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Yamareco

記録ID: 3420922
全員に公開
アルパインクライミング
白馬・鹿島槍・五竜

大川沢遡行 - カクネ里 - 鹿島槍北壁敗退 - 白岳沢へ撤退

2021年08月05日(木) ~ 2021年08月07日(土)
 - 拍手
体力度
7
1~2泊以上が適当
GPS
35:31
距離
26.0km
登り
2,835m
下り
3,068m
歩くペース
ゆっくり
1.41.5
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
11:45
休憩
0:01
合計
11:46
6:18
401
12:59
13:00
220
ゴルジュ始まり
16:40
16:40
84
ゴルジュ終り
18:04
宿泊地
2日目
山行
12:06
休憩
1:05
合計
13:11
6:17
193
1550m付近 宿泊地
9:30
10:00
270
主稜テールリッジ末端 2150m付近
14:30
14:45
165
今回最高到達地点 2280m付近
17:30
17:50
98
主稜テールリッジ末端 2150m付近
19:28
1550m付近 宿泊地
3日目
山行
9:18
休憩
0:54
合計
10:12
6:48
31
宿泊地
7:19
7:22
318
白岳沢出合
12:40
13:10
52
2180m付近 遠見尾根登り口
14:02
14:02
41
14:43
14:58
28
15:26
15:28
17
15:45
15:46
44
16:30
16:30
12
16:42
16:45
15
17:00
ゴール地点
もう40年以上前の高校生の頃、3月に訪れた遠見尾根から五竜岳。
鹿島槍北壁とカクネ里には、強烈な印象をもっていました。
1989年残雪期の4月にパラグライダー山頂フライトを決めた鹿島槍、そしてモノスキーで白馬周辺の雪壁を滑っていた1990年代前半は、あの北壁を滑っやる!と妄想していた・・
時は流れ、鹿島槍北壁は遠い存在となっていましたが、昨年の事SM100Cさんから夏の鹿島槍北壁、大川沢を遡行しカクネ里を詰めて取り付くプランを提案され飛びつきました。以前より長く患っている半月板水平断裂、7月より軽度の鼠経ヘルニア発症、更に直前の魚野川中高沢で前脛骨筋腱鞘炎が発症して、痛くてたまりでしたが、もういい年なので一生一度のチャンスかもと勇んで出撃した次第です。
沢から雪渓、そして壁を登って秀峰に立つ。アルパインクライミングというか登山の原点そのものを味わえる日本では数少ないルートの様に思えます。
詳細な記録の少なさ、雪渓崩落による不確実性、ルートの特定から始まる難解さ、戦前から戦後にかけて初登攀時代を味わえる好ルートでもあります。
残雪期に東尾根やキレットから雪壁をトラバースして北壁に取り付くというのは、多くの記録がありますが、夏季大川沢からカクネ里を詰めて北壁を登る詳細な記録は殆どありません。日本登山大系の初登攀記録以外で、この周辺の夏季登攀記録をネット検索で出てきたのは、下記四つのみという少なさで、北壁を成功させたのは一つのみです。
鮎島仁助郎氏(山登魂) 大川沢 - カクネ里 - 洞窟尾根
wellenkuppeさん(ヤマレコ) 白岳沢 - カクネ里 - 北壁主稜 - 黒部方面へ
macchan90さん(ヤマレコ) 大川沢 - 白岳沢 - 五竜岳
M&C 3Bさん、NYさん(JUGEMブログ) 大川沢 - カクネ里 - 洞窟尾根 - キレット - 鹿島槍
上記記録、参考にさせていただきました。本当にありがとうございます。
記録の少ないルートに行くのは楽しみ〜なんて言っていられたのは、入山前まででした。
記:桃奈々




