記録ID: 6769955
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アルパインクライミング
剱・立山
剱岳・小窓尾根〜北方稜線〜早月尾根
2024年05月03日(金) ~
2024年05月05日(日)
体力度
7
1~2泊以上が適当
- GPS
- 56:21
- 距離
- 16.9km
- 登り
- 2,903m
- 下り
- 2,880m
コースタイム
1日目
- 山行
- 10:47
- 休憩
- 0:17
- 合計
- 11:04
距離 6.4km
登り 1,682m
下り 183m
3日目
- 山行
- 6:36
- 休憩
- 2:34
- 合計
- 9:10
距離 8.1km
登り 450m
下り 2,336m
13:41
ゴール地点
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
■〜雷岩 融雪著しい状況を鑑み、白萩川の遡行は除外し、高巻きルートを選択。 林道終点の堰堤左側の赤谷尾根末端を仙人谷と池ノ谷ゴルジュの出合まで高巻きする。川に降り立ってからは河原歩き、ヘツリを交えて雷岩へ。上流には雪量豊富なスノーブリッジで渡渉せず難無く対岸に渡ることができた。 高巻きルートについては明瞭な踏み跡とマーキングで迷うことはない。 ただし赤谷尾根末端の擁壁より上方に連続するテープを追うと迷いやすい。 昨年および今回も序盤から迷走するパーティを認めている。 ■小窓尾根 ・取り付き〜標高2243m 尾根取り付きのルンぜは既に寡雪のため、いきなり尾根に取り付く。 尾根上には古いフィックスロープあり。踏み跡は明瞭だが、標高を上げるほどに藪の 繁茂が著しい。標高2121pから2243mまでが最も藪化が顕著の印象を受けた。 ただし、下道はあり、激藪とは言えない。沢登りの詰めや踏み跡のない藪漕ぎに慣れた人なら左程難渋はしないと思われる。 最初のテン場適地となる標高1614mより樹林帯を抜け展望が開ける。 以降は雪を繋ぎながら標高を上げる。 初日のテン場としていた2121pは複数のテントを張れるほどの適地であったが、 時間に余裕があったことから、次の適地として候補としていた2243mへ向かう。 2121pからは尾根は痩せ、斜度は上がり一層藪化が激しくルートは不明瞭となっていく。2243mの適地までの難所としては傾斜が70°を超える雪壁が2ヶ所あり。 2ヶ所目の短いが抜け口が80°〜90°の雪の垂壁で安全のため初めてロープを出す。 ここを抜け藪と急雪壁を一登りすると、そこには細尾根だがギリギリ1テンの張れる適地があった。ニードルの絶好の展望地である2243mのここを初日の宿場とする。 ・標高2243m〜小窓の頭 テン場からはこれまで以上に気の抜けない危険個所の連続である。 特にワンポイントの岩場の難所のニードル基部でのトラバースとマッチ箱ナイフリッジ通過後に現れる3mほどの露岩の垂壁では、見た目より悪く念のため6mm×14mのお助け紐を出した(支点のハイ松までジャスト14m)。 なお、藪漕ぎはマッチ箱まで急雪壁と交互に続く。 ■〜三ノ窓 小窓の頭へ到着すると小窓尾根は終了し、ここからは北方稜線へ突入する。 急雪壁のアップダウンをこなし小窓ノ王へ。 発射台はクライムダウン可能に見えたが、上部は部分的に氷化しており、念のため中間部の25mのみロープを出し懸垂下降、ロープを畳み、下部はクライムダウンする。 三ノ窓へ繋がる急傾斜のトラバースは、先行者のしっかりしたステップにより不安なく通過。やや到着が早く、少しでも前進したかったが、先の適地に(他パーティの幕営による)余地の確保が出来ないリスクを鑑み三ノ窓にて2日目の行動を終了する。 ■〜劔岳頂上〜早月尾根 朝一から池ノ谷ガリーの急雪壁の登高となる。落石による事故のリスクを懸念し、やや明るくなってから取付く。雪面は程よく締まり快適。30分程で乗越へ。 ここから山頂まではナイフリッジの雪稜、急雪壁のアップダウン、長次郎のコルへの懸垂下降を交えるが、特筆すべき難所はなく、最後の急雪壁の越え緩やかに山頂へ伸びる稜線を辿り、山頂へ到着。概ね雪に埋没している祠の前で記念撮影をする。 帰路の早月尾根は上部の夏道は雪で埋没しているため、南側のガレたルンゼを落石に注意しながら慎重にクライムダウン。その後も急な雪壁のクライムダウン、トラバースの連続で、一般道と言えども決して侮れない。早月小屋以降は所々夏道が露となるが、概ね1,400mまでは積雪あり。以降は冗長な夏道を延々と消化しようやく番場島に帰還。 |
写真
装備
個人装備 |
スコップ
確保器
スリング等
|
---|---|
共同装備 |
テント
ロープ(50m
15m)
|
感想
剱岳のクラシックルートである小窓尾根に行ってきました。
今回の剱岳・小窓尾根は3年前から計画していたものの、1年目は急な所要で流れ、昨年は単独で入山、小窓尾根に取付き、1400m付近で体調不良となり、止む無く撤退した経緯があり、今年も行けるだろうかと不安を禁じ得ない心情のなか、登山届を提出し、準備はしていました。
今回は縁あって仲間との入山となり、単独の気負いや緊張感とは無縁の、お気軽ではないが、終始リラックスした状態で下山できました。
小窓尾根自体は技術的に特に難しい箇所は無かったですが、想像より危険個所が多い印象でした。特に3日に及ぶ行程の間、緊張感を維持しながら、油断や不用意な動作等は決して許されないルートであっただけに、山頂に立った時の充実感は格別なものでした。
今回は融雪が著しく、一部夏山のようで残念な印象でしたが、次回は雪がより多い状況で再訪したいです。
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