池山尾根〜空木岳〜檜尾岳〜千畳敷
- GPS
- 20:51
- 距離
- 24.0km
- 登り
- 3,217m
- 下り
- 1,401m
コースタイム
7:02 菅の台バスセンター→7:20 林道三本木地蔵入口(タクシー)
7:25 三本木地蔵入口→8:14 タカウチ場→8:57-9:20 池山小屋水場→10:11 マセナギ→14:37 幕営地(2587m)
5/4
5:00 出発→5:47 駒峰ヒュッテ→6:09-6:15 空木岳→7:49-8:01 木曽殿山荘→8:39-8:50 東川岳→9:39-9:50 2708m地点→10:56-11:07 熊沢岳→12:13-12:22 大滝山→12:51 檜尾岳→14:04-14:22 2687m地点→14:40 濁沢大峰→16:34-16:40 島田娘→16:47 極楽平→17:45 千畳敷
天候 | 5/3 快晴(10℃) 5/4 晴れ(-3℃) |
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過去天気図(気象庁) | 2014年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
菅の台バスセンター駐車場に駐車。タクシーで三本木地蔵下の林道まで(2100円)。林道はかなりの悪路なのでそれなりのクルマで無いと安心して走行できない。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆登山ポスト 池山尾根登山口にあり。千畳敷ロープウェイ駅にもあり。 ◆道の状況 冬期であるので気の抜けない箇所は多い。 特に木曽側をトラバースする際には注意したい。 空木岳から木曽殿山荘に向かう岩稜帯は凍結しており危険度は一層高い。 |
写真
感想
昨年宝剣から見た南へと続く中央アルプスの主脈に魅せられて池山尾根から空木岳、そして千畳敷までの1泊2日での縦走を企画した。2週間後のためスパイスの効いた山行をと思ったが、ちょっと効きすぎた。オーバーロードに歩みが遅く、目前で最終ロープウェイが行ってしまって1泊余分にすることになってしまった。でも我が家の山の神は「ヘロヘロな状態で遠路GW渋滞の中を帰って来られるより安心」とか。でも「だらしない計画!」と。尤もです。済みませんでした。
◆5/3(土)
昨年の木曽駒・宝剣山行と同様に2:30AMに湘南を出て駒ヶ根ICを目指す。甲府で事故渋滞があり20号に一旦降りたこともあり、菅の台バスセンターに到着したのは6:09。ここで指導員の方から空木に行くのであれば林道までタクシーで行った方が良いとの有り難いアドバイスを頂戴し、丸八タクシーを呼び三本木地蔵入口まで送ってもらった。これで300m以上の登高が省けた。林道には駐車場もあるが、相当な悪路だったので、自分のクルマだったらご遠慮したい。
三本木地蔵まで急登だがその後は緩やかに樹林の登山道が続く。やがて絶景の林道終点に出る。広い駐車スペースと東屋があるが、ゲートが手前にあるので今はここまでは入れない様子だ。ここからは南アルプスの一大パノラマが一望になる。ハイキングコースもいろいろと作られているようだ。
