南アルプス最南部縦走2 (聖岳〜光岳)
- GPS
- 56:00
- 距離
- 34.7km
- 登り
- 3,110m
- 下り
- 4,533m
コースタイム
8/8(木)5:15茶臼小屋 発〜5:45茶臼岳〜7:40易老岳7:50〜10:00光岳小屋〜10:15光岳山頂10:30〜12:30易老岳(昼食・休憩)13:00〜14:15希望峰14:30〜15:00茶臼岳〜15:20茶臼小屋 着(小屋泊まり)
8/9(金)5:40茶臼小屋 発〜7:10横窪沢小屋8:00〜9:10ウソッコ沢小屋〜10:00ヤレヤレ峠〜10:25畑薙大吊り橋バス停
天候 | 8/7(水) 午前中快晴 午後時々霧 8/8(木) 午前中快晴 午後時々霧 8/9(金) 快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
畑薙ダム夏期臨時駐車場〜県道60号〜県道27号〜新東名 静岡IC-藤枝岡部IC〜自宅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
《百瞭胸海硫函礎羸拘飮魁曽兎岳〜兎岳》 百瞭胸海硫箸ら中盛丸山までは森林の中をトラバースしながらの登り 中盛丸山から兎岳までは森林限界を超え徐々に高度を上げていく稜線を進む快適な登り 《兎岳〜聖岳山頂》 兎岳から聖兎のコルまではガレ場で急な下り 聖兎のコルから聖岳山頂は岩場登りを含む急登 細い稜線があるので注意 《聖岳〜前聖岳〜聖平小屋》 砂礫の大斜面を下り、その後ヤセ尾根を歩く 前聖岳以降は安全な下り 《聖平小屋〜南岳》 森林の中の緩やかな登り 森林限界を超えると急登 《南岳〜上河内岳の肩〜茶臼小屋》 高度2700m〜2800mの稜線を歩く、高山植物が咲き誇る 上河内岳の肩をすぎると下り茶臼岳分岐点までザレ場を登り返す 分岐点から茶臼小屋までは岩が多い下り 《茶臼小屋〜茶臼岳〜希望峰》 茶臼小屋から茶臼岳麓までは緩やかな登り 茶臼岳山頂付近はゴツゴツした岩場を歩く 仁田池まで下ると板敷の道を進む 森林の中を進むと喜望峰へ 《希望峰〜易老岳》 樹林帯の中の尾根通しの曲りくねった道を進む 《易老岳〜三吉平〜静高平〜光岳小屋〜光岳》 易老岳から三吉平まで森林の中を下る 三吉平から静高平石まではゴロゴロした水のない谷のような急な登りが続き、登りきると平坦な道を進む 光岳小屋まで平坦な道をさらに進む 小屋から山頂までは緩やかな登りが続く |
写真
感想
8/7(水) 聖岳登頂
予定通り3:00に起床したのだが、身体が目覚めていない感じがした。Nさんも同じようだ。わたしはエネルギー補給のためシリアルバーを食べていたが、Nさんは煙草をくゆらせている。出発にはまだお互いに時間が必要なようだ。水筒に水を補給してさらに朝食用にアルファー米の赤飯に水を入れた。しばらくの間ベンチに腰掛け時間を過ごした。お互いの目が合い頷いた。さあ、出発だ。4:00にスタート!
今日の目的の百名山聖岳に登るためには、百瞭胸海硫箸ら徐々に登り小兎岳と兎岳の2つのピークを越えていかなければならない。
前日の疲れは残っていないものの最初の30分ぐらいは身体が暖まらず登りがつらい。ペースを抑えめにして登って行く。Nさんも同じようだ。
夜が明けて明るくなってくると調子が上がってきた。小兎岳を越え、兎岳も越え、だんだんペースが上がってきた。どんどん聖岳が眼前に迫ってくる。なんとも巨大な山だ聖岳は!登れるかな?
