明け方の県道を歩いて水海の集落を抜ける。雪は降っていないものの,空はどんよりと鉛色をしている。
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明け方の県道を歩いて水海の集落を抜ける。雪は降っていないものの,空はどんよりと鉛色をしている。
水海集落から1.5kmほど進んだところで除雪が終わり,スノーシューを履いてさらに奥へ。ここ5日ほど雪が降っていなかったため,雪は比較的締まっており,足首〜スネほどの沈み込み。
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水海集落から1.5kmほど進んだところで除雪が終わり,スノーシューを履いてさらに奥へ。ここ5日ほど雪が降っていなかったため,雪は比較的締まっており,足首〜スネほどの沈み込み。
地図を見て目星を付けていた斜面から尾根に取りつく。いきなりの急登を喘ぎ登っていく。
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地図を見て目星を付けていた斜面から尾根に取りつく。いきなりの急登を喘ぎ登っていく。
最初は植林だったが,しばらく登ると,雰囲気の良いブナの森に。
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最初は植林だったが,しばらく登ると,雰囲気の良いブナの森に。
部子山の西尾根に登り上げた。能楽の里の牧場跡は広大な雪原となっており,晴れていれば絶景だっただろうが,いかんせん悪天の今日は真っ白で何も見えない…。
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部子山の西尾根に登り上げた。能楽の里の牧場跡は広大な雪原となっており,晴れていれば絶景だっただろうが,いかんせん悪天の今日は真っ白で何も見えない…。
しかも稜線上は猛烈な吹雪。横殴りの烈風の中,遮るものがなく目印も乏しい牧場跡の雪原を目を凝らしながら登っていく。
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しかも稜線上は猛烈な吹雪。横殴りの烈風の中,遮るものがなく目印も乏しい牧場跡の雪原を目を凝らしながら登っていく。
牧場管理棟。完全に凍り付いて雪に埋もれ,南極基地か何かのように見える。
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牧場管理棟。完全に凍り付いて雪に埋もれ,南極基地か何かのように見える。
風雪はさらに強まり,部子山手前で稜線が北東から南東に折れ曲がる箇所で進路を見失いかけたが,試行錯誤の末何とか尾根の続きを見つけ,部子山山頂にじりじりと近づいていく。
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風雪はさらに強まり,部子山手前で稜線が北東から南東に折れ曲がる箇所で進路を見失いかけたが,試行錯誤の末何とか尾根の続きを見つけ,部子山山頂にじりじりと近づいていく。
真っ白な視界の中,小高いところに着いたと思ったら,そこが部子山の山頂だった。看板だけひょっこり雪面に出ていた。
ふう,やっと今回の山行のスタートラインに立った。この荒天なので仕方がないが,思った以上に時間がかかってしまった。
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真っ白な視界の中,小高いところに着いたと思ったら,そこが部子山の山頂だった。看板だけひょっこり雪面に出ていた。
ふう,やっと今回の山行のスタートラインに立った。この荒天なので仕方がないが,思った以上に時間がかかってしまった。
吹雪の山頂風景。中央付近の黒いものは,目子媛の祠の屋根だけ雪面に覗いているもの。しばらくすると更に風が強まり,カメラを出すとカメラが吹き飛ばされそうなくらいの状況になったため,半ば風に押し出されるようにして,今回の山行のメインである部子山〜冠山の稜線へと足を踏み出した。
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吹雪の山頂風景。中央付近の黒いものは,目子媛の祠の屋根だけ雪面に覗いているもの。しばらくすると更に風が強まり,カメラを出すとカメラが吹き飛ばされそうなくらいの状況になったため,半ば風に押し出されるようにして,今回の山行のメインである部子山〜冠山の稜線へと足を踏み出した。
風雪に見え隠れする稜線を慎重に南へ下っていき,高度を下げると,風は大分ましになったが,ガスで真っ白なのは変わらない。
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風雪に見え隠れする稜線を慎重に南へ下っていき,高度を下げると,風は大分ましになったが,ガスで真っ白なのは変わらない。
当然ノートレースだが,沈み込みは最大でもスネ程度なのが助かる。
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当然ノートレースだが,沈み込みは最大でもスネ程度なのが助かる。
P1421mからしばらく南下した後,途中から稜線を外れ,微妙な支尾根を拾って巣原峠に降りていく。この区間は非常にルートが分かりにくく,特に今日のように視界不良の状況では読図力が試されるところ。
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P1421mからしばらく南下した後,途中から稜線を外れ,微妙な支尾根を拾って巣原峠に降りていく。この区間は非常にルートが分かりにくく,特に今日のように視界不良の状況では読図力が試されるところ。
デリケートな地形を慎重に辿っていくと,高度が下がったためだろう,急にガスが薄くなって視界が開けた。これは本当に助かった。正直,視界もGPSもない状況で,ノーミスで巣原峠まで行きつける自信はなかったので…。
