2022 LAKE BIWA 100
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- GPS
- 31:12
- 距離
- 178km
- 登り
- 11,982m
- 下り
- 12,179m
コースタイム
- 山行
- 13:34
- 休憩
- 1:24
- 合計
- 14:58
- 山行
- 13:36
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 14:46
天候 | 雨のち曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
LAKE BIWA 100
2年連続で出場、完走しました!
壮絶で過酷すぎるコースに冷たい雨と足裏痛の追い討ち。
それでも、去年のLBやshiga1よりも整備された快適なコースに、心休まる温かいエイド。
次のエイドまで行けば何とかなる。
それを繰り返し、無事にフィニッシュできました!
一晩寝て、あしラボさんの施術を受けたら逆走で希望荘まで行けるんちゃうかってくらいに足が軽くなりました。絶対行かんけど。
残念ながら去年の自分には勝てませんでしたが、今できることは全て出し切ったので悔いはありません。
いや、やっぱり悔しいかな(笑)
■前日まで
今回は、2週間前にBambi100mileで28時間動き続けるカラダの感覚を確かめ、1週間前にはA3余野公園からA6北白川小学校までの走れる区間で走る続けられる感覚を確かめました。
良い準備が出来たと思いますが、足裏の痛みが回復せず、下りで走れないのが辛かった。辛いというか、もどかしいというか、トレランの楽しみの半分は下りのトレイルだと思っていた私にとって、考え方を大きく変えないといけないのが、とにかくやるせない気持ちでいっぱいでした。
前日受付だったのでゴール地点の比良レークハウスの相部屋を予約しました。8畳に3名の超密状態と聞かされましたが、幸いにも2名部屋になったので、ぐっすりと眠れました。電子レンジや食器もついているので、来年は総菜を買い込んでチンすれば食事のバリエーションも広がりそうです。でも3名だったら辛いかも。
■当日
目が覚めると明らかに雨の音が聞こえる。しかも結構強め。テーピングは前日のお風呂上がりに全て済ませてしまっていたので、朝食を摂って着替えて準備は完了。スタート地点まではバスで2時間。この間も仮眠できる。1時間仮眠し、到着30分前にあんバターサンドとトレイルバーでお腹を満たす。レース気分も高まりイイ感じ。今回はエイドがshiga1並みに充実しているようなので、デポに入れた手持ちの食料は干し芋とトレイルバーくらいだったが、どんなトラブルが起きても食べられるチーズ蒸しパン(又はマーラーカオ)は入れていても良かった。スタート会場の選手待合室はホテルの大広間でゆったりできる上に、靴を脱がなくても良いのが嬉しい。丹羽さんの大会は細かなところまで選手目線だと改めて感じた。
■スタート(9:00/1位)
雨の影響で、スタート時間は9時から12時まで1時間ごとの選択制だったが、迷わず9時スタート。まずはトップ選手に食らいつき、5番手くらいでトップ選手の様子を伺う。雨は強く冷たいが、いきなり現れる急登で熱くなってきたのでレインを脱ぎノースリーブになる。
「河畑さん寒く無いですか?」
何と、福井選手から声を掛けられた。もしかして名前まで覚えててくれた!?と、舞い上がっていたが、ゼッケンがズレて後ろに向いているだけだった。
山頂付近は気温も低く、歩行区間が始まると再びレインを羽織る。昨年と違い、今年はコースマークがあって迷いにくい。とはいえ、通常のトレラン大会からするとコースマークもポイントにしかついていないので、トップ選手も立ち止まってコース確認する場面がある。道にさえ迷わず確実に進んでいれば、トップ選手との差はそれほど開かないのでは。などと考えていた矢先にロストした。他人の失敗を期待するなど言語道断。ここはレースに集中しよう。
