北アルプス縦走(新穂高温泉-双六岳-黒部五郎-薬師岳-雲ノ平-鷲羽岳-水晶岳-読売新道)【6泊7日】
- GPS
- 152:00
- 距離
- 81.7km
- 登り
- 6,346m
- 下り
- 5,998m
コースタイム
05:40発- 06:55着 新穂高温泉→わさび平小屋(20分休憩)
07:15発- 08:15着 わさび平小屋→秩父沢出合(10分休憩)
08:25発- 09:20着 秩父沢出合→シシウドヶ原(10分休憩)
09:30発- 10:10着 シシウドヶ原→鏡平山荘(45分休憩)
10:55発- 11:40着 鏡平山荘→弓折乗越
11:40発- 12:30着 弓折乗越→双六小屋(小屋宿泊)
歩数:23,302歩
【2日目】
07:15発- 07:50着 双六小屋→双六岳
07:50発- 08:55着 双六岳→三俣蓮華岳 (途中風のないところで10分休憩)
08:55発- 10:07着 三俣蓮華岳→黒部五郎小舎(小屋宿泊)
歩数:12,346歩
【3日目】
06:15発- 07:57着 黒部五郎小舎→黒部五郎岳
07:57発- 09:34着 黒部五郎岳→赤木岳
09:34発- 10:15着 赤木岳→北ノ俣岳 (途中風のないところで10分休憩)
10:15発- 11:30着 北ノ俣岳→太郎山 (途中風のないところで10分休憩)
11:30発- 11:40着 太郎山→太郎平小屋(1時間10分休憩)
13:10発- 13:25着 太郎平小屋→薬師峠キャンプ場(テント泊)
歩数:23,033歩
【4日目】
06:15発- 07:25着 薬師峠キャンプ場→薬師岳山荘(10分休憩)
07:35発- 08:07着 薬師岳山荘→薬師岳
08:07発- 08:35着 薬師岳→薬師岳山荘(10分休憩)
08:45発- 09:30着 薬師岳→薬師峠キャンプ場(60分休憩・テント片付け)
10:34発- 12:40着 薬師峠キャンプ場→薬師沢小屋
12:50発- 15:00着 薬師沢小屋→雲ノ平山荘(25分休憩)
15:25発- 15:42着 雲ノ平山荘→雲ノ平キャンプ場(テント泊)
歩数:29,363歩
【5日目】
05:55発- 06:45着 雲ノ平キャンプ場→祖父岳(5分休憩)
06:50発- 07:45着 祖父岳→ワリモ岳
07:45発- 08:15着 ワリモ岳→鷲羽岳(5分休憩)
08:20発- 10:42着 鷲羽岳→雲ノ平キャンプ場(テント泊)
歩数:24,954歩
【6日目】
05:35発- 07:05着 雲ノ平キャンプ場→ワリモ北分岐水場(10分休憩・水汲み)
07:15発- 07:55着 ワリモ北分岐下の水場→水晶小屋
07:45発- 08:43着 水晶小屋→水晶岳(5分休憩)
08:48発- 09:38着 水晶岳→温泉沢の頭
09:38発- 11:10着 温泉沢の頭→赤牛岳(5分休憩)
11:15発- 14:46着 赤牛岳→東沢出合キャンプ場(テント泊)
歩数:32,054歩
【7日目】
07:00発- 08:30着 東沢出合キャンプ場→平ノ渡場(船待ち1時間50分)
10:20発- 10:25着 平ノ渡場→湖の反対側
10:25発- ?着 湖の反対側→黒部ダム
歩数:26,919歩
合計歩数:171,971歩
天候 | ほとんど雨で時々曇りと晴れ。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰り:黒部ダムからトローリーで扇沢。扇沢から先は路線バスで信濃大町。信濃大町からは電車を利用(扇沢から一度温泉に立ち寄り) |
コース状況/ 危険箇所等 |
