エクストリーム登山 明神岳〜前穂高岳 日帰り
- GPS
- 10:26
- 距離
- 11.5km
- 登り
- 1,808m
- 下り
- 1,807m
コースタイム
- 山行
- 8:30
- 休憩
- 1:56
- 合計
- 10:26
天候 | 晴のち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
バリエーションルートにつき、急登・踏み跡がところどころ不明瞭です。 |
写真
装備
個人装備 |
Tシャツ
長袖インナー
ハードシェル
ズボン
靴下
靴
ザック
行動食
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ロールペーパー
携帯
ツェルト
カメラ
ロープ
ハーネス
ヘルメット
確保機
ロックカラビナ
スリング
セルフビレイランヤード
カム
|
---|
感想
明神岳は、いつか登ってみたいと思っていた山です。初めて北アルプスに来て、岳沢から重太郎新道を登っていくと右手に見える険しい山、正式な登山道もなく、行けるかどうかさえわからない、そんな山でした。あのピラミダルな山に登れる日が来るなんて思いもしませんでしたが、ヤマレコを眺めているうちにバリエーションルートでなら登れることがわかり、思い切って登ってきました。
明神岳は無雪期はエスケープルートが無く、引き返すか進むかの二択です。そのようなわけで天気はとても大切で、行ける日を狙っていました。行くならできるだけ荷物を軽くして、日帰り・ファーストアタックしかありません。スピードを味方につけて、天気が良いうちに登って降りてくる、そんな戦略を立てました。明神岳二峰は懸垂下降がありますが、1峰から登ってくるルートもあるとか。登れるならクライムダウンできるだろうと、あえてロープを使わないで行きました。
●持ち物
ハードシェル上下
ツェルト
水2L(ハイドレで)…1L余りました
トイペとティッシュ
ヘッデン
行動食(カロリーメイトとお菓子)…カロリーメイト1袋2本しか食べませんでした
アミノサプリ、塩タブレット、ツラレス
カメラ
スマホ
モバイルバッテリー
トレッキングポール…岳沢を下山時に使用
●持って行ったけど使わなかったものたち
ロープ30mとクレモナ30m…二峰懸垂下降用
メトリウスカム#0〜#3…万が一のときセルフビレイするためのお守り
スリング(60cmと120cm)…行き詰って懸垂下降する時のため
ハーネスとチェーンスリング、環付きビナ2枚…支点やハーケンにセルフビレイするためのお守り
●ルート難易度
ボルダリング4Q程度あれば、二峰クライムダウンも含めていけると思います。それよりもルートファインディングのほうが試される気がしました。
●幕営地点
5峰台地と、各峰のコルや峰の直下に幕営ポイントがありました。人もいないし、水さえ持参すれば幕営に困らないと思います。
●ルート全体を通して
取り付き〜明神岳〜前穂高岳まで、誰にも会うことはありませんでした。ケータイ電波は入っていたので、最悪の場合でも救助要請はできると思います。
踏み跡ははっきり付いているところと、不明瞭なところがあります。はっきり・不明瞭が明確にわかるので、不明瞭なところは自分でルートファインディングしなければなりません。自分は岩に付いたアイゼンのひっかき傷や、多数の人に踏まれて変色した岩を目印にしていますが、それすら無いところが多かったです。北鎌尾根よりも不明瞭に感じました。特に前穂高岳に近づくと一層不明瞭になるので、結構焦りました。自分が正しいルートを登っているのか、行き詰ってしまうのではないか?とドキドキでした。3峰と、1峰以降は、基本的に岳沢側に巻道があるようです。
5峰の頂上に刺さっている有名なピッケル、これを見るだけでも十分満足できます。もういいかな、と思いましたが、せっかくあの急登(取り付き)を登ってきたのだし、行けるところまで行ってみようと進んでしまいました。せっかくなので、以下にルートの詳細をまとめてみます。
