南八ヶ岳 硫黄岳から横岳・赤岳~雲の中を周回


- GPS
- 16:00
- 距離
- 20.0km
- 登り
- 1,639m
- 下り
- 1,625m
コースタイム
→15:20硫黄岳山荘(宿泊) (全行程約6時間30分)
2日目 6:30硫黄岳山荘→7:35横岳(奥ノ院)→地蔵の頭(赤岳パス組と分かれる)
→赤岳展望荘 →10:25赤岳山頂(休憩)→文三郎尾根→12:05行者小屋(休憩・合流)
→南沢 →赤岳山荘→14:45美濃戸(休憩)→16:00美濃戸口
(全行程約9時間30分)
天候 | 1日目-曇り時々晴れ(山上は雲の中) 2日目-山上は雲の中のち晴れ(麓は終日晴れ) |
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過去天気図(気象庁) | 2014年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
北沢・南沢は樹林帯と沢沿いを歩くトレッキングコース。雪はほとんど無くなっていました。 赤岳鉱泉から硫黄岳は急登の登りとなる。赤岩の頭から硫黄岳の尾根に出ると、この日はガスと横風が強く寒かった。 硫黄岳山荘から横岳に向かうときも、ガスと横風が強く、寒さと風に耐えながら歩いた。 横岳一帯は岩稜体のアップダウンで鎖場やハシゴ、断崖を横切っていく。 赤岳はガレ場と岩稜の急登で足場は脆い。落石させないように注意が必要。 文三郎尾根道はガレ場の急な悪路、鎖場と階段が続く。 行者小屋まで出れば樹林帯のトレッキングコースとなる。 登山者の多い人気の山域なので、全体によく整備され、山小屋も多い。 今回のツアーグループの2日目は、赤岳登頂組と地蔵ノ頭から赤岳をパスし下山する組に分かれ、行者小屋で合流しました。 |
写真
感想
人気の八ヶ岳主峰、赤岳に登りたいと思っていたけど体力的自信がなかった。
でも、もうこのタイミングで登らないと次の山も目指せないと思い、ツクモグサに誘われチャレンジ!
1日目は美濃戸口から北沢を歩いて硫黄岳を目指す。
梅雨の季節ではあるけど、晴れ間も見える。八ヶ岳は中腹から上は雲の中。
水量の豊富な沢に沿って歩き、ときどき木橋を渡る。
新緑の萌黄色が鮮やかで、足元には小さな花がたくさん咲いている。
半開きのコミヤマカタバミやキバナコマノツメスミレ、シロバナヘビイチゴなど。
2頭の鹿にも出会う。
赤岳鉱泉の山小屋のテラスをお借りして小休止、お弁当を食べた。
出発時、少し雨に降られるがすぐに止む。気温が下がってきた。
赤岩の頭までは急登となる。いつもより重めの背の荷物に少々バテる。
お天気良ければ眺望が得られるはずだけど、雲の中で何も見えない。
硫黄岳の尾根に出たら、湿気を含む強い横風!寒い!風に耐えながら硫黄岳山頂到達!
霧の中で爆裂火口も見えなかったけど、平らな火山岩の山頂といくつかのケルン。
確かに迷いそう!
寒いのですぐに強風の中を硫黄岳山荘に向かう。山荘の中はストーブが焚かれていた。
2日目の朝も相変わらず山小屋の外は雲の中で何も見えない。
天気予報は晴れなので、雨さえ降らなければと横岳と赤岳を目指す。
尾根に出たら、またもや湿気を含んだ冷たい強い横風が吹き付ける中、ストックで体を支え屈めるようにして歩く。横岳の岩稜体に差し掛かる頃には風もやや弱まる。
横岳は鎖場・ハシゴも含む岩場をよじ登ったり、降りたり巻いたり。
この日は霧で眺望がほとんどなく、かえって恐怖感は無かった。登山道脇は、キバナシャクナゲの花が這うように咲き、綺麗だった。それから岩場からちょこんと現れたイワヒバリ。
お目当てのツクモグサも現れた! 薄い黄色と産毛に包まれたような黄緑色の茎と葉。
花は霧と強風の中、蕾のように閉じているものや半開きで、湿気と風に耐えて揺れている。
こんな断崖の厳しい自然条件の中に咲くのだ!
へばりつく様なコマクサの葉も見られ、これからもいろいろな花が咲き続けるのだろう。
ほかにはオヤマノエンドウ、ミネズオウ、ウラシマツツジ、コメバツガザクラ、イワウメ、ミヤマキンバイ、イワカガミ、咲き始めたチョウノスケソウ。
楽しめた横岳の岩場尾根も、地蔵ノ頭で終了。振り返るとこんな急峻な岩稜を辿ってきたのだと驚く。
いよいよ赤岳山頂を目指します。
赤岳展望荘で一息入れ、ガレと脆い節理の鱗のような赤い急勾配の岩の斜面を登ります。
こんな斜面だったんだ! 標高の高さもあって息が上がりながらも、感激しながら登る!
