☆3000m峰21座制覇【南岳〜中岳〜大喰岳〜槍ヶ岳】
- GPS
- 56:00
- 距離
- 29.7km
- 登り
- 2,537m
- 下り
- 2,518m
コースタイム
- 山行
- 4:40
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 5:50
- 山行
- 9:10
- 休憩
- 2:30
- 合計
- 11:40
天候 | 曇り/雨 時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
※子連れ山行での注意事項になります。 ○新穂高〜滝谷非難小屋 危険箇所はありません。 白出沢の渡渉は、現在砂防ダム治水工事の為に登山者用の橋がかけてあります。 通行に問題ありません。 ○滝谷〜槍平小屋 通常の水量であれば、大人は問題無く渡渉出来ますが、 私の息子はビビリなので、その水量に恐怖し足を出せませんでした。 50mほど上流に遡ると、川幅が70cmほどになるポイントがあり、 そこを飛び越えて足を水につけずに渡渉。 上流に遡るのは大変ですが、安全をとりました。 尚、帰り道にはそこに行くまでに丸太橋がかけてありましたが、 ホントに丸太で怖がりな息子は渡りませんでした。 行きと同じポイントで渡渉しました。 それ以降、槍平小屋まで危険箇所はありません。 ※先日の滝谷の事故の件もあり、新穂高の登山者指導センターにて水量の確認はしてきました。 通常の水量に落ち着いてるとの確認を取ってから登山しています。 ○槍平小屋〜南岳新道〜南岳小屋 南岳新道は厳しい道でした。 雨に打たれた事もあり、連続する木梯子・アルミ梯子に狭く滑る道、テン泊装備では自分が疲弊してしまいました。 また序盤はひたすら高度を上げるだけなので、いつまでも小屋が視界に入り進んでいる気がしません、子供もかなり精神的にやられたようです。 救急箱を過ぎると今度は尾根沿いの道。 痩せ尾根を通ります。 好天であれば問題無いのですが、今回は雨&強風で子供は怖がりました。 この区間はハーネスとロープを出しました。 テンションはかけませんが、保険です。 ただ、晴れていればそれなりの高度感を味わうかも知れません。 一度南沢に戻るのですが、その区間は危険箇所はありませんが、落石には注意して下さい。 再び尾根筋に戻るとき、高度感のある丸太橋を渡ります。 ここが子供には一番怖かったようです。 そこを過ぎれば、南岳小屋までは危険箇所はありません。 ○南岳小屋〜南岳〜中岳〜大喰岳〜槍ヶ岳山荘 気持ちのよい稜線歩きになります。 私達が歩いた日はそれなりに風があったので、休憩時は長野県側の岩陰で休むように心がけました。 風に当たると体温が下がり、体力が持っていかれます。 天狗原分岐〜中岳間は少々岩場越えがあります。 岩場のトラバースが息子は怖かったようです。 中岳から大喰岳側に鉄梯子が2段あります。 一歩一歩確実に行ければ問題無いと思います。 大喰岳から飛騨乗越まではザレたジグザク道を降ります。 滑らないように注意です。 尚今回風が強かった事もあり、この区間は常に子供をロープでつないで歩きました。 ○槍ヶ岳山荘〜槍ヶ岳 言わずと知れた穂先までの道。 諸先輩方の参考が世に多く出ているので割愛します。 ただ、何気ない大人の1ステップでも子供にとっては全身を使ったクライミングになります。 大人も子供も同じですが、しっかりとした3点支持が出来なければ行くべきでは無いと思います。 落ちればどこまでも行く場所が多数あります。 やはり、槍は槍です。 ○槍ヶ岳山荘〜飛騨沢〜槍平小屋 危険箇所はありませんが、飛騨沢の下りは若干ザレ気味の箇所もあり、スリップ注意です。 あと、上からの落石には常に警戒してください。 千丈乗越分岐手前まではヘルメット装備で降りました。 分岐から下部は危険箇所はありませんが、先日の大雨の影響か、おそらく登山道が川になったような形跡がありました。 行く場所が行く場所なだけに、子連れでは必要以上に安全に気を使って行きます。 |
その他周辺情報 | 下山後はいつもの「ひがくの湯」へ。 どんどんと新たな手を打って来るサービス方針が毎回楽しみです。 一時期「うまい捧は一人3本まで」と制限されましたが、 今回は大量じゃなければお持ち帰りOKと柔軟な対応に。 好感持てます。 あと、外湯への通路も出来ていました。 |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
