朝日連峰〜縦走路はガスと強風、えっ!サイフがない!
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- GPS
- 33:45
- 距離
- 32.3km
- 登り
- 2,781m
- 下り
- 2,613m
コースタイム
5:35 大鳥登山口
6:35 冷水沢橋
7:21 七ツ滝沢橋
7:33 七ツ滝沢水場
7:59 七曲水場
8:21-9:30 大鳥小屋(タキタロウ山荘)
11:10 三角峰下水場
11:42 オツボ峰 (御坪峰)
12:50 以東岳
14:17 中先峰
14:57 狐穴小屋
7/23(水)
5:30 狐穴小屋
5:52 三方境
6:10 北寒江山
6:33 寒江山
6:42 南寒江山
7:37 竜門山避難小屋
8:00 竜門山
8:55 西朝日岳
9:57 中岳
10:10 金玉水
10:35 朝日岳
10:55-11:19 大朝日岳山頂避難小屋(大朝日小屋)
11:44 銀玉水
13:28 古寺山
13:47 三沢清水
14:11 ハナヌキ峰分岐
14:14 一服清水
15:17 古寺鉱泉
天候 | ガスと強風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
下山は古寺鉱泉から居合わせた方とタクシー相乗りさせていだきました。1時間くらい、11500円くらいでした。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
※登山口〜大鳥池 ずっと沢沿いの道です。草につゆがついているのでだいぶぬれてしまいました。小沢がたくさん流れていたり、水場があったりするので、水は持たなくてすみます。最後はジグザグの登りになって平らになると間もなく大鳥池です。 ※大鳥池〜以東岳 大鳥池からは急坂。周りがまったく見えないのでとにかく我慢です。そのうち大鳥池が見えてくると開けてきて花があらわれます。水場への分岐がありますがここは未確認。オツボ峰は気づかず通り過ぎてしまいました。あとは晴れていれば眺めのいい稜線を登っていきます。姫小百合もたくさん咲いていました。 ※以東岳〜狐穴小屋 以東岳の小屋は緊急のときは泊まれるみたいです。以東岳の下りは、砂礫の道とハクサンイチゲやニッコウキスゲのお花畑が交互にあらわれる感じですが、道が分かりにくいところもあります。ペンキの印に注意です。下りきると草原が延々と続きます。最後に、大きな雪渓を渡ります。ロープが張ってあるのでつかまりながら渡りました。特にアイゼンはいらないと思います。※狐穴小屋〜大朝日岳 いくつものピークを越えて行きます。特に問題のない道です。雪渓など渡るところもありませんでした。金玉水は使えないそうです。雪渓の水ならあるそうですが。狐穴小屋にも竜門小屋にも水が引かれています。ビールもありますが、高い! ※大朝日岳〜古寺鉱泉 よく歩かれている道なので問題ありません。銀玉水の上の雪渓は完全に夏道が出ていました。銀玉水は登山道のすぐ下にたくさん出ています。古寺山の下の2箇所の水場も豊富に出ていました。 |
写真
感想
7/21(月)
新幹線で新潟へ。そして新しくなった「いなほ」で鶴岡へ。海がきれいでした。駅で1時間待って、バスで大鳥に向かいます。宿の夕食にはびっくり。ならんでいるのが山菜や天ぷらや肉の焼き物など。これだけでも十分なのだけれど、イワナの塩焼きだの生牡蠣だのが次々に出てきました。狐穴小屋の小屋番さんに聞かれました。「カキ出た?」「出ました!」「今年初めてだ!」小屋にやってくるみんなに聞いているようです。
7/22(火)
5時に出発。お弁当をもらって車に乗ります。やっぱりかなりすごいガタガタ道です。30分かかりました。ほかに車は1台だけです。5時半に出発。もうひとり今日同じ小屋まで行く人と出発します。沢沿いの道はアジサイがいっぱい咲いています。草につゆがついているのでだいぶぬれてしまいました。途中の沢で足をすべらせてドボン。今回の悪いことの事始だったようです。1つめのつり橋まで1時間と少し。少し休んで30分で2つ目のつり橋。ぶなの林を少し登って、ジグザグの登りになります。水場がたくさんあるので水筒は必要ありません。
大鳥小屋のベンチで朝食のおにぎりを食べます。そして、ここで気づきました。えっ!サイフがない!。荷物を何回も調べてもない!落とした?そんなはずはない!宿のフロントで清算するときにはあった!そうだ、フロントのところだ。それとも車の中か?あれだけ揺れたから。どうしよう。無一文で山の中!
