槍ヶ岳へ【表銀座縦走】
- GPS
- 80:00
- 距離
- 35.9km
- 登り
- 2,738m
- 下り
- 2,669m
コースタイム
- 山行
- 4:30
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 5:00
- 山行
- 5:30
- 休憩
- 1:50
- 合計
- 7:20
- 山行
- 7:30
- 休憩
- 0:50
- 合計
- 8:20
天候 | 8/11 雨のち曇り 8/12 雨・強風→夕方晴れ 8/13 晴れ 8/14 雨・曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2014年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
穂高駅無料駐車場へ駐車(入口に中房温泉行きバス停あり) 始発バスで中房温泉へ(前日の台風の影響で40分くらい?遅れ)1,700円 帰り 上高地バスターミナルからバスで新島々駅へ 新島々から電車で松本へ(バス電車セットの乗車券2,450円) 松本から大糸線で穂高駅へ(320円) |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山ポストは中房温泉にあります。 中房温泉〜燕岳 急登ですが、とてもよく整備されていて危険箇所なし。30分毎にベンチがあるのでとても登りやすいです。 燕岳〜西岳 表銀座縦走路。晴れていれば槍ヶ岳を見ながらの最高の稜線歩きが堪能できます。 西岳方面へ行くには、大天井岳を経由しないで巻道(鎖場あり)を通って大天井ヒュッテへ行ったほうが近道です。(私は強風が怖かったので大天井岳を経由しました。) 西岳〜槍ヶ岳山荘 東鎌尾根。 西岳ヒュッテから1時間程下った水俣乗越からは、槍沢へ下れるエスケープルートがあります。 東鎌尾根は鎖・はしご・岩場の上り下りが連続します。ストックは仕舞って、落石・滑落などに注意しながら槍を目指します。 長いはしごの下りは見た目は怖そうですが、三点支持を守りながらゆっくり下れば大丈夫。途中足が置きづらいステップもありますが、落ち着いて確実に足を掛けてから手を離すを繰り返せば無事地面へ到着できます。 ヒュッテ大槍に着くとホッとしますが、ここからの登りもまだはしごと岩場が続きます。最後まで気を抜かないで! (1週間ほど前に滑落事故があったようです。) 槍ヶ岳 山荘から往復で1時間程。混んでいればもっと時間が掛かるかもしれません。 基本的に登りと下り道は分かれており一方通行ですが、途中道が交わる箇所もあるので譲り合って下さい。槍ヶ岳山荘でヘルメットの貸し出しあり。(山頂往復500円) 槍ヶ岳山荘〜上高地 長い長い下りです。 雪渓は途中2箇所ありました。最初の雪渓を横断する所は踏み抜き注意。 距離も短く傾斜もゆるいのでアイゼンなしで下れました。(心配な人はストックがあると安心。) 槍沢ロッジから先の道は、雨の影響で泥だらけの箇所が多かったです。 バスターミナルの横に靴洗い場があったので助かりました! |
その他周辺情報 | 下山後の温泉は、穂高駅駐車場から車で15分ほどの「しゃくなげの湯」へ。 町営施設なので狭いですが格安で温泉入れたのでラッキーでした。 (入口の料金表には大人410円と書いてありましたが、なんと210円で入れました!夜だったから?) 外来入浴受付は20時まで。 |
写真
装備
個人装備 |
Tシャツ
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
日よけ帽子
着替え
靴
ザック
ザックカバー
サブザック
行動食
調理用食材
飲料
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
予備電池
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
タオル
ストック
カメラ
テント
テントマット
シェラフ
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感想
山登りを始める前、たしか4年前だったと思います。
初めて上高地へ旅行してその自然の美しさに感動し、観光の定番明神池までトレッキングに行きました。
その時、明神館の前で休憩している登山者の姿と「横尾・槍ヶ岳」の看板を見て、槍ヶ岳がどこにある山なのかもよくわからない私は、「この人たちはみんな槍ヶ岳へ登るんだ。すごいなぁ。」と単純に思っていました。
その時から私にとって「登山=槍ヶ岳」というイメージに。
そんな私が富士登山をきっかけに山登りを始めて3年目。
ようやく憧れの「槍ヶ岳」へ挑戦することになりました。
槍ヶ岳へ至るルートは色々ありますが、今回は一度登ったことのある燕岳からの「表銀座ルート」を、2泊3日でテント泊をしながら縦走することに決定。
8月のお盆休みの中で、天気の良い日を選んで決行することにしました。
ところが台風の影響で、お盆の天気は二転三転。
なんとか台風一過で晴れそうな8月11日と12日に期待して、早朝穂高駅の駐車場へ向かいましたが、なんと中房温泉行きのバスが前日の雨量のために道路の点検が終わるまで運休のお知らせが!
まあ、もう雨も止んで晴れているし、バスはいずれ動くだろうとこのまま待ちます。
今日中に大天井へ行けないことも仮定して、一応3泊4日分の食料を持ってきています。
そして他の始発組の方たちと待つこと40分。なんとかバスが動き出しました。
中房温泉の登山口へ着くと、なんと雨が降っています!
