真教寺尾根〜赤岳〜権現岳〜天女山
- GPS
- 56:57
- 距離
- 12.1km
- 登り
- 1,256m
- 下り
- 1,768m
コースタイム
10日5:00起床7:00キレット小屋-7:46ツルネ-9:30権現岳-11:00三ッ頭-13:30天女山入口
天候 | 9日 晴れ 10日 晴れ(風強い) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
下山後 天女山入口→同スキー場まではタクシー(2400円) |
コース状況/ 危険箇所等 |
● 山行計画書は事前に長野県警に提出 ● 下山後の温泉はたかねの湯 ● 食事はいつもの境川PA <コース状況> ●ゲレンデトップ〜牛首山 ・足首〜脹脛ラッセル。薄らトレース痕があるので、 大きく踏み外すことはない。 ・赤テープあるが、尾根沿いなので、ルートは明瞭 ●牛首山〜2,400m付近 ・足首〜脹脛ラッセル ・尾根沿いなのでルートは明瞭 ・幕営は2,316mピークの先の鞍部まで。その先は ハイマツも埋まっているので、整地しても快適では ないだろう。 ●2,400m付近〜真教寺尾根終了点 ・2,500m付近から樹林も疎ら。 ・下部岩場とリッジを挟んで上部の岩場に分かれる。 ・下部岩場は困難さはないが、斜度があるので注意。 ・リッジを越えた後の上部岩場は岩場基部を巻きながら 直上するか、途中から左にトラバースするか。当日は 雪崩の危険性はなくトラバースして縦走路に出た。 ・部分的に鎖が出ていたが、特に使う必要はない。 ●終了点〜キレット小屋 ・地形図でも明らかな通り、細かい尾根とルンゼが入り組んで 視界不良時はルートが分かりづらい。当日は、好天、寡雪で ペンキマークがあったので、ラクラクルーファイ。 ・2か所ほど切れ落ちたトラバースあり(写真参照)。 ・下部のルンゼは雪が緩んでやや悪い。 ・2,500m付近まで降りて傾斜が緩むと雪が深い。完全ノー トレースで太腿まではまる。ある意味ここが一番キツイ。 ●キレット小屋〜権現岳 ・森林限界まではワカン&アイゼン、それ以降はアイゼンのみ。 ・旭直下の長い梯子は全荷だと腕がパンプする。 ・特に難しいところはない。 ●権現岳〜天女山 ・権現岳直下で1ヶ所トラバースあり。 ・それ以降は、ハイキング道。 ・三ツ頭付近は風の通り道。 ・前三ツ頭から天女山向けて下るところは、好天トレースありなら 問題ないが、視界不良時は南に伸びる尾根に入り込まないよう注意が 必要。分かっていないとはまると思う。 ・標高1,859mを越えると、暫くなだらかな道が続く。散歩道。 ・天女山の上の駐車場はゲートが閉じているので、下の車道まで。 |
ファイル |
非公開
6427.xls
計画書
(更新時刻:2013/02/01 13:57) |
写真
感想
パーティの総合力で突破しようと企画した今回の山行。
メンバーには事前に天候の分析、ルート・地形の入念な把握、当たり前の
ことだが、今回は敢えて明示的にお願いし、天候については全員の分析を
出発前夜に共有した。
また、地形の把握はもちろん、行動中も常にルート、地形の把握に努めて
もらい、リーダー任せにならないように進めた。
結果、高層天気図の見方や冬山気象、雪崩リスクへの理解レベルの差が
明確になった。地形の把握は、それぞれの状況が分からなかったが、
そもそもすぐに取り出せるところに地形図もコンパスも置いていないという
シーンがあるなど、それぞれにリーダー任せにしないという点で課題を
整理できたのではないかと思う。
今後も、責任ある準備、行動を継続してほしいし、特に事前の天候分析の
共有は、お互いの理解不足を補うために今後も続けたいと感じた。
一方、リーダーである私自身、課題が浮き彫りとなった。
事前の計画でビバーク地を2,316mピークの先の樹林帯に設定していたが、
計画より相当早く到達したこと、また2日目の天気予報が「やや悪」かった
こともあり、更に上部にビバーク地を求めた。事前に上部2,700m付近に
ビバーク可能箇所があるとの事前情報を得ていたが、適地は見当たらず。
タイムアップとなれば、2,600m付近まで戻ればビバーク可能、緊急とも
なれば営業中の天望荘へ到達できるとの判断の下、歩を進め、結果、
16:15にキレット小屋に到着できたが、この結果に至る判断過程は胸を
張れるほど確固たるものとは言えない。
こういった判断過程の脆さが、ワカンによるラッセルから上部斜度が
キツクなるところでのアイゼン装着への移行のタイミングを遅めて
しまったと思われる。登降能力が一番低いメンバーに合わせた判断を
しなければならないシーンだが、できていなかった。
今後も経験を積み上げて行きたい。
ともあれ、
真教寺尾根からキレット小屋までは、誰1人登山者に遭遇せず、
トレースもほぼ埋まっているなど、静かな八ヶ岳を独占することができ、
本当に幸せだった。
全体を通して雪のコンディションが良好でノーロープで済んだが、状態が
悪ければ、十分初級のバリエーションルートとして楽しむことができると思う。
冬の八ヶ岳、残す個人的な課題は旭東稜・・・
体力勝負となりそうな真教寺~赤岳~権現縦走、
実は、直前までキャンセルしようか悩んでました。
前週からの股関節痛と体調不良で、
この状態で行ったら途中リタイヤになるのでは…と思い、
ドタキャンと、途中リタイヤと、どっちが迷惑だ?とぐるぐる悩む。
悩んでるうちに日は迫ってくるし、食坦だし、自分としては行きたいし、
頑張るだけ頑張ってみようと、しれっと参加。
前泊地は、道の駅南きよさと。
事前にチェックした野辺山の気温はマイナス19度。
マイナス19度って、八ヶ岳の稜線ですか!?