冷静になって考えます。電波は通じていません。
1、ここから歩いて戻る。
2、大鳥小屋の人に連絡を取ってもらう。でも、小屋にはだれもいないようです。
3、後から来るであろう人にわけを話して何とか力になってもらう。(ちょっとずうずうしいかもしれませんが。)
とにかく、下るまでの食料などは全部持っているし、必要なのは山小屋の協力費だけだから、とにかく3を第一候補に考えようと考え、待ってみることにしました。すごく時間が長く感られました。事情を話すと帰るまでかかるであろう費用を貸してくださるとか。よかった。何とか行けるかもしれない。京都のJさん、本当に、本当にありがとうございました。このご恩は一生忘れません。
とにかく、先に進みましょう。大鳥池からは急坂です。周りがまったく見えないのでとにかく我慢です。それでもだんだん木が低くなりガスの中から大鳥池が見えてきました。でも上のほうはガスっているみたいです。最初のヒメサユリも見つけました。開けたところになり少し下ります。ここで第2の事件です。車石に乗って転んでしまいました。左手から落ちたようです。大丈夫か?。まず、足は大丈夫そうです。骨折などもなさそうです。手の平をすりむいてしまって血が出ていますが、あとは大丈夫なようです。まださっきのことで動揺しているのでしょうか?慎重にいきましょう。
チングルマが咲いています。でもその先はガスの中です。水場への道標を過ぎ、少し先がオツボ峰ですが、なんとなく通り越してしまったようです。その先の鞍部が以前マツムシソウがきれいだったところらしいのですが、ニッコウキスゲとハクサンイチゲが少しまばらに咲いているだけです。通り越して以東岳へ登ります。このあたりヒメサユリがたくさん咲いています。そして写真を撮ったついでにスマホを見てみると、電波が通じています。さっそく電話番号を調べて、宿に電話してみます。何回か途切れたけれど、サイフは車の中にあったとか。やっぱりあの車の揺れでポケットから落ちてしまったんだ!よかった。これで1つ解決。
以東岳からは風が強くなってきました。砂礫の道を下っていくのですが、風で飛ばされそうになります。ハクサンイチゲやニッコウキスゲがたくさん咲いていますが写真を撮る余裕なんかありません。そのうち少しガスが切れてきました。そろそろ疲れてきたので登り返しがつらい。最後に大きな雪渓をロープにつかまりながら渡ると、ガスの中に狐穴小屋が突然現れました。いろいろあったので疲れきった感じです。
1回のはじっこに場所をとってしばらく休憩。そして夕食。お金を借りた京都の人はまだ来ません。フリーズドライのパスタとカレーのかんづめ、そしてワインです。小屋番さんが飲みましょうというので一緒に飲みました。ネイティブの山形弁スピーカーなので話が良くわからないときもありましたが、楽しいひと時でした。けっきょく京都の人は来ませんでした。連絡先は小屋についてからということだったので困りました。どうやって連絡しようか?
7/23(水)
少し明るくなってきています。手早くパンとスープの朝食です。するとなんと昨日の京都の人が現れるではありませんか。すぐ近くでビバークしていたとか。大変だったんだ!まずは住所などを伺って再度お礼を言って出発します。周りが良く見えます。草原の山並みと遠くの山の雪渓と小屋と。どんどん登っていくとさらに遠くが見えます。以東岳の山腹あたりまで見えてきまし。ところが北寒江山の山頂から先に進むと再びガスと強風です。このあとずっとガスと強風の中です。途中花だけが慰めでした。竜門小屋で休憩して再び出発です。竜門岳を越え西朝日までの登りが一番風がひどくつらかったです。中岳は巻いていきますがこのあたり再び花が多くなってきました。晴れていればいいんだろうなあ。金玉水の分岐から登っていくと大朝日の小屋です。荷物をおいて山頂往復。そしてだれもいない小屋の前で昼食です。
さあ下ろう。下っていくとガスが切れてきました。でも山頂は雲の中です。眺めが良くて気分のいい道です。ヒメサユリも咲いているのですががもう終わりかけです。少し下って登り返すと小朝日の分岐です。もう疲れました登らずに巻き道を行きます。その先最後のヒメサユリです。いつもはもうとっくに終わっているのだそうです。今回、人の親切とヒメサユリに救われた感じです。
古寺鉱泉に着きます。さあ、ゴールだ!さっそく入浴を頼みますが、もうすぐ団体が来るのでということで断られました。しかたない、そこで、タクシーをたのむと、今行った人と相乗りをしてはどうかというので、車道のところまでいってお願いします。横浜から来られた2世代4人の山行の方々です。快く承諾していただきました。おかげで助かりました。ありがとうございました。出発すると、すぐに団体を乗せたバスがやってきました。「ゆったり、大朝日岳」などと書いてあります。まるで、バスの正面に水戸黄門様の印籠を掲げているようです。なるほど、これがくるのか!これにはかなわん!
ということで、とんでもない山行になってしまいました。でも、みなさん、本当にありがとうございました。教訓!
「お金は、予備を用意しておく!」みなさんもお気をつけください。
長々と書いてしまいました。最後までお付き合いありがとうございました。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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朝日は竜門山以北は未踏なので、地図を横手に興味深く読ませていただきました。
トラブルの中で無事に縦走できて何よりでした。
袖擦りあうも多少の縁と言いますが道中良き方々と出会われたのは日頃の行いの良さでしょう。
matchさん、こんばんわ。
今回は、ちょっと参りました。
でも、本当に親切な人とめぐりあうことができたことはラッキーでした。やっぱり、ソロで全てを背負って歩くような人って、他人にも優しくなれるのでしょうね。自分もそうありたいと今回つくづく思いました。
私も竜門から以東の間は歩いたことがなかったので、今回の挑戦となったのですが、天気には恵まれませんでしたが、まあ少しだけ眺められた時間帯があったので、良しとしましょうと思っています。このあたりは、大朝日付近より、もっとゆるやかな草原や笹原の尾根が続く感じです。不思議とヒメサユリはありません。悪天候のせいもあるのでしょうが、小屋意外の稜線で会った人は刈り払いの小屋番さんだけというのもスゴイ!
まあ、花はたくさん咲いていたので、今度は草紅葉でも見に行きたいですね。
tsu-pmさま
京都のjtmskです。
あの強風のなか、一日で狐穴から古寺まで下られたのですね!写真もたくさん撮られて・・・、すごいです!
今になりましたが、You Tubeに動画を上げました。
「朝日連峰 以東岳へ」
http://youtu.be/bhhSKIvwoA0
「朝日連峰 寒江山から日暮沢へ」
http://youtu.be/4z_8tXoLv_E
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