大天井岳~大天荘の小屋明けに~


- GPS
- 32:43
- 距離
- 24.5km
- 登り
- 2,344m
- 下り
- 2,345m
コースタイム
第一駐車場5:50-6:05中房登山口6:20-6:54第一ベンチ7:02-7:32第二ベンチ7:41-8:12第三ベンチ8:22-8:53富士見ベンチ9:06-9:37合戦小屋10:03-10:20合戦の頭10:25-11:12燕山荘12:10-13:05大下りの頭13:07-14:15切通岩14:20-14:38大天井岳東分岐14:38-15:24大天井岳15:25-15:35大天荘
29日
天荘荘7:45-7:58大天井岳8:00-8:34大天井岳東分岐8:35-10:00大下りの途中10:15-11:00燕山荘11:50-12:13合戦の頭12:13-12:25合戦小屋12:33-12:50富士見ベンチ12:50-13:10第三ベンチ13:15-13:33第二ベンチ13:33-13:47第一ベンチ14:01-14:23中房登山口14:23-14:31第一駐車場
天候 | 28日 くもりのち雨 29日 雨のちくもり時々晴れ時々雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
燕山荘までは、問題なし 合戦小屋以降、時々雪渓のある部分もありますが、きちんと整備されてるので問題ありません。 途中から冬道のコース 燕山荘から大天井岳までは、縦走路はほぼ夏道ですが、信州側に残雪があるため、ところどころ夏とは違う高瀬側を巻いたり、尾根上をたどったりする部分があります。間違って夏道に入らないようロープなどは張られています。 大天井岳の夏道は雪渓のトラバースがあるため、6/29現在は、冬道の直登ルートとなっていました。 視界がよく慎重に登れれば問題ないですが、視界が悪いとちょっとてこずります。(6/30の時点で夏道雪渓のトラバースをカットしていただいたようで、通過可能のようですが) |
写真
感想
今回は、大天荘の小屋明けに合わせて大天井岳へ行ってきました。
春先から予定していたものの、当日の天気は思わしくない感じ。
しかし、今回は小屋明けの大天荘に泊まるというのが第一の目的であったため、迷わず決行。
前日の夜から車を走らせ2時過ぎに梓川SAに到着し仮眠。
2時間強の仮眠で中房温泉に向け再出発。
5時半ごろ中房温泉に到着しました。
あいにくの天気のせいか駐車場もこの時間にしては、第一駐車場にもまだまだ余裕があり、そこへ駐車。
最終の身支度を整え、友人と待ち合わせをしている中房登山口へ。
一か月半ぶりの再会で、長い道のりなのでとりあえずのんびりとということで出発。
この時点では雨は降っていないものの、空は完全に曇っており、山は完全に雲の中です。
そのせいかこの時期にしてはかなり涼しい。
5月に来た時よりもずっと涼しく快適に歩けます。
景色は期待できないので、足元の花々に目をやりながら、ゆっくりと登ります。
まずは、合戦小屋のスイカを目指して。
各ベンチ間をだいたい同じ時間で通過し、ゆっくりですがマイペースで進んで行きます。
足元をよく見ているのでお花もよく見え、ギンリョウソウやゴゼンタチバナ、マイズルソウ、ほか名前のわからないものもたくさんありましたが、お花を満喫することができました。
富士見ベンチあたりまで来ると、休憩しているとかなり肌寒く感じるようになってきました。
この寒さではスイカは…、と思いながらも、やはりスイカを目指してラストスパート。
そして無事合戦小屋に到着。
何とかここまでは景色はほとんど見えませんが、雨に降られることなくなんとか。
お目当てのスイカが迎えてくれます。
涼しいこともあり、燕山荘で昼食と考えているので、ここはスイカを”はんぶんこ”
期待通りの甘さと水分で大満足。
ここから先への英気をやしないました。
そして出発と思いきやここで雨が降ってきました。
しかも雨具を着るかどうか悩む感じ。
とりあえずザックカバーだけつけ、歩き出したらすぐ暑くなってくるのが想像できるのでひとまず着ずに出発。
多少の雨はありますが、歩き出すと体も熱くなり、そこそこ気温も高いので雨は感じません。
