初夏の稜線縦走 中央アルプス檜尾岳〜空木岳
- GPS
- 29:02
- 距離
- 26.4km
- 登り
- 2,393m
- 下り
- 2,722m
コースタイム
- 山行
- 8:43
- 休憩
- 0:14
- 合計
- 8:57
- 山行
- 6:22
- 休憩
- 0:32
- 合計
- 6:54
天候 | 6月1日(月) 曇り ガスが濃くて視界不良 6月2日(火) 午前中晴れ 午後からガス |
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過去天気図(気象庁) | 2015年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
昨年は檜尾尾根を下山に利用した。
その時に見た檜尾岳から南に延びる中央アルプスの稜線が目に焼きついていた。
今回は檜尾尾根を登りに使い、あの空木岳を目指そうと言う豪華な山行プランです。
梅雨入り前に行っておかないと、行く機会が無くなってしまうといけないので、体に鞭を打って行ってきました。
前夜自宅を出発し、駒ケ根で車中泊とするか、自宅で寝て当日早朝に出発するかを少し悩んだ。
菅の台のバスの出発時刻が午前7時15分と遅いので、当日の自宅出発にしよう!と決める頃には、知らぬ間に左手にビールの缶を握っていた。
空木岳の登山口に自転車をデポして、下山時に楽をする計画なので、バスに乗る前に空木岳登山口に行かなければならない。
その分だけ少し早起きして、あの未舗装のガタガタ道(池山林道)を上がって行った。
「明日下山するまで無事に居てくれよ。」とワイヤーロックを立ち木を利用して、盗難防止策を講じながら自転車にお願いした。
盗まれたら困るんだ、なにせ自転車は息子からの借り物ですから。
菅の台バス停の駐車場に1時間も前に到着すると、すでに気の早い登山者の車がちらほら。
バスの発車時刻10分前でも、10台有るか無いかの駐車台数で、客の数もまばらだった、平日ってこんなもんです。
とうぜん檜尾橋バス停で降りる客なんて、私一人。
全国のあちらこちらで熊の目撃情報や、被害の報告が散見されていて、檜尾尾根が安全かと言えば正直分からない。
良く鳴り音の通りの良い熊鈴をザックに付けて来たのが、唯一の対応策だ。
6月1日
それにしても檜尾登山道は急登の連続だ。
4時間で登れないかな〜?なんて甘く考えて居たが、全く駄目だった。
檜尾避難小屋にたどり着いたのは、出発から5時間もたって居た、残雪が登山道を隠して居たり、大木の倒木が登山道を塞いで居たのも時間が掛かった一因では有る。
ザックの重さを減らすため、行動中に飲む水の1リットルしか持って居ないにも関わらずの結果です。
食事に必要な水は、第一案:水場で補給する 第二案:残雪を溶かして水を造る、として居た。
檜尾尾根の水場は残雪の下で全く使えず、仕方なしに残雪を溶かして2リットルの水を造り、容器に入れてから稜線に上がった。
事前の下調べ通り、稜線上には全く雪は無い。
チェーンスパイクは念のために持って来たが、アイゼンやピッケルは持って来なかった。
檜尾尾根でチェーンスパイクを使う所が有ったが、それだけで済んで良かった。
尾根を上がっている頃にも宝剣岳の方向はガスに包まれ、頂上はおろか稜線をも見る事は無かったが、空木岳方向は時折ガスが飛び、その綺麗な稜線を見る事は出来て居た。
しかし、稜線に上がった今は濃いガスが全てを隠してしまっている。
進む方向に迷いは無いし、はっきりとした登山道はルートを外れる事も心配は要らない。
時間は午後1時を過ぎて居るが、檜尾避難小屋を泊地とするには早すぎる時間だ。
木曽殿越と言う鞍部には木曽殿小屋が有り、冬季小屋も有る事は知っている。
午後5時半までに到着出来るかどうかが不安だが、今日はもう少し先に進んでおきたい。
上空に時折青空の片鱗が見え隠れする事から考えると、ガスの厚さはそれ程無い様に思えるが、水平方向には全く視界が得られない。
100m程先しか見えない様な状態で、足元の地面だけ見て歩くのはなかなか辛い。
昨年見た檜尾岳からの景色、熊沢岳がやけに高く見えたし、そこに続く稜線の綺麗さと言ったら無かった。
そして、熊沢岳から向こうに延びて行く稜線も、「なんでここを歩るか無いんだ?」と私に問いかけて居る様だった事を記憶している。
いまこうして歩いては居るが、何か違うな〜・・・残念。
想像して居た稜線歩きよりも、数段厳しい。
優しい線に見えたスカイラインは、思ったよりもアップダウンが大きく、手に持ったストックが邪魔に成る様な段差が大きいし、その数が多い。
熊沢岳を過ぎたころからは思った以上に体力を奪われ、木曽殿小屋まで行くのを途中で諦めた、午後4時を過ぎたころから、今日の泊地を探す事に専念し始めてしまった。
