立山〜常念岳 (山と道を繋ぐ旅、北アルプス編)
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- GPS
- 92:22
- 距離
- 103km
- 登り
- 7,998m
- 下り
- 9,804m
コースタイム
●コースタイムには、著しくムラがあります。
【1日目】8月24日(土)
室堂8:10〜一の越山荘8:50〜立山雄山9:20/9:40〜大汝山9:55〜富士ノ折立10:05〜一の越山荘10:50〜龍王岳11:20〜獅子岳12:20〜ザラ峠12:50〜五色ヶ原山荘13:25〜五色ヶ原キャンプ場13:40 (テン泊)
【2日目】8月25日(日)
五色ヶ原キャンプ場21:20〜五色ヶ原山荘21:30〜鳶山22:05〜越中沢乗越〜越中沢岳23:35〜スゴノ頭0:50〜スゴ乗越小屋2:30/2:35〜間山4:25/5:20〜北薬師岳7:30〜薬師岳8:30〜薬師岳山荘9:05〜薬師峠10:10〜太郎山小屋10:35〜分岐〜北ノ俣岳12:25〜赤木岳13:20〜中俣乗越〜黒部五郎岳15:35/15:50〜黒部五郎小舎17:25 (テン泊)
【3日目】8月26日(月)
黒部五郎小舎9:30〜巻道分岐点10:55〜三俣山荘12:00/12:30〜分岐12:45〜岩苔乗越13:55〜水晶小屋14:30〜水晶岳14:55/15:00〜水晶小屋15:30〜鷲羽岳16:40/18:20 (仮眠)
【4日目】8月27日(火)
鷲羽岳18:20〜三俣山荘19:10〜三俣蓮華岳20:40/20:55〜双六小屋22:50/22:55〜千丈乗越3:30〜槍ヶ岳山荘5:25〜槍ヶ岳5:50/5:55〜槍ヶ岳山荘6:20〜ヒュッテ大槍7:10/8:50(仮眠)〜水俣乗越9:55〜ヒュッテ西岳11:15〜西岳11:30〜ヒュッテ西岳11:45〜大天井ヒュッテ14:15〜牛首展望台14:45〜大天井ヒュッテ14:55〜大天荘15:55/16:10〜大天井岳16:20〜大天荘16:30 (小屋泊)
【5日目】8月28日(水)
大天荘0:50〜東天井岳〜常念小屋3:20/3:40〜常念岳4:40/5:15〜常念小屋5:40/5:50〜最終水場6:10〜王滝ベンチ7:10〜ヒエ平7:40〜烏川橋〜道の駅ほりがねの里10:55/11:35〜豊科駅12:05
天候 | 24日(土) 雨のち曇り 25日(日) 曇りのち晴れ 26日(月) 晴れ 夜は雨、雷 27日(火) 日の出後、晴れ 28日(水) 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
富山駅5:39〜立山駅6:28/7:00(ケーブルカー)〜美女平(高原バス)〜室堂バスターミナル7:55 (立山駅では混んでいて6:40のケーブルカーに接続できませんでした) |
写真
感想
●この記録は夜間行を推奨するものではありません。
【前日】
今年も5連休を取る事が出来ました。
まずは職場の皆様に感謝感謝 m(_ _)m
ところが、ここ1週間ほど体調が悪い。
週末には、仕事中に立っているのでさえ辛い状態になってしまいました。
富山駅までの切符と前泊のホテルは手配してしまったので、とりあえず行くしかない。
体調が良く成らなければ、観光だけして帰って来るつもりで出発しました。
そんな訳で、風邪っぴきの北アルプス縦走です (ーー;)
●立山 (室堂〜立山〜五色ヶ原)
【1日目】8月24日(土)
1日目は、あいにくの雨。
前泊地の富山駅を始発で出発して室堂に向かいます。
アクセスが良く、ストレスなく室堂まで行く事が出来ました。
この時期は、かなりの本数があるようです。
室堂で最後の腹ごしらえをして、立山に向かいます。
一の越までは、舗装された道。雷鳥が道案内してくれました。
↑本当は、逃げていただけ (ーー;)
一の越からジャリジャリした山道を上がって行くと立山雄山です。
何とピークには、500円を払ってお祓いに参加しないと上がれません。
晴れた日は山頂でお祓いの儀をするようなのですが、今日は社でのお祓いになりました。残念。
一の越に戻り、今度は五色ヶ原を目指します。
天気が良ければ、とても景色の良い所なんだろうなぁ〜と思います。
しかし雨は止んだもののガスガスで何も見えません (T ^ T)
五色ヶ原山荘で受付をして、少し離れた五色ヶ原テント場に到着。
え〜と、明日の出発時間は「15時 到着」から逆算して、22時出発。
今日ですね (ーー;)!!
