大展望に恵まれた鳳凰三山 テン泊でドンドコ沢〜中道ルート
- GPS
- 12:47
- 距離
- 20.1km
- 登り
- 2,687m
- 下り
- 2,747m
コースタイム
- 山行
- 5:30
- 休憩
- 1:33
- 合計
- 7:03
- 山行
- 5:01
- 休憩
- 0:41
- 合計
- 5:42
青木鉱泉登山口7:00→8:29南精進ヶ滝→10:34五色滝→11:34鳳凰小屋12:21→13:02地蔵岳→14:03鳳凰小屋
6/1
鳳凰小屋5:40→6:39稜線分岐→7:12観音岳7:25→7:46薬師岳8:00→8:54御座石→10:46中道登山口→11:22青木鉱泉
天候 | 5/31 晴れのち曇り 6/1 快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2014年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
青木鉱泉の駐車場は1日750円。駐車後鉱泉にて料金を支払い、車に戻って領収書を運転席窓付近に置く。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
青木鉱泉にトイレ、水場、登山届けのポストがあります。 ○青木鉱泉から鳳凰小屋(ドンドコ沢ルート) 特に危険なところはありませんが、段差の高いところが多いので下りに使うと大変かも。 南精進ヶ滝のみ滝を見てそのまま進むと登山道に合流します。その他の滝は登山道から少しの距離を往復。 鳳凰小屋のテント場は砂地で適当な石がないのでペグが必要です。ペグハンマーは小屋で貸してくれますが、砂地は手で簡単に刺さる柔らかさでした。テント場の上に残雪があるため、砂地の表面が乾いていてもテントの裏は湿って泥だらけになります。グラウンドシートを敷いた方が後始末がラクです。 ○鳳凰小屋から地蔵岳 小屋からしばらくは若干残雪あり。アイゼンは必要ありません。視界が開けたところからは砂地の脆い斜面を登ります。オベリスク近くまで踏跡あり。 ○鳳凰小屋から観音岳稜線分岐(近道コース) 小屋からすぐのドンドコ沢を渡ると、残雪のやや急な斜面を登ります。雪が軟らかかったのでキックステップで大丈夫でしたが、気温によっては軽アイゼンを使った方が良いかもしれません。意外に時間がかかり近道にならないので、地蔵岳経由の方が良かったです。 ○観音岳から薬師岳 気持ちの良い稜線漫歩です。 ○薬師岳から青木鉱泉(中道ルート) 薬師岳からすぐに残雪の急な斜面の下りとなります。特にアイゼンの必要は感じませんでしたが、踏み抜き多発です。視界のない樹林帯を黙々と我慢の下り。 2050Mあたりから下草に笹が生えてくると斜度も緩み、気持ちの良いカラマツの植林地となります。ほとんど使われていない感じの林道を横切ると、ジグザグに更に下って林道の登山口に。そこから40分林道を歩き、最後に青木鉱泉へのショートカット道を進むとスタート地点に戻ります。 |
写真
感想
昨年甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根を登った際、富士山の下に特徴的な山容の峰々が見え、それが鳳凰山だと知った。
鳳凰山の象徴、オベリスクをすぐそばで見てみたい。その想いが募り、先週の仙丈ヶ岳に続いての南アルプス遠征となった。
さてどこから登るか?。眺望が良い夜叉神峠からの尾根道を検討するも、石川県からはあまりに遠い。鳳凰小屋までテントを長時間担ぐのは大変だし、帰りも同じコースを下るのはつまらない。という訳で結局は青木鉱泉からドンドコ沢を登り中道から下る周回コースとなった。それでも青木鉱泉まで5時間のロングドライブ。富山から下道を南下し、安房トンネルを抜け上高地の入り口をかすめて進むという、なんとも贅沢なコースで朝7時前に青木鉱泉に到着した。
山奥のひなびた温泉宿だが、あちこちに「防犯カメラ設置」の看板があり、なかなか物々しい。ヤマレコのレポのおかげで、宿のオヤジから駐車標をもらって車に置く、というシステムはわかっていたが、早朝暗い中何も知らないで来た人は戸惑うだろう。
今日明日は下界では気温30度を超える予報が出ている。17Kgのテント装備を背負い歩き出してすぐに汗が流れる。ドンドコ沢を詰めるこのコースは途中に枝沢や滝があり、涼しいだろうと見込んでいたが果たして・・・?