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デリケートな地形を慎重に辿っていくと,高度が下がったためだろう,急にガスが薄くなって視界が開けた。これは本当に助かった。正直,視界もGPSもない状況で,ノーミスで巣原峠まで行きつける自信はなかったので…。
P1284mあたりの,凍てついたブナの森。
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P1284mあたりの,凍てついたブナの森。
この稜線は植生の面ではそれほど期待していなかったのだが,思った以上に立派なブナの森が続いており,嬉しい限り。
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この稜線は植生の面ではそれほど期待していなかったのだが,思った以上に立派なブナの森が続いており,嬉しい限り。
悪天のこの日,唯一得られた眺望らしい眺望。雲川ダム方面の眺め。
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悪天のこの日,唯一得られた眺望らしい眺望。雲川ダム方面の眺め。
巣原峠に向かって,最後の大下り(ここも地形が分かりにくい。視界があって本当に助かった)。ここを下っているときに,モナカ雪に足を取られて,左膝を変な方向にひねって軽く痛めてしまった。この左膝の不調に,翌日も苦しめられることになる。
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巣原峠に向かって,最後の大下り(ここも地形が分かりにくい。視界があって本当に助かった)。ここを下っているときに,モナカ雪に足を取られて,左膝を変な方向にひねって軽く痛めてしまった。この左膝の不調に,翌日も苦しめられることになる。
巣原峠に着。峠の付近で風がほとんど当たらずしかも下地が平らな幕営には絶好のポイントを見つけ,少し早いが幕とすることにした。狭いテント内で窮屈な食事をし,小雪がさらさらとテントを撫でていく音を聞きながら眠りについた。
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巣原峠に着。峠の付近で風がほとんど当たらずしかも下地が平らな幕営には絶好のポイントを見つけ,少し早いが幕とすることにした。狭いテント内で窮屈な食事をし,小雪がさらさらとテントを撫でていく音を聞きながら眠りについた。
翌朝,2時半起床。手早くお茶漬けの食事をしてテントを畳み,ヘッデンの光を頼りに峠から尾根を黙々と登っていく。昨夜からの雪で10cmほどの積雪があったようだが,軽い新雪なのでラッセルの辛さはない。
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翌朝,2時半起床。手早くお茶漬けの食事をしてテントを畳み,ヘッデンの光を頼りに峠から尾根を黙々と登っていく。昨夜からの雪で10cmほどの積雪があったようだが,軽い新雪なのでラッセルの辛さはない。
桐ヶ平山(三角点1218.2m)のたおやかな台地の付近で,払暁を迎えた。登山をしていて一番好きな時間帯だ。次第に明るくなっていくこの時間帯の山の中に身を置きたいがために,暗いうちから登り始めるのかもしれない。
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桐ヶ平山(三角点1218.2m)のたおやかな台地の付近で,払暁を迎えた。登山をしていて一番好きな時間帯だ。次第に明るくなっていくこの時間帯の山の中に身を置きたいがために,暗いうちから登り始めるのかもしれない。
しかも,黎明が東の空を染めていくにしたがって,ガスも薄れ始めた。
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しかも,黎明が東の空を染めていくにしたがって,ガスも薄れ始めた。
朝霧にかすむ森。美しいとしか言いようがない。
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朝霧にかすむ森。美しいとしか言いようがない。
今日は長丁場で,ゆっくりしている時間はあまりないにも関わらず,しばらく立ち尽くして,次第に朝日に浮かび上がってくる森を眺めていた。
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今日は長丁場で,ゆっくりしている時間はあまりないにも関わらず,しばらく立ち尽くして,次第に朝日に浮かび上がってくる森を眺めていた。
ゆるやかに続く雪の丘,その向こうの雲海。
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ゆるやかに続く雪の丘,その向こうの雲海。
吹雪の昨日とは打って変わって,穏やかな一日が約束されそうな,そんな空の色だ。
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吹雪の昨日とは打って変わって,穏やかな一日が約束されそうな,そんな空の色だ。
桐ヶ平山の周辺は,地形図通りの穏やかな雪の丘が続き,気持ちのいいところだった。大半を暗いうちに通過してしまったのが残念だ。
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桐ヶ平山の周辺は,地形図通りの穏やかな雪の丘が続き,気持ちのいいところだった。大半を暗いうちに通過してしまったのが残念だ。
そして,行く手に岳ノ谷山(三角点1182.4m)の真白き姿が。
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そして,行く手に岳ノ谷山(三角点1182.4m)の真白き姿が。
岳ノ谷山へ。
