鴨瀬芦谷山〜千谷山☆藪尾根で望外の花々に遭う
- GPS
- 03:57
- 距離
- 12.2km
- 登り
- 898m
- 下り
- 925m
コースタイム
過去天気図(気象庁) | 2022年06月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
京都の京北の千谷山は以前より気になっていたところではあるが、この山のみを登るには物足りないので鴨瀬芦谷山との間の尾根を繋ぐことにする。
小塩集落から西谷の林道に入り、折谷に入ったところで林道の道路余地に車を停める。西谷林道を歩くと、林道沿いではコアジサイの花が数多く咲いている。15分ほど歩いたところで左手に
分岐する林道に入り、奥付谷に入る。林道はかなり良好に整備されており、車でも問題なく通行できそうだ。
林道の終点近くには堰堤の下に小さな滝が現れる。左岸に堰堤を越える薄い踏み跡がついている。堰堤を越えると鬱蒼とした谷奥へと入る踏み跡が続いている。谷の周囲はすぐにも植林が広がるようになり、踏み跡は植林のための作業道なのだろう。
水が切れて植林を進むと源頭を横切る林道が唐突に現れる。最後は林道を歩いて尾根に乗る。尾根は広く切り払いがされており、南には城丹国境の稜線の展望が広がる。林道はすぐに丹羽広域林道に合流する。
鴨瀬芦谷山に向かって歩いていくと法面に砥山登山口と記された小さな道標がある。すぐにはわからなかったがガレた法面を登ってゆく薄い踏み跡がある。ここから斜面に取り付き、樹林帯の中に入ると薄い踏み跡が山頂に誘導してくれる。
鴨瀬芦谷山の山頂は樹林に囲まれた地味なところだ。尾根を南に下って林道に着地しようとするが踏み跡が全くない。先に進んでみるが、どうやら林道の法面は完全に崖状となっており、懸垂下降をしない限り着地は不可能だ。再び山頂に戻り、辿ってきた薄い踏み跡を引き返すほかない。
再びガレた法面を下降して無事に林道に着地し、安堵の息をつくが、気がつくとスマホがない。幸い最後にGPSを確認した地点はそう遠くはない。再びガレた法面を登り、踏み跡を辿るとスマホはすぐに見つけることが出来た。
ここからは千谷山に向かって長い尾根を南下する。林道からの尾根の分岐部は広い芝生の草原となっていた。尾根はすぐにも樹林帯に入るが、いきなり藪が現れる。尾根には明瞭な掘割の古道があるが、古道には藪が密生しており、到底歩けたものではない。山と高原地図では八丁大道と記された道があるが、今やここを通る人もおらず、荒れるがままのようだ。
尾根の藪が少なくなったと思いきや尾根に一輪の花が咲いていることに気がつく。なんとササユリであった。周りにはアセビや他の草もないところでよくぞ鹿に食べられずに花をつけることが出来たものだと感心する。
東塚谷峠を過ぎると古道の痕跡はなくなるが、下生えも少なく歩きやすい尾根が続くようになる。尾根には大きな台杉も現れる。
単調ではあるが、自然林の歩きやすい尾根が続く。標高は500m台が続く。p574で大きく西向きに曲がり、p582に向かう。樹間から垣間見える千谷山の東のピークp650はその山容がひときわ大きく見える。千谷山よりもこちらの方が標高も高い。
p650に到達する。ピークはPHさんのプレートもない地味なところであったが、山頂のすぐ西に岩場がある。岩の上に立つと南側に長い城丹国境尾根の展望が大きく広がる。自然林の疎林が広がる尾根を緩やかに鞍部に下降する。鞍部からは南に下ってゆく明瞭な掘割の古道がある。かつては峠越えの道が通じていたのだろう。
尾根伝いに千谷山を目指す。尾根の北側に広がる植林は間伐されて、樹間が広々としている。山頂は樹木に遮られて眺望のないところだった。再び先ほどの鞍部に戻り、古道を下るとp650の南の山腹をトラバースする地図の破線の道がすぐに現れる。
千谷山、南の初川谷の源頭が広々とした伐採斜面になっており、再び城丹国境の稜線の眺望が広がる。肝心の道はといえば倒木が道を塞いでおり、この斜面をトラバースする箇所は崩壊気味だ。樹木がなくなったことで土壌の保水力がなくなってしまったせいなのだろう。なんとか斜面をトラバースして樹林の中に入ると再び明瞭な道が現れる。
p650の東側の鞍部に到着すると、ここからは掘割の道が北側の折谷に向かって下降してゆく。道はすぐに間伐材の散乱する植林の斜面に埋もれて不明瞭となった。谷筋に下降すると踏み跡が再び現れるが、呆気なく林道に出る。ここも林道は倒木もなく、良好に整備されているようだ。
今回の山行では嬉しいことにもう一つ、思いがけない花に出遭うことが出来たのだった。植林の斜面に真珠のような艶やかな光沢を見せる白い花が二株咲いているのを目にする。シロバナの紅花山芍薬だ。
駐車地に戻ると、帰路の途中で京北の蕎麦屋を楽しみにしていたのだが、コロナ禍で休業しているとのこと。花背の「花せ屋」に立ち寄ることにした。店内には無数の置き時計がカチャカチャと音を立てて時を刻んでいるのは異次元的な光景だ。山椒の練り込まれた蕎麦は美味しいのだが、¥1600という価格は蕎麦にしてはかなり高額だろう。
コメント
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八丁大道は八丁村への重要な経路だったのでしょう。私の父から譲り受けた古い山と高原地図では八丁大道は実線で記されているのですが、当時は今よりもきっと歩きやすかったのかもしれませんね。
植林が続くことを覚悟していたのですが、千谷山へと続く尾根は意外と気持ち良い自然林もありました。
私にとってやはり北山はホームグラウンドであり、まだまだ訪れるべきところが多くあるように思います。
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