記録ID: 332419
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
甲斐駒・北岳
々暖絛陝禅岳(第1高点・第2高点)〜/白峰三山〜奈良田
2013年08月10日(土) ~
2013年08月11日(日)
![情報量の目安: S](https://yamareco.org/themes/bootstrap3/img/detail_level_S2.png)
- GPS
- 32:00
- 距離
- 13.9km
- 登り
- 2,034m
- 下り
- 2,033m
コースタイム
【1日目】北沢峠06:42〜10:28甲斐駒10:38〜13:54中ノ川乗越14:04〜16:15第1高点16:15〜17:47大岩下岩小屋
【2日目】04:41〜06:06出合06:08〜08:26北沢峠、広河原10:28〜12:45白根御池小屋13:12〜16:24北岳山荘
【3日目】04:16〜05:39間ノ岳05:51〜06:36農鳥小屋06:47〜08:21農鳥岳08:26〜08:56大門沢下降点08:59〜10:44大門沢小屋11:06〜13:42林道入口13:42〜14:11奈良田第1駐車場
【2日目】04:41〜06:06出合06:08〜08:26北沢峠、広河原10:28〜12:45白根御池小屋13:12〜16:24北岳山荘
【3日目】04:16〜05:39間ノ岳05:51〜06:36農鳥小屋06:47〜08:21農鳥岳08:26〜08:56大門沢下降点08:59〜10:44大門沢小屋11:06〜13:42林道入口13:42〜14:11奈良田第1駐車場
天候 | 3日間とも「晴れのち曇り」 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
1年の中で山へ行く日程が一番長く取れるのは夏休みですが、今年のメインイベントの山行をどこにしようか色々考えた末、今年は南アルプスの鋸岳に行ってみようと思い、またどうせなら同じ山域なので交通費節約のためについでに白峰三山も行ってみようと考え、前回に引き続き“ダブルヘッダー”を組みました。 最初は芦安〜広河原〜北沢峠から入って甲斐駒経由で鋸岳を縦走して角兵衛沢を下って北沢峠へ登り返し、次に北沢峠から広河原に戻って白峰三山を縦走して奈良田からバスで広河原〜芦安へ戻る、というルートを夏休みの3日を使って行こうと考えました。 けど行き・帰りのバスの時間を見ると始発は遅くて終バスは早く、色々考えましたけど、私の脚力では3日では無理じゃないかなと感じ始めました。 逆にバスの時間に束縛されないよう、先に夜のうちから奈良田側から登って広河原へ抜け、北沢峠から鋸岳に行くことも考えましたが、これもかなりの登りになることやバスの時間などから体力的・時間的に難しそうでした。 またヤマレコを色々見ていると、鋸岳に関しては、予め釜無川のゲートに自転車をデポし、竹宇神社に戻って黒戸尾根から甲斐駒を登って鋸岳を縦走して釜無川へ下り、自転車で竹宇神社へ戻るという日帰りレコがよく見られるので、これもアリだな〜と思いました。 しかしいくらなんでも黒戸尾根〜鋸岳〜釜無川を1日で抜けた後に白峰三山を登るのは厳しいだろうと感じ、結局最初に考えた北沢峠〜甲斐駒〜鋸岳〜角兵衛沢〜北沢峠+広河原〜北岳〜間ノ岳〜農鳥岳〜大門沢〜奈良田を2泊3日で抜ける計画でいくことにしました。 この計画にはいくつかのトリガーポイントがあります。 1つは3日間で2つの山域を行こうとすると、2日目の北沢峠9:45分発のバスに乗らなければ白峰三山を縦走することは、私の体力では不可能です。さらに言えば2日目の朝9:45分に北沢峠にいようとすると、1日目は角兵衛沢にある大岩下岩小屋あたりまで到達していないと厳しいでしょう(六合石室ではバスに間に合わない)。 2つ目のトリガーは3日目に自宅へ戻るとすると、奈良田から広河原へ戻る最終バスである15:20分には奈良田にいる必要があります。当然そのためには2日目に北岳山荘のテント場に到達している必要があります。 こうしていくつかのポイントをクリアしなければならない状況での出発になりました。 |
予約できる山小屋 |
北沢峠 こもれび山荘
|
写真
まずは鋸岳から。
連休前の勤務最終日である9日(金)の夜に夕食とシャワーを済ませて自宅を出発し、芦安の駐車場には23時ごろ到着。