先頭集団が見える位置ならロストも無いだろうと、超早歩きで喰らいついていたが、歩行区間が終わった途端に集団が見えなくなり、今年も独りぼっちで安楽峠に向かう。
■A1安楽峠(14:33/9位)
今回、順位は全く気にならなかった。足裏痛をいかに誤魔化し、完走することだけに集中したが、リザルトで順位が載っていたのでサブタイトルに書き留めておきます。
順位よりもショックだったのは、去年ここまで5時間だったと記憶していたので、30分以上も遅く到着したことだ。去年の自分には負けたくない。そんな気持ちが芽生えていたが、同時に下りが走れないと、こんなにもタイムロスするのかと思っていた。あとで振り返ると、タイムロスの原因は恐らくスタート地点の違いが大きかったので、ほとんど去年と変わりないペースで進んでいたように思う。
安楽峠ではエイドスタッフの方とおしゃべりしながら、ゴミ捨て、ペットボトル交換、おにぎり補給、淡々とやるべきことを消化していく。次のエイドまでは7kmだが、距離に騙されてはいけない。いよいよ進まない鈴鹿トレイルの核心部が始まる。しかも、雨足は強くなり、足裏の痛みで楽しくない下りがさらに難易度を増して慎重にならざるを得ない。Shiga1でお世話になったカロリーメイトジェルをザックに突っ込み鈴鹿へ向かう。
■A2鈴鹿峠(15:58/9位)
ここまで完全な一人旅。ペースが速いのか遅いのか、前に追いついているのか、後ろから迫られているのか、全く分からなかったが、鈴鹿峠で補給を済ませ、味噌汁片手にスタートすると、折り返しで2人の選手とすれ違う。
後ろがめっちゃ迫って来てるやーん!
焦りはしないが、追いつかれるのはイヤなので、急いで味噌汁を飲み干し、ペースを上げる。
それでも明らかに勢いが違う選手に追いつかれた。猛烈にプッシュされながら自分のペースも上がっていく。この区間はさらに走れない急登、激下りが続く区間なので、ヘッデンを使わず明るいうちに抜けたかったが、雨で日没が早く訪れ、ヘッデンの出番を迎えてしまった。ライトをつけると濃い霧で前が見えず、消すと暗くてトレイルが見えない。やっぱりコンタクトにすればよかったな。準備の時に迷った作戦が裏目に出始めた。後続選手が余りにもピッタリついてきて引き離しも抜かれもしないので、言葉を交わしていると、かなりの実力選手だった。この区間で先行選手を何人かパスしたので、プッシュされながら引っ張ってもらったようなもんだ。
■A3余野公園(18:53/7位)
初めてのデポバックエイド。雨足も弱くなり、靴を履き替えるか悩んだが、この先の東海自然歩道は、先週の試走の時にも田んぼのようなヌカルミに飛び込んだ場所で、紫香楽宮跡の先には岩場の渡渉もあるのでここでは変えず、徹底的にドロドロにして田上枝公園で履き替えようと決める。手袋もドロドロだったのでトイレの水道で洗うが、泥水が抜けない。手袋がボロボロになることは織り込み済みだったので、100均のグローブに指先だけ切って使っていた。ここから先は手袋も不要なので、捨てても良かったのだが、必携品なのでザックにそっとしまっておいた。椅子に腰かけ、暖かいカレーをいただいてしっかりと補給する。しかし、食べ過ぎは厳禁。前回の二の舞で、インスリンショックで眠くなる。固形物を定期的に少しずつ。それを大会中は一番意識した。
ピッタリ一緒だった後続選手と2人同時にエイドインして、同時にエイドアウト。ここから紫香楽宮跡までの約3時間半ずっと並走した。言葉を交わす場面も少なく、淡々と、黙々と距離を消化していく。次のエイドで何をするか、補給は足りているか、体の状態はどうか。などと色々考えていると、分岐個所を見落とし、ロードを直進してロストしそうになったが、「こっちですよー」と声を掛けてもらう。2人だと心強い。結局、紫香楽宮跡までで4回もロスト未遂を助けていただいた。
■A4紫香楽宮跡(22:24/7位)
ここまで順調にロードは全部走り切れたが、このあたりから少し胃の調子が良くないことが気になり始める。補給が足りているはず。何が足りないのか。少し胃がムカムカする。
「親子丼ありますよー」