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岳ノ谷山へ。
岳ノ谷山への登り。広大な雪の斜面にブナの木が立ち並ぶ美しい斜面。
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岳ノ谷山への登り。広大な雪の斜面にブナの木が立ち並ぶ美しい斜面。
急斜面で息が上がるが,ときどき息をついて周りを眺めるのが楽しい,そんな美しいスロープだ。
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急斜面で息が上がるが,ときどき息をついて周りを眺めるのが楽しい,そんな美しいスロープだ。
岳ノ谷山の台地までもうすぐ。
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岳ノ谷山の台地までもうすぐ。
岳ノ谷山は,桐ヶ平山に似て,いくつかのたおやかなピークが寄り集まっている。その一つ一つの丘が美しい。.
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岳ノ谷山は,桐ヶ平山に似て,いくつかのたおやかなピークが寄り集まっている。その一つ一つの丘が美しい。.
幻想的な雪の丘の散歩。
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幻想的な雪の丘の散歩。
朝日と,凍てついたブナの若木。
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朝日と,凍てついたブナの若木。
越美国境まで,天気が持ちますように。
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越美国境まで,天気が持ちますように。
思わず走り出していきたくなるような,真っ白な丘が続いている。
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思わず走り出していきたくなるような,真っ白な丘が続いている。
今日,この稜線を歩いていてよかった。そんな風景が続く。
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今日,この稜線を歩いていてよかった。そんな風景が続く。
岳ノ谷の三角点のあるピークへの登り。スキーで来なかったことが悔やまれるような,魅惑のスロープ。
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岳ノ谷の三角点のあるピークへの登り。スキーで来なかったことが悔やまれるような,魅惑のスロープ。
来し方を振り返る。
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来し方を振り返る。
霧氷の森が美しい。
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霧氷の森が美しい。
岳ノ谷山,さようなら。夢のような時間だった。
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岳ノ谷山,さようなら。夢のような時間だった。
後ろ髪引かれる思いだが,先を急ぐ。まだ行程の半分も来ていない…この事実は重い。しかも,足を引き上げるたびに昨日ひねった左膝が痛む。悪化させないようにかばいながら歩いて行く。
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後ろ髪引かれる思いだが,先を急ぐ。まだ行程の半分も来ていない…この事実は重い。しかも,足を引き上げるたびに昨日ひねった左膝が痛む。悪化させないようにかばいながら歩いて行く。
美しいブナの森がずっと続く。こんなに森がきれいな稜線だと思っていなかったので,得した気分だ。
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美しいブナの森がずっと続く。こんなに森がきれいな稜線だと思っていなかったので,得した気分だ。
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眼下は,ガスにかすむ美しい雪の斜面。
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眼下は,ガスにかすむ美しい雪の斜面。
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P1026mからの下りで,南西方向へ微妙なつながり方をしている主稜線を外して南の支尾根を下りかけてしまい,慌てて斜面トラバースして復帰。警戒していたとおりの罠にはまってしまった…。
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P1026mからの下りで,南西方向へ微妙なつながり方をしている主稜線を外して南の支尾根を下りかけてしまい,慌てて斜面トラバースして復帰。警戒していたとおりの罠にはまってしまった…。
ややっ,あれは白山では? 今日もそんなに天気予報は良くないはずだったのに,こんなに晴れるとは…。
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ややっ,あれは白山では? 今日もそんなに天気予報は良くないはずだったのに,こんなに晴れるとは…。
美しい雪尾根が続く。
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美しい雪尾根が続く。
霧氷の廊下をひたひたと。
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霧氷の廊下をひたひたと。
と,行く手に風格のある山容が。あれはまさか冠山?
