朝活!毛勝山!!〜賞味期限ギリギリの板菱を越えて〜
- GPS
- 10:05
- 距離
- 13.0km
- 登り
- 1,837m
- 下り
- 1,835m
コースタイム
- 山行
- 8:53
- 休憩
- 1:12
- 合計
- 10:05
天候 | 曇り時々小雨のち雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
途中、林道はバンピーなので、車高の高い車がお勧めです。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
○毛勝谷方面(行き) 板菱の雪渓&スノーブリッジは土砂を被ったことで延命できていましたが、近日崩壊すると思います。 今週が最後・・・でしょうか。 最初はこちらから帰る気でいましたが、板菱の状態を見て帰りは北西尾根を選択しました。 毛勝谷から上は安定して雪がありましたが、随分と雪も少なくなってきています。 ボーサマのコル付近は藪漕ぎです。 ○北西尾根(帰り) 北西尾根は1700m以上は雪が繋がっています。 1700mより下はほぼ夏道です。 相変わらず膝がガクガクになる急な下り坂・・・ 途中雨が降ってきて、木の根や石が滑って大変でした・・・ |
その他周辺情報 | 特になし |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ハードシェル
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
雨具
ゲイター
マフラー
ネックウォーマー
靴
ザック
アイゼン
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
水筒(保温性)
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
GPS
筆記用具
ガイド地図(ブック)
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ストック
カメラ
|
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感想
今シーズンは毛勝谷や猫又谷にはスケジュールが会わず訪問することができなかった。
ヤマレコのレポートを見ていると大明神谷からの土砂流出で雪渓が土砂で覆われて融けていない印象であった。
そうであれば雪渓の雪解けスピードが遅れ、まだ登れるのではないか?
過去に毛勝谷の賞味期限を探るため、6月24日に阿部木谷から毛勝谷を登ったことがあったが、その時は板菱の下流で今にも落ちそうなスノーブリッジを探し出して、
そこに倒木を敷いて何とか渡った。
また、ボーサマのコルの雪渓上部ではすでに土が出ていて泥の上を苦労して登った記憶があった。
今回はどうなのだろうか? 大雪と早い雪解けの影響はどうなのか? 以前からリクエストがあったYoshio_KSK氏と一緒に久しぶりに毛勝谷に向かうことにした。
毛勝谷は基本的には気温が低い時間帯の通過が大切だと考えている。
雪が安定な時間帯に安全に通過するに限る。というわけで、スタートは0時。
まずは板菱までの堰堤越えが待っている。
林道をそのまま進んで下流の堰堤はパスすることができるが、上流の幾つかは堰堤脇の登りの藪漕ぎをこなさなければいけない。
今回もやはり藪漕ぎが数か所あったが、踏み跡が付いているところもあり、
細目にルーファイしながらこなしていった。
やがて河原歩きとなり右手が岩の壁になると板菱だ。
ここで左岸から右岸に渡れなければ毛勝谷の賞味期限である。
板菱の手前からすでに大明神谷の土砂流出の影響が出ていて氷の汚れた壁に登って本流がどうなっているか確認した。
板菱ではこの時期は左岸から右岸に渡らないと本流に遮られて上部に行けない。
暗い中、本流と雪渓の状態を確認すると雪渓の下に流れ込んでおり右岸へは雪渓を渡ればそのまま行けることが分かった。
しかし、まっすぐ進むことはできず雪渓にできた大きな縦溝を避けて進む。
いつもであれば右岸に渡るとそのまま雪渓が上部に繋がっているのであるが、いやな予感は的中した。
行く手を本流が遮る。雪割れで顔を出していた。ヘッドライト頼りに周囲を渡り歩いて突破口を探す。
それにしても水流の爆音が凄い。真ん中の雪渓を進み、右岸に繋がっている小雪渓があったのでそこを進む。
大岩を伝ったりしてさらに上流に進むと今度はナイフリッジが出てきた。水の流れの上に雪渓が残りさらに土砂が載っている構造だが、
左右を水の流れに削られてリッジ上になっている。これは厄介だが相談しながら登り出す。
左右は切れ落ちリッジ上は土砂が堆積し歩くと柔らかくて戻される。なんとも厄介、核心はリッジの中心部に大岩が出てきた。
これには参った。他のルートを探すも不安定なとろこばかりだ。安定なようなので心を決めて岩を乗り越える。
さらに進んでも雪割れで所々水流が顔を出していた。全身運動でなんとか雪渓を繋ぎ乍らクリアすることができた。
この時点でリスクを減らすため帰りは北西尾根に決定していた。
今度は大明神の土砂だ。土砂の小山が超えても超えても現れてくる。崩れやすく歩きにくい。
だんだんと体力が削られるイメージだ。
想定していた予想とだいぶん違っていて精神的にも大変だと感じた。
大明神谷との出会いを過ぎるとようやく普通の雪渓の姿となった。
雪質はザラメ、天気は曇り。
すでにシーズンも終わりに近くデブリは全くない。
いつもならば毛勝谷全容が分かる地点で朝日を迎え谷の状態を確認して進むコースを決めることにしている。
今日は先を急ぐのでそのまま毛勝谷の登りに突入。真夜中の雪渓登りである。