サンダル
ザック
ザックカバー
サブザック
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
調味料
ハイドレーション
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
地図(地形図)
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
針金
常備薬
ロールペーパー
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
ナイフ
カメラ
テント
テントマット
シェラフ
ヘルメット
|
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感想
子供と一緒に始めた3000m峰21座の旅も、いよいよ今回で最後を迎えます。
今回はメモリアルなのでクドく語ります。
お盆が始まった12日からの予定を組んでいましたが、天候に恵まれず天気予報とにらめっこの毎日。
ようやく18日から3日間ほどの好天になりそうなので決行しました。
ところが、先の飛騨地区の大雨による滝谷の事故により渡渉が不安でした。
●1日目
新穂高から槍平まで。
コースタイムから考えてのんびり9時半ごろ自宅を出発
10時半には深山荘前の駐車場。
新穂高の登山者指導センターにて先日の滝谷の事故の説明を聞き、滝谷の水量は通常に戻り渡渉は問題ない事を確認しました。
滝谷までの間、ヘリが何往復も川沿いに飛んでいました。
実際、滝谷の渡渉は通常の水量なのでしょうが、子供には少し恐怖だったらしく、渡渉点から50mほど上流、足をつけずに70センチほどまで川幅が狭まっている所まで上がってから渡りました。
沢を登るのは少々難ですけど、安全第一です。
槍平ではテント泊でした。
就寝後、夜に雨が降り出しましたが、朝には一旦止んでいました。
●2日目
5:30発で南岳新道へ。
ここのルートは登りがきついと聞いていましたが・・・
ホントにきつかったです。
雨も降り始めて木やアルミの梯子が連続。道は狭くスリップしやすい。
息子も私も体力を持ってかれてしまいまして、コルまでのCTを大幅に上回ってしまいました。
尾根筋に出てからも強風に耐えながらゆっくり進み、ガスと雨の中展望も無く、唯一の救いは高度感を感じずに歩けた事です。
なんの修行でしょうか?
5時間50分もかけてしまい、ようやく南岳小屋へ。
雨から逃れるように小屋に入り昼食。
南岳小屋にはNHKの撮影チームが居ました。
あれ?この前重太郎新道ですれ違ったNHKのおねーさんかな?
昼食中、向かいの席の方から「ヤマレコやってませんか?」
と声をかけて頂きました、山でレコの関係で声を掛けていただいたのは初めてでした。
fallさん、今後も宜しくお願いします。
ここでしばらく停滞。先に進むかどうか迷いました。
槍までCTが2時間40分なので、リミットを14時に設定しましたが、
やがて雨も止み続々と停滞していた方々が出発して行きました。
私たちも13時過ぎに出発。
雨は止んだものの強風&ガスガスは変わらず。
長野県側には切り立った所も多く、息子が風にあおられて落ちないように、この区間はロープでつないだまま歩きました。
ホントはだんだん槍が近づいてくる高揚感を味わいながら歩けるはずだったのですが・・・
天気予報に騙されました。
小屋でも皆さんそう言ってました、予報は晴れなのに!と。
道はそれほど険しく無いのですが、既に南岳新道で体力を使い、
テンションも上がらない息子は足取りが重いです。
ココもCTに大幅な遅れが生じました。
自分の判断が間違っていたと、強く反省しました。
余裕を持って南岳小屋に幕営しておけば良かったと、この時は思いました。
それでもなんとか3000m峰の18,19,20番目と、南岳・中岳・大喰岳と山頂を頂きました。
景色も見えない中、既にただのピークハンターになっているのが少し悲しかったです。
遅れに遅れて槍ヶ岳山荘への到着が17時。
小屋に着いた瞬間に雲が切れて槍の穂先が見えました。
1日の最後の最後に、頑張ったご褒美をもらえたようで嬉しかったです。
しかし息子は疲れ切ってまして、テントにするか素泊まりにするか選択権を与えました。息子は迷わず小屋泊を選択。
Oh No・・・なんの為にテントをここまで担ぎ上げたのか・・・
しかし息子に選択権を与えた以上、従います。