たぶん山行中より寒い。いちばん寒い。。これはヤバいと前泊用に厳冬期シュラフを持参。
前泊のためだけに厳冬期シュラフ持っていったの初めてです…
でも、おかげで快適にぐっすり眠れた。
朝ごはんもコンビニ弁当+シュークリームでカロリー800kcal超え、さらにユンケル投入。
これで元気が出たのかな?思いのほか体調がよい。
少しでも体力を温存したくて、
CLやっさんに「リフト乗りたーい!」アピールをしまくって、
サンメドウズ清里スキー場からリフト乗車。一気に高度を稼ぐ。
7時からの運行でかなり助かった。
そこからはラッセル。
最初はツボ足だったけど、これはたまらんとすぐにワカン装着となった。
しかもモナカ雪で、やたらと体力を奪われる。
キツイ、暑い。。遅れ気味になってしまう。
でも、やっさんとワルさんがガツガツ進んでくれるので助かる。
見あげれば、最高の天気。振り返ると富士山。
阿弥陀南陵を思い出した。あの時もこんなカンジだった。
重荷にラッセルは疲れるけど、このロケーションが気分的な支えになってくれた。
交代して先頭でラッセルしてると、なんか元気出てきたり。
今週、下界ではあんなにダルかったのに、この違いは何!?というくらい。
山に来ると元気になる。ってわけでは、絶対ないと思うんだけど…。そんな山バカではない。。
快調に進みすぎて、幕営予定地に早く着いてしまったので先に進む。
この先にも幕営適地があるらしい、との情報があったのだけれど、
結果的には4テンが張れる所はなかった。2テンなら何とか…という場所はあったかな。
引き続き、ひたすらラッセル。だんだんと傾斜がきつくなり、樹林がまばらになり…。
わかんからアイゼンに履き替えると、もう山頂はすぐそこ。
核心の岩場になり、やっさんに「ロープ出す?なしで行ける自信ある?」聞かれて、しばし悩む。
斜度、雪質、鎖の出具合、今日の自分の歩き…。
これは行ける。と思ったので、なくて大丈夫です。と答える。
自分的には珍しい。(いつでもどこでもローププリーズ派)
斜度があるので、アイゼンの前爪で登るのがこれまたツライ。
ふくらはぎが攣りそう。途中休めないし。。
痛いよ―痛いよーと心の中で叫びながら、登る。
アイスやる人って、いつもこんな思いしてるのかな?
核心を越え、文三郎尾根に合流。
あれれ、真教寺尾根、終わっちゃった!
2日目の予定だったから心の準備ができてないとか、
夕飯の食材を消費してから行きたいとか、
色々思っていたのに…。
ここまで来たら、もうキレット小屋をめざすしかない。
先に進みます。
ここは、年末年始に逆走したルート。あの時はツラかったなぁ~…。
今日は快晴。先が見える!道が見える!!
天気がいいってこんなに幸せなのね。そして、天気の違いでこんなに困難さが違うとは。
あの時は「どこが赤岳だ!!」ってくらい何も見えなくて、ルートがわからなくて、厳しかった。
景色が見えるって、とても爽快。気持ちいい!!
気分よく進みますが、今までの疲労が下りになって出てくる。膝や足首がヨレヨレ。
ザレ場は落石を起こしてしまいそうで怖いし、
踏ん張りが利かなくなってきてるので足首を痛めそうで怖い。
ラッセルは下りでもツライ。
あとちょっとなのに、キツイ…。
どんどん消耗していくのを見てか、キレット手前のコルで幕営することに。
やっさんからそれを聞いたとき、
「あとちょっとでキレット小屋なのに…」と悔しく思うのと
「もう歩かなくていいんだー」と嬉しく思うのと
「キレット小屋に何があるわけでもないし、ここで幕営でも変わらないな」と思うのと色々。
むしろ、人がいないだけ快適。
整地し、テント設営し、水づくりの雪を集める。(やっさんはトイレも作ってくれた)
雪を集めているときに誤ってスコップを斜面に落としてしまった。
樹林帯で止まったからよかったけど、なくしてしまったら非常に危険。。
いざという時アバランチレスキューできないじゃん!!
