槍ヶ岳→北穂高岳(大キレット)縦走 言葉を交わしてくれた方々に感謝!
- GPS
- 57:37
- 距離
- 45.2km
- 登り
- 2,540m
- 下り
- 2,533m
コースタイム
8/18 槍沢ロッヂ(6:03発))→ババ平テン場(6:47着)→大曲(7:25着)→天狗原分岐(8:58着)→ヒュッテ大槍分岐(10:44着)→殺生ヒュッテ分岐(11:47着)→槍ヶ岳山荘(13:10着45発)→槍ヶ岳山頂(3180m・14:19着)→槍ヶ岳山荘(15:10?着・泊)
8/19 槍ヶ岳山荘(5:53発)→飛騨乗越(6:05着)→大喰岳山頂(3101m・6:33着)→中岳(3084m・6:33着)→南岳(3032m・9:25着)→南岳小屋(9:25着10:03発)→長谷川ピーク(2841m・12:55?着)→A沢のコル(13:22着)→(飛騨泣き)→「北ホあと200m」の岩(15:13着)→北穂高小屋(15:50着・泊)
8/20 北穂高小屋(6:06発)→北穂高岳山頂(3106m・6:10着)→奥穂分岐(6:24着)→2段の長い鎖場(8:00頃)→涸沢小屋(9:43着10:14着)→本谷橋(12:13着28発)→横尾山荘(13:25着45発)→徳澤園(14:37着)→明神館(15:30着)→河童橋(16:13着)→上高地バスターミナル→(シャトルバス)→村営沢渡第一駐車場
天候 | 8/17〜19 晴れ 8/20 曇り時々雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
南岳小屋⇔北穂高小屋 長谷川ピーク、飛騨泣き等難所あり。 |
写真
感想
大キレット。
うーん、やっぱり踏破したいよなぁ〜。
八峰キレット、不帰キレットと並び日本三大キレットのひとつにして、難易度ではおそらく筆頭・・・
もっとも、日本三大○○の類は必ず異論があるものですが、大キレットが日本の一般登山ルートでは屈指の難路である事は間違いありません。。。
八峰、不帰キレットは、2008年の夏期休暇で後立山連峰を縦走した折クリアしていますので、残る大キレットを制覇すれば三大キレットオールクリアとなります。。。
でも、ネットで写真を見てみるといかにも恐ろしげな難所の連続らしいいし・・・となかなか踏ん切りがつきません。
そこで、上高地から槍に登り、南下して(ちなみに大抵の案内本が南下のコースを紹介しているが、飛騨泣きを登りにとれるから、という理由らしいです)大キレット越えて北穂の小屋泊を主計画とし、槍ヶ岳山荘で決心がつかなかったら槍から西鎌尾根を経て双六方面に向かって新穂高に下山、という2段構えの計画を立てて今回の山行に臨みました。。。(単なる優柔不断)
8/17 朝から好天。上高地は何度も来ているのに単に通過するだけだったので、大正池バス停で下車、河童橋まで歩く事にしました。大正池、田代池、梓川河畔などで写真を撮りながらダラダラ歩きです。。。なんと河童橋まで2時間半近くかかってしまいました。河童橋を9:46発。途中、明神池に寄り徳澤園で850円ナリのカレーで昼食を取り、槍沢ロッヂには15:47着。
8/18 この日も朝から好天。槍沢をつめて槍ヶ岳に登るコースは、案内本に必ず紹介されている定番ですが、過去2回の槍ヶ岳登頂が東鎌尾根、西鎌尾根経由だったので今回初めて登りました(下ったことはあり)。。。下った時、「ここを登るのは大変だな」と思った事を覚えていますが、やっぱりそうでした。。。登るにつれて勾配が急になってゆく・・・持病?の右膝痛に耐えつつ槍ヶ岳山荘には13:10着。ザックを山荘に置いて槍の穂先を往復し3回目の槍登頂。若干ガスが出ていましたが3回目にして初めて視界の効く槍の山頂に立つ事が出来ました。(前2回はガスや風雨で展望なし)
さて、槍の山頂で北鎌尾根を登ってきたという独行男性にお話をする機会がありました。私が大キレット挑戦に踏ん切りがつかないことを言うと「基本はやっぱり三点支持だと思います。それが出来れば大抵は大丈夫。私もそれで北鎌を登ってきました」との事でした。ともすればエイヤッ、と足と手を同時に動かしてしまう事もあるナンチャッテ三点支持の私には耳の痛い話でした・・・
