黒部五郎岳
- GPS
- 13:40
- 距離
- 42.4km
- 登り
- 3,638m
- 下り
- 3,639m
コースタイム
03:30 大ノマ乗越
05:15 双六岳
06:10 三俣蓮華岳
08:20 黒部五郎岳
09:50 三俣蓮華岳
11:10 双六沢 登り返し
12:00 大ノマ乗越
13:40 新穂高無料駐車場
ポカリ1.5L, あんぱん1
天候 | 快晴、風強い |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
左俣林道は片斜面、雪崩の走路がいくつかある。通行には細心の注意を。 |
その他周辺情報 | 下山後の風呂はひらゆの森。食事は平湯Mustache |
写真
感想
花粉がつらすぎて平日運動不足気味なので週末はガッチリやりたい。2月に行きたかったが行けなかった黒部五郎へ行こう。積雪期は山之村から狙う山だが山之村までの運転がつらいので新穂高から行く。降雪と天気が落ち着いて板も軽い3月なら簡単とまではいかないが頑張れば行けるだろう。
気合いの23時半起きの24時出発。新穂高も花粉がすごい。標高が高くて寒いのになぜだ。松本よりひどい。西側にスギ植林があるのだろうか。おかげであまり眠れなかったがこんな天気の良い日は滅多に無いので頑張ろう。夜明け前の左俣林道はカチカチ。片斜面では絶対に落ちれないので雪面にピックを刺して慎重に通過する。数日以内のスキーとつぼ足のトレースがあった。小池新道から双六小屋方面へ向かっていた。西鎌尾根だろうか。小池新道は前回と同じように低いうちからヨコ移動して狙いを定めてから一直線に登る。初めから右斜め上に移動し続けると足首が疲れるので。去年、大ノマ乗越の直下で「もしもクトーが外れたら死ぬ」という状況に追い込まれて心臓に悪かった。なので今回は進退極まる前に板担いで爪に切り替えた。乗越は雪庇になっているのでどちらにせよ最後は板を担いで雪庇を崩さないと這い上がれない。大ノマ乗越に上がったら300m高度を落として双六谷へ。帰りに登りやすくするためにひらひらトレースをつけながら滑るとよい。あとは双六岳までひたすら登る。雪が多い今シーズンだが沢にはところどころ穴が空いて水が流れていた。ヒモと縦長コッヘルがあればここで水が汲める。沢に直接近づいて水を汲むのは危ないのでオススメしない。
5時過ぎに双六岳到着。真っ暗だが想定内。槍穂のシルエットが素晴らしい。夏も冬も双六の尾根から眺める槍穂と空のグラデーションが大好きだ。三俣蓮華までのアップダウンは板担いで爪。ハイマツと雪庇の間はヒドゥンクレバスの可能性があるので境目をよく見てうまくやる。尾根は今シーズントップクラスの爆風だった。担いだ板が風に煽られてザックのベルトが首に食い込んで痛え。三俣蓮華に着くとようやく日の出。水晶方面も魅力的だが今日は黒部五郎だ。シールを剥がして小舎まで滑り込む。西面はところどころアイスバーンだが159cmポンはチューンナップ後1発目。エッジビンビン効きまくり。この無敵感よ。少し高度を落とすと風は止み、いい感じの斜面を楽しくいただいたら黒部五郎小舎到着。
シールを貼ったらピークを目指す。水と岩と高山植物の楽園、黒部五郎カールは大雪原と化していた。夏道どおりに真正面から登るよりも左手の尾根に出た方が距離が短そうなので雪庇の隙間を突いて尾根へ出た。尾根は風が穏やかで雪の状態も良かった。3度のニセピークに騙されて山頂到着。新穂高からは遠すぎだった。後で調べると水晶ピストンより距離標高差があった。遠い山だよ。カール滑降は夏道の一番綺麗なところを滑りたかったが風は強いし尾根は凍っていてアイゼンに履き替えるのはダルい。仕方ないので来た道を戻ってきたが、この斜面の雪も素晴らしかった。小舎までかなりの距離を高速自動運転できて楽しい。
再びシールを貼ったら三俣蓮華まで500mの登り返し。登らないと帰れないので登るしかない。この登り返しは夏も冬もキツい。マジで三俣蓮華遠すぎですー。三俣蓮華に着いたら"双六小屋へのトラバース開始地点"までシールを貼った板で滑ったり登ったりして進む。尾根の風は朝よりも強くて雪庇の向こう側に吹っ飛ばされそうだった。トラバース地点に着いたらシールを剥がして双六小屋の上を回り込んで双六谷へ。雪はカリカリでよく走った。そして本日最後の登り、大ノマ乗越まで300m. 息を吸って手足を前へ動かすだけの簡単なお仕事です。小池新道の雪はどうかな。モナカは勘弁だが入ってみれば超快適シャウダーだった。標高差1,400mのご馳走だ。はぁータマランチ会長。今日一番良かった。
斜面はご褒美だったが林道は緩んで全く滑らず。帰りも歩きだ。アメとムチ。雪崩の走路に入ろうとしたところジャストタイミングですごい量のデブリが音もなく落ちてきて視界を埋め尽くした。呆気に取られた。固い斜面の上を滑ってくる雪崩は音がしないのだ。こええー。この時期、こんな時間に林道を歩くもんじゃない。林道ゲートに着いたら板担いで無料駐車場まで歩いてミッション完了。13時間40分の戦いだった。ずっと高い運動強度で動いていたので肺のまわりの筋肉が痛い。今シーズン一番の疲労感だった。このルートはもうやらないと思う。冬の黒部五郎は山之村から行きましょう。
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