▼取り付き
このルートを狙っている人ならご存じと思いますが、岳沢登山道、7番目の標識から取り付きます。結構はっきりとした踏み跡があり、5峰の肩(5峰台地)までは明瞭にありました。ところどころ岩場も出てきますが、お助けロープを使わずに登れます。かなりの急登で、この時期は笹・ハイマツを漕いで行くところが多かったです。途中で誰とも会わないし、あまりの急登っぷりに何度も引き返そうか悩みました。
▼5峰台地〜5峰
概ね踏み跡があります。台地から5峰は、ザレザレのところに踏み跡があるので、それをたどって登りました。5峰頂上に刺さっているピッケルを見たときは、やっぱり感動します。嬉しくてつい写真をいっぱい撮ってしまいました。
▼5峰〜4峰〜3峰取り付き
5峰頂上からは4峰に続く踏み跡が見えるのですが、どこから降りていいのかわかりませんでした。4峰に向かって左側をクライムダウンしましたが、おそらく違うような気がします。4峰は普通に登れて、3峰取り付きまで普通に行けます。
▼3峰
岳沢側に巻くらしいですが、せっかくなので直登してみました。あともう少しというところで行き詰ってしまい、巻道にクライムダウンしました。ビレイヤーがいればロープを出してクライムダウンできそうでしたが、フリーソロなので無理をしない、と自身に言い聞かせました。
▼3峰巻道〜2峰
普通に行けます。踏み跡も明瞭でした。
▼2峰クライムダウン
1峰に向かって右側(岳沢と反対側)に、1峰から登ってくるルートがあります。ここをクライムダウンします。僕が行ったときは比較的新しいロープが掛かっていました(クライムダウンしたかったので触りませんでしたが)。途中、ロープがスタックしていたので、スタック解除しておきました。想像ですが、ここを懸垂下降した人が、ロープスタックで泣く泣く残置したのではないかと思います。岳沢と反対側は谷になっているので、途中3分の2くらい降りたら岳沢側にトラバースしなければなりません。ハーケンやピン、残置スリングもたくさんあったので、それを利用しても良いかもしれません。一か所だけ、トラバースで体幹バランスを要求されるところがあり、少し緊張しました。ここを過ぎれば、クライムダウン終了です。
▼2峰〜1峰
ザレザレの急登です。ところどころ踏み跡があり、それを利用すれば登れます。
▼1峰〜奥明神沢のコル
稜線を通して行きます。クライムダウン箇所で、ところどころ残置ロープがありますが、使わないで行けます。
▼奥明神沢のコル〜前穂高岳
ここまで来たらあとは消化試合、なんて思っていましたが甘かったです。もはや峰に名称がありません。ついでに踏み跡もありません。ところどころ岳沢側に巻道がありますが、途中で踏み跡が無くなります。こんなところ登って大丈夫か?ということが多々ありました。今回は日帰りなので、結構焦りました。前穂直前までは岳沢側を巻く道を通って、前穂の一つ手前くらいの峰から稜線通しで進みました。前穂北尾根?の合流地点からは踏み跡も現れ出して、だいぶ気が楽になります。
▼前穂〜岳沢
一般ルートです。が、重太郎新道は下山時の事故が多いと聞くので、慎重に降りました…と書きたいところですが、今回は日帰り。「時間が無えぇっ!バスに間に合わねー!」と、岳沢を駆け下りてきました。前穂から河童橋まで2時間30分、自己ベスト更新、やればできるんです。
2峰も含めてルート上には残置されたお助けロープや、ハーケン、ピン、スリングがありましたが、「触らないで行こう」と心に決めてのぼりました。結果的に全く触らず行けましたが、頼ったほうが賢明かな…そのほうが安全ですし。
と、ここまで書いておいてアレですが、フリーソロ・日帰りはヤメましょう。全くもっておススメできません。せめて2人で、ロープもきちんと出して安全に行ったほうが良いと思います(笑)
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