「北西の風が防げて、しかも駒ケ根の街が見下ろせる様な素敵な場所」ってなかなか無いもんです。
やっと見つけた頃にはもうヘトヘトでボロボロでした。
夜中に急に風が強まり、自立式ツェルトがバタバタと音を立てた。
それでも眠気に負けて眠るが、途中4回程風の音で目が覚めた。
6月2日
昨晩の風が上空の雲と一緒にガスも吹き飛ばしてくれた様で、360度の視界が広がっている。
これから向かう空木岳もはっきりと見えるし、肩に有る駒峰ヒュッテの位置も分かる。もちろん駒石もバッチリだ。
一晩寝たおかげで足の疲労も収まった様だ。
それにしても昨日の晩御飯に炊いたご飯は美味しかった!、私史上最上の炊き具合だったと思う、次回もあんな風に炊けたら思い切って売り出そう!!<爆
午前5時半に歩き始めた。
あの遠くに見える空木岳の頂上には何時に到着出来るだろう?、鞍部が見えないしその手前の東川だけにすら到着して居ないので時間が読めない。
昨日はガスで見えなくて時間が読めず、今日は地形が見えなくて時間が読めないとは。
出発から30分程で木曽殿小屋に到着した、ここでは少しルートを外れて水を汲みに行く必要が有る。
「義仲の力水」と言う水場が木曽方面に10分程下った所に有るらしい。
秋には涸れる事も有るそうだが、夏前のこの時期なら涸れる心配は全くなさそうだ。
湧水かと思っていたら沢水だった、しかも力水と言っても餅が入ってる訳でも無い。
往復の水汲みで30分程を費やし、再び木曽殿小屋に戻ったのは午前6時50分頃だった。
木曽殿小屋から見上げるピークは空木岳では無いそうだ、空木岳は見えるピークの向こうの向こう、3つ向こうが空木岳なのだそうだ。
此処から2時間で着けるかな?そう不安に思いながら小屋を後にした。
どんな急登や長い道のりも、一歩一歩歩けばそのうちには到着出来る、私が登山で学んだのはそれくらいか。
40分程登って後を振り返ると、木曽殿小屋が真下に小さく見える。
実際には真下なんてありえないが、本当に下に見える程の急登だったので有った。
「第一ピーク」なんて岩にペンキで書かれてていて、これが下から見上げたニセピークだった事が分かった、そうするうと向こうに見えるのが「第二ピーク」かな?意に反して、期待を裏切って第二ピークのペンキマークは無かった。
ペンキマ-クを探して歩いていたら、岩陰の向こうに山頂標識がすくっと立って居た、それが空木岳だった。
それにしても急峻で険しい道のりだった、昨年歩いた奥穂高やジャンダルム辺りと変わらない険しさだったような気がする。
8時10分ちょっとだったと思うが、予想より40分近く早く到着出来た、しかし今日も世間は平日なので誰も居ない。
山頂からの景色を画像に残し、早々に下山開始。
駒峰ヒュッテと駒石の間で登山者に出会った、昨日の登山開始から二人目の出会いだった、一人目は今朝木曽殿へ下りる途中で出会って居た、その彼は昨日菅の台のバス停で一緒に成り話をしていた、逆向きの縦走なので明日はどこかですれ違いますねと話して居たのだった。
彼は木曽殿小屋の冬季小屋で泊まったと言って居た。
で、駒石の手前ですれ違った登山者は、汗をびっしょりかいて「トレーニング」ですと言って居たが、お腹の肉が少しばかりたるみ過ぎて居る気がした。
さすがに人気の百名山「空木岳」である、平日でも登山者にすれ違う事が多く成って来た。
静かな山歩きを楽しみたいが、誰も居ないとさみし過ぎると言うわがままな私なんである。
今山行で新しい靴を履いてきた、スポルティバのトランゴと言う人気の登山靴だ。
試着もしないで通販で買ってしまったとは言え、随分前に東京駅の石井スポーツでサイズを合わせては居たのだった。
これの前に履いて居たスカルパの登山靴がソールが擦り減り、危機的な状況なのを見かねて、妻が買ってくれた有難い靴なので有った。
このトランゴは足にぴったりでとてもフィットする、ただしスカルパトリオレよりも軽い分、靴の剛性は低い様に感じるし、残雪の中を歩いたら冷たく感じたから、保温性能や断熱性能は低いのであろう。
てくてくひたすら歩いて4時間、空木岳登山口、現在の取付き地点に下山した。
心配して居た自転車はちゃんと私を待っていてくれた。
ワイヤーロックを解き離して、折り畳んだフレームを伸ばしてやると、いかにも嬉しそうに伸び伸びとした・・・嘘です、自転車とそんなに仲良しじゃ有りません。
ガタガタの未舗装の池山林道を下り、菅の台のバス停までほぼペダルを漕がずに済んだ、自転車をデポしておいた自分を褒めてあげたい。
すっげー楽チンでした。
菅の台バス停で自転車をかたずけて山行は終了した。
この所「何もしたくない病」の症状がひどいが、これで少しは改善できたかな?