天候 晴/曇
過去天気図(気象庁) 2021年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
大谷原登山口の駐車場に停めました。
大町市観光協会によれば橋の前後に15台程度駐車とのこと。
明るいうちはこの時期多くのアブに悩まされます。
五竜テレキャビンの終了時間は16時30分。
小遠見に電話番号が記載された看板が有り、電話すると待ってくれる。
5時を過ぎると30分毎に\2000の割り増し料金との事だが、とてもありがたい。
五竜テレキャビンの駐車場タクシー乗り場にタクシー会社の電話番号有り。
五竜テレキャビンから大谷原ので、タクシーで\7,500位。
コース状況/
危険箇所等
●大川沢下流部
砂防ダム建設歩道 ブル道等も有り、水量も少ないので障害はアブ位です。
取水ダムより水量が増え「靴を濡らさずに」なんて考えは捨てる事になります。
●大川沢中流部
小滝程度しか有りませんが、水量は非常に多く渡河できるところは限定されます。
従って、先を見通し渡れるところで左岸右岸何方を行くかの決定をミスれば、戻る羽目になってしまうので慎重に見極めて遡行しました。
渡河可能と判断したところも、激しい水流に緊張を強いられます。全域に渡り瀞や浅瀬は皆無に等しく、流された場合を想像するのが怖い感じでした。
側壁は低く、へつり切れずに巻く場合は、小さく巻くことが出来ますので、気楽でした。
荒沢、濁沢など支流を分けても水量が減少したという実感が有りません。
数少ないネットの記録では、簡単に遡行した様に書いてありましたが、多分今回は湧水期で水量が多かったと思われます。
尚、激流の渡河にはストックが役立ちました。
●大川沢上流ゴルジュ
ゴルジュ入り口はそれ程極端に側壁が高く狭まっているわけでは無く、それが核心のゴルジュだと気が付いていませんでした。
ここから、多大な水量に水線通しの遡行/渡河は不可能と判断。右岸を巻くよう側面に取り付きました。事前の記録では「左岸を巻き、右岸に移って右岸を巻く」あったのですが、ここが核心部だと気が付かなかったのです。後から考えると水量が多い為、記録の巻き始めより下流から巻き始めたと思われます。
左岸の巻きは悪い草付きや露岩でなかなかトラバース出来ず、上に追い上げられます。無理にトラバースして行くと岩稜で行くてを遮られ、草付きより岩の方がマシかと岩稜側面を探りますが、岩は脆く結局少し戻り、更に追いあげられます。
対岸に滝を幾段にも掛けて落ちる支流が見え、ここが核心部で有る事を知りました。
硬く下に向かって生える灌木に掴まって登る80度を超えた藪岩や草付きを登り、岩稜の上を巻き、少し傾斜の落ちた藪を漕ぎトラバースをしていくと、ガレルンゼが有り沢筋に降りました。ガレルンゼは水線から4m程度の被った側壁となり、それを降りると、やはり上流は激流で水線遡行不能でした。
側壁をショルダーで登り返しガレを少し登り返すと、今までより低い位置の笹薮から巻いて行けました。水流線復帰に懸垂下降は不要でした。
途中からSM100Cさんが体調を崩したのか「俺落ちるかもしれない」とヘタレてしまい、ザイルを出したことも有り、300〜400mのゴルジュの巻きに6時間を要しています。(今までどんな状況でも冷静で闘志を失わなかったSM100Cさんがヘタレたのを、初めて見ました)
当初核心ゴルジュでは無いと思っていた為に、低い位置を無理やり困難なトラバースをしたので、最初から大きく巻く覚悟で登り切ってしまえばもっと楽だったかもしれません。対岸(左岸)の斜面を観察する限り、滝の有る支流より上流側は露岩が多く明らかに困難です。湧水期でゴルジュ内で渡河不能と判断した場合は、右岸のこのルートで最良だったと思っています。SM100Cさんの体調が良く、最初から側面を高く登り切ったとしても3〜4時間位は見ておいた方が良いと思われます。
●カクネ里
◎出合の滝は左岸がガレで埋まっており、困難は有りません。
◎1567m標高点、左岸からの支流の下左岸に良好な台地が有りました。日没も迫りSM100Cさんもフラフラなので、ここを天場としました。この上流にも天場は点在しており、最終は1800m付近でキレットに突き上げる沢左岸に台地状の良好な天場を見ました。この支流は雪渓も切れており水も得られます。(計画ではここを天場とする予定でした)
◎主稜テールリッジ末端の雪渓標高は2100mで、ここまで斜度も弱く困難では有りません。しかし、出発が遅れた事も有りますがSM100Cさんの体調は回復せず、私の1.5倍の時間を要した為、到着時間は9時40分でした。
●北壁主稜末端テールリッジ
日本登山大系の記述は積雪期の物で、テールリッジ右側の雪渓を登りコルに出ると有りますが、右側の雪渓はズタズタで、登って上から見たら雪渓の下の滝が顕となっている状態で、とても登攀不可能。
末端付近も大きくシュルンドが大きく口を空けていましたが、奇跡的に一か所高さ2m幅1m程度の垂直クライムダウンで渡れるポイントが有りました。それでもピッケル/出歯アイゼンが無いと厳しい下りです。左右はポッカリ口を空けていて落ちれば助かりませんので、ザイルで確保しました。
シュルンドを渡り3m程登ったテラスでアイゼンを脱ぎピッケルを仕舞って、登攀開始は10時位になっていました。
テールリッジ末端壁のルートは、右にリッジを回り込み、凹状フェースをリッジに上がれば藪に突っ込めると判断しました。(帰宅してから wellenkuppeさんの記録を見返すと、テールリッジ末端 左フェースを登るのが正解だった模様です)
◎1P目 フェース 40m 掘銑+ (桃)
リッジを右に回り込み凹状側面の70度程度のフェースを登り、凹角に入ったところにあるテラスまで40mランナウト。当然残置等一切なしです。北壁は脆いと聞いていましたが、浮石は大量にあるものの、それ程脆さは感じず快適な登攀でした。
◎2P目 バンドからリッジ 30m - (SM100C)
右に上昇バンドを登りリッジに出て藪下のテラスへ。
◎3P目 バンドから90度超の藪岩壁 20m (桃)
左にバンドを辿り藪に突っ込みます。ハングした岩盤に下向きに生えた直径3cm位の灌木城塞の隙間を強引に突破し、80度以上の密生した灌木帯を登ってザイルが重くなってきた所でピッチを切る。セカンドのSM100Cさんは突破に1時間超を要した。
藪登りにグレードは無いが、あえて付けるなら藪叉蕁
◎4P目 80度超の藪岩壁 20m (桃)
3P目よりは楽だが、下向きに生えた直径3cm位の灌木城塞の隙間を強引に登るのは同じ。先にSM100Cさんがチャレンジするも、力尽きてビレイ点直ぐ上まで墜落し交代。
◎5P目 藪リッジ〜ザレフェース 40m (SM100C)
灌木の有る容易なリッジから、傾斜は60度程度だがザレザレで不安定なフェースを10mで灌木。容易だが体調不良のSM100Cさんにはキツイ様で、フラフラな登攀を見て撤退を決意。
※ 5P目の先は、灌木が密生したリッジで、斜度の強い所もありそうでした。
目測2P〜3Pで、日本登山大系に記載の有るコルに到達出来そうでした。
●撤退
4時間を要してもテールリッジを登り切れず、既に2時を回ってしまった。
意外と陽当たりが良く、ビバーク覚悟で桃奈々2.5函SM100C2.0隼ち上げた水も40%をも消費してしまっている。なによりSM100Cさんの消耗は激しく、撤退を決めた。SM100Cさんは判断力の喪失していた様で、限界だと言い出す事も出来なかった様だ。
私の撤退目算では、日没ギリギリで前日の天場。翌日、白岳沢を遠見尾根へ半日。白岳沢雪渓の状態は不明だが、下降に使用されるので容易と判断。そしてテレキャビンに間に合う筈・・
◎5P目下降は50m1本では足りず、ザレ斜面懸垂後、岩稜はクライムダウン。クライムダウンではSM100Cさんを先に行かせ確保した。
◎3P目藪壁の懸垂は空中懸垂となり、やはりハングしていたと確認・・
◎1P目+2P目のザイルスケール70m有った下部フェースは当然50m一本では足りず、7m程クライムダウンして灌木で最初の支点を取る。途中のテラスでハーケンを打ってピッチを切り、2Pで雪渓に降り立つことが出来た。ここでもSM100Cさんがバランスを崩し大きく振られ、撤退の決断が正しかった事を実感した。
◎カクネ里の下降に入ってもSM100Cさんのスピードは上がらず、桃奈々が先に降りて焚火やツエルト等の準備をするという事で別れる。それでも、昨日の天場に到着する前に日没となりヘッテンのお世話になった。CM100Cさんが到着したのは焚火/ツエルト設営などが完全に終了した1時間半以上後であった。
昨日の天場より上流に、いくつも良好な天場は存在しており誘惑されたが、翌日の白岳沢経由遠見尾根というの行程の長さから我慢した。
SM100Cさんも、不調を押してヘッテン下山を良く頑張ってくれました。
●カクネ里から白岳沢、遠見尾根
◎天場から白岳沢出合までの下降に問題は無い。
◎白岳沢出合のハングした滝
左岸からザレバンドをトラバースして登れそうであるが、左岸を巻く事にした。獣道らしき踏み跡有り。
◎雪渓
途切れている所や滝も有るが、寸断されたクレパス状では無く、概ね楽な登り。
それでもSM100Cさんのペースは上がらず、1.5倍の時間を要し休憩で30分は休まさないと動けないので、2倍の時間は掛かっている。
「二人で元気に生きて帰るぞ」と励ましながら、ひたすら登る。
◎2050m付近の滝
右岸支流の雪渓を登り、ザレたリッジを超えて本流に戻る。
◎20170m付近遠見尾根登り口
草付きを割って小ガレ窪が入るので、それを登る。本流雪渓はこの上流でズタズタに切れている。
◎ガレ窪
半分位は快適に登るが、途中完全にガレとなるので、右手の草付きから灌木帯に逃げる。灌木帯を少し登ると踏み跡が有り、藪漕ぎ無しで遠見尾根に楽に出られた。
◎遠見尾根
フラフラとなった二人は、中学生など一般登山者にガンガン抜かれてしまう。
大遠見でテレキャビン終了時間ギリギリという事が判明し、SM100Cさんも最後の踏ん張りを見せる。結果15分遅刻したが、小遠見に電話番号が有り電話したお陰で待ってもらいました。ありがとうございました。
記:桃奈々
その他周辺情報 精魂尽き果て駐車場に戻り、そこでなおもアブに襲われる…そそくさと退散。
あまりに汚くみすぼらしい風体だったので、『道の駅おたり』の日帰り湯利用。
ここでも浴室にアブがいて襲われる…(SM100C)

