幽ノ沢V字状岩壁右ルート(山岳会山行)
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- GPS
- 18:25
- 距離
- 12.4km
- 登り
- 1,466m
- 下り
- 1,361m
コースタイム
- 山行
- 13:54
- 休憩
- 4:42
- 合計
- 18:36
・携帯電池切れのためGPSログは西黒尾根登山口で終了しています。
天候 | 晴れ→曇り→晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
▶群馬県谷川岳遭難防止条例により危険地区内を登山する方は登山届け又は登山計画書の提出が必要になります。 (一般登山者は登山しようとする日の10日前までに、山岳会所属の登山者は登山しようとする日までに谷川岳登山指導センターへ提出。) ▶ルート状況(2022年9/11現在のものです。ルートグレードは参考にしたトポ図からで、あとは個人的な感想です。) ◆アプローチ(幽ノ沢出合〜カールボーデンの平らなところ) ・幽ノ沢出合〜カールボーデンまでは沢登りになるので靴はアプローチや下山でも履けるラバーの沢靴が良いと思います。(今回アプローチシューズは9人中2人) ・二俣下の滝の手前のナメ最後のところは細かいスタンスを拾って登りましたが滑るとドボンなので沢靴でない人は慎重に!(今回は残置フィックスもありそれも使えましたが、昨年秋には残置はなかったです。) ・二俣下の大滝は滝左側をフリーで登りました。滝上には終了点があります。後続メンバーには念のためロープを出してフィックスして必要な人はタイブロック等を使い登ってました。 ・二俣からは右俣へ。右俣は何本か直登するには苔むした滝があるのでサイドの岩や草付から越えていきました。 ・カールボーデンは平らなところまでは問題なく登れます。 ◆アプローチ(カールボーデンの平らなところ〜取付テラス) ・カールボーデンの平らなところから取付テラスまでは右俣リンネのラインの左にある傾斜のあるリッジ状を登っていきます。1・2班はこの傾斜の強いリッジ状の始まりからロープを出してアンザイレン開始して3Pで取付テラスまで登ってました。(終了点は1P目と2P目は複数残置の終了点を使用し3P目は取付の支点を使用。)3・4班はフリーで登りました。(体感グレード 掘 ・取付テラスは広くないので先行パーティーがいる場合は安定した場所で先行パーティーが空くのを待った方がいいです。(3〜4人で満員かな) ・今回、取付テラスは草に隠れていて見つけにくかったです。見逃し注意!!(中央壁右フェースルート取付の残置スリングの付いた支点がリッジ状の真上によく見えていて『そこが取付きテラス?』と間違えそうなので注意!) ◆幽ノ沢V字状岩壁右ルート(3級、検 【ルート全般】 ・リスはそれなりにあるのでハーケンは使えます。(易しいピッチは残置中間支点がほとんどありませんが、核心ピッチにはそれなりにあります。) ・前日までの数日の雨のせいか岩が濡れているところもありました。 ・参考にしたトポは大雑把であまりあてになりませんでした。(特にロープスケルと終了点が。) 【1P ルンゼを渡ってスラブをトラバースし、T2へ 掘60m】 ・トポ1P目60mの前半。取付テラスからトラバースして右俣リンネの流水溝を横切りリッジ上のテラスへ上がりピッチを切った。 ・特に問題なく登る。 ・取付はRCCボルト2つ。(ここは草に隠れていて見つけにくいので注意!!また上に中央壁右フェースルートの残置スリングの付いた取付支点があるので間違って登りすぎないように注意!!) ・残置中間支点は2つ。 ・ロープスケルは25〜30mぐらい? ・終了点については忘れたが、複数のリングボルトとハーケンの残置があったことは確か。 【2P ルンゼを渡ってスラブをトラバースし、T2へ 掘60m】 ・トポ1P目60mの後半。リッジ上のテラスからクライムダウンして要テラスまでトラバース〜右上。(クライムダウンする個所に残置ロープあり。) ・相変わらずクライムダウンが悪いがそれ以外は問題なし。 ・残置中間支点は1つ。 ・ロープスケルは30mぐらい? ・終了点は複数の残置ハーケンとリングボルト。 