登山ポストに山行計画を投入し池山小屋を目指して進む。池山小屋が年代の違う地図では違う場所に書かれているのが紛らわしいが、当然新しい地図を信じる。池山小屋は水場から少し離れて建っていた。水はコンコンと湧き出ている。池山小屋に近い所から少しずつ積雪が見られるようになっていたが、池山小屋を過ぎるとしっかりと雪が積もっていた。1時間登るとマゼナギに達する。言われなければそんな薙ぎの脇を歩いているとは解らない。更に1時間程登ると痩せ尾根注意の看板がある。しかし肝心な距離の数字が見えなくなっている。ここから1時間半位掛けてヨナ沢の頭と思える場所に立った。途中の大地獄と思われる場所で左側にトラバースする径ではなく同様にトレースがあるヨナ沢の頭への直登ルートを取った。取り付いて少し後悔する程の急登になり、オーバー20kgのザックを背負って沢の詰めのようなのは堪える。登りきり痩せ尾根を少し進むと20m程の雪の詰まったルンゼに出合う。ここを登りきると左右がルートであることを示す道標があった。ここからは緩やかな登りになった。
チャラリチャラリとカラビナの音が背後からする。樹林を出る手前で先行して貰ったがS大山岳部の7人パーティだった。駒峰ヒュッテが今日の目的地とのことだ。樹林帯を抜けるとそこが森林限界、駒石と空木岳が共に視野に入る。が、風も強くなっていた。先頭を行く13Kさんが絶好の暴風ブロックがあるよと知らせてくれた。ちょうど3人用1張分位のスペースになっている。駒峰ヒュッテまで行っても先行パーティが居るし、この辺りの方が這松のブッシュもあって風もましだろうと考えてここに幕営することに決定した。ハイキングポールをメジャーにして寸法を測り、スコップで少し成形し、テントを張った。強風に備えて張り綱は入念に張り、暴風ブロックも積み増した。この準備は効いた。夜半にはテントが大きく撓むような突風が何回もテントを揺らした。
◆5/4(日)
3時に起床し、外の様子を伺うと無風で満天の星だった。絶好の登山日和だ。静寂の中、小鳥達のさえずりだけが音となる世界だ。朝食を摂り、テントを撤収し、5:00に出発。外気温は-3℃で雪面はガチガチに凍っていた。
荷は軽くなった筈だが、それ程には軽くは無い足取りで先ずは駒石を目指す。更に駒峰ヒュッテへ。ここまで来ると空木の北側稜線の向こうに木曽御嶽が大きく見えて来た。御嶽の左には遠く加賀白山まで望める。もう東川岳よりも大分高くなった。そしてもう一登りで空木岳へ。
雲一つ無い快晴無風の天候の下で空木岳から全周の展望。得難い日、得難い時間に巡り会った感じだ。南を見ると南駒ヶ岳が堂々として立っており、更に遠くに恵那山が横たわる。東を見ると南アルプスから八ヶ岳、浅間まで連なる山並。北には穂高連峰と少しだが槍の穂先が右に出ている。そして乗鞍、御嶽、白山と続く。特に南アルプスの展望は一大パノラマだ。とは言えこれから縦走する間にも眺めは楽しめる。山頂にはそれ程留まらず下山を開始した。
空木岳から木曽殿越までざっと400mは下って行く。相当な急下降だ。最初はのどかな雪稜で始まるが岩峰が近づいて来るとその厳しさが露になる。岩場に阻まれてルートを探していると下の方からチャラリチャラリと音がする。少し手前を降りて行くようだ。戻って下を見ると氷の中からロープが出ているのが見えた。カチカチでピックが刺さりにくいものの、アイゼンの前爪は良く効いてくれた。その降りた所から凍った斜面を20m程トラバースする点も核心部だったかもしれない。高度を下げて行くと段々と雪氷も少なくなる。下降に継ぐ下降を繰り返して行くと木曽殿山荘が見えてきたが、先行しているS大パーティも200m程先だ。陽も高くなり空木の影が谷に写し込まれて来た。
木曽殿山荘に到着し、次の東川岳へと向かう。S大パーティは我々の到着と同時にシャキシャキと発って行った。こっちは3人だけど年齢の合計は7人と同程度。身体の動きが違うもんだ。次の東川岳までは180mの登り、それから熊沢岳までは高度差は100m足らずだが細かなアップダウンを繰り返して行く。左前方に見えていた御嶽が段々と横に見えるようになって来るのも距離を教えてくれるが、それにしても疲れる。登りのペースは徐々に落ちて行った。漸く熊沢岳と思うとまた100m以上も下る、そして登り返してまたピークを幾つか踏んで檜尾岳を目指す。檜尾だと思って至ったピークが大滝山だったりと段々どこに居るのかも幻惑されそうだ。大滝山まで来ると檜尾岳山頂の標識や避難小屋が見えてきて励まされる。が、一方で疲れ果ててきてあの小屋に泊ってしまえたら、と思わないでもない。檜尾岳から避難小屋、檜尾尾根に向かうトレースは見られなかった。