赤岳山頂到着! 標高2899m。雲の中だけど、ここまで来れたことがうれしかった。
下山は文三郎尾根から鎖場の岩場と悪路と階段を急降。
土曜日なので、どんどん登山者が登ってくる。そそり立つ赤岳の逆コースの登りはきつそう!
行者小屋まで降りて山を見上げたら、雲が切れてきて、今日辿った尾根と赤岳山頂が見えていた。
下山しながら見下ろす山麓は緑の美しい樹林帯。八ヶ岳の人気の理由がよく判る。
また来たいな!
突然目の前をカモシカが横切り、沢の向こう側の林へ飛び越えていった。
帰りのバスから見えた八ヶ岳は、すっかり晴れ渡り、すべての山域が見えていた。
今回の山行で歩いたルートを目で追い、八ヶ岳が今までより身近に感じた。
※やっぱり記録しておきます。ちょっと残念な話……ツアー参加者のモラル
(読みたくない方は飛ばしてください)
今回のツアーコースは健脚向けのやや難易度の高い内容で、あらかじめ宿泊用の荷物を背負ってのトレーニングをして参加するようにとの注意がありました。
参加者19人にツアーガイド3人の組み合わせで、通常なら先頭・中央・最後尾にガイドサポートが付きます。
前日に足慣らしの2時間ほどのハイキングがあり、ここで50センチほどの段差の斜面をガイドの手を借りないと上がれない参加者がいるのが判りました。
2回その光景を見て、誰もがこの人には今回のコースは無理だと分かりました。
どうするのだろう? ツアーによっては参加をお断りされる場合があります。
硫黄岳を目指す当日、その人も参加しました。すぐに遅れ、ガイド1人がつきっきり状態になりました。
つまり、残り18人の参加者に2人のガイドサポートの体制になったのです。
それから間もなく前列に入っていた1人が列から抜け、後尾のガイドと歩くようになり、先頭のガイド1人が17人の参加者を硫黄岳山荘まで引き連れる状態になりました。
後からの人達は、山荘に、40分遅れ、1時間遅れでの到着だったそうです。
結局、翌日の横岳、赤岳展望荘までもこの状態になり、
(1人にはガイドが荷物も持ち、カラビナ・スリングで岩場での補助もしたようです)
全員での赤岳登頂はあきらめ、赤岳登頂組14人に先頭ガイド1人の班と、登頂せずに地蔵ノ頭から下山する組の1人に専属ガイド1人の班、4人にガイド1人の班に分けました。
私は今回のツアー会社は初めての参加でしたが、常連の健脚者の数人を後尾に固めることができたので、この体制にしたのだと思います。
下山は、行者小屋に赤岳登頂組が先に到着した後、全員が合流。18人に1人のガイド、1人に1人の専属ガイドの構成になり、ガイド1人は先に下山して車を取りに行きました。美濃戸口までややバラけながら下山し、最後の1人は赤岳山荘から車で送られてきました。
だれでも体調が悪くなったりすることはあります。でも団体登山は参加者が協力し合うことで成り立っています。ツアーガイドを独占したいなら、自ら専属ガイドを雇うべきです。
同じような人がもう1人いたら、このツアーは破綻していたでしょう。
そんなモラルを持ち合わせていない参加者だということは言動からすぐに分かり、私を含めた他の参加者たちは、ちょっと厭な気持を味わいました。
その人はガイドさんに、今度参加するときは、もっと体力をつけてから来てくださいと言われていましたが、それにしてもよく歩けたものです。
(別の意味で感心し、ヘタレな自分を反省しました)
ツアー全体を仕切るガイド判断と基準は解りませんが、疑問を感じたのは私だけではありません。
それでも、今回の3人のツアーガイドさんの連携プレーとプロ意識、心意気に感心し、励まされ、登頂と山行を楽しめ、無事に全員下山できたことを心から感謝いたします。
私が2年前 このコースに行った時も5人でしたが 男性2人は途中でリタイアして地蔵の頭から先に下山しました。いつもはひとりなのでグループの大変さを実感しましたが 20人ともなるとさらにいろいろありますよね? 映画 <エベレスト3D> を見てきたばかりなのですごく重く感じました。でも皆さんご無事でよかったです。
sachiさん 長文にもかかわらず読んで頂いて、コメントまで…ありがとうございます。
私自身も読み返して、この時の山行を懐かしく思い出しました。
(我ながら、なんて長いんだこの文章は…。)
お天気が良かったら、もう少し印象が違っていたかもしれません。
八ヶ岳にまた行きたいナと思っています。
<エベレスト3D>は、マンガ「岳」の終盤に近い内容なのかな?と思いながらまだ見ていませんが、話題作のようですね!
宇連山と上臈岩のコメントで、sachiさんの「さん」を入力漏れしてしまい
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