Shiga1で食べられなかった念願の親子丼。もちろんいただく。椅子に腰かけ、靴を脱ぎ、少しリフレッシュしていると、後続選手がドドドドっとやってきて、ササっと出ていった。まさかのごぼう抜かれ。でも落ち着いて親子丼をいただきながら、食後のコーヒーを愉しむ。このコーヒーもshiga1でお世話になった「でこカフェ」の極上コーヒー。美味い!もう一杯!コーヒー片手にチョコレートで当分補給。すっかり寛いでいると、ここまで並走してきた選手からも「先に行きますね」と声を掛けられ、一人置いて行かれた。ここからまた一人旅が始まる。
ロードが終わり、不動寺までの長い林道が始まる。前半戦ラストの山場だと考えていたこの区間。絶対に歩かないことを決めていた。案の定、先に出た選手に追いつく。しかし、ここで追いついたのは一人だけ。何人か抜かせるかと思ってたが甘かった。皆さん強い。
不動寺の水場で顔を洗ってリフレッシュするも、やはり胃の調子がよろしくない。何だろう、何かが足りない。でも、経験をしたことがあるこの不調。この時はまだ気づかない。エイドごとにMAGMAは摂取していたのに、効き目が薄いような感覚だった。何が効くのか、ガスター10か漢方胃腸薬かで迷う。これまで、ガスター10を飲むと余計に気分が悪くなっていたのだが、何となくガスター10が効くような気がして飲んでみるとムカムカがピタッと止まった。やはり何かいつもとは違う。
■A5田上枝公園(1:51/8位)
真っ暗な空にお月様が輝く。雨はやんでいた。ビシャビシャでドロドロになった靴を脱ぎ、トン汁とおにぎり、お白湯をいただく。抜き打ちの必携品チェックをクリアして、靴下を脱ぐ、ボロボロのテーピングも付け替えたかったが左足は特殊テーピングだったので、そのままタオルで乾かして新しい靴下に履き替えた。
前モモとふくらはぎにはPRローションを塗り込み、ポールを出して準備完了。
今回、ポールは使用しないつもりだったが、音羽山と長等山の登りはポールを使って少しでも足裏のダメージを減らす作戦に変更した。
このエイドで靴も靴下も履き替え、ポールスタイルで気分一新、カフェインの錠剤も投入して1番眠い区間へ突入する。
■W1長等公園(5:14/9位)
頭では理解していたが、この区間はやっぱり眠い。長等公園エイドで何を補給するか考えていた時にようやく胃腸がムカムカする原因が分かった。アミノバリューを摂りすぎて胃が酸化していたようだ。基本的に固形物をモグモグ作戦だったので、不足するミネラルをアミノバリューに頼り過ぎて飲み過ぎた。2019年のUTMFでもメダリストのドリンクを摂りすぎて同じような不調に陥ったくせに反省が活かされてない。
原因が分かれば何となくスッキリ。アミノバリューを少し炭酸で割ってのみやすくしながら適量を摂っていく。
逢坂山から夜明けの琵琶湖を見渡し、大文字山で朝の京都を一望する。昨年と全く同じ時間帯に同じ箇所を通過しているようだ。昨年と違うのは足裏が痛いことと、極端な睡魔を感じないまま朝を迎えたこと。まだ攻める気持ちが切れていないのは大きな成長だ。去年との違いは気持ちだけではなく、ポールを使っているということ。shiga1の時のリズムを思い出し、淡々とトレイルを消化できている。
大文字山山頂付近ではマーキングが取られていることが多いと聞いていたが、分岐箇所でハイカーには気づかれない位置に絶妙に配置されていたためか、割と多い印象だった。
1箇所だけマーキングを故意にずらされたところがあって「酷いことするなー」と思ってたが、大文字山付近のハイカーさんからは「頑張ってー」とか、「蓬莱山まで行くんやろ、すごいなぁ」などと優しい声をかけていただいた。
■A6北白川小学校(7:16/9位)
少し便意があったので、思い切ってフンバって見ることにした。
仕事で小学校を現場事務所として使っていた時、トイレは和式でしかも便器は小さいイメージがあったのだが、予感は的中。かなりのコントロールを試される上にここまで走ってきた太ももは悲鳴を上げている。
しゃがんだ瞬間、ものすごい勢いでモグモグしてたモノたちが飛び出していく。小さい便器に溢れんばかりの会心の一撃でスッキリ。禊ぎを済ませたところで比叡山へ向かう。