と思ったら,地図をよく見ると,アラクラ(P1229m)でした。しかし,よく目立つ山だなぁ。
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と,行く手に風格のある山容が。あれはまさか冠山?
と思ったら,地図をよく見ると,アラクラ(P1229m)でした。しかし,よく目立つ山だなぁ。
宇津井谷山の手前で,細尾根の上に巨大雪庇。直接乗り越しは困難で,右手から急斜面を巻き上がった。
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宇津井谷山の手前で,細尾根の上に巨大雪庇。直接乗り越しは困難で,右手から急斜面を巻き上がった。
宇津井谷山(三角点1068.8m)の登り。
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宇津井谷山(三角点1068.8m)の登り。
宇津井谷山(三角点1068.8m)に到着。何となくいつか登ってみたいと思っていた山だったので,満足。樹林に囲まれた地味な山頂を想像していたのだが,思ったより開放的で眺めの良い山頂だった。
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宇津井谷山(三角点1068.8m)に到着。何となくいつか登ってみたいと思っていた山だったので,満足。樹林に囲まれた地味な山頂を想像していたのだが,思ったより開放的で眺めの良い山頂だった。
宇津井谷山から南に眺められるアラクラ(P1229m)。本当に風格のある,立派な雪山だ。今度登りに来よう。
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宇津井谷山から南に眺められるアラクラ(P1229m)。本当に風格のある,立派な雪山だ。今度登りに来よう。
さあ,はるばる部子山から冠山までの旅もいよいよ大詰め。行く手の稜線を眺める。
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さあ,はるばる部子山から冠山までの旅もいよいよ大詰め。行く手の稜線を眺める。
と,ガスが切れて,やっと冠山の姿が!(中央奥の山)
感動すると同時に,その遠さに,思わず気も遠くなる…。
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と,ガスが切れて,やっと冠山の姿が!(中央奥の山)
感動すると同時に,その遠さに,思わず気も遠くなる…。
越美国境稜線に向けて最後の前進。この期に及んで容赦なくアップダウンを畳みかけてくる…。
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越美国境稜線に向けて最後の前進。この期に及んで容赦なくアップダウンを畳みかけてくる…。
P1059mに差し掛かる。ここはちょっとした難所であった。すぐ直下にアラクラ大滝(さすがに雪に埋もれてました)が掛かっている岩峰であることもあり,傾斜が半端ない。直登は避けて斜面を右上して巻き越えた。
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P1059mに差し掛かる。ここはちょっとした難所であった。すぐ直下にアラクラ大滝(さすがに雪に埋もれてました)が掛かっている岩峰であることもあり,傾斜が半端ない。直登は避けて斜面を右上して巻き越えた。
そしてP1059mを越えると,お次は左右の切れ落ちた痩せ尾根区間。左は雪庇でどこまで足を踏み入れていいか不安で仕方ない。右は木が生えているので安心に見えるかもしれないが,実際はそのすぐ直下で切れ落ちており,この尾根芯の木は邪魔なだけであまり助けにはならない。
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そしてP1059mを越えると,お次は左右の切れ落ちた痩せ尾根区間。左は雪庇でどこまで足を踏み入れていいか不安で仕方ない。右は木が生えているので安心に見えるかもしれないが,実際はそのすぐ直下で切れ落ちており,この尾根芯の木は邪魔なだけであまり助けにはならない。
P1059mと雪庇の痩せ尾根を振り返る。
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P1059mと雪庇の痩せ尾根を振り返る。
痩せ尾根区間を越えると,やや小康状態に。でも尾根は細いことは細いので,慎重に。
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痩せ尾根区間を越えると,やや小康状態に。でも尾根は細いことは細いので,慎重に。
ついに越美国境の白銀の稜線が眼前に。
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ついに越美国境の白銀の稜線が眼前に。
越美国境へ,最後の登り。
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越美国境へ,最後の登り。
ついに来た。越美国境稜線に乗った。
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ついに来た。越美国境稜線に乗った。
若丸山方面。
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若丸山方面。
そして,冠山方面。白銀の稜線が続く。さすがに主稜線上は風が強く,フリースを着込んだ。
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そして,冠山方面。白銀の稜線が続く。さすがに主稜線上は風が強く,フリースを着込んだ。
たおやかな国境稜線を,一路,冠山へ。
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たおやかな国境稜線を,一路,冠山へ。
慣れ親しんだ越美国境稜線だが,この時期にこの区間を歩くのは初めて。というか,厳冬期の冠山自体が初めてだ。
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慣れ親しんだ越美国境稜線だが,この時期にこの区間を歩くのは初めて。というか,厳冬期の冠山自体が初めてだ。
左手に冠山南壁の岩尾根を眺める。氷雪をまとって,なかなかの迫力だ。
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左手に冠山南壁の岩尾根を眺める。氷雪をまとって,なかなかの迫力だ。
奥美濃の山々が眼下に。
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奥美濃の山々が眼下に。
純白の冠山が近づいてくる。
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純白の冠山が近づいてくる。
やっぱり南壁すごいな。普通に冬季登攀のいいルートになりそうだ。
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やっぱり南壁すごいな。普通に冬季登攀のいいルートになりそうだ。
冠平に到着し,冠山を見上げる。随所に蒼氷をぶらさげた厳めしい岩壁と,あまりに急な雪の斜面に一瞬気圧されるが,気を取り直して直登していく。