次第に勾配が急になる。途中でアイゼンを付けウィペットを短く調整。
小雨が降り出す。今日はこんな天気が続くようだ。
やがて夜が明け谷を見下ろすことができるようになる。
標高2000mを過ぎで一度休憩を入れて後半に備える。上部はやや右手から攻める、いつものコース取り。
こちらのほうがなんとなく落ち着いて登れる。
どうも新雪の影響か雪の表面が柔らかくステップに手間がかかる。
やはり楽はさせてもらえない。
ボーサマのコルが見えるまで厳しい勾配が続いた。
雪渓最上部はあまり融けておらず土の斜面は出ていなかった。
雪渓から乗り上げて踏み跡のある藪に突入するがすぐにロストする。
強烈な笹とハイマツの抵抗にあい難儀する。
なんとか藪の薄いところを進んで稜線に出る。短いがきつい時間帯であった。
生憎、すでに雲がかかり小雨模様、南方の山々は雲の中。
毛勝山北峰により北西尾根で下山するが、途中から雨が本降り。
やはり下山路の選択は正解であった。
毛勝谷、今年はもう諦めていました。
別件でosamuinさんに連絡したら、「日曜日、毛勝行く?」の返信が。
日曜日は14時に予定があるので、それに間に合うなら行きたい!と返事をしたところ、予想通りの0時スタートの連絡が。
板菱の土砂で延命されている雪渓の状態次第ですが、行けるところまで行ってみようと0時過ぎのスタートとなりました。
○東又登山口〜板菱〜ボーサマのコル〜毛勝山
私は初めてのコース。
堰堤付近にはもう雪はなく、軽い藪漕ぎと高巻きでスタート。
特に難しい場所はなかったが、板菱まで来ると状況は一転。
大小様々な土砂に足を取られ、その下には雪渓。
今にも崩落しそうなスノーブリッジがいくつかあり、深夜に通るとルート確保が難しい。
osamuinさんと苦戦しながらルートを見つけ、板菱を突破。
ただ、帰りは気温が上がり、崩落の危険もあることから、この時点で北西尾根で帰ることを決断しました。
板菱から先、しばらく土砂の道が続きましたが、危険箇所は激減。
雪渓が見え始めてからは急登につぐ急登・・・ボーサマのコルは近くて遠い。
ジグを切ったり直登したりしながら、なんとかボーサマコルまで到着。
景色は全く見えず残念でしたが、毛勝山へ辿り着くことができました。
毛勝から見る歩いてきたルートは超急登・・・
良くこんなとこを登ってきたなと思うんですが、登っていると登れちゃいますね。(笑
○毛勝山〜モモアセ〜東又登山口
帰りは安全を考慮して北西尾根で。
毛勝山頂から下りたところでライチョウのつがい発見。
今年、初ライチョウでした、かわいい!
モモアセまでは雪道がほとんどで12爪アイゼンが活躍。
そこから下は雪道と夏道の半々でした。
相変わらず夏道は辛い・・・微妙なアップダウンを繰り返したかと思うと、その後は激下り・・・
最後は膝が笑ってゲームセット。
雪渓を登っているときはたまに小雨が降る程度で良かったです。
下山時の大雨が雪渓登っているときに降ってたらと思うと・・・最悪でした。
今年最後?となる板菱を味わい、毛勝でライチョウも見られた楽しい山行でした。
一人だったら諦めてたと思います。
osamuinさん、お付き合いいただきありがとうございました。(^^)
突然のコメント失礼します。
下山路は尾根道選択で正解だと思います。私は前日雪渓で滑落した者です。
滑落後に板菱のスノーブリッジ付近をフラフラになりながら下山するのは、弛んだ毛勝谷雪渓の下りと同様、難しく危険でした。
私も雪の締まっていた早朝に登るべきでした。さらには半月早く登るべきだったと反省しています。お疲れさまでした。
コメントありがとうございます。
滑落のレコ読ませていただきました。
ご無事で何よりでした。
私達は板菱の状況と雪渓の雪の状態、また天候も小雨という悪条件が重なったので早々に帰路は北西尾根を選択しました。
結果、正解だったかなと思っています。
雪山での判断は難しいですね。
24cさん、ご自愛下さい。
24cさん、はじめまして。
レコ拝読いたしました。無事に下山出来てよかったですね。
私たちは一日後に登りましたが、標高2000m位から新雪の影響だと思いますが、
雪が柔らかくなりアイゼンの効きが悪くなり凹凸が少なくなったことを感じました。
おそらく24cさんが暑い時間帯に下山されたとすれば雪はもっと柔らかくなっていたと思います。
今回の上りでは先行者達の淡いステップを探しながら直登するように心がけました。
アイゼンでのジグザグ登りは雪が柔らかいので避けるようにし、ラインを変えるときは
ウィペット2本でダブルアックス状態で三点確保しながらトラバースをかけました。
谷の西寄りを進みましたので直登するルート上にクレパスがあるときはそのように行動しました。休憩はクレパスの段差を利用して足を休ませるようにして回復させました。
自分たちは予定よりも時間をかけて丁寧に登ったというところでしょうか。
毛勝谷は早い時期では雪崩、デブリ、落石などがあり、別の側面を見せます。
西北尾根の下降も晴れれば暑さで大変ですし、この日も雨降りで激下りと木の根と岩で
滑りやすく消耗戦となりました。
技術や経験があっても体力が続かなければ宝の持ち腐れ、毛勝山はそんな山だと思っています。
お互いに安全に気を配りながら登山を楽しみましょう。
コメントありがとうございました。
雪渓の登り方等のアドバイスもありがとうございました。それも生きて生還したから聞ける話で、もっと沢山の方にご迷惑かけていたかも知れず反省しています。体力的に滑落事故や藪こぎの失敗がなくて自分のキャパギリギリでした。まさか12時間以上の行動時間になるとは、予想以上に厳しい山でした。ありがとうございました。
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