【道迷い】 全体的に道標やマークなどがあり、天気が良くて視界のある場合、 道迷いの心配は少ないかと思います。 【水場】 ●秩父沢分岐の水場は場所が良く分かりませんでした。 ●五郎のカールコースの水場は雨で辺りいったいが沢となっており、 もはやどれが水場でどれが沢か分かりませんでした。 【コース状況】 (新穂高温泉〜双六小屋) 最初はなだらかな砂利道を登って行きますが、 登山道に入ると傾斜が少しきつくなりはじめ、 鏡平までは少し大きい石がごろごろしています。 鏡平から先は砂地のスロープを歩くので自分のペースが掴みやすいです。 (双六小屋〜黒部五郎小舎) アップダウンも比較的少なく歩きやすいです。 一部片側が切れ落ちていて怖い気がしますが、登山道がしっかりしています。 (黒部五郎小舎〜薬師峠キャンプ場) それほど視界が良くなかったのですが、稜線コースは風が強そうなので カールコースを行きました。特に迷いもなく石に書いてあるマークを辿って行けば 黒部五郎の肩までは問題ないと思います。 黒部五郎の最後の登りは浮石が多いので少し慎重に行った方が無難です。 太郎平小屋までの道のりはエスケープルートが少なく、風雨の影響を受けます。 平らな道は水位が上がり、稜線上は強風に煽られるので悪天時は様子を見ても いいかもしれません。 (薬師峠キャンプ場〜薬師岳往復〜雲ノ平キャンプ場) 薬師岳往復は最初が急登で岩が濡れていたので、 転ばないように気をつけながら歩きました。 稜線から山頂までは浮石やガレ場がありますが、 それほど悪い状態ではありません。 雲ノ平への道は結構体力が必要かもしれません。 木道は滑りやすいのと、一部シーソー状態になっているものがあるので、 思いっきり踏み込む前に確認してください。 (雲ノ平キャンプ場〜鷲羽岳往復) ワリモ岳や鷲羽岳周辺はガレ場になっている所がありますが、 慎重に行けば問題ないかと思います。 一か所片側が切れ落ちているところがありましたが、ロープがついていました。 使っていない人も多いようで、危険度は少ないように思います。 (雲ノ平キャンプ場〜水晶岳〜赤牛岳〜東沢出合キャンプ場) 水晶岳周辺は岩場を伝って行きますが、足場も手のかけ場もしっかりしているので、 慎重に行けば問題ありませんが、下が見えるところがあるので、 高所恐怖症の方にはおすすめできないかもしれません。 赤牛岳までの道は浮石が一気に増えます。 先も長いのでゆっくりめのペースで考えた方がいいかと思います。 読売新道は滑りやすいです。船で一緒になった女性は3度滑ったそうです。 (東沢出合キャンプ場〜黒部ダム) ハシゴや橋が多いです。。特に船着場まで。そして濡れると滑ります。 結構体力も消耗するので、最後まで気を抜かずに歩きました。 |
その他周辺情報 | 大町温泉郷の薬師の湯に行きました。 扇沢のチケット売り場で割引券をもらうと600円のところ500円になります。 |
写真
感想
今回、会社のお休みを利用して1週間の北アルプス縦走に挑戦してきました。
普通だったら天気は悪くない時期だと思うのですが、
数日前から台風が活発に動き始めてしまいました(^_^;)
1日、2日は小屋での足止め状態を覚悟で行くか、
天気の回復を待ち、週後半にスケジュールとコースを短くして別プランで行くか、
出発ぎりぎりまで悩みます。
さんざん考えた結果、小屋で台風一過を待つという経験もあってもいいかというのと、
幸い直撃は免れそうだったので、予定通りのプランで行く事にしました。
ロングトレイルでテント泊、必要最小限の荷物にし、
17.5kgの荷物を担ぎ夜行バスに乗り込みます。
【1日目(新穂高温泉〜双六小屋)】
ほんのりと空が明るくなり始めた早朝、私達を乗せた夜行バスが新穂高登山センターに到着です。
