断続的雪渓横断の濃ヶ池〜駒飼ノ池 (将棊頭山-木曽駒ケ岳)
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- GPS
- 09:03
- 距離
- 10.5km
- 登り
- 810m
- 下り
- 817m
コースタイム
- 山行
- 7:40
- 休憩
- 1:23
- 合計
- 9:03
天候 | 晴れのち濃霧 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
コース状況/ 危険箇所等 |
アルパイン登山を目的とはしていませんでしたが、雪渓横断で数回スタカットとロープによる下降をしたのでアルパインとしています 濃ヶ池〜駒飼ノ池 短い区間ながら巨大雪渓を幾つも通過せねばならない 確実なピッケルワークが必要 シュルンド・スノーブリッジもあるので単身で通行は控えた方が良い |
写真
写真に見える尾根を過ぎると、次々と巨大雪渓が現れた
ご婦人には雪渓手前でセルフビレイで待機していただいてスタカットで雪渓横断を何度も繰り返す。
進めば進むほど雪渓横断の難易度があがる
6度目の雪渓は30mロープでは足りない巨大雪渓
巨大雪渓は藪漕ぎをして30mほどロープで谷へ下り雪渓末端を通過
雪渓を横断後、次の雪渓をストックをピッケル代わりに使用し一気に直登
感想
当初、荒天が予想されたが、台風一過の晴天
急遽、日帰りの桂小場から将棊頭山登山を計画
ご婦人一名をお連れして駒ヶ岳PAまでやってきた
駒ヶ根PA到着時、目視で千畳敷を眺めると積雪は僅かでピッケルが無くても問題なく登れる状態になっていた
ご婦人が「木曽駒ケ岳に登ったことがない」と言ったので、ロープウェイ利用で木曽駒ケ岳&将棊頭山登山に予定変更
ロープウェイに乗って千畳敷まで楽チンでやってきた
千畳敷駅→木曽駒ケ岳
始発ロープウェに乗って千畳敷から登山開始
快晴で南アルプス全山、その奥には富士山も見える
九十九折れの急坂をゆっくりゆっくり登り乗越浄土へ
宝剣岳をかすめるように中岳へ登り詰める
左手には恵那山までの中央アルプス山並みが姿を現す
中岳山頂に登ると目の前に木曽駒ケ岳山頂が聳え、その左には御嶽山が神々しくそびえる
中岳山頂から木曽駒ヶ岳頂上山荘のあるコルまで標高をさげ、再度登り返し木曽駒ケ岳山頂へ
木曽駒ヶ岳山頂に乗越すと乗鞍岳・北アルプスまで一望
とても気持ち良い
木曽駒ケ岳〜将棊頭山
穏やかでダイナミックな稜線歩き 初めて歩いたが想像以上に気持ち良い稜線
天気が良い今日は想像もできないが、小学生大量遭難した遭難記念碑を見ると夏であっても天候一つで死の稜線になると思うと気持ちが引き締まる
将棊頭山〜濃ヶ池分岐〜濃ヶ池
濃ヶ池分岐までは先ほど歩いた道を平和に進んだ
濃ヶ池分岐からは乗越浄土へ向けてのトラバース道
濃ヶ池手前に倒木があり、迂回した踏み跡が殆ど無いことから、今季の通行者が殆どいないコトが窺い知れた…
トラバースしながら濃ヶ池到着してみると池は増水
登山道が水没しており、数十メートルだがシャクナゲの藪漕ぎを強いられた
藪漕ぎ後は大岩のゴーロ歩き 潜在的な危険個所もあり、とても歩きにくい
ゴーロすぎると残雪地帯と横断後、登山道水没池塘歩き…
登山靴がドロンドロンとなる…
濃ヶ池→駒飼ノ池
濃ヶ池から一つ目の尾根を巻くと、尾根を巻くたびに次々と巨大雪渓が現れる
この雪渓は滑落したら「さようなら〜」となる
雪渓横断前にチェーンスパイクと簡易ハーネスを装着
ご婦人には雪渓手前でセルフビレイで待機していただいてスタカット通過 これを何度も繰り返す。
進めば進むほど雪渓横断の難易度があがる
6度目の雪渓は持参の30mロープでは足りない巨大雪渓
崩落した巨大なスノーブリッジも見える
この巨大雪渓へは藪漕ぎをして30mほど谷へ下り雪渓末端を通過
雪渓を横断後、次の雪渓をストックをピッケル代わりに使用し一気に直登 足場を確保してからご婦人を引き上げ
50mほど登り木製の階段に辿り着きようやく一安心
ご婦人とのロープは解除して僕は先行してルートファインディングを行う