「肉が喰いて〜」「風呂に入りて〜」というところでしたが、飯を食う気にもなれないというので、大谷原で即時解散(*_*;
気合で下道帰宅を慣行したが、妙義で力尽き関越に乗って帰宅しました。
途中でラーメンを汁全て飲み干したお陰が、山中では毎晩つっていた足が自宅ではつらなかった。(桃奈々)
(S)いよいよこの日がやってきました。万感の想いを込めて。
2021年08月05日 06:14撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/5 6:14
(S)いよいよこの日がやってきました。万感の想いを込めて。
(S)大谷原登山口、それなりに登山者はいるようです。
2021年08月05日 06:15撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
4
8/5 6:15
(S)大谷原登山口、それなりに登山者はいるようです。
(S)この橋を渡り、いまだかつでやったことのないサバイバルが始まります。
2021年08月05日 06:16撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/5 6:16
(S)この橋を渡り、いまだかつでやったことのないサバイバルが始まります。
(S)すぐに崩落地ですが、通過には問題ありません。
2021年08月05日 06:17撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/5 6:17
(S)すぐに崩落地ですが、通過には問題ありません。
(S)薄い樹林帯を通過すると
2021年08月05日 06:20撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/5 6:20
(S)薄い樹林帯を通過すると
(S)作業用に架けられた橋を渡ります。この辺りからアブ数十匹に襲われます。
2021年08月05日 06:23撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/5 6:23
(S)作業用に架けられた橋を渡ります。この辺りからアブ数十匹に襲われます。
(S)この堰堤は右から巻けました。
2021年08月05日 06:45撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/5 6:45
(S)この堰堤は右から巻けました。
(S)広くなった工事区域を通過。
2021年08月05日 06:53撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/5 6:53
(S)広くなった工事区域を通過。
(S)以前海谷山塊で見たシナノナデシコがここにも咲いていて、とても嬉しかった。
2021年08月05日 07:07撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/5 7:07
(S)以前海谷山塊で見たシナノナデシコがここにも咲いていて、とても嬉しかった。
(S)ここで作業道が終わりかと思いましたが、よく見れば右岸にまだ続くようです。
2021年08月05日 07:10撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/5 7:10
(S)ここで作業道が終わりかと思いましたが、よく見れば右岸にまだ続くようです。
(S)渡渉してしばらく行くと、取水施設のためのような橋が。
2021年08月05日 07:15撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
1
8/5 7:15
(S)渡渉してしばらく行くと、取水施設のためのような橋が。
(S)ここを渡れば、その先はほぼ人の入らない領域でした。
2021年08月05日 07:15撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/5 7:15
(S)ここを渡れば、その先はほぼ人の入らない領域でした。
(S)流れが速く、水量も多くて渡渉には気を使います。
2021年08月05日 07:19撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/5 7:19
(S)流れが速く、水量も多くて渡渉には気を使います。
(S)アラ沢出合い。ここを右へ。
2021年08月05日 07:28撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
1
8/5 7:28
(S)アラ沢出合い。ここを右へ。
(S)大部分は膝丈くらいの渡渉でいけますが、急流なので気を抜けません。
2021年08月05日 07:44撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/5 7:44
(S)大部分は膝丈くらいの渡渉でいけますが、急流なので気を抜けません。
(S)あらゆる手を使い、遡上していきます。
2021年08月05日 07:45撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/5 7:45
(S)あらゆる手を使い、遡上していきます。
(桃)渡河が簡単な水量なら、とても容易ですが・・
2021年08月05日 07:50撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/5 7:50
(桃)渡河が簡単な水量なら、とても容易ですが・・
(S)沢水はとても冷たく、4〜5℃くらいか…とても悠長に浸かっていられない。
2021年08月05日 07:55撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/5 7:55
(S)沢水はとても冷たく、4〜5℃くらいか…とても悠長に浸かっていられない。
(S)ホッとするひととき。タマガワホトトギス。
2021年08月05日 07:58撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/5 7:58
(S)ホッとするひととき。タマガワホトトギス。
(S)気楽に沢に入れる場所はほとんどない、キツい沢です。
2021年08月05日 07:58撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7
8/5 7:58
(S)気楽に沢に入れる場所はほとんどない、キツい沢です。
(S)ダイモンジソウや
2021年08月05日 08:47撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
8
8/5 8:47
(S)ダイモンジソウや
(S)シモツケなどお花鑑賞にも耐える沢ですが、愛でる余裕はあまりありません。
2021年08月05日 08:53撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/5 8:53
(S)シモツケなどお花鑑賞にも耐える沢ですが、愛でる余裕はあまりありません。
(S)どこまで行っても水量と急流は変わらないどころか、難易度は微妙に増していきます。
2021年08月05日 08:55撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/5 8:55
(S)どこまで行っても水量と急流は変わらないどころか、難易度は微妙に増していきます。
(S)流されてきたものではなく、ここでビバークしたようです。
ストック・シェルター等全て置き去り、この持ち主はどうなってしまったのか…
2021年08月05日 09:03撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7
8/5 9:03
(S)流されてきたものではなく、ここでビバークしたようです。
ストック・シェルター等全て置き去り、この持ち主はどうなってしまったのか…
(S)沢幅もじわじわと狭くなってきます。
2021年08月05日 09:30撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/5 9:30
(S)沢幅もじわじわと狭くなってきます。
(S)落ちればなすすべなく流されていくような水量。
2021年08月05日 09:55撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/5 9:55
(S)落ちればなすすべなく流されていくような水量。
2021年08月05日 10:29撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/5 10:29
2021年08月05日 10:35撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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(S)ふと広い場所に出ました。
2021年08月05日 10:47撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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(S)ふと広い場所に出ました。
(S)右岸側の斜面にシモツケ・トリアシショウマ・ハクサンオミナエシ等のお花たち。
2021年08月05日 11:10撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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(S)右岸側の斜面にシモツケ・トリアシショウマ・ハクサンオミナエシ等のお花たち。
(桃)渡河可能ポイントは少ないので、先を見て渡るか進むかよく考えないと・・
2021年08月05日 11:17撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/5 11:17
(桃)渡河可能ポイントは少ないので、先を見て渡るか進むかよく考えないと・・
(S)難易度は上がってきますが、遡上に困難というほどでもない。しかし、この長い長い行程…
2021年08月05日 11:17撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/5 11:17
(S)難易度は上がってきますが、遡上に困難というほどでもない。しかし、この長い長い行程…
(S)もうすぐゴルジュに突入しそうな雰囲気。
2021年08月05日 11:29撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/5 11:29
(S)もうすぐゴルジュに突入しそうな雰囲気。
(桃)奥に見えるのは五竜岳か・・
2021年08月05日 11:31撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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(桃)奥に見えるのは五竜岳か・・
(桃)支流は滝を落としているものばかりです。
2021年08月05日 11:42撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
6
8/5 11:42
(桃)支流は滝を落としているものばかりです。
(S)こんな状況も増えてきました。
2021年08月05日 11:55撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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(S)こんな状況も増えてきました。
2021年08月05日 11:52撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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(桃)渡河が容易なら簡単な所も、無理なへつりを強いられます。
2021年08月05日 12:12撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/5 12:12
(桃)渡河が容易なら簡単な所も、無理なへつりを強いられます。
(桃)落ちると、何処までも流されて・・・ミンチになっちゃいそうです(*_*;

(S)気を抜ける場所が本当に少なかったですね。
2021年08月05日 12:14撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/5 12:14
(桃)落ちると、何処までも流されて・・・ミンチになっちゃいそうです(*_*;

(S)気を抜ける場所が本当に少なかったですね。
(S)ごく稀に人の形跡がありました。
2021年08月05日 12:14撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/5 12:14
(S)ごく稀に人の形跡がありました。
(S)ここまでの渡渉は既に数えきれず。
2021年08月05日 12:18撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/5 12:18
(S)ここまでの渡渉は既に数えきれず。
(桃)この辺りが上部ゴルジュ入り口・・
核心ゴルジュというには開けているので、まだまだと思っていました。
2021年08月05日 12:31撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
4
8/5 12:31
(桃)この辺りが上部ゴルジュ入り口・・
核心ゴルジュというには開けているので、まだまだと思っていました。
(桃)一発目は突破できそうですが、先の急流は渡河できなければ困難そうなので、ここは右岸巻きと判断しました。

(S)水量がもっと少なく、水線を行ければ、この後の体調ももっと良い状態だったかも知れません。
2021年08月05日 12:33撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/5 12:33
(桃)一発目は突破できそうですが、先の急流は渡河できなければ困難そうなので、ここは右岸巻きと判断しました。

(S)水量がもっと少なく、水線を行ければ、この後の体調ももっと良い状態だったかも知れません。
(桃)右岸に巻きあがります。
2021年08月05日 12:42撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/5 12:42
(桃)右岸に巻きあがります。
(桃)悪い草付きや藪壁に阻まれてトラバース出来ず、どんどん追い上げられて行くと対岸に落ちる滝を掛けた支流が見えました。
と、いう事はここは核心ゴルジュです。
数少ない記録を思い出すと左岸巻き滝の有る支流を下り右岸に移ると有った様な〜
しかし、上から見る限り渡河は不可能な程の水量で、今回は最初から右岸巻きが正解だったかと・・

(S)高巻きのレベルもここまで来ると、来た目的が高巻きのような錯覚に陥ります。
2021年08月05日 12:45撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/5 12:45
(桃)悪い草付きや藪壁に阻まれてトラバース出来ず、どんどん追い上げられて行くと対岸に落ちる滝を掛けた支流が見えました。
と、いう事はここは核心ゴルジュです。
数少ない記録を思い出すと左岸巻き滝の有る支流を下り右岸に移ると有った様な〜
しかし、上から見る限り渡河は不可能な程の水量で、今回は最初から右岸巻きが正解だったかと・・

(S)高巻きのレベルもここまで来ると、来た目的が高巻きのような錯覚に陥ります。
(桃)岩稜に阻まれ80度を超える藪岩壁を登り更に上へ上へと巻き上げられました。
対岸、滝を落とす支流の上流は滝の連続です。
2021年08月05日 14:24撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/5 14:24
(桃)岩稜に阻まれ80度を超える藪岩壁を登り更に上へ上へと巻き上げられました。
対岸、滝を落とす支流の上流は滝の連続です。
(桃)本流は遥かに下となります。

(S)この頃にはかなり体力が削られています。単に衰えている感じではなく、何というか、身体の全てに酸素が行き渡っていない感じ。
2021年08月05日 14:45撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/5 14:45
(桃)本流は遥かに下となります。

(S)この頃にはかなり体力が削られています。単に衰えている感じではなく、何というか、身体の全てに酸素が行き渡っていない感じ。
(桃)高く巻き上げられた岩稜を、巻き終えてから見るとこんな感じです。
1/3の高さ辺りにバンドが有りそうですが、その先降りた後も遡行不能の水量に見えました。
2021年08月05日 14:57撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/5 14:57
(桃)高く巻き上げられた岩稜を、巻き終えてから見るとこんな感じです。
1/3の高さ辺りにバンドが有りそうですが、その先降りた後も遡行不能の水量に見えました。
(桃)延々と急で悪い草付き、激急な硬密灌木帯をトラバースして、いつになったら沢筋に下降出来るのか嫌になってきた頃、ガレ沢に出ました。容易に下降出来たので、降りて行きます。
これでやっと巻きから解放されるか(*^^)v
2021年08月05日 16:15撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/5 16:15
(桃)延々と急で悪い草付き、激急な硬密灌木帯をトラバースして、いつになったら沢筋に下降出来るのか嫌になってきた頃、ガレ沢に出ました。容易に下降出来たので、降りて行きます。
これでやっと巻きから解放されるか(*^^)v
(桃)水線まで4m程度の岩を下りれば、水線です。
そしてその先は・・・なんか行けそう(*^^)v
ハング気味の4m程を無理やり降りて水線に立ち、写真の顔を出している岩に乗って見ましたが、奥はやっぱり大水量で遡行不能の模様です。
ハングを無理やり下降した側壁をショルダーで登り返し、ガレ沢を登ると、下降した位置より遥か下に巻いて行けそうなポイントを発見(*^^)v
2021年08月05日 16:25撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/5 16:25
(桃)水線まで4m程度の岩を下りれば、水線です。
そしてその先は・・・なんか行けそう(*^^)v
ハング気味の4m程を無理やり降りて水線に立ち、写真の顔を出している岩に乗って見ましたが、奥はやっぱり大水量で遡行不能の模様です。
ハングを無理やり下降した側壁をショルダーで登り返し、ガレ沢を登ると、下降した位置より遥か下に巻いて行けそうなポイントを発見(*^^)v
(桃)しかし、やっぱり結構巻き上げられます。
上から覗き込むと、水線突破はやっぱり無理だった様です。
2021年08月05日 16:44撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/5 16:44
(桃)しかし、やっぱり結構巻き上げられます。
上から覗き込むと、水線突破はやっぱり無理だった様です。
(桃)更にトラバースして行くと、やっとの事で水線復帰出来ました。下降に懸垂は不要でした。しかし、水量は相変わらず多いので、遡行も大変です。