8/19 この日も朝から好天。昨年、一昨年の夏期山行は雨に祟られっぱなしだった事を思えば、大キレットに挑戦するにはまたとないチャンスです。でも、私はこの段階でも迷っていました。顔見知りとなった別の独行登山者の「南岳小屋からすぐの所にキレット展望台ってあるから、そこまで行って自分の目で見て決めれば?無理と思ったら引き返せばいい。山は逃げやしないよ。(決心がついたら)また来ればいい」との言葉に従い、稜線を南下する事にしました。
10時すぎ、南岳小屋近く獅子鼻岩キレット展望台から初めて大キレットを間近に見る・・・「すごい所だ、こりゃオレには無理だろう」と一瞬思いましたが、(下記のように)今回の山行で言葉を交わした他の登山者方の言葉を思い出し、挑戦する事にしました。。。
獅子鼻岩を岐阜県側に巻くようにしてキレット底部に降下開始。鎖場と二段ハシゴ(案内本によると上段7.5m、下段5mだそうです)をこなすと大キレット底部です。案内本ではそこから「歩きやすい石屑の縦走路」となっていましたがそれなりにアップダウンがあり気が抜けません。。。
そしていよいよ長谷川ピークが近づきます。当日は天気がよく高度感が半端ではなく、いつものように写真を撮る余裕などなかった事が残念です。ネットで見た「Hピーク」のペンキ書きを見つける余裕もなく自覚もないまま長谷川ピークの最高標高地点を通過してしまったと言うのが本当のところです・・・あとでA沢のコルで行き会った登山者に「長谷川ピークってどれですか?」と聞いたぐらいですから。。。長野県側からリッジ状の岩を越え、岐阜県側に移る。ところが岐阜県側はほぼ垂直の岩壁に4段のステップが打ち付けてあるだけなので、ステップに足をかけるまでが恐ろしかった。。。
A沢のコルには13:22着。ここで初めて自分が長谷川ピークを無事通過した事を確認。。。コルでしばし休憩、行き会った登山者と言葉を交わす。(この内の女性登山者と帰路徳澤園で再会し、『長谷川ピークってどこですか』と聞かれたのがおかしかった、と言われてしまった。。。)
A沢のコルからは赤茶けたもろい岩壁を登り、その先がいよいよ「飛騨泣き」の難所です。ここも高度感が半端ではなく「どうすれば通過できるんだ」と思う場所が何箇所かありましたが「三点支持、三点支持」と心の中で呪文を唱えながらなんとか通過。
15:13、案内本にあった「北ホまで200m」のペンキ書きを発見、あとは北穂の小屋まで最後の急登をこなし、長谷川ピークの手前で追い抜かれ、先着していた二人組のパーティに迎えられながら、15:50に北穂高小屋のテラスに到着・・・この日の行動を終えました。。。
8/20 この日は朝からガスと雨。天気が良ければ昨日の余勢をかって奥穂まで、と考えたかもしれませんが、コンディションを考えて素直に下山する事にしました。涸沢経由の北穂⇔上高地は歩いた経験があるので、二段の長い鎖場以外は特に危険っぽい場所はないはずです。途中、涸沢小屋で休憩、コーヒーを頂く。雨は降ったり止んだりで涸沢上部から上は完全にガスがかかっていました。。。やっぱり、今日は降りるしかなかったな・・・
横尾山荘13:25着45発。沢渡へのシャトルバスの最終時間を覚えておらず、路を急いで河童橋には16:13着。内面では色々迷いもありましたが、大キレット越えという大きな目標を達成して今回の山行を終えることが出来ました。。。
今回、結果として大キレット越えを果たす事が出来ましたが、最後まで挑戦する事を迷ってました。迷いもあって、山行中に言葉を交わすようになった他の登山者方に「大キレットに挑戦しようと思うんですが、大丈夫でしょうか?」と聞きまくりました。聞かれた方も困ったでしょう、初対面の頭を丸刈りにしたメガネオジサンにそんなコト聞かれても、という感じだったと思います。「三点支持が出来れば大丈夫です」「ゆっくり落ち着いてやれば大丈夫だと思います」「槍の穂先に登れるんだったら大丈夫だよ」様々な答を頂きましたが、概ね励ます様な答が多かったです。お一人だけ「チャレンジャーだね〜、やめときなよ、危ないよ」という答をした方がいましたが、上記のように「南岳小屋のキレット展望台まで行って自分の目で見て決めれば」と勧めてくれたのも同じ方です。これらの方々の言葉がなかったら、おそらくヘタレな私は途中でチャレンジを諦めていたでしょう。今となってはお答を頂いたすべての方々に感謝あるのみです。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。
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