しかし時折薄日も差すので、「きっと山頂は晴れているんだろう。だって天気予報では今日明日は晴れだったし。」と楽観的に考えて出発しました。
ところが標高を上げるにつれて雨脚は増し、風もだんだん強くなり、途中の合戦小屋では楽しみにしていたスイカを食べる気力も無くすほど寒さに震えることに。
燕山荘へ着いても雨は降っていました。
時間的には大天井へ行けそうですが、悪天候の中稜線を歩いても楽しくなさそうなので、明日の天気に期待して今日の行動はここまでで終了。
雨の中のテント泊は心が折れるので、燕山荘へ泊まることにします。
思いがけない「初小屋泊」!でも去年の燕岳登山の時から「初小屋泊は燕山荘」と決めていたので問題ありません(笑)
心配していた部屋ですが、6人部屋を3人(私+女性2人組)で使うことができたので、とても快適でした!
同室の方達は明日は常念へ縦走するとのことで、お互い天気の心配をしつつ就寝しました。
次の日は、期待もむなしく朝から雨と強風…
「台風一過ってなんだったの!?」と憤っても仕方がないので、とりあえず雨具を着けて出発します。
燕山荘の最新天気予報だと「明日は風も弱まり晴れ間もみえる」とのことだったので、今日はヒュッテ西岳に泊まり、明日天気が良かったら槍ヶ岳を目指し、もし天気予報がはずれて雨だったら水俣乗越から下山することにしました。
横殴りの風と雨の中をなんとか進み、大天井ヒュッテへのまき道へ行こうとすると、前から来た男女2人組の方が、「この先は風が強すぎて進めそうもないので戻ってきた。」と教えてくれました。
西岳へ向かうには大天井岳を経由するよりヒュッテへの巻き道を使うほうが近道ですが、たしかに地図では「鎖場あり」となっているので、雨と強風の中危険な道を行く自信はありません。
遠回りになりますが、私もお二人に習って大天井岳経由でヒュッテへ向かうことにしました。
山頂の大天荘では様子をみるためにしばし休憩。お昼までこの強風のままだったら、今日はここに泊まろうと考えながらストーブにあたって濡れた服を乾かしました。
同じようにストーブで温まっていた他の方達が「稜線歩きってもっと楽しいと思ってたのに。この天気じゃまるで修行みたいですよね。」と言っていたので、「本当にそうですよねー。私なんかテント持ってきて小屋に泊まってるんですよ。重りを持ってトレーニングかっていう感じです。」というと「私達もですよー!」と盛り上がりました(笑)
1時間半程山荘で休憩して外を見ると、少し風が収まっています。
時間は10時半…西岳まで充分行ける時間なので、暖かい山荘から出るのはつらかったですが、重い腰を上げて出発することに。
大天井ヒュッテまで下ると、西岳方面から来た方がいたので道の様子をお聞きしました。
「西岳までは危険な道はない。ただし槍側の稜線は風が強いので気をつけて。」とのことでした。
たしかに信州側の道は風はなく、稜線に出ると強風の繰り返しで、なんとかヒュッテ西岳まで到着しました。
今日もテントはやめて小屋泊にします。(乾燥室が使えるのがありがたい!)
そして夕方ー。
天気が回復してやっと槍ヶ岳の姿を見ることができました!
他の方達もみんなカメラを手に外に出て、間近に見える槍ヶ岳と穂高連峰の姿に「すごいね!」「登ってきてよかったね!」と写真を撮りながら大感動でした。
西岳のテント場には何張がテント泊をされている方がいて、槍ヶ岳の目の前の絶好のロケーションを楽しんでいました。
「いいなぁ。こんなに晴れるなら私もテントにすればよかったな…」とちょっとうらやましく思ったり。
その中の一人のお兄さんとお話させていただいたのですが、この方は1週間くらい掛けて槍・穂高全部をテント泊縦走するとのこと。明日は槍から大キレットを越えて北穂高まで行かれるそうで、なんと寝袋なしで荷物を軽量化。濡れた服も木の枝に引っ掛けて「風が強いのでこうやって乾かします。」というなんともワイルドな方でした。
そしてついに運命の3日目ー。
予報通り、朝から晴天!風もなし!
絶好の槍ヶ岳アタック日和です。
昨日は19時に寝て睡眠もバッチリなので、気合を入れて東鎌尾根へ!
今までの快適な稜線歩きとはまったく違う、ゴツゴツとした岩場やはしごのアップダウンの連続に、ハァハァと息が上がります。
長いはしごの下りは一歩一歩足場を確かめながら「大丈夫。落ち着いて。」と自分に言い聞かせながらゆっくりと下りました。
だんだんと近づいて来る槍の姿に励まされまがら進み、いよいよヒュッテ大槍に到着。
槍ヶ岳は本当にすぐ目の前。
しかしここからの登りも岩場とはしごの道が続くので、最後まで気を抜かないように気をつけます。
足元が白い岩場からガレ場に変わると、殺生ヒュッテ方面からの登山道との合流地点、ついに東鎌尾根の終点です。
そして歩きやすい整備された道を少し登ると、山頂直下の槍ヶ岳山荘へ到着!