とは言え6時間は寝れそうです。
●薬師岳 ●黒部五朗岳 (五色ヶ原〜黒部五郎小舎)
【2日目】8月24日(日)
21時起きです。
まずは暗闇の中、薬師岳を目指します。
一言に薬師岳を目指すと言っても、その工程は長い。
鷲山、越中沢岳、スゴノ頭、間山、北薬師岳と縦走して行きます。
行動時間が5時間を過ぎた辺りで疲労感に襲われました。
ペースも急激に落ちました。
薬師岳でご来光を見るつもりでしたが、これでは間に合いそうにありません。
仕方なく、途中の間山で休憩も兼ねてご来光を待つ。
ところが、いつの間にか寝てしまったようで、起きたら日の出時刻を過ぎている。
どうせ、雲で見えないだろうと思っていたのですが、太陽が顔を出しているでは、ありませんか!!ショック(T ^ T)
気を取り直して薬師岳に向かいます。
薬師岳に着くと再び辺りは、ガスの中。
山頂には、この天気にも関わらず沢山の人がいました。
後で抜かれた時にみんな一緒だったので、一組の団体さんだったようです。
なんと祠の中には金色の薬師如来像がありました。
盗んじゃダメよ!!←自分に言い聞かせる。
さて次なる目的地、黒部五郎岳を目指します。これもまた長〜い。
天気が途中で回復してくれた事が救いです。
途中には、薬師岳山荘や太郎小屋といった良さげな小屋があります。
でも、私はもう少し進まなければなりません。
黒部五郎岳山頂では、今回の百名山3座目にして初めて、展望を得る事が出来ました (^_^)v
しかし、だいぶ時間が押して来た。
黒部五郎小舎に下ろうとした矢先、ズタズタに引き裂かれたザックが転がっていました ∑(゜Д゜)
中身がむき出しになりガスカートリッジがほっぽり出されている。
転落か?熊か?
上下を見渡しても人が転がった気配はない。
写真を撮りポイントをチェックして、黒部五郎小舎でこの事を伝えると、昨日カミナリにあった方がヘリコプターで搬送され、荷物はまだ回収されていないとの事。火傷したものの命に別条はないそうです。
カミナリ!!(◎_◎;)
カミナリに打たれると、あんなにズタボロになってしまうんですね。
(不謹慎だと思うので写真は載せません。どうしても雷の怖さを知りたいと言う方はメールください)
ちなみにこの日は、そのまま黒部五郎小舎にテン泊しました。
●水晶岳 ●鷲羽岳 (黒部五郎小舎〜水晶岳〜鷲羽岳)
【3日目】8月24日(月)
夜、……寒い。
昨日はこんなに寒くなかったのに……
北風が入り込み一気に冷え込んだらしいです。気温は氷点下で、テントがバリバリに凍っていたと、後で会った方が言っていました。
とにかく寒い。全く寝れずに朝まで、もがき苦しみました。
このままでは、とても進めそうにない。と言うか寒くて外に出れません。軽量化の夏期装備があだになりました。
仕方なく日の出までたえて、日が出て暖かくなってから寝るという作戦に。
(ここで小屋に避難するのも選択肢の一つです)
さて、その後、どう巻き返すかが問題です。
まずは、日のあるうちに水晶岳と鷲羽岳のピークを踏んでおく。鷲羽岳で日没まで仮眠。日没後に(どうせ夜は寝れないのだから) 槍ヶ岳まで夜間行して、ご来光というメチャクチャなプラン。
まぁ、私らしいと言うか……
鷲羽岳までは、ほぼ予定通り。
途中、三俣蓮華岳巻道のお花畑があまりにも素晴らしくて多少時間をくいました。
その後、一度、鷲羽岳を巻いて水晶岳へ。
とって返して鷲羽岳です。
鷲羽岳で石畳の上で横になれたのは嬉しい誤算でした。土の上より、はるかに温かいのです。
お陰で2時間ほど寝る事が出来ました。
●槍ヶ岳 (鷲羽岳〜槍ヶ岳〜大天荘)
【4日目】8月24日(火)
18時。日が落ちると急に冷え込みます。