いつものトイレのある第3駐車場に止めることができましたが、朝起きると既に満車状態でした。
連休前の勤務最終日である9日(金)の夜に夕食とシャワーを済ませて自宅を出発し、芦安の駐車場には23時ごろ到着。
いつものトイレのある第3駐車場に止めることができましたが、朝起きると既に満車状態でした。
朝4時ごろ起きてマイクロタクシーを捕まえようとします。4時すぎにタクシーがたくさん駐車場に上がってきたので目の前のタクシー乗り場へ行くと、運ちゃんから「もう一杯、バスに並んで」と言われました! 何でも朝早くから並んでいた人がたくさんいたのだとか・・・ 一旦バス乗り場で順番待ちをしますが、そこにマイクロタクシーがまた1台来たのでこれに乗れる?と聞くとOKと言うのでまた慌ててマイクロタクシー乗り場へ。
結局、一番最後のマイクロタクシーに乗って広河原へ行き、ここで北沢峠行きのバスに乗り換えますが、大半の人はココから北岳などを目指すようで、あまり並ばずに1台目のバスに乗れました。
北沢峠に着いたのは6時40分ごろで、ココからまずは甲斐駒を目指します。今回の山行を完遂するためのトリガーポイントの1つが、先ほど言ったように「明日の9時45分の北沢峠発広河原行きのバスに乗れるか」ですから、頑張って歩きます。
北沢峠に着いたのは6時40分ごろで、ココからまずは甲斐駒を目指します。今回の山行を完遂するためのトリガーポイントの1つが、先ほど言ったように「明日の9時45分の北沢峠発広河原行きのバスに乗れるか」ですから、頑張って歩きます。
北沢峠から甲斐駒へは数年前に双児山経由で登ったことがあったので、今回は水の補給を兼ねて仙水小屋経由で登りました。
仙水小屋の水はホントに冷たくでウマイ!
ココで背負ってきた飲料用の水2.5リットル以外に夕食と朝食の調理用として水を2リットル別に確保し、グッと重くなったザックを背負ってなんとか10時半ごろに甲斐駒の頂上に到着しました。
仙水小屋の水はホントに冷たくでウマイ!
ココで背負ってきた飲料用の水2.5リットル以外に夕食と朝食の調理用として水を2リットル別に確保し、グッと重くなったザックを背負ってなんとか10時半ごろに甲斐駒の頂上に到着しました。
この時、トレラン姿の外人さんが登ってきました。おそらく朝早く戸台を出てきたと推測されました。この時間でココなら間違いなく日帰りですね。いやー、すごい・・・と思っていたら、その後ろにも外人さんが1人いて、しかもどこかで見たようなかわいい犬が一緒・・・
「あ〜、ヤマレコのHanameizanさんとHanaちゃんだ〜!」とわかるのに1秒もかかりませんでした。その場でお互い存在を知っていたので少しだけ話をし、聞くとやはりこのまま甲斐駒まで登って日帰りするとのこと。鋸岳のギャップをHanaちゃんがどうやって越えてきたのだろう?とか思いましたが、とにかくヤマレコの超有名人さんと会えてとても嬉しく、またHanaちゃんもとても愛くるしく、今回の山行で一番の出会いだったかもしれません。
「あ〜、ヤマレコのHanameizanさんとHanaちゃんだ〜!」とわかるのに1秒もかかりませんでした。その場でお互い存在を知っていたので少しだけ話をし、聞くとやはりこのまま甲斐駒まで登って日帰りするとのこと。鋸岳のギャップをHanaちゃんがどうやって越えてきたのだろう?とか思いましたが、とにかくヤマレコの超有名人さんと会えてとても嬉しく、またHanaちゃんもとても愛くるしく、今回の山行で一番の出会いだったかもしれません。
先を望む。
地図上では破線になっているルートですが、ルート上にはこれでもかっ!と言えるほど赤テープがそこらじゅうにあり、これを追っていけば道には迷いません。ホント、ヤマレコで皆さんが言っているように、5分歩いてテープがなければルートミスを疑っていいと思います。
地図上では破線になっているルートですが、ルート上にはこれでもかっ!と言えるほど赤テープがそこらじゅうにあり、これを追っていけば道には迷いません。ホント、ヤマレコで皆さんが言っているように、5分歩いてテープがなければルートミスを疑っていいと思います。
このルートは破線なのであまり多くの人は歩いていませんが、それでも夏休みシーズンと言うこともあって、Hanameizanさんたち以外にも女性が1人、男性が数人対向者としてやってきました。