(S)結局ゴルジュは丸々巻いてきた感じです。そしてその巻いた壁は極悪な泥藪で足は安定せず、腕の力を無駄に消費するばかり。
2021年08月05日 16:56撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/5 16:56
(桃)更にトラバースして行くと、やっとの事で水線復帰出来ました。下降に懸垂は不要でした。しかし、水量は相変わらず多いので、遡行も大変です。

(S)結局ゴルジュは丸々巻いてきた感じです。そしてその巻いた壁は極悪な泥藪で足は安定せず、腕の力を無駄に消費するばかり。
(桃)何処までも水量減らず、恐ろしい渡河の連続です。
2021年08月05日 16:58撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/5 16:58
(桃)何処までも水量減らず、恐ろしい渡河の連続です。
(S)この沢だけで終わるなら、大した問題でもありません。この時点ではまだそう思っていました。
2021年08月05日 17:00撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/5 17:00
(S)この沢だけで終わるなら、大した問題でもありません。この時点ではまだそう思っていました。
(桃)この小滝は容易です。
2021年08月05日 17:00撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/5 17:00
(桃)この小滝は容易です。
(桃)またヤバいかな・・と思いましたが・・
2021年08月05日 17:02撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/5 17:02
(桃)またヤバいかな・・と思いましたが・・
(桃)なんとかなりました。
2021年08月05日 17:05撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/5 17:05
(桃)なんとかなりました。
(S)やっとたどり着いた、白岳沢出合い。こちらは白岳沢方向。(桃)白岳沢出合の滝の奥に遠見尾根の稜線が見えます。
結局、白岳沢の二股まで、容易に遡行出来る程に水量が減る事は有りませんでした。
7月遡行した過去の記録では、なんてことないと記載されていたので、ほんの数週間の差で融水期となり水量が激増するのかもしれません。
2021年08月05日 17:13撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/5 17:13
(S)やっとたどり着いた、白岳沢出合い。こちらは白岳沢方向。(桃)白岳沢出合の滝の奥に遠見尾根の稜線が見えます。
結局、白岳沢の二股まで、容易に遡行出来る程に水量が減る事は有りませんでした。
7月遡行した過去の記録では、なんてことないと記載されていたので、ほんの数週間の差で融水期となり水量が激増するのかもしれません。
(桃)白岳沢出合の滝
もしもの時は、撤退路となるので、よく観察しておきました。
2021年08月05日 17:11撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/5 17:11
(桃)白岳沢出合の滝
もしもの時は、撤退路となるので、よく観察しておきました。
(S)そしてこちらは念願のカクネ里方面。ある記録では、この滝は雪渓に埋まり消えていたという情報がありましたが、今は普通に滝として存在しました。
(桃)滝は二段でそこそこの高さと規模がありますが、右側は1/3がガレで埋まっているので、通過は容易です。
2021年08月05日 17:13撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/5 17:13
(S)そしてこちらは念願のカクネ里方面。ある記録では、この滝は雪渓に埋まり消えていたという情報がありましたが、今は普通に滝として存在しました。
(桃)滝は二段でそこそこの高さと規模がありますが、右側は1/3がガレで埋まっているので、通過は容易です。
(S)大岩を右に巻き、さらに進撃。
2021年08月05日 17:34撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/5 17:34
(S)大岩を右に巻き、さらに進撃。
(S)雪渓の残骸が。
2021年08月05日 17:53撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/5 17:53
(S)雪渓の残骸が。
(S)そして念願のカクネ里が見えてきました。十年来、憧れ続けたこの地についに来れた。
2021年08月05日 17:56撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/5 17:56
(S)そして念願のカクネ里が見えてきました。十年来、憧れ続けたこの地についに来れた。
(桃)北壁核心部のアップです。
2021年08月05日 17:56撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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(桃)北壁核心部のアップです。
(S)今までガスで見えなかった鹿島槍北壁が姿を見せてくれました。すばらしい、月並みな表現だが、本当にすばらしい!
2021年08月05日 18:02撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/5 18:02
(S)今までガスで見えなかった鹿島槍北壁が姿を見せてくれました。すばらしい、月並みな表現だが、本当にすばらしい!
(S)身体が回復するのか…それが心配のタネだが、あれを目の前にして、取付きもせずに撤退など真っ平ごめんです。
2021年08月05日 18:02撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/5 18:02
(S)身体が回復するのか…それが心配のタネだが、あれを目の前にして、取付きもせずに撤退など真っ平ごめんです。
2021年08月05日 18:04撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/5 18:04
(桃)絶好の天場です。
もっと上までキャンプを上げないと、明日が厳しくなるのですが、SM100Cさんの体調からすると限界か・・
到着を待って状態を確認すると、やはり限界の模様です。
2021年08月05日 18:11撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/5 18:11
(桃)絶好の天場です。
もっと上までキャンプを上げないと、明日が厳しくなるのですが、SM100Cさんの体調からすると限界か・・
到着を待って状態を確認すると、やはり限界の模様です。
(桃)SM100Cさん、なにも出来ない状態まで追い詰められていました。
折角作った南魚沼産コシヒカリの飯盒飯と桃奈々特製激辛タイカレーも喉を通らない模様です。
明日は、白岳沢経由で撤退かな〜??
しかし、二人でアーリータイムスをしっかり呑んで、就寝しました。

(S)こんなハードなことをやってきたのに、食事が喉を通りません。そして立ち上がるのもやっと。でも喋るのは快調なのが余計に悔しい。
2021年08月05日 18:28撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/5 18:28
(桃)SM100Cさん、なにも出来ない状態まで追い詰められていました。
折角作った南魚沼産コシヒカリの飯盒飯と桃奈々特製激辛タイカレーも喉を通らない模様です。
明日は、白岳沢経由で撤退かな〜??
しかし、二人でアーリータイムスをしっかり呑んで、就寝しました。

(S)こんなハードなことをやってきたのに、食事が喉を通りません。そして立ち上がるのもやっと。でも喋るのは快調なのが余計に悔しい。
(桃)夜が明けると、昨日にもまして良い天気〜(*^^)v
昨日まるまる残した桃奈々特性タイカレーを薄めて、香辛料を増量し、温めなおして・・
2021年08月06日 04:41撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 4:41
(桃)夜が明けると、昨日にもまして良い天気〜(*^^)v
昨日まるまる残した桃奈々特性タイカレーを薄めて、香辛料を増量し、温めなおして・・
(桃)この北壁・・
2021年08月06日 04:42撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 4:42
(桃)この北壁・・
(桃)この核心部・・
2021年08月06日 04:42撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 4:42
(桃)この核心部・・
(桃)やっぱり食欲無いのかな・・

(S)この日の朝は昨日残したものを無理矢理腹に押し込みました。
2021年08月06日 04:49撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 4:49
(桃)やっぱり食欲無いのかな・・

