼分岐に着いたが、南沼キャンプ場は広々とした草原に囲まれたすごく良い所で、次回来る時には是非ここで幕営してみたい。
 トムラウシの南側もトムラウシ公園、前トム平にかけて開放的な草原が続いてとても美しい。
 山頂から前トム平にかけては登ってくる大勢の人とすれ違ったが、みな軽装備なので大半は日帰りのようだ。トムラウシ公園では「ランドネ」から抜け出したようなファッションの「山ガー ル」とすれ違った。
 前トム平を過ぎて樹林帯に入ると聖がペースダウン。左足首を痛めたようだが、私もヘロヘロ なので丁度良い。
 コマドリ沢を渡ったあと、沢沿いに下る旧道から逸れて250mほど登り返すところでは疲労困憊した身体には堪えた。
 その後は登ってきた人達が「田んぼ」と形容した、どろんこの泥濘が次々に現れ、足を取られたり、転んだりで足はドロドロになってしまった。
 ヘロヘロになりながらも下り続け、温泉コースと短縮コースの分岐で休憩していると、少し前にちょっと話をした女性が短縮登山口に車を置いているので、東大雪荘まで乗せてくれるとのこと。温泉コースで東大雪荘まで3.3km・1時間20分、短縮コースで短縮登山口まで0.7km・15分。
 本来なら丁重にお断りするところだが、二人ともヘロヘロなので、プライドを捨ててお言葉に甘える事にした。
 短縮登山口には大きな駐車場とトイレがあり、車が20台くらい置いてあった。
 岩見沢から1人で来た女性の車は新車のムーブで、ドロドロの汗まみれで乗るのは恐縮した。 途中の林道でキタキツネを1匹見た。やはりエキノコックス対策は必要なのだろう。短縮登山口から約20分で東大雪荘に到着。女性は名も告げずに別れたが、感謝、感謝!!
 東大雪荘は国民宿舎だが、予想外に立派で新しい建物で、リゾートホテルのようだ。かつてはひなびた湯治宿だったが、今の建物は1993年に建てられたそうだ。
 駐車場の一角には靴洗い場がある。登山者はみなドロドロになって降りてくるので、宿としても洗って欲しいのだろうが、こちらも助かる。
 受付を済ませ2階の203号室へ。とても広いツインルームでこれで一泊二食付き8,550円は安い。
 荷ほどきをして、まずは温泉。露天風呂付きの大浴場は広くて清潔でとても気持ち良い。温泉には24時間入浴可能だ。川沿いの露天風呂からは我々の部屋の窓が見える。と言うことは・・・・。
 夕食は1階ロビー脇の「レストラン・カムイ」。入口の暖簾は百名山の名前が全部記されたもので、流石に百名山の宿である。
 まずは生ビールで乾杯! 標準メニューは刺身や陶板鍋などが付いてとても豪華な食事だが、 さらに追加料理で舞茸天ぷら、冷や奴、ニンニク胡麻あえを注文した。どれも美味しい。
 今夜はほぼ満室のようだが、どう見ても登山者では無い人もたくさん居る。山と温泉以外に何も無い、とてつもない山奥の一軒宿に登山以外に何をしに来るのか不思議だ。
 大部屋の相部屋があって3人位泊まっていたが、土曜日は8,500円との事で2名1室の8,550円とほぼ同じだ。土曜日以外でも7,500円なので、エコノミーコースというより満室時のバッファの ようなものらしい。
 心地よいベッドで20:30就寝。

8月15日 曇り

 東大雪荘8:45-9:50新得駅10:06-10:41帯広駅11:55-12:35とかち帯広空港15:20-16:50羽田空港17:43-18:13君津BT

 5:00起床。曇り。朝風呂に入り、源泉や登山口などを散歩した。朝食はバイキングだ。
 新得へは拓殖バスの朝夕1便のみで運行も7/17〜8/15なので今日が最終日だった。
 8:45発のバスはマイクロバスで、乗客は全部で7人だが、山ヤは我々ともう1人の3人。マイカーで来る人が大半のようだ。バスは所要1時間30分のところ、1時間05分で新得駅に到着した。
 新得駅の駅舎は味わいのあるレトロな建物だ。10:48の快速まで1時間近くあるので600円奮発して10:06の特急に乗る。帯広までの所要時間は快速より5分しか違わないが・・・・
 帯広駅前の十勝バスの営業所に行くと空港行きのバスは11:55まで無く、1時間待つことに。特急に乗った甲斐は無かった。バスを待つうちに雨が降り出した。
 帯広と言えば豚丼が有名だが、駅前に「ぱんちょう」という有名店があり、昼食時とあってか雨にも拘わらず長蛇の列が出来ていた。時間があれば食べてみたいものだ。
 11:55の空港行きバスに乗ったころ雨は本降りになった。
 空港の手荷物検査場では殆ど使っていないガスカートリッジを「放棄」したが、バーナーヘッドを調べるとのこと。残留ガスの放出を確認するとのことで、バルブの開閉をさせられた。その後バーナーヘッド抜きで再度X線検査を受けて漸くOKとなった。
 15:20の飛行機まで約3時間あるので、まずはレストランで帯広名物「豚丼」を食す。有名店ではないが、美味しかった。
 時間があるのでゆっくりお土産を買う。豚丼、豚丼のタレ、白い恋人、ジャガポックルなど。
 東京行きのJAL-1156便の機材はA300-600Rで東京→旭川便と同じだった。お盆休みの最終日とあって満席だった。ほぼ定刻に離陸し、JFE千葉の上空を通って羽田空港に着陸した。
 東京の気温は33℃。20℃そこそこの北海道よりも10℃以上も高い。久々のむっとする暑さで現実に引き戻された。
 バスはアクアライン上りの渋滞の影響で3分遅れて出発。アクアラインの上りは金田料金所ま 渋滞していた。18:13君津バスターミナルに到着。
 いろいろあった波乱の夏休み山行だったが、本命のトムラウシには登頂出来たし、それなりに充実した山だった。次回は当初計画通 りに旭岳からトムラウシまで縦走したい。

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