比良比叡トレイルは無限回廊と称されるほど同じような景色が続き長く感じる。と、言われているが、去年は丹波さんとのデッドヒートを繰り広げ、自分ではあっという間に終わってしまった印象だった。今年は、長いっ!単調な上りに睡魔まで襲ってきた。ヤバい、ここでペースダウンはしたくない。と、思っていた矢先、先行選手が見えた。がぜんヤル気アップ!それまでフラフラだった体が突然動き出し、下りも軽快に走れ始めた。先行選手をパスした後も、ポールを使ってshiga1の時のような上りと下りのリズムを奏で始めた。ようやくフィーバータイム突入。今年も還来神社のご利益をいただきました。
■A7還来神社(12:21/8位)
一礼をして境内に入る。ここまで還って来られたことに感謝。なぜか涙が溢れてきた。
ここからまだ激登りがあるのだが、何の不安もない。ポールはここで置いていく予定だったが、shiga1のリズムでフィニッシュまで行けそうだったので一緒に行くことにした。
補給を済ませ、PRローションをヌリヌリ。今回は完全なノーサポでしたが、エイドでは落ち着いてやるべきことができたと思う。
さて、出発しようと本殿へ参拝へ向かうときに後続選手もエイドを出ようとしていた。「すぐ追いつかれるでしょうね〜」と言ってみたものの、絶対に抜かせないというモチベーションになって最後まで集中できた。
二礼再拝一礼
還来の神様に感謝を告げて、いざフィニッシュへ。
■比良レークハウス(16:13/7位)
こんなに登ってたっけ?というくらいの登りに差し掛かる。気を抜けは後続選手がやってくる。ここまで来て抜かれるのは嫌だ。権現山を一気に駆けあがろうと出力アップした時に下りのハイカーさんとすれ違った。
「何や、若い子ばっかりかと思ったら年寄りもおんねんな。」
はい、おっさんNo. 1を目指します!
稜線は強風、最後にレインを羽織ることになるとは。これまで巡ってきた山々を眺めながらカメラマンを探す。去年はここで良い写真をたくさん撮っていただいた。しかし、今回は強風で寒すぎる。さすがに居ないかと諦めかけた時にシャッターを切っていただいた。寒い中ありがとうございます。
蓬莱山頂には誰も居なかったが、ここからの下りが最後の勝負ポイント。どこまで続くねん!というガレ場の下りを、脳みそをオフにして淡々と消化していく。林道が終わり、もうすぐロードというところで女子トップの方に追いついた。トラブルで足を引きずっていたが、どうすることもできなかったので「スミマセン、先に行きます」と言って先行させてもらった。この時に「たぶん7位ですよ」と伺ったので、この先のロードも走るしかないな。覚悟を決めて、走り切ってゴール。そういえば、大会で歩いてゴールしたことは無い。最後くらいは走ってフィニッシュしたい。
フィニッシュゲートでは丹羽さんがゴールを迎えてくれて「安定した強さですねー」と(私のことを覚えていてくれて)お声がけいただいた。嬉しい。
しかも、2位でゴールした福井選手からも「ゴール動画撮ったので後で送りますね」とお声がけいただいた。スタート直後に「寒く無いですか」と声かけていただいたのは、ゼッケン見たんじゃなくて、ちゃんと選手として認知されていたのか。ミーハーな私としたら舞い上がるくらい嬉しい。
100mileレースは苦しいが、フィニッシュした瞬間から思い出が美化されて楽しかったと思えるから不思議だ。
特に丹波さんの大会は、スタートの待機で靴を脱ぐ必要がなかったり、エイドでのマスク着用義務が無かったりと、選手目線で合理的な対策だし、アフターのBBQや参加賞、デポバッグ、完走パーカーもブランド品で使い勝手が良いので、ホントにこの参加費で良いの?と心配になるくらい充実してる。
この充実感でコースの厳しさを忘れて来年もポチっとエントリーして苦しむんやろなー。どうせ出るからには万全の体調で挑み、自己ベストを更新したい。
今年もありがとうございました。
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