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冠平に到着し,冠山を見上げる。随所に蒼氷をぶらさげた厳めしい岩壁と,あまりに急な雪の斜面に一瞬気圧されるが,気を取り直して直登していく。
直登後,冠平を見下ろす。雪がほどほどの柔らかさだったため,スノーシューのまま蹴り込みで登ることができた。
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直登後,冠平を見下ろす。雪がほどほどの柔らかさだったため,スノーシューのまま蹴り込みで登ることができた。
凍てついた荒涼たる山頂台地を,高みへ。
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凍てついた荒涼たる山頂台地を,高みへ。
冠山山頂に到着。
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冠山山頂に到着。
空中に浮かんだかのような,足の下がうそ寒くなるような浮遊感。背景の白い山は能郷白山。
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空中に浮かんだかのような,足の下がうそ寒くなるような浮遊感。背景の白い山は能郷白山。
雲の群れが奥美濃の山々の上を静かに,しかしすばやく流れていく。
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雲の群れが奥美濃の山々の上を静かに,しかしすばやく流れていく。
金草岳の白さは格別。
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金草岳の白さは格別。
あれは多分,笹ヶ峰。山頂部がガスに隠れてしまっているが…。
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あれは多分,笹ヶ峰。山頂部がガスに隠れてしまっているが…。
これから下山のためにたどる田代尾根。まだまだ遠いなぁ…。
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これから下山のためにたどる田代尾根。まだまだ遠いなぁ…。
はるかなる千回沢山と,不動山。
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はるかなる千回沢山と,不動山。
ここまで辿ってきた稜線。左奥の白い山がスタート地点の部子山。
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ここまで辿ってきた稜線。左奥の白い山がスタート地点の部子山。
部子山アップ。遠くなりにけり…。
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部子山アップ。遠くなりにけり…。
最後に冠山の山頂を振り返る。地味な稜線を延々と南へと辿り続けた果ての,遠い1月の山頂だった。
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最後に冠山の山頂を振り返る。地味な稜線を延々と南へと辿り続けた果ての,遠い1月の山頂だった。
さあ,まだ先は長い。名残惜しいが,下山にかかろう。
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さあ,まだ先は長い。名残惜しいが,下山にかかろう。
真横から見た山頂直下の冠山南壁。冬季ならではのアングル。
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真横から見た山頂直下の冠山南壁。冬季ならではのアングル。
冠山よ,さようなら。
5
冠山よ,さようなら。
青空と霧氷が美しい斜面をトラバース。
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青空と霧氷が美しい斜面をトラバース。
越美国境稜線を北西へ進み,田代尾根の頭を目指す。
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越美国境稜線を北西へ進み,田代尾根の頭を目指す。
冠山が遠のいていく。
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冠山が遠のいていく。
冬の冠山は,本当にアルペンチックだ。
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冬の冠山は,本当にアルペンチックだ。
美しい尾根が続く。
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美しい尾根が続く。
田代尾根の頭(P1156m)に到着。冠山さん,今度こそ本当にさようなら。
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田代尾根の頭(P1156m)に到着。冠山さん,今度こそ本当にさようなら。
ここから見る金草岳は本当に美しいが,今日進むのはこちらの稜線ではない。
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ここから見る金草岳は本当に美しいが,今日進むのはこちらの稜線ではない。
今日進むのはこちら,田代尾根。かつては登山道がついていたこともあるらしいが,現在は基本的に冬季限定の尾根だ。
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今日進むのはこちら,田代尾根。かつては登山道がついていたこともあるらしいが,現在は基本的に冬季限定の尾根だ。
田代尾根は,上部はブナの森が続き,なかなか雰囲気も悪くない。
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田代尾根は,上部はブナの森が続き,なかなか雰囲気も悪くない。
途中で冠山林道をまたぐが,林道は無視して尾根通しに下る。
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途中で冠山林道をまたぐが,林道は無視して尾根通しに下る。
立派なブナの森が続く。
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立派なブナの森が続く。
田代尾根は基本的に下り一方なので,速いペースで下っていける。だいぶ下界が近づいてきたな。
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田代尾根は基本的に下り一方なので,速いペースで下っていける。だいぶ下界が近づいてきたな。
田代尾根を下り切り,廃村・田代付近に降り立った。
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田代尾根を下り切り,廃村・田代付近に降り立った。
田代は無住の地となって久しい。雪深い杉林の中で,この古びた看板だけが唯一の名残だ。
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田代は無住の地となって久しい。雪深い杉林の中で,この古びた看板だけが唯一の名残だ。
あれ,もしかして建設中の冠山峠道路のトンネル?