このうち途中道標のあるところで休んでいた方と話をすると、昨夜は私が今日目指す大岩下の岩小屋でビバークしたとのこと。聞くと他にも何人かがビバークし、水もコッフェルで溜めて水筒に移すことになるが冷たくでウマイとのことでした。これは期待大です。
このうち途中道標のあるところで休んでいた方と話をすると、昨夜は私が今日目指す大岩下の岩小屋でビバークしたとのこと。聞くと他にも何人かがビバークし、水もコッフェルで溜めて水筒に移すことになるが冷たくでウマイとのことでした。これは期待大です。
ここからがいわゆる核心部分です。まず第2高点を目指します。
基本的に“鋸“というだけあって、登っては下り、下っては登り返すという、甲斐駒から鋸岳へは下るばかりではなくアップダウンばかりが続く印象で、結構体力を消耗します。以前行った西穂〜奥穂のイメージに近いですね。
基本的に“鋸“というだけあって、登っては下り、下っては登り返すという、甲斐駒から鋸岳へは下るばかりではなくアップダウンばかりが続く印象で、結構体力を消耗します。以前行った西穂〜奥穂のイメージに近いですね。
北沢峠からココまで誰にも抜かれなかったのですが、甲斐駒へ向かう途中から後ろから来るある1人の人が結構いいペースでついてきているのを知ってたんですけど、この方が第2高点のところでちょうどすぐ後ろまで来ていました。
第2高点から下ろうとしたら、その人が声を掛けてきてココで泊まると言います。第2高点付近にビバークポイントがあるとは知りませんでしたが、第2高点の頂上からはこの先にある鹿の窓への登りとか第1高点とかで私が歩いているのがよく展望できるようで、第2高点から声を掛けていただき大変励みになりました。
第2高点から下ろうとしたら、その人が声を掛けてきてココで泊まると言います。第2高点付近にビバークポイントがあるとは知りませんでしたが、第2高点の頂上からはこの先にある鹿の窓への登りとか第1高点とかで私が歩いているのがよく展望できるようで、第2高点から声を掛けていただき大変励みになりました。
さらに降りるとガレたルンゼにぶつかりますが、このあたりは少々赤テープがなく、右手にあるガレガレのルンゼ(たぶんこれが大ギャップ)を詰めるのか、目の前の岩壁をよじ登るか、少し考える場所でしたが、こんなルンゼを詰めるようには思えず、さりとて目の前の岩壁がロープなしで登れるとは思えず、なんとなく“匂い”でルンゼをトラバースして少し下った先にある草付きのガレ場を登るような気がしたので近づくとやっぱり赤テープがありました・・・
「これを登るんかい・・・」とウンザリしましたね(笑)。こんなガレ場を登らせるんなら、あんなに下らせるなよなーなどと勝手なことをブツブツいいながらガレ場に取り付きます。ホント、何度も下っては登り返す場面が多く、累計の登降標高差は結構あるんじゃないと思いました。
しかし難所はこの第1高点までです。クサリ場を越えて少し登ると第1高点、鋸岳の頂上です。
第1高点で第2高点から見送ってくれていた先ほどの方に「着いたぞー!」と合図を送り、なんとか本日の到達目標点である角兵衛沢にある大岩下の岩小屋へ急ぎます。
第1高点で第2高点から見送ってくれていた先ほどの方に「着いたぞー!」と合図を送り、なんとか本日の到達目標点である角兵衛沢にある大岩下の岩小屋へ急ぎます。
この第1高点で2.5リットル入れてきたスポーツドリンクのプラティパスがなくなります。3000m級の稜線上とは言え、下界では39℃だ40℃だと言っていますから水はかなり消費していたんですね。仕方がないので調理用に担いできたプラティパスにスイッチしますが、まだ先はあるし、仮に夕食の調理分の水は使えても明朝の調理分や明日北沢峠まで登り返す際の水が必要と思いますので、これは何が何でも水場がある大岩下の岩小屋に辿り着く必要が出てきました。
角兵衛沢の頭で16時半ごろ。地図上ではココから1時間半ほどで大岩下の岩小屋なので、予想到着時刻は18時ごろとなります。なんとか日が暮れるまでには辿り着けそうだと感じたのですが、この沢、ガレガレでかなり下りにくく、おまけに既に10時間ほどテン泊装備のザックを背負ってきているので体力が残っていません・・・
「この大岩じゃなかったら、いっそ戸台川の出合までヘッドランを点けて下ろう、ここらの川の水なら煮沸すれば調理用の水ぐらいにはなるだろう」と腹を括ったら、なんとなく“匂い”で大岩下の岩小屋の雰囲気っぽかったので大岩へ少し登り返すと、3張ぐらいテントが張れそうなテン場を発見! 本日のトリガーポイントをクリアできました。
