ニペプロジェクト2013 ― 標高年のニペソツ山へ
- GPS
- 23:07
- 距離
- 15.5km
- 登り
- 1,558m
- 下り
- 1,544m
コースタイム
7/27 4:50前天狗→6:30ニペソツ山7:00→8:30前天狗9:20→10:20天狗のコル
→12:10十六の沢コース登山口
天候 | 曇りのち雨、時折ガスも要所で晴れ! |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
かなり降った所に駐車するしかないです。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆コース状況 大岩の下コースは横ばいです。手掛かりをしっかり取りましょう。 上コースは降りで通りましたがザックが大きいと通りにくいかも しれません。ここ以外に危険箇所はありません。 ◆前天狗テント泊情報 トイレブースのある平坦地から西よりに1段下に戻って登山道に接し ている所がテント好適地で2-3人用が2つ張れます。その上の平坦地 にも一つ設置可能です。土地柄か天気のためか虫は気になりなせん でした。 天狗のコルはもっと広いですが眺望がいいところではありません。 ◆最終道の駅 ピア21しほろ(国道241号沿い):水場あり ◆最終コンビニ セブンイレブン上士幌町店(国道273号沿い) ※その先にあったはずのセイコーマートが花壇になってた?場所移動したのかな? ◆下山後の温泉 糠平温泉 湯元館 大人500円 ◆下山後のめし 音更町 蕎麦二天 札幌市 生ラムジンギスカン山小屋、ラーメン喜来登 |
写真
装備
個人装備 |
ヘッドランプ
予備電池
1/25,000地形図
ガイド地図
コンパス
笛
筆記具
ライター
ナイフ
保険証
飲料
ティッシュ
バンドエイド
タオル
携帯電話
計画書
雨具
防寒着
スパッツ
手袋
ストック
ビニール袋
替え衣類
シュラフ
ザックカバー
クマよけ鈴
食器
水筒
時計
日焼け止め
非常食
虫除け、かゆみ止め
|
---|---|
共同装備 |
テント
テントマット
ツェルト
ランタン・マントル
コンロ
ガスカートリッジ
コッヘル(鍋)
ファーストエイドキット
医薬品
カメラ
ポリタンク
|
感想
絶叫へ
5月の天城縦走に彼らが来た際ニペソツ山の話があり即決で参加決定、
kiyokiyoも誘って4名での決行となった。 行程を相談するうち前天狗
にテント泊することにして1ヶ月前から長期予報をみながらヤキモキ、
ついにその日が来た。日本海北部で停滞する”ブロッキング低気圧”
のせいか山行期間を通して天気は厳しいかもしれない。
先入りしてたkiyokiyo、nino&hidemanの北海道組二人と新千歳で合流
してニペの登山口を目指す。もう雨降ってるじゃんと悲しくなるが道
東道を東に向かううち時折明るくなるので、“晴れちゃうかな”と1
人取り乱す度に“そんなこと言うと雨になる”とみんなからたしなめ
られるのも楽しい。糠平温泉まで来ると日が差してくるのでこれはい
けるんじゃないかと“ヌカ喜び”したがこれがポイントだったのだと
その時点で気付く由もない。
十六沢の登山口では車が3台停まっていた。1番奥に停車の徳島ナンバ
ーのご夫婦がコンロで調理してお食事中だったが話しを聞くと天気が
悪いので2日ここで停滞されているそう。北海道の山を数十日かけて
回っているんだとか。この時点ではほかに2名が山に入っているとのこ
と。着替えをし宅配便で送ったものをザックに詰めて準備完了、Hide
manは虫除けスプレーをがっちり体に噴霧している。それではnino、
hideman、kiyokiyo、chiantiの順番で参りましょう。
スタート直後の丸太はさほど濡れておらず安心して渡ることができた。
樹林帯を進むうち感ずるのは明らかに本州方面の山とは違う匂い、ト
ドマツなどによるものだろうか。思えば28年ぶりに北海道の山を歩い
ている。小天狗の岩場までは淡々と登るが水場のない所でのテント泊
のためテントを持たない自分は分担して持った水+酒が8kg、総重量で
18kgほどになっている。テント所持のみんなも無理せずに登っていく
が高原地図のペースよりは早めに歩くことができそうだ。
ただ虫(蚊)の攻撃がすごい!ちょっと肌が出ているところや長袖の
上からでも刺してくる!下山後などはクルマのところで片付けている
時にみな刺されまくってしまった。
岩場のところで一服している二人目の登山者に出会った。岩場の通り
方をアドバイスしてくれてありがたい。そこから天狗のコルまでいく
らかの下り、コルに到着して大休憩を取る。キャンプ指定地だがテン
トを張りたくないところだ。
ここまでの道中時折陽が差すこともあり期待を大きくするも小天狗を
通ってからガスが濃くなりついに雨が落ちだす、これはヤバイ。前天
狗ではまた”エア感動”になる可能性が高いなとあきらめムードが強
まる。前天狗へ回り込むうち雨は上がってはきたが。いよいよ前天狗
付近かなと思ったらここはどうやらテン場のようだ、いやあいいところ
だねえ、なんて思ってもう1段登ってみるとそれはいきなりあらわれる。
全身が震える、魂が揺すぶられて心の底から叫ぶ。こんな絶叫は生涯
ないかもしれない。なんという山なんだ!!