でも、小屋ってホントに楽ですね。。。
自炊室で夕食をとり、ホールでトランプして、8時には就寝してしまいました。
瞬間寝落ちしたと思います。
●3日目
朝4時前から周りの方がソワソワと動き始めましたので私も目が覚めました。
息子はガーガーいびきをかいて寝てます。
外は晴れたかな?風の音が凄いです。
地図を見ながら時間設定の確認。
新穂高まではCT6時間30分ほどで、槍の往復は1時間ほど。
下山のタイムリミットを9時。槍へのリミットを7時30分にしましょう。
6時に息子が起きたので、朝食を取り、出発の準備をします。
荷造りして待機していましたが、7時ぐらいにガスは出ているものの明るくなってきました。
これは雲が切れる前兆かと判断し、槍の穂先へスタート。
槍ヶ岳はやはり槍ヶ岳。舐めてはかかりません。
穂先までの道は、21座最後の山にふさわしい道でした。
今まで歩いた山の技術の集大成、3点支持をしっかり取りながら登ります。
流れの速い雲のおかげで岩も梯子も鎖も濡れていますので、息子が滑って落ちないようにロープで確保を取りながら登らせました。
丁度登山者の隙間をついて登ったようで、
追い越してもらった方は少人数で済みました。
周りに迷惑をかけないように登れました。
いつもは先に息子を山頂に立たせるのですが、今回は最後の梯子を私が先に登り、上からロープで確保を取りながら登らせました。
おっさんが登り切った瞬間にロープを引き上げてるので、山頂に居合わせた方は何をしてるんだろう?と思われたのでは無いでしょか?
ニョキっと現れた息子。
2014年8月20日7:30
3000m峰21座、21番目。
完登しました。
おめでとう、よく頑張ったよ。
カミさんに書いてもらった21座制覇の手拭。
カミさん、日本習字の師範なんです。
「3000m峰21座制覇」
言葉は陳腐ですけど、歩いた私達親子には重い手拭です。
居合わせた方に、その旗を持って記念写真を撮って頂きました。
周りから拍手を頂きました、ありがとうございます。
ガスガスで何も見えなかった山頂ですが、急に雲が切れて青空が見えるようになって来ました。
都合の良い考えですけど、山が祝福してくれているようで嬉しかったです。
「雲が切れるからここで青空を待とう!」
と言ったのに、息子
「怖いから帰る」
えー?
有無も言わせずスタスタと梯子を降り始めました。
ビビリーな息子。天気が良かったら怖くて登れなかったかも知れません。
なんとも皮肉な...
穂先の下りはたまに青空も見えとても綺麗でした。
急に、今まで歩いた山々の事が走馬灯のように蘇り、
涙腺の緩んだおっさんは1人涙しながら、ロープを持って歩きました。
山荘到着後、荷物をパッキングしなおして下山開始。
高度を下げれば下げるほど天気も好転し、新穂高への長い道のりを歩き続けました。
滝谷の渡渉は再び上流のピンポイントへ。
新たに丸太橋がかかっていましたが、息子は怖くて渡れませんでした。
白出沢からの林道歩き。
いつもの息子は林道歩きはテンションが下がりのんびりになってしまうのですが・・・
ヒョンな事から関西から来られたパーティーの方とお話するようになり、楽しい林道歩きが出来ました。感謝しております。
穂高の登山者センターで下山届けを出し、その後そのパーティーの方と一緒にいつもの「ひがくの湯」へ。
サービスの進化っぷりが相変わらず好きです。
息子の習い事が夕方にあり、間に合いそうでしたので、早々に温泉を離れてしまいました。
関西のパーティーの方にちゃんとしたお礼と挨拶も出来ずに退散してしまいましたが、ヤマレコは見ていらっしゃると言う事で、この場を借りてお礼申し上げます。
早々に立ち去ってしまって申し訳ありませんでした。
おかげさまで最後の林道歩きは私も息子もとても楽しく歩けました。
またどこかの山でお会いできればと思います。
車に乗って自宅へは1時間かかりません。
帰宅した瞬間、息子は習い事へ直行。
私は冷蔵庫に直行。
プシュ
お疲れ様でした。
年長の富士山から始まった
21座の山行の為に歩いた道のり。
総歩行距離 251.07km
総登り 25811m
総下り 27368m
良く頑張った。
1日目 http://monolith.hida-ch.com/e644466.html
2日目 http://monolith.hida-ch.com/e644547.html
3日目 http://monolith.hida-ch.com/e644683.html
PENTAGONさん、こんばんは!
