道央の火山・十勝岳から美瑛岳縦走
- GPS
- --:--
- 距離
- 15.7km
- 登り
- 1,508m
- 下り
- 1,509m
コースタイム
天候 | 快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2015年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
十勝岳への登山路は、特に危険箇所はない。十勝岳から美瑛岳への縦走路も良く整備されているが、鋸岳から美瑛岳の尾根筋部分(美瑛谷3稜の頭から1稜の頭)は、痩せ尾根部分を通過するので慎重に行動。また、美瑛岳から雲ノ平への下山路は、ポンピ沢の渡渉箇所があるため、雨天時は注意必要。また、雪渓のはしごは上部雪渓を通行することで問題なし。 |
その他周辺情報 | 白銀荘では、宿泊者は再入場で300円で利用可能 |
写真
装備
個人装備 |
運転用運動靴
サブザック
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感想
28日11:00に五色温泉を出発し、12:55に小樽でレンタカーを返却した。電車で札幌に出て、その後、15:29に旭川に着いた。旭川でまたレンタカーを借り、十勝(吹上)温泉に向かった。旭川から富良野に向かうと天候は回復しており、進行方向に十勝連山の雄大な山並みが確認できた。当初の予定より早くつけそうだったため、17:05に十勝岳登山口の望岳台に立ち寄り、明日以降に登る十勝岳、美瑛岳等の確認を行うことができた。
その後、本日の宿泊先の白銀荘に向かい、17:27に到着することができた。この白銀荘は、公営の温泉保養センターで温泉施設や自炊設備、乾燥施設等が充実しており、快適だった。
29日(月)も4時前に起床、4:20に白銀荘から望岳台に移動。4:40に登山届を提出し、十勝岳を目指して出発した。今日の天気予報は、午前中は曇りで午後から晴れとなっており、十勝岳の山頂は薄いガスに覆われていた。登山路は、火山岩がごろごろ転がっている溶岩台地から真っ直ぐに伸びていた。5:00に雲の平分岐を通過、5:30に十勝岳避難小屋を通過した。登山路の両側には、エゾイソツツジ、マルバシモツケ、ヒメイワタデの花が咲いていたが、標高が上がるにつれて、植物が少なくなっていった。避難小屋の上部の岩場あたりから、火山岩の間に黄色い小さな花をつけたメアカンキンバイが目立つようになってきた。ここから更に傾斜がきつくなり、真っ黒な火山礫のガレ場が続く昭和噴火口への急登となった。このあたりでガスが濃くなり、先が見えなくなったため、6:20に小休止を取って休んでいたところ、ガスが晴れてきて、十勝岳の主峰が目に飛び込んできた。当初予定していた昭和噴火口はすぐ上だった。昭和噴火口の先は、緩やかに上りが続く広大な台地となっており、十勝岳主峰の北斜面まで1kmほど平らな道が延びていた。その先には、十勝岳の山頂に連なる稜線に至る急斜面が待ち受けていた。
この急斜面の裾野から山頂までの標高差250mをジグザグを繰り返しながら一歩一歩上り詰め、7:20に山頂に到達した。山頂からの眺望は雲一つない快晴で北東方向にはこれから縦走予定の美瑛岳が荒々しい岩肌を見せ、その右側にオプタケシケ山、更にトムラウシ山が続いていた。また、更に奥には、残雪が残る大雪山の旭岳、化雲岳、そして右側には石狩岳が見えていた。また、南西方向を見ると、ホロカメットク山から富良野岳に連なる山並みがくっきり見通せた。登ってきた北西方向には、活発な噴煙を上げる前十勝の噴火口、そしてその先の樹林帯の中に登山口の白金温泉、更にその先に富良野の市街が見通せ、360度の眺望を堪能した。山頂には、京都からのカメラマン、四国、静岡からの登山者が一緒になった程度で静かな山頂だった。
いつまでも去りがたかったが、先があるため、7:45に美瑛岳に向けて出発した。最初の100m近く岩場を下り終えると、月の砂漠と形容したくなるような平坦な砂地の平原が数百m続いていた。一木一草もない火山性の砂地の丘をサクサク通り過ぎると、鋸岳の裾をまく道になっており、その先は、富士山の須走を思い出させるスコリアが堆積した急斜面が現れた。この斜面をストンストンと一気に70mほど下り、やがて尾根をトラバースして進むと登り斜面になり、徐々に植物が現れだし、やがて美瑛岳の爆裂火口の尾根道に着いた。尾根道の先には、美瑛岳の爆裂火口が荒々しい山肌を見せ、足元は大きく切れ込んでいた。ここを注意深く進んでいくと、エゾツガザクラ、メアカンキンバイ、ミネズオウ等の高山植物のお花畑が出現した。更に、キバナシャクナゲ、チングルマ、コケモモ等も目に付くようになり、写真撮影が忙しい程だった。
登山路は、美瑛岳の火口壁の東側を巻くように伸びており、お花畑の中の登りは心地良い時間だった。登ってきた道を振り返ると先程までいた十勝岳がはるか彼方に望まれた。巻道は、途中から緩やかな下り坂となり、美瑛富士との分岐から直角に折れ曲がって緩やかな斜面を上り詰め、9:35に美瑛岳山頂に到達した。美瑛岳山頂にくると、先程まで晴れ渡っていた遠くの山にガスが登り始め、トムラウシ山は雲の中に隠れてしまった。また、十勝岳方面も富良野岳は山頂を除いてガスの中だった。大雪山方面も雲海が湧いてきており、旭岳等の裾野を隠していた。美瑛岳山頂では、地元のハイカーをはじめ、4人がいたが、平日だったせいか、ゆっくりと眺望を楽しむことができた。
10:00に下山を開始し、先に下り始めた地元のハイカーに続く形で一気に斜面を下った。美瑛岳の下山コースにもエゾツガザクラやトカチコザクラ等の高山植物がそこここに咲いており、美瑛岳は高山植物が豊富な山だった。10:35に美瑛富士小屋分岐に至ると残雪が現れた。この辺りでは、ピンク色のトカチコザクラや黄色のウコンウツギの群落が目に付いた。この先のハイマツ帯の中の登山路を更に下り、11:05にポンピ沢の渡渉部に到達した。
この下山コースの最難関ヶ所がこの渡渉とこの先の雪渓の横断部だったが、それほど苦労せずに無事通過できた。
雲の平に戻ってくると、エゾコザクラやエゾイソツガザクラ等のお花畑が拡がっており、美瑛岳はコース全体の至る所で高山植物の見頃を迎えており、色々な花を堪能することができた。12:15の登山口の望岳台に到着し、車で白銀荘に戻って山登りの汗を洗い流し、旭川経由で札幌に向かった。
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