chiantiさんの同級生企画 “ニペプロジェクト2013” に便乗参加。
標高年だもの、やっぱり行きたいわ♡
ニペソツ山は日帰り可能ですが、
前天狗からの絶景やご来光も堪能したいので敢えてのテント泊。
心配なのは天気だけ。
先入りして十勝岳へ登った後の26日朝、新千歳空港にてchiantiさん、
北海道組のninoさん、hidemanさんと合流。
車の荷室をパンパンにして上士幌町へ向かう。
昨晩、由仁PAはザーザーの雨だったのに、空の灰色が心なしか軽い。「今日はいいのか?」
ところがトマムIC辺りまで来ると、激しい雨&濃霧で真っ白。「やっぱダメなのか?」
音更帯広IC下車。 “これぞ北海道” と言わんばかりの十勝の風景。「いけてるんじゃない?」
十六の沢登山口到着。「雨降って…ない!」
ここ数日の低気圧攻撃の中、
ninoさん&hidemanさんのバロムクロスは最良の天気をもたらしてくれた。
私の心のチャート図(最悪Ver.)は
“登山口で雨 → 濡れながら準備 → さらに大雨 → 車中orテン泊 → 翌日日帰り登山” だったので
これはもう、行くでしょう!行きましょう!行っちゃうもんね!
登山口でいきなりヤブ蚊攻撃に会い、出発前からおでこを2ヶ所も刺されて
タンコブのように膨れ上がってしまいましたが、登れる喜びの前では些細なことです。
13:00。では出発!
スタート直後、十六の沢に掛かる丸太を渡る。
あまり濡れておらず滑らないのだが、私はこの手の道が一番苦手だ。
とっとと渡って山中へ。しばらくは沢が近いせいか執拗なヤブ蚊攻撃を受ける。
結局おでこの他に顔だけで5ヶ所、さらに腕に2ヶ所。
かゆいかゆい。早く立ち去りましょう!
chiantiさん、総重量18kgもあったんですね。
私のザックは空港で預けたときに12kg。+スポーツドリンクと水の約3Lだから、たぶん総重量15kg。
予想では真水があと500ml足りないのですが、3人のうちの誰かからチャッカリ貰うつもり。
しかもニペソツの登山道はそれほど急斜面ではないのでテン泊装備でも楽チン。
倒木が3ヶ所。横から通れるのと、くぐっても越えてもいいのと、越えなきゃいけないのと。
しかし笹は丁寧に刈り取られていて登山道は快適。有り難いことだ。
途中3度ほど休憩を取り、いよいよ小天狗の大岩。このコースの核心部だ。
登山者がひとり休憩していて「上はどうせ登っても下りるんだから、下の横トラバースがいいよ」と言う。
「足元が見えるように、岩場から身体を離して…」とアドバイスをしていただきました。
それでもザックの前面にカメラバッグをぶら下げている私は、通過に神経を使う。
バックルをつけて、簡単にワンショルダーに出来るよう改造しておいたのが功を奏した。
大岩を過ぎると、何だか明るくなってきた気がする。
スルスルスルーっとガスが動き、頭上を仰げば青空も見える。
「ワオ!最高じゃない?」
ここは前天狗のビューポイント!いいタイミングでガスが抜けてくれました。
「思い起こせばあの時が最後の絶景だったねーってならないかなぁ?」
冗談半分に言ってみたが、この天気だ。
事実そうなるかもしれない、と皆一斉に写真撮影(笑)
再びガスがちになり、キャンプ指定地の天狗のコルに到着。
少し先にも平坦地があり、5張りくらいは出来るでしょう。
水場は確認できませんでした。てか、たくさん担いでいるので確認しませんでした。
天狗のコル通過後、ガスは濃くなる一方。
ときどき雨もポツポツ落ちてくるが、木が屋根になってくれている。
背の高いhidemanさんは樹林帯の低木に苦労しているが…。
樹林帯の中をつづら折りに登りながら、前天狗直下で高度を稼ぐと
ハイマツ帯に出て視界が開けた!
本日何度目の奇跡?!周囲の山々、丸見えじゃん!!
逸る気持ちを抑えながら岩石帯を越えて前天狗を回り込む。
…そして!…ついに!前天狗到着。
突然みんなが口々に「すげー!すげー!」と前天狗のテン場を
さらに一段乗り越えていく。
このとき一番最後につけていた私は「え?!え?!」と続いてもう一段登る。
ドッカーン!! ニペソツ山とご対面。ここ凄いわ!
しかも、あんなに天気が悪かったのに全部見えてる!
奇跡続いてるぅー!