まだ真新しいこの登山センターは設備がしっかりと整っていて、どこもかしこもきれいに清掃もされていました。
登山届を提出し、準備も万全にし、1週間の山旅がスタートが始まりました。
前半の6km位はほとんどが整備された道で比較的勾配も緩やかです。
まだまだ登山道のような感じの道ではないのですが、
周りの景色を見ると少しずつ山の奥深くに入ってきているのが分かり、
これから1週間、日常生活とかけ離れて山で過ごすんだという実感が沸きます。
緊張、楽しみ、不安とが入り交ざった不思議な気持ちで歩きます。
1時間ほどでわさび平に到着、ここで小休憩。
双葉SAで買った半額のおにぎり2個を食べてこれからの登りの体力を蓄えます。
(半額の代償は賞味期限が短く、ここで2つ平らげないといけませんでした。)
わさび平を過ぎると、少しずつ勾配が上がって行きます。
後半6kmはひたすら登りです。沢沿いになると大きな石がごろごろしていて
一歩は一歩でも大きな一歩を踏み出さなければなりません。
大きな荷物を背負った状態での大きな一歩は重労働(^_^;)
そのご褒美として、この間は一味違う感じの景色を与えてくれます。
周囲は大きな山々に囲まれ、下を見るとどこまでも続く谷沿い。
その谷に沿った木々が鮮やかな緑を発色、彩を加えて華やかさを増して大自然な感じです。
その反面、山岳模型か何かを見ているような不思議な気持ちにさせられます。
鏡平で長い休憩を取り、小屋の方ともコース状況や天気の話などをします。
いつかこの小屋泊まりに来たいなと思い、後ろ髪をひかれながら先に進みます。
弓折岳までの道はそれなりに登りがあるのですが、砂地のスロープ。
一歩一歩が自分の心地よい歩幅で歩けるので心地がいいです。
その後の稜線歩きも先々の道を見ながら進めるため何とも言えない爽快感がありました。
この日の目的地、双六小屋に到着。
この時点で台風の影響があるのか、少し風が強めで小雨がぱらついている状態。
小屋の人の薦めもあってテント泊ではなく小屋泊とする事にしました。
(テントも4張ほどありました。翌朝見てみると無事のようで一安心。)
【2日目(双六小屋〜黒部五郎小舎)】
この日は台風が徐々に近づいてきていました。
小屋で1日ゆっくりするつもりでしたが朝からテレビと睨めっこしていると、
どうやら15時くらいから強風域に突入予定の様子。
その前の不安定な大気や予想がずれて早まる事を考えて、
午前中の行動に留めて少しだけ歩けるだろうと判断。
エスケープルートとしては三俣山荘へ、
問題が無さそうであれば黒部五郎小舎に向かう事にしました。
距離にして5.5km、マップタイムにして4時間ほどです。
朝、小屋を出てから最初のうちは少し霧と雨が混ざった状態で、
双六岳に着いた時には周りの山々は何も見えませんでしたが、
その後の稜線歩きでは一気に視界が晴れ渡り、
この日歩いたルートが一望できました。
山肌に残る雪渓とその上を辿る登山道。
雲の隙間には青空が見え隠れし、これから台風が来るなんて
ちょっと信じがたいような気になります。
ですが、やはり台風は刻一刻と迫ってきているようで、
三俣蓮華岳に行く頃には風速が20mを超え始めます。
山頂直下の辺りではおそらく最大風速30m行ったのではと思うような瞬間もあり、
大きな一歩を踏み出した瞬間、ザックが風に揺さぶられ、後ろに倒されます(^_^;)
大きいザックが何とも頼もしいクッションになってくれました。
強風にふかれて冬山を思い出しながら、歩き方と歩幅を意識し再スタートし、
小舎までの400mを下ります。到着と同時に雨が降り始め、なんともいいタイミング!
今夜はこの小屋で台風一過を待ちます。(小屋泊決定!)
