唐松岳〜不帰ノ嶮
- GPS
- 30:23
- 距離
- 22.8km
- 登り
- 2,163m
- 下り
- 2,417m
コースタイム
- 山行
- 7:10
- 休憩
- 1:29
- 合計
- 8:39
- 山行
- 4:54
- 休憩
- 0:24
- 合計
- 5:18
05:31黒菱駐車場〜06:18八方池山荘06:18〜06:59八方ケルン06:59〜07:10八方池07:15〜08:24丸山ケルン08:26〜09:04唐松岳頂上山荘09:22〜09:38唐松岳09:50〜10:27不帰曲南峰10:27〜10:40不帰曲北峰10:40〜11:35不帰喫の頭11:42〜11:55不帰キレット11:55〜13:07天狗ノ大下り開始地点13:07〜13:49天狗の頭13:49〜14:10天狗山荘(幕営)
●9月15日(日)
06:24天狗山荘〜06:49鑓温泉分岐06:49〜08:33白馬鑓温泉08:54〜10:17小日向のコル10:17〜11:13水芭蕉平11:13〜11:34白馬鑓温泉登山口11:34〜11:42猿倉
天候 | 9月14日(土):快晴→晴れ→ガス→夜大雨 9月15日(日):曇り時々雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
帰り:猿倉〜黒菱駐車場(タクシー/6400円/八方まで相乗り) |
コース状況/ 危険箇所等 |
【登山ポスト】 八方池山荘にあり。 【コース状況】 ●黒菱駐車場〜八方池山荘 駐車場から黒菱平までは、アルペンクワッドリフトの軌道下を通る管理用の舗装された道路を進みます。 クワッドリフト終点の黒菱平に出ると、目の前には鎌池湿原が広がります。 湿原の中の木道から八方尾根自然研究路に入り、九十九折の散策路を登ります。 黒菱駐車場から小一時間で八方池山荘に到着です。 ●八方池山荘〜唐松岳 八方池山荘から道は登山道と散策路の二手に分かれ、 登山道の方は尾根を直登する岩ゴロのルートとなります。 散策路と合流するとここで再び登山道は二手に分かれます。 今度は直登ルートと木道ルートという巻き道に分かれますが、 巻き道を使うように促す看板が立っていたので言いつけ通り木道ルートで進みます。 直登ルートと木道ルートは公衆トイレ付近で合流。 ようやく一本道となり、八方ケルンを通過すると、ほどなく八方池に到着。 下ノ樺、上ノ樺と樹林帯の中を進むと、登山道は扇雪渓に突き当たり折れ曲がります。 登り詰めたところが丸山(ケルン)。 丸山(ケルン)を過ぎると唐松岳頂上山荘に向けてガレ場のトラバース道が続きます。 道中、桟道があったり落石防止用ネットが張ってたりします。 ちなみにこの付近、冬期は尾根通しのルートとなります。 唐松岳頂上山荘からもうひと登りして唐松岳山頂に到着です。 ●唐松岳〜天狗山荘 不帰ノ嶮の通過は、喫〜曲北峰間の核心部が下りとなるため、 白馬→唐松よりも、唐松→白馬の方が難易度は高くなるでしょう。 【不帰ノ嶮景】 不帰ノ嶮景は黒部川に巻くので、危険箇所もなく順調に通過できます。クサリやハシゴ類もありません。 【不帰ノ嶮曲】 曲は八方尾根から見ると台形の形をしていて、台形の上辺の唐松岳側が南峰、白馬側が北峰となります。 南峰から北峰までは若干のアップダウンがあります。こちらも特に危険箇所はありません。 曲南峰から喫とのコルまでが、不帰ノ嶮の核心部となります。 白馬側に切れ落ちた岩場となっていて、クサリを使い下降→トラバースを繰り返しながら下っていきます。 有名な空中ハシゴの直前でルートは稜線を挟んで白馬側から黒部側へ入れ替わります。 空中ハシゴを過ぎてからは岩稜地帯に入り、曲と喫のコルにたどり着くまでが、 クサリ場の連続となり注意が必要です。 【不帰ノ嶮喫】 曲と喫のコルから喫の頭まではガレ場となります。 急登ではあるものの、手を使うことはほとんどありません。 喫の頭からの下りも目立った危険箇所はなく、下りきったところが不帰キレット(2411m)となります。 【天狗ノ大下り】 言い古されていると思いますが、唐松側から来た場合は大登りとなります。 不帰キレットから標高差約300mの急登を九十九折に登っていきます。 下部は浮き石やザレているところが多く滑りやすいですが、 上部に行くに従ってガレ場から岩稜地帯となります。 