(一応、便宜上ここから4日目という事にします)
槍ヶ岳に向かって夜間行の始まりです。
天気が再び崩れて、雨とガスと暗闇の中、1m先が見えない。足元がかろうじて見えるが、少し先を照らすと光が散ってしまい何も見えません。
三俣蓮華岳では、広いピークを左周りに一周しましたが、ついに双六方面への分岐を見つけられませんでした。多分ピークではない所に分岐があるのでしょうが、探す時間が惜しい。ここは双六岳を諦めて、下の巻道を行く事にします。
その後も道幅の広い場所や岩場では道探しに苦労しました。
ガスっていなければ、どうって事のない道に、凄い時間と労力を使いました。
さらに、西鎌尾根を槍ヶ岳に向かっていると、遠くでカミナリが!!
昨日の引き裂かれたザックを思い出す。怖い!!
カミナリは槍ヶ岳の方に向かっている気がします。
千丈乗越に着いたら、槍平小屋を経て新穂高温泉にエスケープするしかないなと、考えていました。
しかし千丈乗越に着いた頃にはカミナリは止み、槍ヶ岳方面の雲の色も変わってきました。
よし、これなら行ける。
そんなこんなで槍ヶ岳山荘に着いたのは、5時半。
ここでも、ご来光に間に合わず。(どうせ見れなかったけど)
槍ヶ岳山荘には相変わらず沢山の人。
ピークは去年に引き続き展望なし。しかし写真には収められませんでしたが、ブロッケン現象を見る事が出来ました。
山頂に歓声が湧き上がります。
後30分くらい待っていれば、カラッと晴れて大展望だったのですが、今回は時間が惜しいので、すぐに下山しました。
その後、進めるだけ進もうと思ったのですが、大槍ヒュッテまでで早くも体力の限界。
ヒュッテの上にあるベンチで横になる事にします。
1時間くらい寝ました。
目が覚めると、男性が話し掛けてきました。
なんでも東鎌尾根を縦走後、西鎌尾根に行こうと思ったが、体調が良くないので大槍ヒュッテでグダグダしていると言うのです。私にも東鎌尾根はキツイから止めておいた方が良いといった口調。
確かに、私も体調が良くない。鼻水がドロっとしていて痰も出る (汚い話をすみません)
しかも昨日の10時から合計3時間しか寝ていないのです。
しかし、どうしても常念岳まで行きたい。
ただ突き進むのではなく、同じ場所で何日かを過ごす。そんな楽しみ方も認めつつ、今の私は先に進む事を選択しました。
その後もコースタイム以上の時間を掛けながら、何とか大天荘に到着。
今夜は、一昨日の寒さに恐れをなして、小屋泊りする事にしました。
(もし明日の朝、寒くて起きられなかったら、その日のうちに帰れなくなるので)
大天荘は、とてもキレイです。
しかも、食事が美味しい。
私の小屋泊りは、山びこ荘に続いて二度目です。山びこ荘の食事も美味しかったので何とも言えませんが、他の小屋ではレトルトカレーだったする事もあるらしいです(隣の人が話していたのを盗み聞き)
荷上げ出来るかで違ってくるらしい。
小屋には、もうストーブが点いています。
よし今日は、ぬくぬく寝れるぞ。
●常念岳 (大天荘〜常念岳〜一ノ沢〜豊科駅)
【5日目】8月24日(水)
最終日。常念岳でご来光を見るため、1時に小屋を出発します。
小屋では、遅着きは怒られるが早出は怒られない。(限度は有ろうが)
外に出ると、やっぱり恐ろしく寒い。小屋泊りの判断は正解でした。
突風が吹く中を常念岳に向かって進んで行きます。
最終日になって、ようやく風邪が治ったようで (昨日の美味しい御飯が効いたかな) 気付くとペースが早過ぎる。
これでは常念岳山頂で1時間以上待つ事になってしまうので、ペースを落とします。
途中で夜景撮影などして身体が冷えない程度に時間を潰しながら歩いて行きます。
それでも、まだ速い。
昨日までのコースタイムオーバーは何だったのだ?
