甲州アルプス(滝子山〜黒川鶏冠山)縦走
- GPS
- 30:55
- 距離
- 39.1km
- 登り
- 2,865m
- 下り
- 2,326m
コースタイム
- 山行
- 7:23
- 休憩
- 0:59
- 合計
- 8:22
- 山行
- 5:37
- 休憩
- 0:39
- 合計
- 6:16
天候 | 晴れのち曇り、晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
その他周辺情報 | 塩山温泉の宏池荘(500円)を利用。 |
写真
感想
大菩薩嶺を主峰とする大菩薩連嶺、いわゆる甲州アルプスを、南の滝子山から北の黒川鶏冠山まで、全部縦断してしまおうと、行ってきました。ちなみに、今回の同行者は高校の同級生。1年生の時に同じクラスだったものの、その後は交流がなく、最近SNSでつながったら、登山やトレランをやっていて体力もありそうなので、誘ってみました。22年ぶりの再会。こうして人とのつながりができるのも、山の力かもしれません。
我が家から行ける一番早い電車で笹子駅まで行き、登山開始。昨年の9月に滝子山へ登った時、紅葉の季節はいいだろうと確信したのが、この甲州アルプス縦走のきっかけになりました。案の定、いくつもの滝を見ながら沢沿いを歩く道のりは、紅葉が見事でした。山頂では、前回全く見えなかった富士の姿も拝むことができました。
このあたりの紅葉は、標高1,000m前後がピークのようで、1,500mを越えた稜線では、すっかり落葉して冬山の様相でした。大谷ヶ丸、ハマイバ丸(破魔射場丸)、大蔵高丸と、いくつもピークを越えていきます。ハマイバ丸あたりからは樹林帯がなくなり、草原が多くなって展望が広がります。
コースタイムの8掛けを意識しながらがんばっていましたが、黒岳への登りに差しかかると、かなりペースが落ちてしまいました。テント泊装備を背負い、重力に逆らって高度を上げて行くのは、かなりしんどいです。それにしても、大谷ヶ丸から先のコースは、5日後に行われるトレラン大会のためのブルーリボンが道なりにつけられており、こんな激しいアップダウンのある山道を駆け抜けるんだと思うと、驚愕です。
結局、8掛け以上のペースを維持できれば、大菩薩の避難小屋まで行ってしまおうという淡い期待は脆くも崩れ去り、牛奥ノ雁ヶ腹摺山で幕営しました。ここは、丑年の今年、正月に登って美しい富士の姿を眺めた場所ですが、着いた時は全く展望がなく、夕焼けも見ることができませんでした。どんどん暗く、寒くなっていくので、急いでテントを張り、夕飯を作り、食べました。友だちがオススメのクラフトビールを差し入れてくれ、そのフルーティーな味わいに酔いしれると、疲労と相まって、眠りに就くのはたやすかったです。
どうも18時くらいには寝てしまっていたようです。翌2時頃に目が覚め、外の様子をうかがったところ、相変わらずの曇り空で、星は全く見えませんでした。再び寝て、6時くらいに起きると、冷たい空気の向こうに雄大な富士山がそびえていました。雲海が広がって、いっそう幻想的な印象が増します。とは言え、悠長に景色を眺めていると凍えてしまうほどの寒さです。吐く息は真っ白、テントの結露も真っ白な霜になっていました。
次第に陽の光が差してくると、明るく澄んだ、一幅の日本画のような富士の姿に変わっていきます。そんな美しい光景に見とれていたら、出発が遅くなってしまいました。2日目は、15:30発のバスに乗り遅れてはいけないため、ややタイムトライアル的な登山です。
前日と比べて、食料も水も減り、だいぶ荷物の負担が軽減されました。コースの険しさやアップダウンも軽くなり、終始、コースタイムの8掛け以上で歩くことができました。大菩薩峠から大菩薩嶺まではやはり人気のコースなので、人出が多かったです。
大菩薩嶺を過ぎると、再び静かな山歩きになります。花崗岩に苔が生していたり、シラビソの森があったりと、それまでのコースと違って、山深さを感じます。黒川鶏冠山側から大菩薩嶺を見るのは初めてでした。いつも見る南側は、笹に覆われた明るい稜線が印象的ですが、反対側は深い森に覆われ、黒々とした端正な角錐形で、重厚な存在感を放っていました。
最後のピークである黒川鶏冠山からは軽快に下り切り、落合のバス停には14時過ぎに着くことができました。土日祝日のみ、1日たった2本のバスには余裕で間に合いました。むしろ、待ち時間が長過ぎて、汗冷えするくらいでした。
それにしても、2日間の縦走はとても充実していました。一気に甲州アルプスを縦断できたことはもちろんですが、紅葉や冬のような寒さ、さまざまな植生など、山のいろんな面を見ることができました。やや無茶な企画でしたが、終始付き合ってくれた友だちには感謝です。
15:30発の塩山駅行きのバスに乗り、駅手前の塩山温泉入口バス停で下車すると、日帰り入浴できる宏池荘はすぐでした。塩山に来ると、いつもここに寄ってしまいます。強アルカリの源泉かけ流しで500円ですから、ありがたいお風呂です。汗を流して、体も温まって、帰路に就きました。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する