おしまい
中央アルプス檜尾岳〜空木岳縦走お疲れさまでした。
いやぁ〜〜スゴイですね!山行記録見てるとすぐにでも登りに行きたくなりました。
仕事が忙しいとおっしゃっていたので、気の毒だなぁ〜と思っていましたが、とても良い山旅ができてかなりリフレッシュできたのではないでしょうか!
空木岳はもうアイゼン必要ないですか?
自分も昨年、空木岳を計画していたのですが天候に恵まれず中止したので、今年こそは登りにいきたいと思っています。今回のプランを山行にさせていただきます。
psmaruさんコメント有難うございました。
空木岳は百名山に選ばれるだけあって、登って楽しい見て楽しいと言うグリコの様な山でした、ぜひ一度登頂を果たして下さい。
すでに残雪の心配は全くありませんでしたよ、ただし少し離れた千畳敷カールにはまだ残雪多い様です、木曽駒に行かれる時は事前に雪情報をチェックして下さい。
「感想」を追加して記入しました、宜しかったらお読みください。
有難うございました。
いいな、いいな。新しい登山靴。買ってもらえるなんてウラヤマシ過ぎる~。
テン泊も良いですが、アニキには是非とも怪奇伝説のある空木岳避難小屋にて一夜を明かして欲しかったなぁ…ヽ(^o^)丿
空木岳おつかれ様でした~
osamu310さんコメント有難うございます。
いいでしょ!新しい登山靴!秘訣は良い嫁を貰う事ですね!ゴメン、きつい一言でしたね。
>怪奇伝説のある空木岳避難小屋
そんな所へ泊まれと?私に死ねとおっしゃるつもりか?<笑
正直、あの噂の小屋には近づく事さえ出来ません、だって恐いんですよ〜。
と言いながら、なんだか中央アルプスの魅力に虜に成りそうな予感がします。
graveltrek
graveltrekさん、こんにちは。
縦走楽しんでおられますね。ご飯も美味しく炊けたそうで販売ですか?「gravel米」。ウマそうというよりインディカ米の類かと思いそうなネーミングだ。
自分は日帰りで空木岳に登ったことがありますがあそこのヒュッテは「こまほ」って読むんですね、勉強になりました。檜尾岳のことを密かに「ピノキオ」と読んでる私としては目から鱗ですわ。
さて、次はもう少し南下しましょうよ、そう、南ア。行きましょうよ、登り「甲斐」のある駒ヶ岳に(笑)
bo-tyu-zaiさんコメント有難うございます。
「何もしたくない病」の発症で、体がダルオモーのgraveltrekです。
美味しく炊けたご飯は「トレック米」じゃ駄目ですかね?
いつも眺めてる南アルプス、私にはまだまだですね。北も中も全部中途半端なまんまですから、南に足を伸ばすせるのは何時の事やら。
と言いながら、空木岳から見た南アルプスの東の方に有る山、名前を知らないんですが、とても形が良くて、ぜひ行って見たいと思いました。
bo-tyu-zaiさんの来月の山行計画が好天に恵まれます様にお祈りして居ます。
3年程前に空木平避難小屋泊の逆廻りで歩きました
graveltrekさん、こんばんは
中アの稜線はアスレチックで楽しいですね
空木は大好きな山なのに相性が悪いのか、2戦2敗の展望なし登頂となっています
槍が見える天気が羨ましい
lowriderさんコメント有難うございました。
lowriderさんの過去の山行を拝見させていただいたら笑っちゃいました、だって私はまるで逆にlowriderさんの足跡をさかのぼって居る様です。
実は近々、伊那川ダム駐車場から越百岳から空木岳までを回ろうと考えていたからです。
いつか一緒に、越百岳から木曽駒へ縦走し、北御所登山道を下りましょうね<笑
そそられるルートですね〜。真似して行きたくなってきました。
それにしても雲海が美しいです。
「何もしたくない病」という文字を見てギクっとしました。笑
okada_gtxさんコメント有難うございました。
稜線歩きはアップダウンがきつくて、「のんびりハイキング」では有りませんでした、その分楽しんで歩けました、疲れましたけどね<<お勧めですよこのコース!!
次の休日に残りの稜線をやっつけに行こうと思っています、梅雨なので多少の雨は覚悟してます<笑
「何もしたくない病」?・・体がだるくて重くて、やる気が出ないんです、なんでやろ?
graveltrek
自転車?
つまんない(笑)
cyo-sukeさんコメント有難うございました。
あのスキー場を通って菅の台まで歩く?そんな事する人居るんですか? <笑
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