こんなところでテント張れるなんてサイコーです。
前天狗はトイレブースのあるニペ正面の高台に1張り、一段下に2張り可能です。
虫もいなくて快適。
ニペが再び雲に隠れる中、日が暮れる前に夕食。
夕日は残念ながら拝めませんでしたが、今日は特別なのか風はあってもあまり寒くありません。
ちなみに深夜のテント内室温は16度。ちょっと暑いぐらいです。
テン場では鳥の声に混じって、時々ナキウサギの甲高い鳴き声が聞こえるが、
姿は見えませんでした。
夜21時頃から雨が降る。「うーん、奇跡はもう起らないのか?」
断続的に降ったり止んだり。一度テントから出て空を眺めてみたが、軽い雲が見えるだけだった。
さて2日目。
前日早く寝たので3時過ぎには各自起き始める。この時期の日の出は下界で4:20ぐらいだろうか?
しばらく話したり、朝ご飯を食べている間に、ずいぶん周囲が明るくなっていることに気がつく。
「あー、もう日が昇ったんだねえ」なんて言っていると、んんん?向かいから見えるあの光は…??
いま、まさにご来光!!
奇跡はまだ続いてる!雲から顔を出したのかと思ったら、稜線からだし。
しばらく私たちに顔を見せた後、太陽は再び雲に隠れていく…。
直前まで雨降ってたのに、本当にナイスタイミングでした。
いよいよニペアタック!…ところが出発直前に再び雨。
しばらく待ってから4:50前天狗出発。最初はコルを下っていき、登り返すと天狗平。
この辺りもテント1張りぐらいならいけそうだ。
天狗岳を巻き気味に登っていく。しかしいずれ大きく下ってまた登り返すのだ。
残念ながらその試練が、今日は目の前に見えている。
さあズンズンズンズン下るよー。さあドンドンドンドン登るよー。
ニペさまは、どんより雲の中。「さすがに今日は頂上での展望はないかも…」
でも昨日、前天狗からのニペを見たので不思議な満足感が心を満たしている。
エゾツツジやチシマノキンバイソウ、エゾホソバトリカブトを愛でながら山頂を目指していると…
ああ、もう凄すぎる。再びガスが晴れ、少しずつニペが!ニペが!
頂上へぐるりと回り込んで到達する登山道の演出も最高。ニペソツ山は最後の最後まで飽きさせない。
6:30頂上到着。周囲のガスも晴れ、快晴とはいかないものの360度の展望。
これ、思い返せばジャストタイミングだったんですよねー。
出発前に雨が降らなかったら、もっと早くにスタートしてたし、
そしたらガスが抜ける前に山頂に着いてしまって、こんな景色見られなかったかも。
男性陣、みな「オレの遺影はこれを使う!」と交代で撮影 w
前天狗のほうに目をやると、ninoさんの黄色いテントが見えてるし!
なんだかんだで30分も滞在していた。
復路、もう登ってくるソロの人。登山口を朝4:00に出発したらしい。早いなぁー!
4:30出発という女性のソロもいました。多分この日、ニペソツの姿を拝めたのは私たちとこの2人だけだと思う。
天狗平付近で雨が降ったり止んだり、そしてコルのところでナキウサギの声!ああ、でも声だけ。
今回は姿を見ることは出来ませんでした。
9:20テント撤収完了、前天狗を出発。すでに天気は悪化傾向。
周囲はガス。降ったり止んだりの天気。
しかし天狗のコルに到着する頃には止んでいて、助かった。
小天狗の大岩、復路は上から通ってみる。私はこっちのほうが好きだなあ。
50Lテン泊ザックは問題ナシでした。もっと大きいと辛いかも。
12:10 十六の沢登山口到着。サクッと着替えて車へ逃げ込む。登山靴はドロドロ。
糠平温泉湯元館で2日間の汗を流し、ひがし大雪自然館で登頂証明書を発行してもらった。
いやーよかった、テン泊ニペは最高でした。
こんな素晴らしい企画に呼んでいただいて、本当にありがとうございました。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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7月中(本日マデ)のアップを果たしたい!お願いします。
出勤のはずが、会社都合で
本日はお仕事お休みになりました。
ラッキー!!
花の名前、頑張ります。
山座同定よろしく。
山の写真で被るところがあるので若干間引いたり付け加えてみます。
情報量はどうせSだ、ドSでいくぜ
家で整理するのが面倒なので、
取りあえず全ての写真を昨日の出勤前にドーンとアップして、
職場でコソコソ整理していました。
ほんと、仕事しろよな w
いらないものは削除して、上質のストーリーに仕上げてくださーい。
感想書いたらアップしてね!
7月中のアップに間に合いましたw
感動が蘇るわ〜
素晴らしい!
感激です。
ニペソツ山、感激の連続で最高でした。
北海道に入ってから、常に天気が不安定でしたが
いい山行ができました
どれも美しい写真ですね。植物名も良く知っていますね。
花の名前は何度か見ていても、忘れてしまうものもありますね…
いつもアップするとき調べ直しています
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