【3P 草付スラブ〜やや急なフェース 検40m】 ・トポ2P目。草付スラブを右上してフェースを登る。 ・残置中間支点はフェースに3つ。 ・フェースのスタンスは細かいがしっかり乗れるので問題なく登れる。 ・ロープスケルは30〜35mぐらい? ・終了点はハンガー2つ 【4P 草付スラブを左上〜右上 掘40m】 ・トポ3P目。草付スラブを左上すると右に残置中間支点が見えて気になるがそちらへ戻ると難しくなるので飛ばして良いと思います。ピッチ中間にある昔の終了点あたりからスラブを右上していきます。終了点手前のスラブは傾斜が増しほぼ垂直になるのでそこを直上せずに傾斜の緩い左を登り右へトラバースして終了点へ。 ・終了点手前のスラブの傾斜の緩い左の登りは岩が濡れて外傾していたのでランナウトして登っていた私はフォールしないよう緊張しながら登りました。 ・残置中間支点はほとんどありません。(草付で残置中間はよく見えなかっただけかもしれません。私はピッチ中間の昔の終了点で1つ取って登りました。) ・右上しないで直上すると残置中間支点が豊富にあるみたいですが、そこで多めにとっていくと4P終了点まで50mロープが届きません。(3班リードのKRさんは微妙なところで終了点を構築してビレイするはめになってました。) ・ピッチ中間に昔の終了点あります。(ここを3P目の終了点としてピッチを切れば次に4〜5P目を繋げて登れて5P目終了点までロープを伸ばせるかも。) ・ロープスケルは45〜47mぐらい? ・終了点はリングボルト2つ。 【5P フェースを右から巻いて垂壁下へ 掘20m】 ・トポ4P目。フェースを少し登って左のバンドへ。 ・特に問題なく登れます。 ・残置中間支点は1つ。 ・ロープスケルは8〜10m。 ・終了点は残置ハーケンが複数あるところ。 ・3班と4班は5〜6Pを繋げて登りました。 【6P 垂壁下を左に出て、ルンゼ 検40m】 ・トポ5P目。ルンゼを登り左のリッジに上がり最後にルンゼ抜け口のある右のフェイスを登る。ルンゼ抜け口のフェースはスタンス外傾していて濡れていたのでスリッブしないよう力が入りました! ・ルンゼは岩が濡れているところが多かったです。細かいですがスタンスが豊富にあるので問題なく登れます。 ・残置中間支点は豊富にあります。(核心のルンゼ抜け口手前にはハンガーも1つあります。) ・ロープスケルは40〜45mぐらい? ・終了点は残置ハーケン1つとリングボルト1つ。それと角岩にスリングでバックアップを取りました。(3班はここからもう少し上の残置ハーケン1つにハーケン2つを追加して終了点を構築してました。) 【7P フェース〜ルンゼ状チムニー 検30m】 ・トポ6P目。階段状のフェースからルンゼ状のチムニーを登る。出だしのチムニーはステミングで登り後半のチムニーは両脇の階段状を登る。(私は左側を登りました。) ・この日は後半のチムニーの岩が濡れていて1箇所チムニー状の抜け口で滑りそうでランナウトしていて怖かったのでちゃんと手前で中間支点を取りました。 ・残置中間支点は豊富にあります。(3班とピッチを切った場所が違ってたので3班フォローがビレイ中に私はランナウトしながらリードで登りましたが、上記のチムニー状の抜け口で滑りそうでリスキーだったのでちゃんと中間支点を取りました。) ・ピッチ中間に終了点あります。(3班はここで7P目のピッチを切ってました。) ・ロープスケルは25〜30mぐらい? ・終了点はルンゼ状のチムニーが終わったところの右に残置ハーケン2つ。(草で良く見えないので注意!!) 【8P 草付リッジを石楠花尾根へ 供80m】 ・トポ7P目の前半。終了点からフェースを登りレッジを左上して草付ルンゼへ移る。草付ルンゼを登ると尾根へ出る。 ・草付ルンゼの足元は段々になっているが泥なので滑る。また手がかりになる灌木がなく抜けそうな草を頼りに登るので微妙な登りになる。 ・残置中間支点はフェースに2つ。 ・ロープスケルは25〜30mぐらい? ・終了点は尾根上の岩肌にあった残置ハーケンが4つ。(尾根上は灌木も豊富にあるので灌木にスリングでも構築できる。) ・ここでロープを片付けても良いと思いましたが、念のためロープ出して次のピッチも登りました。 