ここから少し雪が残っています。
アイゼンなどは必要ありませんが、足を取られるので慎重に進みます。
途中で冬道へ。
尾根上を進みます。
視界がほとんどないので、ひとまず目指すゴール、燕山荘の姿も見えません。
なのであとどれだけ歩けばよいのか…。
しばらく歩くと目の前にそびえる階段が見えてきました。
記憶では燕山荘直下の階段だった気もしますが、違った時のショックは大きいので、まだ先があると思い進みます。
階段、急登を登っているとモーター音が。
間違いなく小屋です。
ホッとした気持ちであとひと踏ん張り。
今回は一応大天荘を目指す予定ですが、天気があまりにも悪くなってくるのであれば、燕山荘宿泊も視野に入れ、ひとまず燕山荘へ。
この時点ではガスはかなり出ているものの、ほとんど雨もなく稜線の風もありません。
景色が目当てであればこの先進むのもかなりためらうところですが、今回の目的は何度も言いますが、大天荘に泊まること。
燕山荘で昼食を食べながら、先の予定を考えることにします。
そして、以前から食べたくてなかなか食べれていなかったビーフシチューを注文。
スタッフにこの先の情報を聞きつつ、参考にします。
ビーフシチューをおいしくいただきましたが、一気におなかがいっぱいで体がかなり重く感じます。
外の天気と中の温かさ、ほっこりした気分にひたってしまうと「もうここへ泊る?」っていう気分になってしまいますが、今回の目的を思い出し、この天気の割にはまだ雨はそう降っていないし、風もなく、なんとなく明るいということもあり、目的地に向けて再出発することに。
身支度を整えようとしたところ、気づけば雨が…。
ちょっとテンションは下がりますが、今日の天気では予定済み。
この先も、情報によると「大天井岳の直下は冬道を通ってください」ということでしたが、それ以外はそう問題ないよう。
雨もほとんど降っていないので、歩き出したらすぐ暑くなるのはわかっているので、雨具なしで出発。
本当ならここから槍ヶ岳を見ながらの絶景の稜線歩きですが、あたりは真っ白でまったく見えず。
自分の歩く先が少し見えているだけでもありがたいという状況で進みます。
なので、足元に自然と目がいき、いろんなお花や植物がよく見えます。
ここからはたくさんのイワウメに本当に励まされて歩きました。
焦ってペースを上げ過ぎないよう、足元のお花にカメラを向けたりしながら、ゆっくりとでも確実に進みました。
そして、「こんなに立ち止まってたらなかなか進まないね」と言いつつ蛙岩に到着。
少しコースタイムよりは遅い気がしましたが、まぁ問題なし。
大天井岳直下の冬道がどれくらいかかるのか未知数ですが、そんなに遅くはならず到着できそう。
そしてそのまま進み大下りの頭に到着。
ここまでは順調です。
本来ならここから絶景が望めるので休憩スポットですが、太陽もなく、霧雨のようなガスに当たっていると少しの風でも寒く感じるので休憩にはふさわしくない場所。
いったん荷物を降ろして、肩を休め、水分補給だけして再出発。
しかしここからが想像以上に大変でした。
大下りを降りたあたりから、信州側のルートには残雪が多く残っているらしく、雪渓を歩くところや何か雰囲気が違うと思ったら、信州側のルートはロープが張られていたり、入り込まないように石が積まれていたりして、ルートを高瀬側へ巻いている部分や尾根づたいにアップダウンを繰り返すルートだったり。
このあたりに関しては事前情報がなかったので、ルート上にハイマツが覆いかぶさっている感じだったりで、「一応道っぽいけど以前使われていた道?」「本当にあってるのかな?」と思うようなルートをひたすら進みます。
相変わらずのガスで視界があまりないのが余計不安にさせます。
そして、ガスのような霧雨のような雨でハイマツを通るたびにビショビショになってきたり、土の部分の登りがヅルヅルになっているところがあったりと体力も精神力も一気に消耗していきます。
しかしこの稜線上は何度も歩いており、とにかく稜線づたいに歩いていれば絶対つくはずという気持ちで前へ進みます。
ここまで来たら行くのも引き返すのも時間が変わらないはずなので、もう先へ進むしかないという感じ。