小屋ではすでに足止めをくらい、一日小屋で過ごしていた人達が数名ほどいました。
私達も10時頃に到着し、時間はたっぷり。楽しい団欒の時間が始まりました。
金曜夜行のバスからずっと同じ行程を辿っているソロの男性、
ライチョウが前を歩いていて全然先に進めないと話してくれ何だか温かい気持ちに。
お金に糸目をつけない太っ腹社長達は、実に良く飲み良く食べ、
そしてたくさん冗談を言って笑わせてもらいました。
同じ服を1週間着続け、着替えや消臭グッズ、汗拭きシートは一切持たない主義の
俊足青年、彼から登山について学ぶ事がたくさんあったように思います。
強風域に入った山はやはり自然の厳しさを激しく反映させて、
一歩外に出ると、雨風がすごい事になり、数分立っているのも辛い状態ですが、
小屋の中ではなんともゆったりとした語らいの時間となりました。
【3日目(黒部五郎小舎〜薬師峠キャンプ場)】
台風が過ぎ去ったこの日、天気はカラリと晴れるかと思いきやまだまだ風が強めの状態。
正直なところこの日は少し早めに出発をしたかったのですが、
天気との兼ね合いもあり少し難しい状態。待機して少しだけ天気の回復を待ち、出発。
カールを経由して黒部五郎岳に向かいます。
あまり天気が良好なわけではないので、休憩はそれほど取らずに歩きます。
カールコース、最初はなだらかで最後に急登かと思いきや、最初から結構登ります。
風雨で辺りが良く見えない頃山頂に何とか山頂到着。
山頂で景色も何もありゃしない・・・山頂到着するや否や、即下山(涙)
そしてこの後はずーっと緩やかな下り!と思いきや、小さなアップダウンの繰り返しばかり。
平らなところもあるのですが、雨のおかげで平らな道は川状態。
この日、Trans Japan Alps Raceという大会があり、私達と逆のルートでここを通りますが、
すれ違う選手の皆さん、躊躇せずに水の中をひたすら歩いたり走ったり。
Juhaniも同様に川の中を歩きます。もうすでに靴の中が水浸しです。
今回ばかりは平らな道までも困難と化していました(^_^;)
早く平らな川道を脱出したいと思い、次の登りで必死に上がって行くと、
今度は風の応酬です(>_<) 濡れて重みを増した服に冷たい風が全力でぶつかる。
なぎ倒されないように必死に歩いて収まったかと思いきや、お次はヒョウ。
風と一体になってバチバチと全身めがけて総攻撃。い、痛い。
目が半分しか開けられないままひたすらド無視して歩きます。
何なんだろう、これ、、、言うならば、試練の一言に尽きる。
しばらく風に当たり続けたせいか、北ノ俣岳に着いた後には、
頭がクラクラ〜っとして体がフワフワ浮く感じで、頭がぼーっと。
頭痛とかはないので全然辛くないけど不思議な感覚です。
単なる高山病の一種?クライマーズハイ?(だったら嬉しい!けどまさか・・・ね)
そして一息入れて最後の下りに入ると、辺りの雲が少しずつ消えていき、
緑の絨毯が現れ、遠くの方に太郎小屋が見え始めました!周りの山も見え始めます。
Juhaniにもちゃんと見えている!
頭がぼーっとしているわけでも蜃気楼を見ているわけでもない、
正真正銘の天候回復です!やってくれるね、山!たまらないわ。
重い足取りが一気に軽やかなステップに変わり、太郎平小屋に到着!
ストーブのある部屋の中で温かいカレーをいただきました。
この日、予定では薬師岳にも行こうという話もしていたのですが、
予備日もあるのでスケジュールは融通が利きます。
せっかくなので、テントでゆっくり休息する事になりました。
【4日目(薬師峠キャンプ場〜薬師岳往復〜雲ノ平キャンプ場)】
予報では曇りのはずでしたが、お天気はまだまだ不安定。
薬師岳に向かっている途中から、またしても雨に降られる事になりました。
ですが嬉しい事に、4日目にして重い荷物からの解放です!