(S)この日の朝は昨日残したものを無理矢理腹に押し込みました。
(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
2021年08月06日 05:05撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 5:05
(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
2021年08月06日 05:05撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 5:05
(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
2021年08月06日 05:05撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 5:05
(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
(S)翌朝の北壁、この圧倒的な岩壁に朝日が。これだけでも来てよかったと思えた。
2021年08月06日 05:07撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/6 5:07
(S)翌朝の北壁、この圧倒的な岩壁に朝日が。これだけでも来てよかったと思えた。
(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
2021年08月06日 05:32撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 5:32
(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
(S)絶好の登攀日和となりましたが、体調は元に戻っているのかどうか…
2021年08月06日 05:35撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/6 5:35
(S)絶好の登攀日和となりましたが、体調は元に戻っているのかどうか…
(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
2021年08月06日 05:53撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 5:53
(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
(桃)とにかく支度まで遅くなってしまったSM100Cさん・・
2021年08月06日 06:00撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 6:00
(桃)とにかく支度まで遅くなってしまったSM100Cさん・・
(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
2021年08月06日 06:05撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 6:05
(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
2021年08月06日 06:05撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 6:05
(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
2021年08月06日 06:32撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 6:32
(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
(S)近付くにつれ、本当にここは日本なのか?という絶景となる。
2021年08月06日 06:37撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/6 6:37
(S)近付くにつれ、本当にここは日本なのか?という絶景となる。
(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
2021年08月06日 06:41撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 6:41
(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
2021年08月06日 06:41撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 6:41
(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
2021年08月06日 06:43撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 6:43
(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
2021年08月06日 06:55撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 6:55
(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
2021年08月06日 07:00撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
2021年08月06日 07:05撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
2021年08月06日 07:05撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
2021年08月06日 07:10撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 7:10
(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
(S)やはり体調は良くなかった。ここまで来て一体なぜこんなことに…こんな日に限って…悔しさが隠せない。
2021年08月06日 07:14撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/6 7:14
(S)やはり体調は良くなかった。ここまで来て一体なぜこんなことに…こんな日に限って…悔しさが隠せない。
(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
2021年08月06日 07:26撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 7:26
(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
(S)この世界を体験出来たことは、一生の思い出となった。
2021年08月06日 07:26撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/6 7:26
(S)この世界を体験出来たことは、一生の思い出となった。
(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
2021年08月06日 07:42撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 7:42
(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
2021年08月06日 07:42撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 7:42
(桃)とにかく美しいカクネ里からの鹿島槍北壁・・
(S)途中からAMAZONにて4,800円程度で購入のこのアルミアイゼンを装着。安いけど特に遜色なく使えました。何といっても軽量、500g以下。
2021年08月06日 08:25撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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(S)途中からAMAZONにて4,800円程度で購入のこのアルミアイゼンを装着。安いけど特に遜色なく使えました。何といっても軽量、500g以下。
(桃)私は、同じアルミアイゼンの前半分だけです。
一本締めのバンドで固定しましたが、ズレてズレて難儀しました。色々締め方を模索変更し、白岳沢を登るころには安定する締め方に出来ました。
しかし前だけだと片足95gと超軽いんです。
2021年08月06日 09:16撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 9:16
(桃)私は、同じアルミアイゼンの前半分だけです。
一本締めのバンドで固定しましたが、ズレてズレて難儀しました。色々締め方を模索変更し、白岳沢を登るころには安定する締め方に出来ました。
しかし前だけだと片足95gと超軽いんです。
(S)とっくに体調は良くない。でも、せめて1Pだけでも取付いてみたい、このすごい岩壁に。
2021年08月06日 08:25撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/6 8:25
(S)とっくに体調は良くない。でも、せめて1Pだけでも取付いてみたい、このすごい岩壁に。
(S)途中、オコジョの親子が楽しそうに駆け回っていました。写真じゃよくわかりませんね。
2021年08月06日 08:47撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/6 8:47
(S)途中、オコジョの親子が楽しそうに駆け回っていました。写真じゃよくわかりませんね。
(桃)主稜テールリッジ末端壁が近づいてきた〜
2021年08月06日 09:12撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 9:12
(桃)主稜テールリッジ末端壁が近づいてきた〜
(桃)クレパスがあちこちに・・
2021年08月06日 09:25撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 9:25
(桃)クレパスがあちこちに・・
(桃)日本登山大系には、主稜右側の雪渓を登りテールリッジのコルに出ると有るが、右の雪渓はズタズタです。
2021年08月06日 09:26撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 9:26
(桃)日本登山大系には、主稜右側の雪渓を登りテールリッジのコルに出ると有るが、右の雪渓はズタズタです。
(桃)主稜末端付近のシュルンドもパックリ・・
しかし、一か所だけ高さ2m幅1.5m程度、垂直では有りますが岩壁とつながっている部分が有りました。
奇跡です(*^^)v

(S)まさに奇跡でしたね。ここ以外はどこも不可能。
2021年08月06日 09:28撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 9:28
(桃)主稜末端付近のシュルンドもパックリ・・
しかし、一か所だけ高さ2m幅1.5m程度、垂直では有りますが岩壁とつながっている部分が有りました。
奇跡です(*^^)v

(S)まさに奇跡でしたね。ここ以外はどこも不可能。
(桃)テールリッジ左側の傾斜が弱いフェースをルートにとる予定でしたが、左に行く程シュルンドが開いていきます。
2021年08月06日 09:28撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 9:28
(桃)テールリッジ左側の傾斜が弱いフェースをルートにとる予定でしたが、左に行く程シュルンドが開いていきます。
(桃)SM100Cさんは暫く来ないので、よくルートを観察します。
2021年08月06日 09:34撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 9:34
(桃)SM100Cさんは暫く来ないので、よくルートを観察します。
(桃)テールリッジ末端壁は傾斜70度程度、目測50m上には藪というか灌木が密生しています。
2021年08月06日 09:38撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 9:38
(桃)テールリッジ末端壁は傾斜70度程度、目測50m上には藪というか灌木が密生しています。
(S)ついに来たぞ、北壁主稜、テールリッジ末端。
2021年08月06日 09:34撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/6 9:34
(S)ついに来たぞ、北壁主稜、テールリッジ末端。
(S)下を見降ろす。見事な氷河雪渓、圧巻であります。
2021年08月06日 09:35撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/6 9:35
(S)下を見降ろす。見事な氷河雪渓、圧巻であります。
(S)周囲の雪渓はズタズタ、岩に取付けるか?
2021年08月06日 09:39撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/6 9:39
(S)周囲の雪渓はズタズタ、岩に取付けるか?
(桃)SM100Cさんもあと少しで追いついてきます。
2021年08月06日 09:40撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 9:40
(桃)SM100Cさんもあと少しで追いついてきます。
(桃)岩とつながっている部分は垂直ですが、アイゼンが良く効き容易です。しかし脇のシュルンドに落ちれば100%命が無いのでアンザイレンしました。
シュルンドを降りて対岸の岩壁を4m程度登ったところにテラスが有りました。
2021年08月06日 10:00撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/6 10:00
(桃)岩とつながっている部分は垂直ですが、アイゼンが良く効き容易です。しかし脇のシュルンドに落ちれば100%命が無いのでアンザイレンしました。
シュルンドを降りて対岸の岩壁を4m程度登ったところにテラスが有りました。
(桃)SM100Cさんの番です。
2021年08月06日 10:02撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 10:02
(桃)SM100Cさんの番です。
(桃)この写真は1P目終了点から2P目を写したものです。
取り付きテラスから右に回り込んだ為に、セカンドから40mランナウトしたフェースは見えず、写真無しです(´;ω;`)
2021年08月06日 10:39撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 10:39
(桃)この写真は1P目終了点から2P目を写したものです。
取り付きテラスから右に回り込んだ為に、セカンドから40mランナウトしたフェースは見えず、写真無しです(´;ω;`)
(桃) 1P目終了点のテラスには灌木は有りませんが、草が生え座り込むスペースが有りました。
支点はカムです。
2021年08月06日 10:39撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 10:39
(桃) 1P目終了点のテラスには灌木は有りませんが、草が生え座り込むスペースが有りました。
支点はカムです。
(桃) 2P目に出ていくSM100Cさん。

(S)この時間をもっともっと楽しんでいたかったけど…
2021年08月06日 11:09撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 11:09
(桃) 2P目に出ていくSM100Cさん。

(S)この時間をもっともっと楽しんでいたかったけど…
(桃)上昇バンドを灌木までランナウト。

(S)手も足もあり、容易なので、ランナウトしてもそれほど恐怖感はありません。
2021年08月06日 11:13撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 11:13
(桃)上昇バンドを灌木までランナウト。

(S)手も足もあり、容易なので、ランナウトしてもそれほど恐怖感はありません。
(S)素晴らしい日になったのになぁ。
2021年08月06日 11:13撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 11:13
(S)素晴らしい日になったのになぁ。
(桃)リッジに出ます。

(S)1P毎にハァハァしないと動けなくなってきました。
2021年08月06日 11:13撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 11:13
(桃)リッジに出ます。

(S)1P毎にハァハァしないと動けなくなってきました。
(桃) 2P目をフォローする桃奈々
楽しいクライミングは最初の2Pだけでした。

(S)下に見える雪渓は氷河。夢のような登攀です。
2021年08月06日 11:31撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/6 11:31
(桃) 2P目をフォローする桃奈々
楽しいクライミングは最初の2Pだけでした。

(S)下に見える雪渓は氷河。夢のような登攀です。
(桃) 3P目、バンドを辿り灌木が密生して城塞の様になっている上に、ハングした藪岩壁に突っ込みます。スタンス無で手で木にぶら下がり体とザックを灌木の間にねじ込んで行きます。
ハッキリ言って3P目と4P目は、究極/極限の藪岩魂(*_*;
4P目をリードしたSM100Cさんは「落ちる〜」と叫んだ後、本当に落ちてきました(*_*;