さっき会ったオジサンの話では昨夜は数張テントを張る人がいたと言っていましたが、18時前到着で誰もいませんでした。
とテントを設営していたら、もう1人ひょっこり人が現れました。聞くと戸台から上がってきたとのこと。伊那方面にお住まいで地元の方のようでしたが、なんとテントもツェルトも持たず、大岩下の岩小屋は雨風がしのげるような場所と思っていたとのことで、エマジェンシーシートの上にシュラフを敷き、焚き火をして夜を明かすというワイルドな方でした。
とテントを設営していたら、もう1人ひょっこり人が現れました。聞くと戸台から上がってきたとのこと。伊那方面にお住まいで地元の方のようでしたが、なんとテントもツェルトも持たず、大岩下の岩小屋は雨風がしのげるような場所と思っていたとのことで、エマジェンシーシートの上にシュラフを敷き、焚き火をして夜を明かすというワイルドな方でした。
水も情報通り岩から染み出ており、コッフェルですくうとこれまた情報通り冷たくてウマイ! 仙水小屋の水も冷たくてウマイですが、10時間以上あるいて辿り着いた水場の水は本当においしく感じました。
ウマイ水で夕食を食べるとこんなビバークポイントではすることもないのでサッサと寝ました。
ウマイ水で夕食を食べるとこんなビバークポイントではすることもないのでサッサと寝ました。
翌朝は3時に起きます。テントから顔を出すと満天の星空。今日も天気は良さそうです。都会とは違った星空をしばらく眺めていると、やたらと流れ星をよく見ます。オジサンによるとどうやらなんとかっていう流星群が明日ぐらいが見ごろだそうでした。
ビバークサイトを後にする。オジサンの焚き火が赤く光っている。
ビバークサイトを後にする。オジサンの焚き火が赤く光っている。
4時40分ごろにオジサンに別れを告げて再度角兵衛沢を下り始めます。岩小屋まではガレガレでしたが、岩小屋より下は樹林帯の中を延々と下る感じです。高度計を見ていると角兵衛沢の頭から戸台川の出合まで1000mぐらい下るようでした。
今日は今日で北沢峠を9時45分に出る広河原行きのバスに乗るというトリガーポイントがあります。このバスを逃がせば次のバスは広河原に12時ごろの到着となるので、北岳山荘まで行くにはちょいと厳しいからです。
今日は今日で北沢峠を9時45分に出る広河原行きのバスに乗るというトリガーポイントがあります。このバスを逃がせば次のバスは広河原に12時ごろの到着となるので、北岳山荘まで行くにはちょいと厳しいからです。
撮影機器:
感想
全体の感想ですが、ます鋸岳。
こちらは地図では破線になっていますが、いくつか迷いやすいポイントはあるものの、ヤマレコに書いてあるように、ルート上にピンクリボンがかなり多く、事前にヤマレコなどを見て勉強してれば道に迷うことはほとんどないと思います。確かに途中に山小屋やテント場などはありませんが、ビバークできそうな箇所は散見され、行く前に感じていたほど技術的な難易度は高くないと感じました。
ただ季節が猛暑の季節だったからかもしれませんが、“鋸”という名だけあって核心部分ではアップダウンを強いられ、そのアップダウンとも普通の登山道ではなくてザレ・ガレの疲れる道ばかりで体力の消耗は激しく、水の消費も3日間とも1日に4〜5リットルに及びました。
【自分的には白峰三山は別の山行と捉えますので、ココで一旦打ち切り、白峰三山は別レコにします】
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コメント
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BIMOTAさんなら技術的には全く問題ないコースですよね。ただ体力的にはきつかったでしょう。キャンプ装備だと。。。
1か月早いともう少し道は分かりにくいのですが、この時期だと倒木は撤去されている様ですね。
技術的には問題ありませんでした。
下界ほどではありませんが、確かに体力的には暑くて大変でしたね。
破線の道の割にはピンクテープがやたらあるし、道には迷わないと思います。
人が少ないこと、バスのアクセスが良くないこと、ぐらいですかね、ネガティブな部分は・・・
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