ベースの薬師峠キャンプ場に全ての荷物を置き、水と行動食のみを持って薬師岳へのピストン。
肩や腰へののしかかりが無いと、まるで違います!!
天気とは反比例して気持ちが晴れやかです。
樹林帯を抜けるまではゴロゴロの岩がたくさんあり、その隙間には水が流れているところもあり、
足場が良いとは言えない道だったので、改めて荷物の少なさにホッとした瞬間でした。
薬師平に出た後は結構ガレ場が続きます。途中の偽ピークにも騙されながら、
またしても風雨とヒョウにさらされながら、山頂に向かう事になります。
山頂到着後、一層強い雨が降ってきたのですぐさま下山。
本当だったらここから剱岳が見えるかどうかをちゃんと自分の目で確認してみたかったのですが、
そんな余裕はありませんでした(泣)
ベースに戻ってテントでご飯を食べて雲ノ平に向けて出発です。
午前中には3,000m近い場所に登って行きましたが、雲ノ平に行くには
一旦2,000m以下まで下らなければなりません。何とも残念。。。
ぶつぶつと独り言を言いながら歩き進めると、思っていたよりは簡単に薬師沢に到着。
それほど傾斜が急だったわけではなかったので、それほどの負担が無かったのかと。
ですが問題はそのあと。薬師沢から雲ノ平までの登り。とても急です。
最初のうちだけかと思いきや、登っても登っても勾配が変わりません!
2時間以上も、ひたすら額に汗して無我夢中で登りました。
ようやくアラスカ庭園が見えて一息。頑張って登った達成感で満たされます。
その後待ちに待った雲ノ平の散策。雲ノ平って来た事が無くて、
雑誌で見るたびにずっといいなと思っていて憧れていた場所、日本最後の秘境。
雨も上がり、いいタイミングだったので、中心部に近づくに連れてわくわく度アップ!
どんな素敵な景色が待ち受けているのかな、見たら何か変わるかな、
凄いキレイ過ぎて他の山を退屈に感じるようになったらどうしよう、色んな思いが交錯します。
ですが、、、期待が大きすぎたのか、ずーっとずーっと一番きれいな場所はどこなのだろうと探し続け、
気づいたらキャンプ場まで到着していたような状態。。。(T_T)
多分実際の風景よりもきれいなものを期待してしまったようです。
この日は少し残念な気持ちを抱えたまま眠りにつきました。
【5日目(雲ノ平キャンプ場〜鷲羽岳往復)】
前日の午前中と同様、またしても荷物からの解放!
この日も荷物を最小限にしての登山です。そして昨日よりもいい事あり。
天気が良好です!空が晴れ渡る中、鷲羽岳に向かいます。
鷲が羽を拡げたように見えるから鷲羽岳。テレビで見て以来、
その大きな大きな鷲の背中に乗りたいと思っていました。
雲ノ平から祖父岳までの道のりが結構迂回していて、
ハイマツの生い茂った細い道や意外に多いアップダウンを経由します。
その後も多少登ったり下ったりして鷲羽岳に到着。
山頂で晴れたのって、この旅で初めてかもです。
貴重な晴れ間。何だかありがたみが増したような気がしました。
同じ道を下山し、この日の登山は11時前には終了。
翌日の読売新道に備えて、残りの時間は散歩と食事と休息です。
雲ノ平山荘でお昼を食べていると、この日到着した2人組と軽くおしゃべり。
その後、テント場もすごく近く、翌日の行程も途中まで一緒の方のようでした。
このお二人、お友達と雲ノ平で会う、というステキな待ち合わせ方をしていました。
(結局は会えなかったそうですが、電波のないところでの待ち合わせ、いいなと。)
【6日目(雲ノ平キャンプ場〜水晶岳〜赤牛岳〜東沢出合キャンプ場)】
長丁場になりそうなのと、雨が無い間にできるだけ歩くべく、
この旅一番の早朝出発です。
ワリモ分岐までは前日と同じ行程。
私は前日に何も考えずただただ歩いて鷲羽へのピストンをしに行きましたが、
Juhaniは水場の事も考えながら行動していたようで、
この日の水は、ワリモ分岐手前で汲むという判断に。
おかげで祖父岳のひと山を2kg軽量化して登れて、思ったよりもキツくない!