(S)支点がしっかりしたものを取れたので、落ちても大丈夫という思考がありました。酸素が腕や指に全く供給されない感覚で、もうこれ以上は無理かな、と思いました。
2021年08月06日 11:35撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/6 11:35
(桃) 3P目、バンドを辿り灌木が密生して城塞の様になっている上に、ハングした藪岩壁に突っ込みます。スタンス無で手で木にぶら下がり体とザックを灌木の間にねじ込んで行きます。
ハッキリ言って3P目と4P目は、究極/極限の藪岩魂(*_*;
4P目をリードしたSM100Cさんは「落ちる〜」と叫んだ後、本当に落ちてきました(*_*;

(S)支点がしっかりしたものを取れたので、落ちても大丈夫という思考がありました。酸素が腕や指に全く供給されない感覚で、もうこれ以上は無理かな、と思いました。
(桃) 4P目を終了するとリッジに出ます。
テールリッジ右側の雪渓が絶望的な状態となっているのが見えます。日本登山大系によると、このズタズタとなった雪渓を登りテールリッジのコルに出ると有ります。
(S)ほぼ人跡未踏のこの世界。食料と時間さえあれば、1ヶ月でもここにいたいと本気で思いました。
2021年08月06日 13:28撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 13:28
(桃) 4P目を終了するとリッジに出ます。
テールリッジ右側の雪渓が絶望的な状態となっているのが見えます。日本登山大系によると、このズタズタとなった雪渓を登りテールリッジのコルに出ると有ります。
(S)ほぼ人跡未踏のこの世界。食料と時間さえあれば、1ヶ月でもここにいたいと本気で思いました。
(桃) ズタズタとなった雪渓の下に、姿をみせた大きな滝が見えています。
2021年08月06日 13:43撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 13:43
(桃) ズタズタとなった雪渓の下に、姿をみせた大きな滝が見えています。
(S)普段こんな藪など大した問題にならないのに、一つ藪を分ける作業さえもつらい。
(桃)いつものSM100Cさんとは別人の様にフラフラと登っていくのを見て、決意しました。
2021年08月06日 13:53撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 13:53
(S)普段こんな藪など大した問題にならないのに、一つ藪を分ける作業さえもつらい。
(桃)いつものSM100Cさんとは別人の様にフラフラと登っていくのを見て、決意しました。
(桃) 5P目終了点である最高到達点はテールリッジの2/3位の地点。後2P位密藪リッジを登れば核心部下のコルに出そうな感じでした。しかし、ここで「もう帰ろうよ・・」と声をかけると事にしました。
(S)もうここで十分だなぁ…
2021年08月06日 14:42撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 14:42
(桃) 5P目終了点である最高到達点はテールリッジの2/3位の地点。後2P位密藪リッジを登れば核心部下のコルに出そうな感じでした。しかし、ここで「もう帰ろうよ・・」と声をかけると事にしました。
(S)もうここで十分だなぁ…
(S)遠くに雨飾・火打・妙高・高妻山・戸隠等が良く見える。
2021年08月06日 14:44撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/6 14:44
(S)遠くに雨飾・火打・妙高・高妻山・戸隠等が良く見える。
(桃) 最終到達地点から・・
ズタズタに切れた雪渓の下から姿を現した滝が、先ほどより下に見えます。
2021年08月06日 14:42撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 14:42
(桃) 最終到達地点から・・
ズタズタに切れた雪渓の下から姿を現した滝が、先ほどより下に見えます。
(桃) 最終ピッチは40m位ですが、最後の20mがザレ斜面で懸垂しました。
後は灌木の付いた藪岩稜なので確保してSM100Cさんを先にクライムダウンさせました。
(S)帰ろう。生きて帰るにもなかなか一筋縄ではいかないところです。空中懸垂だったり、濃い藪中だったりと、懸垂下降もすんなり降れないところばかり。
2021年08月06日 14:53撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 14:53
(桃) 最終ピッチは40m位ですが、最後の20mがザレ斜面で懸垂しました。
後は灌木の付いた藪岩稜なので確保してSM100Cさんを先にクライムダウンさせました。
(S)帰ろう。生きて帰るにもなかなか一筋縄ではいかないところです。空中懸垂だったり、濃い藪中だったりと、懸垂下降もすんなり降れないところばかり。
(桃) 蝶型岩壁が見えています。
氷雪の付いていない蝶型岩壁の写真は、珍しいと思います。
2021年08月06日 14:53撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 14:53
(桃) 蝶型岩壁が見えています。
氷雪の付いていない蝶型岩壁の写真は、珍しいと思います。
(桃) 3P目は確かにハングしていた様で、空中懸垂でした。
2021年08月06日 15:41撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 15:41
(桃) 3P目は確かにハングしていた様で、空中懸垂でした。
(桃) 1P & 2P目はトータル70m位なので、少しクライムダウンして灌木を支点とし、中間でハーケンを打ってピッチを切りました。
かなり斜めに懸垂します。
2021年08月06日 16:25撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 16:25
(桃) 1P & 2P目はトータル70m位なので、少しクライムダウンして灌木を支点とし、中間でハーケンを打ってピッチを切りました。
かなり斜めに懸垂します。
(桃) ここでも、いつものSM100Cさんらしく無く、バランスを崩して大きく振られていました。
2021年08月06日 16:35撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 16:35
(桃) ここでも、いつものSM100Cさんらしく無く、バランスを崩して大きく振られていました。
(S)やっとここまで戻って来ました。
(桃) 奇跡的に繋がっていた雪渓。この奇跡を生かせませんでしたが、悔いは有りません。
2021年08月06日 16:57撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 16:57
(S)やっとここまで戻って来ました。
(桃) 奇跡的に繋がっていた雪渓。この奇跡を生かせませんでしたが、悔いは有りません。
(桃) 左のフェースを登っていれば、少しは楽だったとは思いますが、結果は同じか・・
*写真では雪渓と岩壁がくっついて見えますが、数Ḿのシュルンドが口を空け、暗く底知れぬ深い隙間となっています。
2021年08月06日 17:46撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 17:46
(桃) 左のフェースを登っていれば、少しは楽だったとは思いますが、結果は同じか・・
*写真では雪渓と岩壁がくっついて見えますが、数Ḿのシュルンドが口を空け、暗く底知れぬ深い隙間となっています。
(S)既に撤退を残念とも思わなくなっています。ここまでやって来て、ここまでやれた。それで十分。この後、歩く速度が極端に遅くなり、ヘッデンでテン場に辿り着きました。momo7nanaさんが焚き火を用意していてくれ、本当にありがたかった。
2021年08月06日 18:09撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/6 18:09
(S)既に撤退を残念とも思わなくなっています。ここまでやって来て、ここまでやれた。それで十分。この後、歩く速度が極端に遅くなり、ヘッデンでテン場に辿り着きました。momo7nanaさんが焚き火を用意していてくれ、本当にありがたかった。
(桃) 先に天場に戻り、焚火とツエルトの準備をすると約束して先行しましたが、あっという間にこんなに差がついてしまった・・
大丈夫なのか心配ではあるものの、先を急ぎました。
2021年08月06日 18:27撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 18:27
(桃) 先に天場に戻り、焚火とツエルトの準備をすると約束して先行しましたが、あっという間にこんなに差がついてしまった・・
大丈夫なのか心配ではあるものの、先を急ぎました。
(桃) 1850m付近で別れる支流の所に良好な天場があります。
計画では、一日目にここまで上がる予定だった・・
いくつもの天場は有り誘惑されましたが、明日の撤退行程を考慮すると、今日中に前日の天場まで戻らねばなりません。
私も1550m付近の天場に戻る前に日没となりヘッテンのお世話に。そして、SM100Cさんがたどり着いたのは1時間半以上過ぎてから。焚火に着火し湯を沸かし、ツエルトもきちんと張った後でした。
2021年08月06日 18:29撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/6 18:29
(桃) 1850m付近で別れる支流の所に良好な天場があります。
計画では、一日目にここまで上がる予定だった・・
いくつもの天場は有り誘惑されましたが、明日の撤退行程を考慮すると、今日中に前日の天場まで戻らねばなりません。
私も1550m付近の天場に戻る前に日没となりヘッテンのお世話に。そして、SM100Cさんがたどり着いたのは1時間半以上過ぎてから。焚火に着火し湯を沸かし、ツエルトもきちんと張った後でした。
(S)翌朝、今日は帰るだけ。帰るだけとは言え、かなり体力を要する白岳沢登り。その後は西遠見からテレキャビンまで降らなければならない。そんなに歩けるかどうか分からないが、それをしなければ絶対に帰れないのは事実。
2021年08月07日 05:30撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/7 5:30
(S)翌朝、今日は帰るだけ。帰るだけとは言え、かなり体力を要する白岳沢登り。その後は西遠見からテレキャビンまで降らなければならない。そんなに歩けるかどうか分からないが、それをしなければ絶対に帰れないのは事実。
(S)ありがとうカクネ里、北壁。とても良い思い出になったよ。
2021年08月07日 05:31撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/7 5:31
(S)ありがとうカクネ里、北壁。とても良い思い出になったよ。
(桃) さようなら、カクネ里・・
2021年08月07日 06:50撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/7 6:50
(桃) さようなら、カクネ里・・
(桃) 白岳沢の二股です。
2021年08月07日 07:17撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/7 7:17
(桃) 白岳沢の二股です。
(桃) 本流下流のゴルジュ・・
こちらを戻る選択肢は無いです。
2021年08月07日 07:18撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/7 7:18
(桃) 本流下流のゴルジュ・・
こちらを戻る選択肢は無いです。
(桃) 白岳沢出合の滝。
右壁のバンドから登れそうにも見えましたが、巻きました。
左岸に獣道が有ります。
2021年08月07日 07:34撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/7 7:34
(桃) 白岳沢出合の滝。
右壁のバンドから登れそうにも見えましたが、巻きました。
左岸に獣道が有ります。
(桃) 滝の上は少しゴーロですが、雪渓が現れました。
遠見尾根はまだまだ先です。
2021年08月07日 07:40撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/7 7:40
(桃) 滝の上は少しゴーロですが、雪渓が現れました。
遠見尾根はまだまだ先です。
(桃) カクネ里より狭くて・・
2021年08月07日 08:01撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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8/7 8:01
(桃) カクネ里より狭くて・・
(桃) 雪渓が途切れるところも数か所有りましたが、幸いなことに特に困難では有りませんでした。
2021年08月07日 08:05撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/7 8:05
(桃) 雪渓が途切れるところも数か所有りましたが、幸いなことに特に困難では有りませんでした。
(桃) それでも端は薄くて気を付けなければなりません。
2021年08月07日 08:21撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/7 8:21
(桃) それでも端は薄くて気を付けなければなりません。
2021年08月07日 08:25撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/7 8:25
(桃) 五竜岳が見えてきました。
2021年08月07日 09:14撮影 by  SH-M12, SHARP
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8/7 9:14
(桃) 五竜岳が見えてきました。
2021年08月07日 09:24撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/7 9:24
(桃) 本流が右に屈曲する地点。
この先、地形図だと狭いので心配しましたが、通過に支障は有りませんでした。
2021年08月07日 09:35撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/7 9:35
(桃) 本流が右に屈曲する地点。
この先、地形図だと狭いので心配しましたが、通過に支障は有りませんでした。
(桃) うっかりすると、かなり離れてしまう。
1時間登ると30分待ち、休憩30分取らないと動けないので倍の時間がかかっています。
一緒に生きて帰ろうと、何度も声をかけました。
2021年08月07日 10:29撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/7 10:29
(桃) うっかりすると、かなり離れてしまう。
1時間登ると30分待ち、休憩30分取らないと動けないので倍の時間がかかっています。
一緒に生きて帰ろうと、何度も声をかけました。
(桃) 滝の左側の雪渓は支流です。
2021年08月07日 10:48撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/7 10:48
(桃) 滝の左側の雪渓は支流です。
(桃) 支流の雪渓を登り、ガレリッジを2m程のガレ登りと下りで本流雪渓に復帰できます。
2021年08月07日 10:54撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/7 10:54
(桃) 支流の雪渓を登り、ガレリッジを2m程のガレ登りと下りで本流雪渓に復帰できます。
(桃) 吠えるのが聞こえたので、見ると熊!
2021年08月07日 10:57撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/7 10:57
(桃) 吠えるのが聞こえたので、見ると熊!
(桃) SM100Cさんが登ってくる前に、熊は逃げて行きました。
2021年08月07日 11:22撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/7 11:22
(桃) SM100Cさんが登ってくる前に、熊は逃げて行きました。
(桃) 写真中央やや右側に見えるガレ窪から登りました。
本流の雪渓は不安定な感じ。少し上がって奥を見るとズタズタに切れていました。
2021年08月07日 12:38撮影 by  SH-M12, SHARP
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8/7 12:38
(桃) 写真中央やや右側に見えるガレ窪から登りました。
本流の雪渓は不安定な感じ。少し上がって奥を見るとズタズタに切れていました。
(桃) ガレ窪は登りやすいです。
2021年08月07日 13:13撮影 by  SH-M12, SHARP
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8/7 13:13
(桃) ガレ窪は登りやすいです。
(桃) 白岳沢源流の雪渓はズタズタ・・(*_*;
2021年08月07日 13:21撮影 by  SH-M12, SHARP
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8/7 13:21
(桃) 白岳沢源流の雪渓はズタズタ・・(*_*;
(桃) あとちょっとで遠見尾根です。
2021年08月07日 13:36撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/7 13:36
(桃) あとちょっとで遠見尾根です。
(桃)大遠見だったか、最後にカクネ里とお別れ・・・
2021年08月07日 14:39撮影 by  COOLPIX W300, NIKON CORPORATION
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8/7 14:39
(桃)大遠見だったか、最後にカクネ里とお別れ・・・
(S)懸垂下降時、原因は落石と思われるロープの損傷。ちょうどそれぞれの末端から2.5mくらいの部分。切って40mロープとして使えるので、不幸中の幸いだった。
2021年08月09日 13:42撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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(S)懸垂下降時、原因は落石と思われるロープの損傷。ちょうどそれぞれの末端から2.5mくらいの部分。切って40mロープとして使えるので、不幸中の幸いだった。
(桃)軽量化の為、アルミアイゼンの前だけ持っていきました。
一本締めバンドで固定しました。
片足95gと超軽く登りでのグリップに支障は有りません。
しかし、当然フィッティングは悪く左右にずれます。
歩きながらバンドの取り回しを試行錯誤して、しっかり固定出来る様になりました。
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(桃)軽量化の為、アルミアイゼンの前だけ持っていきました。
一本締めバンドで固定しました。
片足95gと超軽く登りでのグリップに支障は有りません。
しかし、当然フィッティングは悪く左右にずれます。
歩きながらバンドの取り回しを試行錯誤して、しっかり固定出来る様になりました。