「やった!着いたぁ!」と思わずホッと肩の力が抜ける瞬間でした。
その後少し休憩してから槍の穂先へアタック開始。
槍ヶ岳山荘でヘルメットを借り(1〜2時間500円)、20分くらいで山頂に到着しました。
山頂は思ったより空いていて、10分くらい写真や景色を楽しむことができました。
登りより下りの方が怖い感じがしたので、ゆっくりと落石を起こさないよう気をつけて下ります。
穂先から無事下りてほっとしてると、山頂で写真を撮ってもらって先に降りた女性がまたこちらへ向かってきました。
「どうしたんですか?」と聞くと「空いててせっかくなのでもう一度登ってきます!」という返事。
すごい!私はもう無理だぁ(笑)
その後、山荘でお昼ご飯を食べて少し休憩。
本当は今日中に横尾まで降りようと思っていたのですが、山荘から殺生ヒュッテを見下ろすとテント場が空いていて平らそうだったので、今日はそこに泊まることにしました。(槍ヶ岳山荘のテント場はレベルが高そうだったので)
縦走3日目にして初めてのテント泊。
やっぱり我が家は落ち着きます(笑)
4日目。朝から雨と風の中テントを撤収。
雨の中の山行も慣れたもの。長い長い道のりを黙々と下ります。
途中雪渓が2箇所あって、最初の横断する箇所はなんと道の真ん中に大きな穴が開いていました。
穴の横を通ると踏み抜きそうだったので、いったん穴に下りてからもう一度雪上に登り通過。
2番目の雪渓の下りは、そんなに傾斜がなかったので、ストックを使ってノーアイゼンで降りました。
去年涸沢に行った時、帰りの雪渓の下りでもたもたしてる私に後ろで見ていたおじさんが、「かかとをガッてやりながら下りれば怖くないよ。」と教えてくれたことを思い出しながら。
周りの人たちは「怖かった」と言っていましたが、教え通りにかかとをガッてしながら下りたので怖くありませんでした。
逆に濡れた岩の下りより歩きやすかったので、もうちょっと雪渓でもよかったかもなんて思ったり。
ありがとう!涸沢のおじさん!
雪渓を過ぎれば、後は本当にひたすら上高地へ向けて下るだけです。
横尾までが長かった…横尾からも長かった!
やっと河童橋へ着くとそこは観光客で溢れていました。
4日間お風呂に入っていない私はそそくさと遠慮気味に、でも「槍ヶ岳帰りなんだぞー。」とちょっと誇らしい気持ちでバスターミナルに向かいます。
そこから新島々までバスに乗り、松本から穂高駅まで電車に揺られ、車を回収して帰路につきました。
4日間のうち晴れた日はたった1日だけでしたが、その奇跡のような日に槍ヶ岳へ登れたことは本当に幸運でした。
あの山頂から見た景色は、たぶん一生忘れないと思います。
槍ヶ岳はこれからも私の中で「憧れの山」であり続けるでしょう。
高山病の話
今回の山行の中で「高山病かな?」と思った症状があったので、参考のために記録します。
まず燕岳で軽い頭痛の症状が出たので、頭痛薬を飲みなるべく昼寝などをしないようにしました。(眠ると呼吸が浅くなるので)
高山病は個人差があるので万人に当てはまらないと思いますが、私は去年の燕岳登山でも同じ症状が出たので、おそらく2700mくらいの標高から高山病に気をつけた方がいいようです。
その後頭痛はなくなりましたが、2日目の西岳で雨に濡れたグローブを脱いだらビックリ!
なんと手がゴム風船みたいにパンパンに浮腫んでいました。
ちょっと前から「腕時計がきついな…」と思っていたんですが、まさかこんなに手が浮腫んでいるとは…
たしかに、この日は雨で気温も低かったので喉もあまり渇かなくて、水分を充分に取っていませんでした。
なのでトイレにも朝から全然行っていなかったのです。
水を意図的に多く飲んでトイレにもバンバン行ったら、次の日は浮腫みが治まっていました。
家に帰ってからネットで調べてみたんですが、特に女性は少しでも水分が足りないと感じると身体が水分を排出させないホルモンを分泌するらしく、登山中のむくみに悩まされている方も多いみたいです。
喉が渇いていなくても、時間ごとに水分を補給する習慣を身に着けようと思いました。
こんばんは。
先月に鳳凰三山でお会いした者です。
目標とされていた、表銀座コースでの槍ヶ岳登頂を達成されたのですね!
しかもテントを背負っての3泊4日とは…。凄すぎるっ!
写真と感想/記録に喜びが滲み出ているのが感じ取れますよ〜。
本当におめでとうございます&本当にお疲れさまでした。
kenboさん、こんばんは。
コメントありがとうございます!
本当は2泊3日の予定だったのですが、天候の関係で3泊4日になってしまいました。
槍ヶ岳&表銀座は本当に素晴らしかったです。
機会があったら、ぜひ晴れの日に縦走してみたいルートでした!
今年の目標も無事達成できたので、またいつものゆったりテント泊スタイルでのんびり登って行きたいと思います
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