結果的に標準コースタイムを下回って鳳凰小屋に着いたが、なかなか厳しい道だった。段差が大きいところが多く、デカザックを背負う身では段差を越えるたびに呼吸を整えないと進めない。そしてこの気温。吹き出す汗に何度水を飲んだことか。途中の枝沢ではもれなく給水タイムだった。
滝は休憩にちょうどよい距離でいくつかあるので「鳳凰の滝」以外全て見た。「鳳凰の滝」は分岐で出会った登山者から「滝見場所は遠く離れていてイマイチ」と聞いたのでパス。どの滝も小ぶりだが、それなりに水量があって美しかった。
11:34鳳凰小屋到着、昼食とテント設営後とりあえず地蔵岳へ向かう。雪の残る樹林帯をしばらく登ると視界が開け砂地の斜面に出る。正面右にオベリスクが天を突いている。稜線まで手の届きそうな距離だが、足場が悪く空荷でもなかなか前へ進めない。
ストックに頼ってなんとか登り詰めた稜線には地蔵が何体も置かれ、その向こうには甲斐駒ヶ岳の雄姿が。昨年秋から待ち続けた光景がそこにあった。オベリスクには肩あたりまで登り、西側へ回り込んで甲斐駒がよく見えるポジションで撮影タイム。午後になって雲の多い天気となったが、甲斐駒から仙丈、北岳と周りの高峰の眺望をじっくり楽しんだ。
その後はテント場に戻っていつものようにまったり飲んで過ごす。ここはフラットな砂地で小屋もすぐ近く快適なテント場だ。ただし当日は大学のワンゲル部?の合宿で大きなテントが4張りあり、23人の部員が周りで炊事していたりと中央の広いスペースをほぼ占領していた。そのため遅く到着した人は張るところを探してウロウロ。夜遅くまで騒がしいかと心配だったが、規律のしっかりしたサークルなようで7時過ぎには静かになった感じだった。(自分はイヤホンで音楽をかけたまま寝たのでよくわからないが)
明けて翌朝。学生のテント集団は4時前からゴソゴソ撤収準備。自分もその頃には目覚めていたので起きることに。急ぐ必要もないのでゆっくり出発準備をし、5:40小屋をあとにする。地蔵岳は昨日登ったので、小屋から観音岳直下2700Mの稜線に至る近道を登ることに。ところがこの道はなかなか厄介だった。ドンドコ沢を渡るとすぐに残雪の残る急な斜面の登り。雪の状態はさほど悪くなくキックステップで安定して登れるが、ウオーミングアップなしでこの斜面はキツい。やがて前方が明るくなり斜度も緩んできて稜線かと期待するも、樹林帯が終っただけでそこからさらに150Mの登りが続いた。
出発して1時間。ようやく稜線の登山道と合流。右手には北岳の展望が広がる。観音岳方向へしばらく進みふり返ると地蔵岳から続く稜線がよく見える。ヤレヤレ、地蔵岳を通った方が早くてラクだったなぁ。
観音岳へは稜線から少し下がった西側斜面をゆるゆると進む。やがて山頂に近づき肩に出るといきなり目の前に富士山が。そのあまりの美しさに思わず「わー」っと声が出る。そしてブルブル震えが。今回の山行き中、間違いなく最高の瞬間だった。
7:12、団体客で混み合う観音岳山頂着。6月とは思えない大快晴の下、360度の大展望を堪能した。名前がわからない南アルプス南部の山々もよく見える。南アも北ア並に広く長いのを実感できた。
滞在10分と少し、もっと長居したかったが、混み合うのを避けて山頂をあとに薬師岳へ向かう。薬師岳へはゆるゆると下ってすぐに着いた。ここも展望は素晴らしく、15分ほどのんびりと過ごした。
風もなく暖かな陽気にのんびりしたかったが、今日はまた5時間かけて石川まで帰らなくてはならない。テントの後始末もあるので夕方までに帰ることができれば好都合だ。
という訳で8:00、中道コースを下る。すぐに雪が残る樹林帯の急下りとなり、時折踏み抜いたりスリップしたりとなかなか大変な道。途中一瞬富士山が見えた以外はずっと視界のない中を我慢の下りだ。何度もGPSを覗いて高度を確認する。
2050Mあたりから下草に笹が広がると斜度も緩み、歩きやすい道となる。この雰囲気は黒戸尾根の途中と似ている。やがて広大なカラマツの植林地に出る。きれいに枝打ちされたカラマツの新緑が眩しい。草の茂った林道を横切り、イヤというほどジグザグに下るとようやく林道の中道登山口に出た。ここからは車道をのんびり歩き、40分弱で青木鉱泉のトイレの横に出た。
ドンドコ沢、中道と今ひとつつまらないコースの登り下りとなったが、稜線上では素晴らしい大展望に恵まれ今回も強く印象に残る山となった。先週の仙丈とは打って変わって人が多く夏のシーズンのような山だった。折りしも八ヶ岳などでは6月1日が開山祭だったとか。夏山の幕開けにふさわしい絶好の日となったことは間違いない。
お久しぶりです。
毎週の遠征、毎週のテント泊、すごいですね。
南アルプスは名前を聞いてもピンとこず、未知なる領域です。
雲海の奥にそびえたつ富士山は幻想的でいいですね。
3週連続はさすがに疲れました。(特に運転)
はじめての山へ登ると、さらに知らない山がいくつも見え、登頂意欲が沸いてきます。
南アルプスは簡単に行けないけど、なんとか時間を作ってまた行きたいです。
そういえば富士山も登ったことない。富士山は1合目から登る、と自分で決めてるのでいつになるやら・・・(笑)
鳳凰小屋でお会いしたN市から来たものです。
お会いした日は前日睡眠不足で立ちくらみが
したので早々に横になってしまいました。
またどこかでお会いできたら山の話聞かせてください。
メッセージありがとうございます。
夕食時に酔っ払いのおつきあい、ありがとうございました。
最近はお会いした方が実はヤマレコユーザー、という場合が多いので変なこと書けませんね(笑)
またお会いしましたら、よろしくお願いします。
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