南岳小屋では急にお声掛けして申し訳有りませんでした。
無事、穂先に登られ21座完登!
本当におめでとうございます
同じ時間同じルートを歩き、多々共感しそしてPENTAGONさんと
息子さんのお気持ちも感じさせて頂き感慨深く、とても楽しく
レコ拝見させて頂きました。
とっても素晴らしいレコです
PENTAGONさんはじめ子連れ登山をされている方々のレコを
参考に、また目標に子育てし自分自身の体力も落とさないよう
今後も励んでいこうと思います。
本当におめでとうございました!
今後とも宜しくお願いします fall
Fallさん:
声を掛けていただきましてありがとうございました。
山でレコ関係の方に声を掛けていただけたのは初めてでしたので、とても嬉しかったです。
同じルートを歩いていると、やはり共感できる部分は多いですよね
南岳小屋からは、Fallさん達がスタートしたので我々もスタートに踏み切りました。
時間はかかりましたけど、槍まで行けて良かったです。
今後も宜しくお願いします!
ゲストさん:
いえ、いつまでも初心者ですよ(^^;
PENTAGONさん、息子君!3000m峰制覇 おめでとうございます( ^-^)ノ
最後の槍ヶ岳でのお二人の誇らしい笑顔とっても素敵ですよ♪
頑張ってきたご褒美に青空もあったみたいで本当にヨカッタですね
何よりも息子君をケアしながら歩かれたPENTAGONさん、単独で歩くよりはるかに大変な価値ある山行でしたね!
野次馬としては、つい、次の目標は?と聞きたくなりますが…(^.^)
2周目行っちゃいますか!?
ありがとうございます、ちょっと強引な山行でしたがなんとか達成できました。
もし2週目に入るとすれば、今度は息子がロープに頼らなくても良いぐらい大きくなってからになると思います。
今後はしばらくロープとハーネスを持たなくて良い縦走メインにします。
とりあえず次の目標は立山から新穂高まで歩きたいと考えています。
いつの日か、日本海から太平洋を線で繋ぎたいですね~。
まぁ夢のような話です(^^;
レコ上げた時にすぐコメント書いたのですが、何か突然に用ができたそのままあげ忘れてました。
と言うことで今更ですが、3000m峰21座おめでとうございます!
ssPENTAGONssさんのプロフ見た時に21座目指すのも面白そうだなぁなんて思って見てました。
結構難関コースもあって色々工夫されて達成されたかと思います。お子さんも勇気を出して頑張りましたね!おつかれさまでした!
次の目標はなんでしょう?また楽しみにしてます!
loversoul さん:
ありがとうございます
21座はそれなりに手の届きそうな所でしたのでやってみました。
100名山は流石に遠くて行けなさそうなんで・・・
仕事の休みがそんなに取れないんです(^^;
次の目標は・・・
とりあえずは家から近い北アルプス周辺をウロウロする事にします
あまりの偶然にまたまたびっくりです。6月28日に質問コーナーにアップしたのですが、全く同じ日程コースです。8月26日から2泊の予定でしたが右股谷が徒渉できず、笠ケ岳に変更いました。近日中にアップします。今度同コースを行くときの参考にさせていただきます。
asadaniさん:
すみません、お先に行って来てしまいました(^^;
右俣の渡渉は事故もありましたし怖いですよね。
私たちが行った時は直後で、まだ捜索中でした。
笠ヶ岳のレコ、楽しみにしてますね♪
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