兎岳から下りいよいよ聖岳の登山道に入る。最初は森林の中をトラバースするような緩やかな登りだったが、徐々に傾斜がきつくなる。途中、南アルプスではあまり見かけない岩場を登ることがあった。スピードもでず、ゆっくり安全に3点保持の原則で登って行く。無事岩場を通過すると、ヘリコプターの音が近づいてきた。Nさんは「きっと県警のヘリだよ」と言った。しばらくすると兎岳と聖岳の間をホバリングしている。誰か遭難者が出たのかと2人で心配しながら登り続ける。
やっと稜線に出たと思いきやまだまだ山頂は遠かった。登山道の脇の岩の上に身体を横たわらせて崖下を覗き込む男性とその横に女性がいた。
「何かあったんですか?」とNさんが尋ねると、男性は「昨日ここから滑落した人がいたんです。今遺体を確認し県警に連絡を取ったところです」とのこと。
滑落した場所は、登山道から1mもない崖であった。昨日は霧が出ていて視界が悪かったそうで、男性はお客様の安全を考え、奥さんとこの場所を確認にきた聖平小屋のご夫妻だった。遭難者のご冥福を祈り山行を続けた。
登りを進むごとに息を整え山行は続く、午前10:00に山頂に到着。Nさんは今日は聖平小屋に泊まるよとのこと。私も同じ小屋に泊まろうかと考えたが、聖平小屋は込みそうだの一言に触発され、今回初めてストックを取出し11:00には聖岳山頂を出発し中河内岳南峰に向かうことに決めた。
それからは、とにかく登りを気にせずに歩き続けた。ご婦人二人を抜いて大河内岳を目指した。日暮れ前に茶臼小屋に到着することを目的にひたすら歩みを進めた。途中シャリバテ気味だったのでシリアルバー他甘い物を補給し歩き続けた。お花畑も目に入らない。ひたすら茶臼小屋を目指して足早に歩みを進めた。あまりにも暑いので、高度2500m以上にもかかわらず半袖で歩みを進めた。
ようやく4:30に茶臼小屋に到着。夕食にありつけることを心配しながら宿泊カードに記帳した。夕食は別メニューで5:00にスタートとのこと。アサヒスーパードライ500mlを持ち込み食堂へ、マグロ(解凍後のトンボマグロの剥き身)を肴に夕食を済ませ明日に備えて床に就いた。
8/8(木) 光岳ピストン
朝食を抜いて早出してもペースが上がらないのを実感しているので、ガッツリ朝食を摂って光岳のピストンを実行しようと前夜の内に計画した。5:00前に朝食をもらい5:15茶臼小屋スタート。往復通常ならば13時間以上かかるコースを私的には10時間で往復することに決めた。余分な物は茶臼小屋にデポし、サブザックで山行しようと思ったからだ。往路は軽量化作戦が功を奏し、5時間もかからず光岳10:00には到着した。驚いたことに11:00にNさんに再会した。彼は光岳小屋に向かうそうだ。そんな奇遇の中で、私を悩ませた問題は復路希望峰及び茶臼岳の登り返しが辛いだろうと予測されたことだった。エネルギーを30分ずつ二回に分けて補給休息し復路をおおよそ5時間で踏破した。
帰りの茶臼岳で県の高山植物観測隊の一人と偶然出会い話し込んでしまった。彼も茶臼小屋に泊まるらしい。
夕食ではトンボマグロを肴にビールを飲みながら、静岡県の職員であろう高山植物観測隊の一員の彼と絶滅危惧種の高山植物のことを語らいながら楽しい時を過ごした。
部屋(3階)に戻ると、今日光岳をピストンした面々が休んでいる。一人は見かけ55歳(実際は76歳の男性と知ってビックリ)、女性は光岳の途中で私が抜いたはるばる山口県からお越しの方、もう一人は一眼を担いだ私と同年代の男性。山談義とコースについて話が弾み、消灯時間の8:00まで話し込んでしまった。
8/9(金)下山
今日はテンションが上がらない。畑薙大吊り橋までの下りを進むだけなのだ。10:40の井川バスまで十分時間がある。下り4時間の行程だ。
先を急がず時間をかけて下って行く。横窪沢小屋では常連さんとじっくり話し込み、改めて南アルプスの良さを教えてもらった。今回時間を惜しんで縦走してきた私をあざ笑うかのように、彼らは山の生活を楽しんでいるようだ。テントを持ち込み定住して山遊びをするのも楽しそうだ。時間の余裕があるからこそであろうが、山暮らしが楽しそうであった。
時間をかけて下り丁度10:40の井川観光バスに間に合えばいいと思いながら歩みを進めていると、茶臼小屋のご主人に抜かれてしまった。彼はベストの体調ならば茶臼小屋から畑薙大吊り橋まで約一時間半で下るそうだ。
そんな話を聞いてトレランにますます興味を持ち始め、畑薙の大吊り橋まで走っている自分がいた。
5日間悪沢岳〜赤石岳〜聖岳〜光岳と百名山を巡り、南アルプス最南部を50km以上歩いたことは何か達成感以上のものを得た貴重な体験だった。百名山でなくても魅力的山も多かった。第1日目のアプローチと第5日目の下山日以外の3日間はかなり強行なスケジュールだった。もう少し余裕を持って山を楽しむように計画を立てればよかった。この経験を今後に活かしていきたい。
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