装備

個人装備
ラバーソール渓流靴「忍者」 アルミ12本爪アイゼン(SM100C) アルミ12本爪アイゼンの前だけ6本爪(桃奈々) アイスハンマー(SM100C) ロックハンマー(桃奈々) ピッケル 一般登攀具一式
共同装備
8.9mm x 50m 1本

感想

過去、人類の飽くなき挑戦がなければ拓かれていなかった、現在のあらゆる登山道。拓かれる時は間違いなく、命にかかわる冒険であったことだろう。
今やそんな山登りをする人もごく限られ、安全登山が当たり前、危険を伴う登山は揶揄され、遭難などしようものなら徹底的に叩かれる。それはそうだ、救出には人命やお金がかかり、多大な迷惑をかけることになる。
だから、必ず這ってでも生きて帰らねばならない。こんな山行を実行するならなおさらだ。

十年以上前、遠見尾根から見たカクネ里と鹿島槍北壁は、それは衝撃的な景色であった。大迫力の北壁から長大な雪渓。いつか、あそこに行ってみたい。北壁は登れないまでも。そう思って今まで過ごしてきた。

昨年momo7nanaさんに話したところ、一緒に行ってくれると言うじゃありませんか。とても嬉しかった。あそこに立ち、生で北壁を見上げるだけでも十分だ。
年齢・体力・技術を考えると、もう時間はほとんどないと思えた。
敗退でもいい、何が何でも生きて帰るという意志のもと、行って来ました。

結果、体調を崩したことにより、敗退となってしまいました。
自ら言い出した計画で、自らの体たらくにより、momo7nanaさんには多大な迷惑と後悔を残してしまったのではないかと気に病んでいます。
ビバーク地では動けず、全てmomo7nanaさんに世話をしていただいたし、リードなのに墜落したり(もちろんしっかりした支点を取れていたからなのですが)、今から冷静に考えれば単なる無謀なヤツだった気がします。

突っ込み始めればキリがないのですが、しかし、行ってよかった。
行きたいと思える場所に行ける、これはしあわせなことです。


いつものことですが、momo7nanaさんたいへんありがとうございました。
間違いなく、一生の思い出となる山行となりました。

カクネ里は近年氷河認定された大きな雪渓ですが、その美しさにも関わらず、簡単に訪れることが出来ない場所です。氷河調査の入山を除けば、登山者が訪れるのは10年に1パーティー位がいい所なのでは??
そんな秘境に足を踏み入れて眺めたカクネ里の奥に聳える北壁は絶品でした。
敢え無く北壁は撤退したものの、カクネ里での二晩、旨い酒が飲めました。

大川沢ゴルジュでSM100Cさんが体調を崩し夕食も喰えない状況から、白岳沢を撤退するしかないかな〜と思っていましたが・・
カクネ里の天場で二日目の朝、素晴らしい好天にSM100Cさんが「これで登らない手は無いでしょう〜」と、元気を取り戻した模様。
しかし、カクネ里を詰める段階から遅れ気味となり、3P目の藪城塞の突破は困難を極め、4P目ではトップでの墜落。5P目もフラフラ。時間/水の残量も限界で撤退を決めました。
せめてテールリッジを突破し、核心部を目の当たりにしたかったですが、あの時、そのまま突っ込んでいたら・・
SM100Cさんの気力/体力は、北壁途中で確実に尽きていたと思います。
救助を求めて桃奈々が単独登攀して運よく成功しても、救出には困難を極め残り少ない水と食料で命を繋いでいたか確証が持てません。そしてもしも桃奈々が単独登攀に失敗し墜死したら、SM100Cさんは北壁テラスで餓死していた事でしょう。
また、もう1ピッチ登っていたら3日目に下山は出来ず、食料も尽き、荒天だった翌日の下山という悲惨な結果となっていたでしょう。