途中、クサリ場が2箇所ありますがどちらもクサリを使わずに登ることができます。 登りきって水平になった登山道を進むと「ここより天狗の大下り 足元注意」の看板あり。 【天狗尾根】 天狗の大下り開始地点(唐松からだと終了地点)を通過すると、天狗の頭に向かって、 緩やかな登りが続きます。 天狗の頭からは下り基調となり、正面に大迫力の鑓ヶ岳を眺めながら20分程進むと天狗山荘に到着です。 ●天狗山荘〜白馬鑓温泉 天狗山荘から稜線に上がりほどなく鑓温泉の分岐が現れ、 ここからガレ場の急斜面を九十九折に一気に下ります。 大出原を過ぎしばらくすると樹林帯に入り、岩場のクサリ地帯となります。 このクサリ地帯、パッと見はそんなに難しくないように見えますが、 沢に近いせいで濡れている場合が多く滑りやすくなっているので注意が必要かと思われます。 また、鑓温泉の小屋が見えてからの区間も引き続き滑りやすく、 右側斜面が雪渓に向かって切れ落ちているので、落ちたらタダでは済まないでしょう。 滑落事故が多発しているようで、クサリ地帯の入口と出口には注意喚起の看板があります。 ●白馬鑓温泉〜猿倉 鑓沢、杓子沢を通過し、小日向のコルの手前までは小さなアップダウンを繰り返しながら トラバース道を進みます。鑓沢を過ぎた辺りに雪渓が1箇所残っていました。 小日向のコルの手前からはコルに向かっての登りとなります。 小日向のコルを過ぎると、緩やかな下りが続き、水芭蕉平を通過するとほどなく林道に出ます。 林道からは10分ほどで猿倉に到着です。 【温泉】 みみずくの湯(500円) |
写真
感想
さて台風です。
土曜日は天気が期待できるものの日曜日は徐々に崩れ、月曜日は大荒れの予報。
テン泊だと土曜日に入り、日曜日はさっと降りるだけの行程で考えないと…。
とりあえず黒菱駐車場に向かい、八方尾根を登って、
唐松岳から北に向かうか南に向かうかは、その時の気分次第で決めよう、
ということで出発です。
黒菱駐車場に着くと空をピンクに染める朝焼けが見られました。
反対側には白馬三山が早くも鎮座しているのが見えます。
小一時間で八方池山荘に到着し、ゴンドラ&リフトの終点に合流です。
ここからは快晴の中、左手に五竜・鹿島槍、右手に白馬三山と両手に花。
ほどなく誰もいない八方池に到着。風もなく八方池に映る白馬三山がとてもキレイです。
白馬鑓はやはりこちら側から眺めるにかぎりますね。
静かな八方尾根を楽しみたい場合は、
ゴンドラの営業時間前に黒菱から上がっちゃうことをおススメします。
無雪期に八方尾根を歩くのは初めてだったので、
積雪期とのルートの違いなどを確認しながら進むと唐松岳頂上山荘に到着。
ドーンと剱・立山連峰がお出迎え。このルート一番のアガる瞬間です。
途中ガスが昇ってくることもあり、このタイミングだけは晴れていて欲しい
と思いながら登った甲斐がありました。
この景色が見られただけで今回の山行の目的の半分は達成した気分です。
唐松岳頂上山荘で休憩しながら、これからどちらに向かうか逡巡します。
で、明日の天気を考えると白馬鑓温泉、大雪渓、栂池、蓮華温泉とエスケープルートが多く、
テン場も五竜山荘より天狗山荘の方が魅力的だったので北に向かうことにしました。
不帰ノ嶮は、曲北峰と喫との間のコルまでがクサリ場の連続となり、緊張感がありますが、
komemame曰く「私にちょうどいいくらいの難しさで、楽しめた」との感想でした。
不帰キレットを通過し、本日最後の難所、天狗の大下りの約300m登り返しです。
ヒーコラ言いながら登り詰めるとおおらかな稜線が目の前に広がります。
が、同時にガスも上がってきてしまいます。
白馬鑓ヶ岳まで続く稜線は見えたり隠れたりを繰り返す中、
天狗山荘までのゆったりしたルートを進みます。
天狗山荘はとてもいいテン場でした。
眺望よし、水は無料、トイレもキレイ、水場&トイレはテン場の近く、
大きな自炊室にビールの自販機あり。
何より人が少ないのがいい。この日テントは5張のみでした。
土曜日発だと金曜日夜ほとんど眠れないので、
焼肉&キムチ鍋を楽しんだ後、バタンキューでした。
夜中テントに雨粒が激しく打ちつける音で目が覚め、時計を見るとまだ21時。
寝惚けマナコで「明日は鑓温泉に下山だなぁ」と思いながら再び眠りに就きます。
翌朝。
雨は降っているものの、大降りではありません。撤収が完了すると雨も止んでいます。