今回二人で歩いていたのでまだ気持ちに余裕がありましたが、一人だったら引き返そうかなと思うタイミングが何回かありました。
しかし、時々合流する夏道で間違っていないという確信が持て、気づけば二人ともひたすら黙々と進んでいました。
時々、足元に見えるコマクサのつぼみやたくさんの花に励まされながら。
そして、視界が悪くぜんぜん気がつかなかったのですが、気づけば切通岩まで来ていました。
コースタイムよりは少し早く進んでいたようです。
ここでとりあえず一休み。
最後の未知の登りに備えます。
濡れた鎖やハシゴを慎重にこなし、まずは分岐を目指します。
そして分岐から夏ルートを過ごしあがったところから、冬ルートに入ると聞いていたのでそれを見逃さないように慎重に進みます。
少し歩くと分岐がありました。
きちんと分るか心配でしたが大丈夫でした。
しかしこのあたりから天気がますます悪くなってきているようで大雨が降っているわけではありませんが、風が少し出てきて太陽が弱くなってきているのか、体も濡れているせいかだいぶ寒く感じるようになってきたので、安定しているこの場所でまず雨具を着こみました。
冬ルートといっても思ったよりは踏み跡はあるようで慎重にスタート。
一歩一歩確実に進みます。
ところどころ分岐があり、どちらに進んだら正しいのかわからないところが何か所かあったもののとりあえず今日誰かが歩いている踏み跡のある方へ進みます。
あとで聞けばどちらでも合流するそうですが、このときはある意味必死です。
やはり視界がないというのはルート判断をするのを本当に難しくさせます。
ザレたところも慎重に登り、岩の横を巻き、ようやく少し先に一本の不自然に立っている棒が。
「頂上?」と一瞬思いますが、時計の高度計的にもまだ低すぎるし、かすかに黒い影がまだ先にもあるようでどう考えてもまだ先があるよう。
しかし、間違っていないという気持ちだけはもて、ともかくそれを目指します。
到着するとやはりまだ先はありそうですが、少し休憩。
ここで曲がるルートを誤らないための道標だったのでしょう。
標高で言うとあと100mくらい。
また同じような道を進んで行きます。
視界がないというのは本当に難しい。
近くまで来ているというのに、山頂の姿もまったく見えない。
急な登りを低木につかまりながら登りきるとここで燕山荘を出てから初めて、他の人に出会いました。
思わず普段ならほとんどそんなことは聞かないのですが「山頂はもうすぐですか?」と聞いてしまいました。
「もうすぐですよ」という言葉にホッとしました。
そして言葉通り大きな岩を巻いて少し登ると山頂の祠がかすかに見えました。
ようやく山頂。
大天井岳の山頂をこんなに遠く感じたのは初めてだったかもしれません。
ここからの景色が大好きで何度とここへは来ているし、絶景の見える時も何度もありますが、無事到着したことにある意味一番感動しました。
体が濡れていたので止まると寒いし、景色は当然何も見えないので、証拠写真だけ撮りすぐ大天荘目指して降ります。
少し下ると小屋裏の部分に大きな雪渓が。
ガスで視界がないので一歩間違えると迷いそうなところですが、ペンキで雪上に赤丸を印してくれていたので迷わず進めました。
そして15時半、ようやく大天荘に到着。
気づけば靴の中もなぜかベチョベチョ。
あったかい小屋に入り、支配人にごあいさつ。
とにかく無事到着できたことに満足でした。
こんな天気に、ある意味もの好きなどれだけの人がここまで来ているのだろうというところはありましたが、小屋泊まりの人が10名少し、テントも何張りかはありました。
いつもなら到着して、着るものを着替えてさっぱりしたらビールを飲みながらまったりというところなのですが、いつもより少し到着が遅かったこともあり、あっという間に夕食時間。
ワインを飲みながらのハンバーグの夕食におなかも大満足。
そのあとも悪天で外へ出ることもなく、時間は過ぎ、支配人や小屋の方たちともたくさんお話をしあっという間に時間は過ぎていきました。
夜中には、雷鳴や激しい雨の音がしており、無事戻れるか心配でしたが、朝になると小雨は降っているもののひどい天気ではなくなっていました。
しかし視界は昨日と同じ。