表題に敗退とは書きましたが、二人とも元気な状態で下山出来、本当は敗退では無く綺麗な撤退を決められたと思っています。
三日間の好天、奇跡的に渡れたシュルンドという幸運を生かすことが出来ず、撤退とはなりましたが、生きて帰れば成功という事で悔いは有りません。

夏季に大川沢遡行 - 鹿島槍ヶ岳北壁というルートは、本当に登山の総合力を試される厳しいルートでした。そして、その総合力の未熟さから撤退となってしまいました。
下山直後は二人して「二度と来るか!」と言っていましたが・・・
雪渓状況/融雪増水の情報収集と時期選定、テールリッジのルート選定など、反省点を詰めなおし、今一度チャレンジ出来たら・・
また、チャレンジしようねSM100Cさん、そして二人で元気よく生きて帰りましょう(*^^)v


↓桃奈々ブログ
https://minkara.carview.co.jp/userid/256635/blog/45351373/

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コメント

momo7nanaさん、SM100Cさん、こんばんわ。どうやったらこんな激流のなかでバランス保てるのだろうかと思えるような徒渉から、落ちたら一巻の終わりのへつり、足場の悪そうな高巻きとオンパレードで、それで終わりかと思ったら雪渓歩き。そして最後に目が眩むような岩場と、手に汗握る展開。こういうのが登山というのだ、と思い知らされような気持ちになりました。

百戦錬磨のおふたりにおこがましいのですが、撤退とはこういうタイミングでするのだと、少しばかり参考になった気がしました。ここまで来てここで帰るのか、という気持ちもあるかとは思いますが、頑丈そうなロープがほつれているのを見て、自然って容赦しないんだなと感じました。山のプロでも大変そうな玄人オンリーな山歩き、ご無事でなにより。そしてお疲れさまでした。
2021/8/9 23:37
yamaonseさんこんにちは!
ここは、技術的にこんな難しいところ絶対行けないということもなくて、ほぼ体力勝負という印象でした。なにしろ事前情報が極めて少なく、行ってみなければどんな状況なのかわからないところでした。
体調が良ければどこまでやれたんだろうと思うのですが、今となってはどうすることも出来ません。
撤退出来る力が残っている限り進んでやろうという意志で向かいましたが、30ピッチ程度あるという壁にはまったくの無力でした。
3ピッチ目を終えたときくらいにこれは無理だ、生きて帰ろうという方向に意識が変わりましたが、momo7nanaさんはしっかり状況を把握してくれていて、さすが百戦錬磨は違うな、ということを強く感じました。
これで悪天候に変わったり、雪渓崩落や落石に巻き込まれでもすれば一発アウトだったんでしょうけれども、そこは神様が味方してくれたようです。
失敗には終わりましたが、あの地にたどり着き、北壁を見上げたこと、とても素晴らしく貴重な体験となりました。
人間って、がんばろうと思えば限界を超えて動けるものなんだなぁと自分ながら感心しています(´_`;)
2021/8/10 3:46
ご生還おめでとうございます。

SM100Cさんの「生きて帰るぞ」という生命力の強さが伝わる記録ですね。

体調不良は熱中症?でしょうか
沢から雪渓歩きなので、比較的涼しいのではと想像しましたが、嫌らしい高巻きなどあるとそうは言ってられませんからね

この景色の前に立つことだけでも苦難の道だと思います。
その中で光るmomo7さんの判断力、感服しました。
こういった山行は情報量の少なさや、その時のタイミングによる運(水量、雪渓、天気、体調)にも大きく左右すると思うので、ベストコンディションでリトライできる日を願っております。

本当の栄光は艱難辛苦の先にある!
ナイスファイトな挑戦、大変お疲れ様でした。
2021/8/10 10:15
bicycleさんこんにちは!

生きて帰れればこっちのもの、また機会もあるかも知れませんしね(´ω`;)
とはいえ、この体調不良の原因は一向に掴めないんですよね…熱中症の可能性ももちろんありますが、水分・塩分は充分摂りながら進んでいたので、実際はなんなのか。
二日目など、朝は食べましたが昼・夜とも食べることが出来ず、このままmomo7nanaさんのツエルトで白骨化するんじゃないかと思ったくらいです
一人で決して行く場所ではありませんが、仮にそうだったとしたらかなりの確率で戻れなかったと思います。
momo7nanaさんはやはりさすがですね。
まだいろいろなところが痛いしかゆいので、2〜3日安静に仕事したいと思います(笑)

それにしても沢や雪渓は運の要素が大きいですね。
2021/8/10 11:31
まったく場違いの、対極にいる人種ですが、昔の山岳本を読むように、外国の映画を観るように拝見しました。

お疲れさまでした。

ご無事で何よりです。

(返コメのお気遣いは不要です。)
2021/8/10 10:40
solosolokunさんこんにちは!
お気遣いは不要とのことですが、そのお気遣い大変恐縮です。

山岳小説のスリルという点ではよくわかりませんが、景色は本当に外国にいるような気になれました。
日本にはまだこんなに素晴らしいところがあるんだ、と思えた久々の体験でした。
2021/8/10 11:42
solosolokunさん、コメントありがとうございます。
カクネ里は、北アルプスでも屈指の景観でした。
遠見尾根からも眺める事が出来ますので、時間がありましたらご覧になって下さい。
「テールリッジのたったあれだけしか登れず、敗退してやんの!」と思われるかもしれませんが・・
2021/8/10 11:45
bicycleさん、コメントありがとうございます。

SMさんの体調不良/症状は経験の無いもので、はたから見ていても、本人自身も全く分からないです。
今一度、状況を思い出して整理すると・・
高巻きに入る際に核心ゴルジュだと認識していなかった為、私は水を携帯せずSMさんもわずかでした。融水による大増水により、通常は巻くことの無いルートを開拓しての大高巻は困難でSMさんの不調も重なり6時間以上も要しています。その間、水分補給は極わずかだったので、脱水が引き金となった可能性があります。
しかし最後までSMさんは頑張りました。敬服しています。

撤退を決めたあの時、SMさんの状態を見て頭をよぎりました。
ここで、無理して突っ込んだら・・
SMさんを引っ張って登頂するのは無理だろう・・途中で力尽き動かなくなったら。
救援を求め単独登攀、運よく自分は脱出に成功しても、救出は困難を極めるのに残りの水食糧は少ない。
そして「相棒を見捨てた奴」という誹りを受け、後悔し続ける残りの人生・・( ゚Д゚)
悪くすれば、失敗して自分も墜死・・(*_*;

実際に下山後の天候を鑑みると、あと数ピッチ進めてしまっていたら、SMさんと二度と酒を酌み交わす事は無かったのではないかと背筋が寒くなります。
困難な撤退では有りましたが、二人元気で下山出来たので、悔いはありません。

無雪期鹿島槍北壁は、沢から雪渓、そして大岩壁を攀じ、秀峰の頂に立つ、素晴らしいラインだと信じています。
よくいう総合力が必要なんて生易しいものでは無い様に感じました。
クライミング/支点工作の技量、ルートファインディング、常に沈着冷静な判断力、気力、体力、適切なアイテムの選定と極限の軽量化とかいう個別の能力は、有って当たり前の世界・・
雪渓の状態という運が大きく、ネットの4つの記録でも北壁登攀を成功しているのは1例のみ。2例は大きく開いたシュルンドにより、取り付く事さえ不可能だった様です。
今回の様に、奇跡的にシュルンドを渡れるポイントが有っても、渡った地点からのルートは限定されルート開拓となってしまいます。
逆に、雪渓の状態、融雪増水の時期など隈なく調査し、ベストな時期にベストな所から取り付き、適確なラインを見出す事が出来れば、難なくこなせるかも・・

水/食料/天候によるリミットを念頭に、撤退に一日以上を要するあのロケーションで、重荷を背負い、登れるかどうかわからないラインを探るのは、爆音車の音が聞こえる西上州とはわけが違いました。開拓期を味わうどころか開拓そのものを味わわされてしまった気分です。
本当の開拓期は、雪渓の状況/融雪増水状況など、労力を惜しまず調査したと思われますが、開拓当時の詳細な記録は古すぎて失われているし、近年のネット記録も簡素な物であまり参考にならず、現代でも当時の困難と同様とも言えます。
今回の経験を出来る限り詳細に記しましたので、充分将来の踏み台となると信じています。
2021/8/10 11:36
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