「これだったら白馬三山を回れるなぁ」と一瞬アタマによぎりましたが、
ガスガスの稜線歩きは楽しくないし、台風はどんどん中部地方にも近づいてきているというので、
すぐに思い直し下山を選択します。
鑓温泉の分岐手前で5羽の雷鳥と遭遇。降りるだけの行程に彩りを添えてくれました。
しかも、近くを見ると雷鳥の抜けた羽が落ちているではありませんか。
ありがた〜く持ち帰らせていただきました。
結局天気はそれほど崩れることなく、降ったり止んだりを繰り返す感じで、無事下山。
台風接近という割には、思いのほか楽しむことのできた山行となりました。
今回もすばらしい写真をありがとうございました。
実はこの連休、私は最初八方尾根から五竜・鹿島槍を予定しておりました。
直前になって先月撤退した穂高に変えてしまいましたが、改めて八方池の写真を見ると後立山の方が良かったかな〜と思えてきました。(写真がすばらしいからですね)
最終日は雨になってしまい残念でしたが、お互い無事に下山できて良かったですね。
またすばらしいレコを期待しております 。
いつもひそかに見てました。
写真が綺麗ですねぇ。自分のデジカメとはやっぱり違うなぁと感じます。ぼかし具合も良い(`・ω・´)
どんなカメラ使ってるんですか?
danyamaさん、komeyamaさん、はじめまして(^^)v
台風前のチャレンジお疲れ様でした
以前から気になっていたのですが、黒菱からは作業道があるんですね
あまりこちらから歩いているレコを拝見したことがなかったので、思わずお邪魔してしまいました、そしてとても参考になりました
おっしゃる通り天狗山荘のテント場、良いですよね♪
ロケーションや設備などなど素晴らしく、割りと静かで穴場的なテント場で
ワタシの2012年度ベストテント場でしたw
そこまで雨にも降られなかったようで、ステキな旅を楽しめましたね(^^)
yamaya1127さん
こんばんは。
コメントありがとうございます!
yamayaさんはジャン〜奥穂でしたか。
一番天気の良かった土曜日が核心部の通過で良かったですね。
奥穂、唐松の山頂からもキレイに見えてましたよ。
日曜日の雨は、織り込み済みだったので、
精神的ダメージはありませんでした。
むしろ土曜日が期待以上の晴れだったのでそれで満足でした。
もし予定通り八方尾根からの五竜・鹿島槍だったら、
お会いできたかも知れませんね。残念です!
nurupoさん
こんばんは。初めまして!
いつもひそかに見ていただき、ありがとうございます(笑)
写真お褒めいただき光栄です。
カメラは5Dmark2、レンズはF1.4まで開く50mの単焦点レンズです。
山の写真を撮るのに単焦点?とよく言われます(苦笑)
ズームが使えないので、ムダな動きをしながら登ってます(汗)
kamasenninさん
初めまして!
いつもkamasenninさんの記録を楽しく拝見していたので、
初めてのような気がしませんが…。
黒菱の駐車場はロープウェイなどの時間に縛られないし、
無料だし、早出すれば八方尾根の渋滞知らずだし、おススメです。
天狗山荘のテン場、お気に入りに追加です。
場所が白馬頂上宿舎と唐松岳頂上山荘、鑓温泉の
間に位置してるからでしょうか、三連休にも関わらず空いてましたね〜。
土曜日は思ってたよりも天気が良く、
日曜日は思ってたよりもヒドくなかったのでよかったです。
これからもkamasenninさんの記録、楽しみにしてます。
コメントありがとうございます!
こんにちは!
前の三連休、台風の接近のすきを突いてこんなハードなコースを登られていたんですね。
まだ本調子とは言えない私にとってはとっても羨ましいです。
不帰ノ嶮早く行きたいです
espritさん
こんにちは。
不帰ノ嶮は、言われているほど危険な感じはありませんでしたが
(もちろん落ちたらタダでは済みませんが…)、
天狗の大下り(大登り)は途中でちょっとウンザリしてしまいましたが、
その分、登りきった後のおおらかな稜線が目に飛び込んできたときは
うれしかったですねぇ〜。
espritさんのこの三連休での復帰、
楽しみにしていますが、膝が傷まないかちょっと心配です…。
くれぐれもご無理なさらなぬようご自愛ください。
コメントありがとうございます!
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