この階段を登り詰めると、再度残雪直登が現れ、残雪を避けてシャクナゲを藪漕ぎ
このシャクナゲ藪漕ぎを終え、ガレ場に踊り出て駒飼ノ池
駒飼ノ池→乗越浄土
駒飼ノ池付近から先、濃霧がさらに酷くなり視界は10m程度 真っ白け…
ご婦人から一分程度偵察のため先行してあるく
登山道を登ると雪渓横断が現れた
進路をコールし雪渓末端を迂回していただき、僕も雪渓を下りその後を追いかけ斜面を直登して登山道に合流
濃霧の中、九十九折に登山道を登り乗越浄土へ到着
乗越浄土→千畳敷ホテル
乗越浄土から少し下ったところで、駒ヶ岳ロープウェイに
「少し遅れるが、待ってはもらえないか?」
電話をしてみたが、当たり前だがやはりダメ…
その代わりに、この電話で親切に千畳敷ホテル予約手配を行ってくれた
千畳敷ホテルへの最後の下りは疲れた脚では事故が起きがちなので念のためショートロープで慎重に下山
千畳敷ホテルへはロープウェイ最終出発後になってしまい、翌日お仕事のあるご婦人に僕のルート選定ミスのため迷惑をかける結果となってしまった
反省事項
5月半ばにピッケル・12本爪アイゼン・冬靴・雪崩用品等のガチ雪山装備は倉庫に片付けてしまった
チェーンスパイクは念のため2個持参
山の師匠からは「99%安全は危険」「100回歩いたら100回戻ってくる」「山へは謙虚にビビリになれよぉ」と叩き込まれた
本来であれば、全区間に渡り雪渓の有無を確認した上でピッケルを持参して挑まなければならない山域なのだが、自分の勝手な思い込みでピッケルを持参せず連続大雪渓地帯に突っ込んでしまい、ご婦人を連れての雪渓横断ではピッケルが無いため、時間をかけてセルフビレイで待機していだいた上でスタカットで雪渓横断することとなった(FIXロープを張るのが更に安全なのだが、時間がかかってしまう)
将棊頭山への稜線は吹き溜りにしか残雪がなく、濃ヶ池から乗越浄土へのトラーバス道も南側斜面なので雪は溶けているだろうと勝手に思い込んでいた
将棊頭山から濃ヶ池までの区間に雪渓はなく、且つ濃ヶ池ではこの先の雪渓は一つしか見えなかった
しかし実際には濃ヶ池から乗越浄土へ雪渓を通過し尾根を巻くたびに次の雪渓が次々と表れ、スタカットで7回も雪渓を横断することになった。さらに巨大雪渓を迂回するため、藪漕ぎや雪渓を下降し谷へ降りたりして、当初の行動予定より1時間半以上も時間がかかってしまった
雪渓通過時に「ロープウェイの時間に間に合わないんじゃない?」のご婦人の一言で一気に焦ってしまい、次の雪渓横断直前に襷掛けにしたロープをキチンと繰り出さず、コイル状のまま乱暴に置いてロープをもつれさせてしまい。もつれたロープを解くのに10分ロス 情けない…
これが無ければ最終ロープウェイに間に合ったかとも思う
この後は「急がばコトを仕損じる」「楽な道より安全な道」とずっと呪文のように唱え歩き続けた
厳冬期・残雪期に数回、千畳敷から木曽駒ケ岳には登っており(レコはUPしてない)「勝手知ったる千畳敷」と慢心がこのような結果になった
初見で6月でもレコも上がっていない岩稜帯トラバースルートへは近付くコトはせず、どうしても通行しなければならない際はピッケルを持参するか、雪が溶けるのを待たねばならないと強く反省しました
コメント初めましてです!
お二人ご無事でなによりです🫡
焦るお姿をレコして頂けるとは、楽しく拝見させて頂きました(笑)お一人なら何とでもなるパワーをお持ちでしょうがご婦人のケアが必要になると話しは別ですね。
雷鳥親子の時季なら周遊もありですがまだまだ三千m級は危険が潜んでいますね。
名誉挽回?次のご案内楽しみにしています🤭
コメントありがとうございます
時間を気にした途端、焦ってしまい丁寧にロープ操作をしなければならないところ、失敗をしてしまいました💦
ピッケルがあればコンティニュアスで雪渓横断が出来て行動時間がグッと短くなったのに、ピッケルが無いが為に安全システム構築等で余計な時間を費やしてしまいました
6月云えどもアルプスは慎重に行動せねばと、ただただ反省です
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