【9P 草付リッジを石楠花尾根へ 供80m】 ・トポ7P目の後半。灌木と岩の尾根を登る。 ・残置中間支点は無し。灌木でいくらでも取れる。 ・ロープスケルは30〜40mぐらい? ・終了点はハンガー1つ。(ハンガーでセルフビレイを取り肩絡みビレイでフォローを上げる。) ◆V字状岩壁右ルート終了点〜堅炭尾根 ・V字状岩壁右ルート終了点でアンザイレン解除。ロープや要らないギアはザックに片付けクライミングシューズからアプローチシューズ又はラバーの沢靴に履き替えました。 ・終了点から正面に見える岩峰は左から巻き、そこから薄い踏み跡の草付を登っていき岩に突き当たったら左から回り込み直上する。しばらく藪漕ぎすると堅炭尾根へと出る。 ◆堅炭尾根〜一ノ倉岳〜谷川岳〜西黒尾根 ・堅炭尾根から一ノ倉岳へは廃道扱いの中芝新道を登ります。熊笹が繁茂していて歩き辛く想定より1.5倍の時間がかかりました。踏み跡も微妙でルートどりも適当に登れそうなところを登りました。(夜間や霧などで視界不良の時は道迷いに注意!!) ・一ノ倉岳〜谷川岳〜西黒尾根〜谷川ベースプラザは一般登山道なので快適でした。 ※谷川岳登山指導センターの掲示板に中芝新道は廃道扱いとなっている書いてあります。笹が繫茂していて踏み跡がわかりづらいので夜間や霧などで視界不良の時に下山で使用する場合には道迷いに注意してください。 |
写真
装備
個人装備 |
クライミングシューズ
アプローチシューズ又はラバーの沢靴
50mダブルロープ×2
アルパイン用クイックドロー×5
ロックハンマー
ハーケン×1〜2
捨て縄
その他登攀装備1式
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共同装備 |
ファーストエイドキット
レスキューシート
ツエルト
特定小電力トランシーバー×2台1セット
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感想
9/11(日)は山岳会山行で幽ノ沢V字状岩壁右ルートへアルパインクライミングに行ってきました。当初は1・2班が右ルート、3・4班が左ルートに分かれて登る予定でしたが岩のコンディションや参加メンバーの希望で全班が右ルートを登りました。
Climbing
ヾ響
・今回の班編成は以下の通りです。
1班 Iさん、Tさん、KMさん(リード:5PをKMさん、6PをTさん、その他をIさんかな?)
2班 Yさん、Hさん(リード:奇数ピッチHさん、偶数ピッチYさん)
3班 Angel1215さん、KRさん(リード:1P・3P・5〜6P・8PをAngel1215さん、2P・4P・7P・9PをKRさん)
4班 ヤマパン、KRさん(リード:3Pと9PをKRさん、その他をヤマパン)
・前日の滝沢大滝と合わせて2日間とも長時間行動だったので体重も大幅に減ったんじゃないかと期待しましたが、家で測ったら1キロも減ってなくて愕然としました。。
・2P目出だしのクライムダウンでA0を1度した以外は岩が濡れていてもフリーで登れて良かったです。
・幽ノ沢は静かで良い場所ですが、堅炭尾根の中芝新道(廃道扱い)の荒れ具合が酷く、それが山行のネックになるのかなーと思いました。
・取付までロープを出して登ったこと、経験不足からくるルーファイ能力の低さ(残置支点を見つけることができる視野の広さや弱点を突くルートどり)、また登攀スピードの遅さ(残置支点が無くても登っていける登攀力)から時間が押してしまい堅炭尾根の中芝新道に合流したのは予定より2時間遅れの16時でした。一ノ倉岳までの道も想定より藪化していて予定よりも45分遅くれの17時45分着。一般登山道になる一ノ倉岳からは私を含めた他メンバー6人はペースが上がり4時間予定のところを3時間30分で下山完了。(Angel1215さんとHさんと最後尾を任せたSLのIさんは24時下山でした。)
反省
・今回の会山行はある意味アルパインクライミングの要素が詰まった有意義な山行だったと思いますが、登山計画書作成の段階で時間管理の読みが甘く夜遅くまでの残業になってしまいました。個人の力量の把握も大事だと感じました。
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