常念小屋でさらに時間を潰し、山頂アタックでもペースを落としながら、ついに山頂に到着しました。
空が赤らんできた。
ちょうど良い時間です。
しかも寒さも和らいできました。
私の他にも御来光ハンター達が次々に上がってきます。
世話ばなしをしながら、ご来光を待つ。
……はるか東の空から日が登ります。
とても美しい日の出でした。
残念ながら槍や穂高には雲が掛かってしまい、赤く染まるのを見る事は出来ませんでした。
それでも大満足のご来光でした (T ^ T)
さぁ、後は下山するだけです。
最短の一ノ沢コースから下山して、豊科駅まで歩きます。
途中で、また猿に襲われそうになりました。(6/23金時山 参照)
しかし今回の私は、対アニマル用の黒傘を持っているのです。
テレビでやっていたのですが、熊や猪に黒傘をバサバサすると逃げて行くとか。テレビの言う事ですから鵜呑みには出来ませんが (ーー;)
無闇に振り回す物でもないので「車が来たよ」と指差すと逃げて行きました。そんな訳で実証できませんでしたが、この傘、アクセス中の雨にはもちろん、日傘としても大活躍。
真っ黒に日焼けした山男が、日傘を差して歩いているのも、変な絵ですけどね。
気にしません ( ̄▽ ̄)
【最後に、言い訳】
今回は、風邪をひいたまま山に入り、睡眠不足な上、夜間行を行うと言う、大変、無茶苦茶な山行になってしまいました。
私は毎回、途中でミスを犯しています。危なっかしい場面もあります。
ただ、私はある程度の経験に基づいて行動しています。
ミスを犯しても対処ができるのは、経験ゆえです。
無理だと判断すれば、引き返す、朝を待つ、小屋に避難する、エスケープする、そう言った選択肢も持っています。
夜道でルートを探すのは、困難を極めます。記録では簡単に書いているので、簡単そうに感じてしまうかも知れませんが、経験がなければ、絶対に無理です。
以前の経験に助けられた場面が何度もありました。
偉そうな事を言える立場ではありませんが、経験のない方は、絶対にマネをしないでくださいね。
最後までお付き合い頂き、ありがとうごさいました。
みなさんの安全登山を願います m(_ _)m
体調回復して良かったですね。
夜山行が出来るとは、忍者の修行でもしたことあるんでしょうか
亀山行を得意とする私には真似できないっす
体調は、まだ本調子ではなく、鼻水ずるずる、のどガラガラ(なのに真っ黒)で職場に行ったら怒られました(ーー;)
夜山行に関しては、余り褒められた行為ではありませんが、日の出前1時間2時間と延ばして行き、最近では夜に歩くのが当たり前になってしまいました。
ちょっと反省しています。
(元々はご来光登山から始まった)
今後は、余裕を持ってマッタリと山を歩きたいと思っています。
何か面白そうな企画があったら誘ってくださいな (^-^)/
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