長い行程の時こそこういう一つ一つの効率化が大切になってくるんですね。
またこの旅で勉強させてもらったような気がします。
その後はなだらかな登り道を進み、水晶小屋で最後のトイレ休憩です。
マップタイムで8時間20分、トイレも水場もエスケープルートもキャンプ地もありません。
最終天気予報もチェックし、心して出発です。
まずは水晶岳!大き目の岩を伝いながら、頂上に向かいます。
ちょっぴりクライミング気分で楽しい!
加えてここでまたしても山が絶景をプレゼントしてくれました。
途中と頂上で目の前の雲がわずか数秒で上昇し、
今まで隠れていた谷底や麓が一挙に現れます。
これにはほかの登山者も思わず「おぉ〜」との歓声が。自然の瞬間芸術でした。
水晶岳のお次は赤牛岳。この間の道、長いです。
正確に言えば、長く感じた、という感じです。
天気が悪化し、雨が降り始めた事もあり、あまり先も見えなかったので、
自分の中で勝手にそろそろ赤牛かな?と考えてしまい、
まだまだ先だったという状況が何回も繰り返されます。
休憩ポイント毎にJuhaniが美味しいチョコをくれるので、
それにつられてひたすら歩きます(笑)
ようやく到着した時には、「やっとだよ(怒)!」と一言山にぶつけたほど。
そこから先は、1,500m以上を一気に下ります。
読売新道の始まりです。この道はJuhaniが行きたがっていたところで、
私はこの道の存在すら知らず、ネットでちゃちゃっと調べたところ、
とりあえずあまり人通りが多くないところで結構知る人ぞ知るルートとの事。
何が惹きつけるのか、私には良く分からなかったのですが、
同じ行程の数人を見かけました。
ところがどっこい。この道、めちゃくちゃキレイ!
向かう先の尾根道もスーッと伸びて、右を見れば裏銀座の尾根道がドーン。
左を見れば室堂方面に続く尾根道が堂々としています。
まさかの景色に唖然。心の中で何度も何度も来てよかった!を発します。
しばらくキレイな風景に見とれながら歩き、今度は樹林帯に。
この森、本当に自然そのままな感じです。登山道にある岩や木々には
たくさんの苔が生えていて、人が踏み入れている気配を感じさせません。
足場の置き方によってはつるっと滑って転びやすい悪路。
ですが何故かこの手つかずの感じが妙に心地良く、
何か大きなものに包まれている安心感がたまりません。
あらゆるところに濡れた縦根や苔蒸した岩がありますが、
それも外敵から守られているような気がしてきます。
私の場合あまり整備されていない悪路を歩くと、すぐにこけるので
ストックがバランスを取る上で重要な役割を果たしてくれるのですが、
何だか不思議な事にそんな心配が全く無くなり、
この旅で初めてストックをしまって歩きました。
そして15時前、東沢出合キャンプ地に到着です。
キャンプ場は平らな砂地であたたかく、夜は完全に熟睡でした。
【7日目(東沢出合キャンプ場〜黒部ダム)】
いよいよロングトレイルも最終日を迎えました。
「船旅」が入り、リラックスの日。のはずでしたが、
山と高原地図上ではざっくりなので単純に平らに見えただけでした。
実際にはなかなかのアップダウンあり。
帰ってきてから調べてみると、この「リラックスの日」の累計標高差、
上りも下りもそれぞれ約1,500mっ!!どうりで大変だと思った!