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あれ,もしかして建設中の冠山峠道路のトンネル?
さて,無事,山は下りたわけだが,ここからがまた長い。延々と国道を歩いて,駐車地まで戻らないといけない。国道417号は福井県のホームページでは志津原から冬季通行止めだったはずなのだが,なぜか田代まで除雪が入っており(冠山峠道路の工事のせい?),雪道歩行を避けられたのは助かったが,道の長さは変わらない。車にたどり着いた頃には,とうに日は落ちていた。
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さて,無事,山は下りたわけだが,ここからがまた長い。延々と国道を歩いて,駐車地まで戻らないといけない。国道417号は福井県のホームページでは志津原から冬季通行止めだったはずなのだが,なぜか田代まで除雪が入っており(冠山峠道路の工事のせい?),雪道歩行を避けられたのは助かったが,道の長さは変わらない。車にたどり着いた頃には,とうに日は落ちていた。
全ての景色が美しいです。
一つ一つの写真に魅入りました。
素晴らしいレコをありがとうございました。
記録もあまりない地味な稜線なのですが、随所に良い風景がありました。特に岳ノ谷山の辺りは良かったです。
そんなコースには、緩やかに伸びていく曲線美が続く天空ロードが多く、自分がとても好きな景色です。遠くの荒々しい絶景も良いですが、どちらかというと目の前に伸びていく天空ロードが大好きで、そんなところをこれから歩けるという嬉しさに心が躍ります。そして、無雪期には藪で入り込めない生き物たちの命の営みが感じられる美しいブナの森。そういった雪深い低山に心惹かれます。今回のコースもまさにそんな感じで魅入りました。伊吹山の北側の伊吹山地もそんな感じのところが多く、自分が好きなエリアです。またのレコを楽しみにしています。
私も尾根を登っていく先に白い稜線が見えてくると居ても立ってもいられなくなるタチです。雪のブナの森も、幹の模様が夏よりもよく映えてきれいですよね。
伊吹山の北にはいい山がたくさんありますね。ブンゲンや金糞岳、横山岳や土蔵岳など、私も好きな山ばかりです。きっと今年は真っ白な雪山に仕上がっているんでしょうね。なんだかまた行ってみたくなりました。コメントいただき、ありがとうございました!
こんばんは!帰りの国道が地味に長かったです😅除雪されていることが事前に分かってたら自転車デポしたんですけどね〜
またまた、凄いレコですね。
部子山から冠山って??、考えたことも無いルートなので、タイトルを見ただけで、ワクワクしてご飯のお箸を止めて読ませていただきました。
いつも奥美濃の素晴らしさを教えてくださり、たいへん勉強になります。
yamapだったらDOMOを100個はお送りしたいとこですが、yamarekoでは1回しか拍手ができないのが残念です。
今回もありがとうございました。
leonkun2000さんも、奥美濃をはじめ岐阜の山に多く登られていて、私のような遠くに住む奥美濃ファンにとってはとても勉強になります。今後もよろしくお願いいたします。
今回も楽しませて頂きました。
有難うございました。
こんばんは!コメントありがとうございます😊どんな様子かわからないところに行ってばったりこういう風景に出会うと、余計に嬉しいですね。
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