檜尾岳到着が13時。計画よりも2時間遅い。ただ出発点が計画より低かったんで遅れは1時間強程度か。千畳敷までコースタイムで2時間40分だが3時間は掛かるかも。でもそれならまだ最終ロープウェイには間に合うか、と一安心。残るピークは濁沢大峰と島田娘の2つ。島田娘まで行くと極楽平は目と鼻の先だ。ところがここでまた200mも下る。そして島田娘は空木岳と6mも違わない、つまり累積でまた350m程登って漸く着く巨峰だ。勢いを着けて下るのは良いがその勢いは登りでは瞬時に失せてしまい、重くダルい歩調でしか歩めない。ガスも出てきたので先頭を行く13Kさんが時折歩調を停めて後続を確認しながらと更にスローペースに追い打ちを掛けることになる。幸いガスは短い時間で晴れはしたが、島田娘で3人が揃ったのはもう16:40だった。檜尾から3時間半も掛かってしまっていた。
最終ロープウェイの時間をはっきりと僕が把握していなかったため13Kさんが電話で確認すると17:00、臨時便も出ないらしい。と言うやり取りをしている間に千畳敷駅からロープウェイが出発するのが見えた。これはもう極楽平でもう1泊だな、と場所を見繕ってスコップで整地を始めた所、再度電話が掛かって来て施設の一部を開放して寝泊まりできるようにするので降りるよう要請があったので、その方が良かろうかと下ることとした。しかし間抜けな話で全くもって申し訳ない。不幸中の幸いはゴールデンウィーク中であり、翌日は家の用事はあるものの会社は休み、加えて言えば夜の高速は渋滞必至だし翌日の午前中の方がトラブルフリーに帰宅できよう、と言うところか。こう書くとほとんど確信犯だな。
◆5/5(月)
始発は8:00なのでのんびり寝ていても良いのだが5時過ぎには目が覚めた。喫茶室は思いのほか暖かく睡眠も十分とれて頭もすっきり。身体は最初は節々が動くのを拒んでいたが、動いているうちにだんだん軽くなった。やはり十分な睡眠が一番の薬だ。洗顔できてトイレも暖かいのはとても有り難い。パッキングしてロビーに出ると同様な雰囲気の登山者が7名程。我々だけでないのは何だか安心材料だ。外は深いガスに覆われていた。
始発のロープウェイに乗って菅の台に戻り走り出すと9時には中央高速に乗っている。順調な道行きだったが、そこはゴールデンウィークだけあって、小仏トンネルでもう渋滞が始まっていた。それでも13時過ぎには湘南に辿り着いたのだから早いものだ。昨日夜に渋滞に巻き込まれていたらと考えるとむしろ良かった所もある。
反省すべき点も多い山行計画だったが、体力作り的には計画以上、疲労の残存度も想像以下、安全に帰宅できたので、これはこれでまあ好い山行だったと思っている。でも反省は次回の山行に活かさねば。1泊余分にして疲労を取ってから帰ると言うのも好い選択肢、とか。
空木岳の名前に誘われ軽い気持ちの山行でしたが、疲労困憊しました。
空木岳を登った後は、高低差が小さいので、気楽に考えていたのですが・・・
カメラの電池を自宅に置き忘れて、写真を撮れなかったのが残念ですが、
GWの雪山を満喫して大満足です。
ロープウェイの最終時刻を調べなかったのはうっかりでした (^^A
http://www.chuo-alps.com/ropeway/fare/pdf/timetable_2014.pdf
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