北アルプス赤岳ワンデイ14時間半
- GPS
- 14:28
- 距離
- 34.3km
- 登り
- 3,146m
- 下り
- 3,137m
コースタイム
- 山行
- 11:42
- 休憩
- 2:24
- 合計
- 14:06
天候 | ピーカン |
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過去天気図(気象庁) | 2021年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
新穂高〜千丈乗越 安心安全の夏道です、滝谷に橋が架かっています。 千丈乗越〜千丈沢 乗越から下はガレ場、雪渓歩き。下部で涸沢歩きになる。熊がいます。 沢は水が少なく大岩の下降となる。 中山沢〜赤岳 水は流れていません、浮石が多く上部からの落石に注意。硫黄尾根全体は浮石が多くてもろいが岩塊はしっかりしており支点は取れる。 懸垂時はロープに触れる石が散弾銃のように落ちてきます、石を避けながら下降しなければならない。 |
その他周辺情報 | 入浴施設は連休なのでどこも混んでいます。 |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
装備
個人装備 |
登攀道具一式
ハンマー
捨て縄20m
ロープナイフ
|
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共同装備 |
ロープ30m2本
ハーケン6枚
リンクカム
・4
・3カム
|
感想
槍ヶ岳から見えるいつも気になっていた尾根。赤茶の山体がむき出しになっており樹林がない尾根。白山の地獄尾根に似た風貌で行ってみたいと思っていた。
行くしかないだろう、硫黄尾根にある赤岳をワンデイしてみよう。
赤岳のワンデイ記録はないだろう、重い登攀具を背負って新穂から2人でスタートした。今日は涼しいから元気だ、ガシガシ行く。満月の月明りで明るいのがうれしい。滝谷手前で先行者のライトが見えた、追い抜きたいが今日は我慢、千丈乗越で明るくならないと暗闇の下降になるからだ。
槍平で休憩、ここまで2時間半、もっとペースを落とそう。先行者の後ろをゆっくり歩いていくが千丈乗越に着いても真っ暗、明るくなるのを待つことにした。
東の空が明るくなってきた、月はオレンジ色になりもうじき沈むのだろう。さあ寒くなてきたのでもう限界うす暗いけど下降しよう。ガレ場は足元から崩れていく、歩きにくいっす。100mほど下降すると雪渓が現れた、固くて滑るので慎重に歩く、スリップしたら止まらないだろう。雪渓と格闘していたらいつの間にやら朝を迎え硫黄尾根に朝日が当たっていた。雪渓を終え涸沢歩きになる、熊の糞が多かった。
千丈沢に合流、水は少なく足を濡らすことなく下降出来た。さて詰めていく中山沢に着いた、乗越から標高差850m下りた。中山沢は赤茶の岩だらけの涸沢だった。一旦千丈沢に戻り水を補給した。これで戦闘準備が完了。鞍部を目指して標高差540m登って行く。水のない沢に太陽が差すと暑い、日陰を選びながら進むが標高が上がると日陰もなくなり灼熱地獄だ。前方にオアシスのように残雪が現れた、メットに雪を詰めてここ冷えを作ると快適だった。
周りの樹林が無くなり尾根に近づく、白山の地獄尾根のように壮絶だ。落石に気を付けながら登り鞍部に到着した。硫黄の臭いがする、早くピクって絶景を見たい、地図を見ると標高差45mでピーク、際どく尾根をよじ登る。足元が崩れるが岩塊はしっかりしているのでホールドは問題なかった、サックっと登り着いたぜ…いや着いていないっす。二つのポコの向こうにあるのがピークだった。このまま尾根伝いに行く、一つ登って先を見ると絶壁…、無理っす。しかしここで帰るわけにはいかない。
一旦下降してルートを探すことにする。大岩を支点に懸垂しながら探る、あったぞルートが。カムを噛まして支点を作りセルフを取って若者に下りてきてもらう。さてビレイしてちょうだい。
際どくルンゼを登り更にルートを探す、バンドを超えるとピークに行けそうだ。一旦ピッチを切って登ってきてもらう。再び支点を作り登攀する。ルートは正解だった。登り上げるとハーケンで懸垂の支点があった。えらい古く最近誰も登っていないのだろう。若者も登ってきたらピークに行く、ここはフリーで登ってやっと着いたぜベイビー。予想通りの絶景であった。写真をたくさん撮ったら帰ろう。
古いスリングをナイフで切って、捨て縄で新しく支点を作り直した。これで安心だが落石に注意しよう。上からラクの声があるたび石が襲ってくる。マジ勘弁してください。30m下りてハーケンで支点を作りセルフを取った。ここから2回目の懸垂、ちょうど60mで降り立つことができた。赤岳攻略は鞍部に登らずルンゼから攻めるのがいい。
登攀具をしまい中山沢を下降する、暑いので2回目のここ冷えを作る。最高…。千丈沢は水に浸かりながら登って行く、これも最高だが水が冷たすぎ…。沢から上がり乗越に向かう頃は雲が沸き上がって助かった。雪渓も緩んで快適、8時間ぶりに千丈乗越に着いた、もう登らなくていいんです、後は下るだけ。
下山は人が多い、ごぼう抜きしながらダッシュです。そして新穂にゴール…。14時間半の戦いは終わった…。北鎌ワンデイよりきつかった。。。
凄いです!
とても北アルプスの景色とは思えません。まるで違う惑星のような景色です!
コメントありがとうございます。
想像していた通りの壮絶な景色でした、赤岳から西鎌尾根は無雪期の記録がないのでとても気になっています。
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