気をつけるべし。反省。
ワルさんは夕暮れを写真に撮る。
カメラ好きとは知っていたけど、今回一緒になって、本当に写真が大好きなんだなぁと思った。
夕飯は豚生姜鍋にしました。
シンプルで手間いらず。基本的にぶっ込むだけの鍋が好き。ラクだから~
しかし、そろそろ鍋レシピのレパートリーがなくなってきて、困る。。
お酒はみんな色々持ってきていて、図々しくもたくさんもらってしまいました。
今回は体調的に自信がなかったので、お酒・つまみは持参せず。
なのに人の酒は飲みまくり、つまみは食べまくる…本当にすみません。。
はるさんの京都芝漬けは美味しかった!!雑炊にもぴったり、日本酒にもぴったり。
いつもチョイスがいいですよね。見習いたいです。
ちなみに、はるさんが一緒の山行はすごく安心感がある。なんでかな。
精神的な支えになるというか…見守ってくれてる感じがするのです。
やっぱり信頼と実績のはるさん!
翌朝はややゆっくりめの起床。
ワルさんが手早く朝食を作ってくれた。本当に手早い。超速!!
カレーにチーズは鉄板ですね。そこにスパムを投入していたのがステキ。カロリーon!
下界じゃ絶対やらない(カロリー高すぎて)ご飯が食べれるのも冬山の醍醐味?
稜線はとにかく風が強い。歩くのがツラい。
今回、自分が強風に弱いということを実感しました。薄々感じてはいたのだけど。
風に煽られる→よろける→踏み出したとこがトレース外→ズボッ。
「…………(イラッ)」
怒りの中で(自分への?風への?)しばし固まり、
あーちくしょーこんにゃろめと思いながら足を引き抜く。
小柄だから風が強い時は大変だねってよく言われるけど、
その分風を受ける面積が少ないわけで、むしろ有利では?って思っていたのだけど…。
どうなんでしょ。
体に対してザックが大きいから煽られやすい?
脚力がないから?
あ、軽いから!?(ポジティブ思考)
あっ、重心が高い=足が長いから!?(超ポジティブ思考)
そんなバカなことを考えつつ、相変わらず風によろけながら歩きます。
感動でウルウルするはるさんを先頭に、権現登頂。
(最初、風が目に沁みてウルウルしてるのかと思ってました…ゴメンナサイ)
ここまで来たら一安心。あとは下るだけ。
今までとまるで違い、やたらと人が多い。
たくさんの人とすれ違い、追い抜きました。
踏み固められた道はとっても歩きやすく、今までとの違いにただ感激。
さっさか下って行きます。
そう、調子に乗ってさっさか下り、そこそこスピードも出しておりました。
時たま足がズボッとハマるので、足元ばかり見ていたら…
顔面に衝撃。
あまりの衝撃にぶっ倒れる。サングラスはぶっ飛んだ。
瞬間的に「あ、枝にぶつかったな」と理解はしたものの、顔面(っていうか右目)の痛みに悶絶。
目に刺さってないよね、と確かめたいけど自分じゃ見えない。。
とりあえず、右目はぼんやり見える。(←コンタクトがずれただけ)視界も赤くない。
目に当てた雪が赤かったので、流血はしてるけど目ではないな、、と思ってるところに
後ろを歩いていたワルさん、はるさんが追いついてきて、世話をやいてくれた。
だいぶ先を歩いていたやっさんも、登り返してきてくれる。。(申し訳ない…)
傷を見てもらってギリギリ目からは外れていることを教えてもらい、一安心。
はるさんが絆創膏を貼ってくれて、また下る。
顔はジンジンするけど、冷たい風が気持ちいい。保冷剤いらず。
天女山登山口駐車場(閉鎖中)でタクシーを呼び、
車道まで歩いているときに建設中のイグルー発見!!
雪崩講習の時の講師がハマっていると言ってたイグルー。いいなぁいつか泊まってみたい。。
そして、無事下山。
2泊の予定を結果的には1泊で歩いてしまった。
途中途中の判断には色々と反省しなくちゃいけないところがあると思うけど、
正直、このまま行けると思ったし心配はしてなかった。。
でも、CLまかせにしていることが多くて、反省。
今回、CL命令で気象や地形、ルートについてはかなり予習していったけど
かなり難しかった。気象はしっかり勉強しないと…。全然わからない。。
今回、好天に好条件で難なく行けてしまったわけですが、
やっぱり山って難しい。
天気によって全然違うし、道や雪の状況によって全く変わる。
年末年始の縦走と比べて、本当にそう思いました。だって本当に全く違った。。。びっくりした。
色々な判断も難しいし、CLは大変だなぁ、とまた思いました。
早くCLできるようになって、人を連れていけるようになれればと思うけど、まだまだ無理です。
精進しないとなぁ、と感じた山行でした。
でも、楽しかったー!!
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する