普通の登山と何ら変わりが無いし(>_<)
しかもまたしても大量の雨にやられて全身びしょ濡れ。
水分を含んだズボンは筋力トレーニングマシーンと化し、
靴は冬靴を連想させる代物に。
ロッジくろよんまでなかなか着かず、間違えようもない道でも
間違えたんじゃないかと疑うくらい。少なく見積もっていた事もあり、
水分も最小限。珍しく少し不足していたほどだったので、
ロッジくろよんで自販機でジュースを買った時には一気飲みでした。
その後の黒部ダムまでは舗装路。
登山靴じゃなくてもあるけるような道を観光客に混ざって歩きます。
1週間分の臭いにきっと観光客は迷惑に違いない・・・
自分でも鼻をつまみたくなるような臭いをまきちらし、
異臭騒ぎが起きない事を願いながら
肩身が狭い思いでトローリーバスに乗り込み、
1週間にわたる山旅が終了しました。
おしまい
〜1週間を振り返って〜
実によく雨に降られた山旅でした。
もう一年分くらい雨に降られたのでは、と思うくらい(笑)
かと思いきや、気まぐれに晴れ渡り絶景を見せてくれる山のマジック。
山の天気は変わりやすいとは聞くけれど、
ここまでめまぐるしく忙しいのを全身で体感できたのはある意味貴重でした。
そして、天気ばかりではなく、それに合わせるかのように自分の気持ちも大きく左右され、
超多忙だったように思います。
体力面と精神面、共にもう少し成長しなければ、と痛感した1週間でしたが、
予定通り最後まで行けた達成感が残り、
貴重な思い出がまた一つ増えたような気がします。
台風の接近、その後も傘マークばかりの天気予報だったのでbegreenさんもお盆休みは実家でのんびりしているかとおもいきや、ヒヘーッ!
北ア縦走ですか。しかも6泊7日、体力的に私には無理だな。
ますます、レベルアップしていくbegreenさんが頼もしいです。
読売新道って素晴らしく良さそうな道みたいですね。人に知られてないって不思議ですね。それと、カメラの故障は残念でしたね。山行の最後の方だったのが唯一の救いでしょうか?カメラの紛失とか最近begreenさんはカメラについてはツキがないですね。雨中の山行が多いbegreenさんには、防水機能のついたタフなカメラがいいのでは?
黒部ダムは一度行ってみたくて7年前に立山黒部のアルペンルートの観光ツアーにカミさんと2人で申し込んのですが、申し込みが我々2人だけで最小催行人員に達しなかったので中止になって行けなかった苦い思い出があります。ビデオで「黒部の太陽」を見たりして楽しみにしていたので残念でした。それ以降、未だに行く機会がないままです。
nomorecryさん、表題がおもしろすぎます。。
読んで思わずふきだしてしまいました(笑) 油断って(笑)
カメラは本当に残念でした。。ほんとついていないですよね。
(といってもそもそもの私の管理方法を考え改めないとなんでしょうけど・・・(^_^;))
防水で頑丈なものだと重量がその分増えるので、まだちょっと決心つかない感じです。。
重い荷物を持てるくらい背中がムキムキになったら買おうかな(笑)
黒部ダムは、大変混んでいましたよ!さすがお盆休みですね。
天気もそれほど良くないのに、よくこれだけ人が集まったなと。
私たちも、時間があり、せっかくなので少し観光してから帰る事もできたのですが、
何せ、汚い恰好・汚い顔、おまけに自分でもオエッとなるほどの臭いの身。
せっかくすがすがしい気持ちで景色を堪能している観光客に迷惑をかけないよう、
一刻も早く通り過ぎるべく、この旅一番の速足で歩きました。(;_;)
nomorecryさんの旅行の中止は残念でしたね。。
今度娘さんも一緒に誘って是非ご家族全員で!(1人増えますし。)
せっかくなので室堂まで行く事をお勧めします!
それにしてもnomorecryさんは天城峠の時と言い、黒部ダムと言い、
どこかに行く前にちゃんと下調べするのですね。見習いたいものです。。
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