テンションは下がりますが、帰りを急ぐこともないので朝食を食べのんびり過ごしながら片付けたりしていると徐々に天気は回復しているよう。
7時半を過ぎ、そろそろと出発しようとしたら視界がかなり晴れてきました。
思わず慌てていろんな方面にカメラを向けてシャッターをきっていました。
青空も見え穂高方面は山頂までは見えませんでしたが、涸沢あたりまで見えてきました。
ここで、晴れた絶景で、keronnsさんと支配人と三人でランドネ風に記念撮影。
結局、唯一の晴れた写真でした。
7時45分に小屋を出発。
晴れていた一瞬も山頂に着くころにはまたガスに覆われており、またもや証拠写真状態に。
数日前に山頂直下で遭難騒ぎがあったようで、降りはじめを間違わないように慎重にスタート。
と思いつついきなり間違えてしまい、keronsさんに指摘されリスタート。
ここからは慎重に進み、前日登るときに下りのほうがかなり危険そうでしたが、何人かの先行者がいたことと、前日の雨で適度に地面がしまったことで思っていたよりは歩きやすく、上から見た方がルートもわかりやすく、そして前日より少しは視界が良かったことで、時間はかけましたが無事夏道に合流。
本当に視界が良ければ切り立ってかなrの高度感があって恐怖だったかもと思えるところもあったようには思いますが。
ここからは、前日歩いているのでなんとなくのイメージができているのでそう不安に感じることはなく、淡々と進みます。
相変わらずの雨具を着ようかどうしようかというような天気ではありますが。
そしてほぼコースタイム通りで燕山荘に到着。
今日は、ここでのケーキセットを一番の目的にしていたのでそれをいただきしばしほっこりタイム。
まだまだゆっくりしていたい気持ちはいっぱいでしたが、まだ先も長いので再出発。
小屋外で準備をしていると、高瀬側でなんとなく雷鳥の声が。
しかし姿をなかなか見ることができず。
一瞬岩陰では羽ばたいている姿が…。
しかしそれ以上は見ることができず。
そういえば今回このような天気だったので、景色は期待していませんでしたが、雷鳥だけは期待していたのに…。
気を取り直して出発。
またまた足元のハクサンイチゲや花々に目をやりながら歩きます。
合戦沢の頭までは雪の残っていることころもあるので、慎重に降ります。
それにしても、程よく溶けていて滑りやすい。
なんとか頭へ到着。
今回は槍の姿は全く見えず、恨めしい明るい空に後ろ髪をひかれつつ、降りだすと今度はこの空の明るさにして雨が。
雨具は来ていませんが、ここで止まって着るのも面倒なので、とりあえず足早に合戦小屋を目指します。
あっという間に合戦小屋に到着。
とりあえず屋根のあるところで、荷物をおろし雨具を装着。
そしてスタート。
すぐに雨は上がり、今度は晴れ間まで。
雨具を着るとだいたいこういう展開になります。
ただまだよく分らないし下りということもあり次の休憩ポイント、第三ベンチまではこのままで我慢。
かなり暑くなってきました。
富士見ベンチでも当然富士山は見えずそのまま通過。
そして淡々と下り第三ベンチ。
ここで雨具だけしまい、少しの休憩で次のポイント第一ベンチを目指します。
またまた足元に目をやり、お花に目をやりながら、何の花かなと考えながら降り、第一ベンチに到着。
ここで少しゆっくりと休憩し、最後の下りに備えます。
意外にこの先の下りが曲者で何人もこの先で転んだり、ケガをされているのを見てきているので十分に足を休めてから出発です。
慎重に慎重に降り、無事に中房温泉登山口に帰ってきました。
ここまで来るとなぜか恨めしいほどの晴天。
山の上は相変わらずガスの中のようですが。
駐車場で車を拾い、有明荘へ。
同じ大天荘泊まりで、道中も何度となく抜きつ抜かれつをしていた、以前のスノーシューツアーで一緒だったご夫婦と少しお話。
温泉で汗と疲れを流し、麓の蕎麦屋「くるまや」でお腹も満たしました。
今回は、初めての大天荘小屋明けの時期の大天井岳で想像以上にハードでしたが、やり切った感は大きかったです。
ただ、今度はもう少し楽な夏の季節、天気の良い時に大天井岳を目指したいと思います(笑)。
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