上高地から穂高岳→槍ヶ岳縦走(じっくり大キレット攻略)
- GPS
- 53:44
- 距離
- 49.1km
- 登り
- 3,425m
- 下り
- 3,413m
コースタイム
- 山行
- 9:04
- 休憩
- 0:41
- 合計
- 9:45
- 山行
- 8:42
- 休憩
- 1:35
- 合計
- 10:17
- 山行
- 5:48
- 休憩
- 1:43
- 合計
- 7:31
天候 | 3日とも晴れのち曇 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
涸沢岳からの降りは急斜面で転落注意 飛騨泣きからの降りは足の踏み場に注意(転落、落石の危険) 長谷川ピーク周辺は滑落注意(両側が切れ落ちている) |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
雨具
着替え
靴
ザック
ザックカバー
昼ご飯
行動食
飲料
ハイドレーション
ガスカートリッジ
コンロ
ライター
地図(地形図)
笛
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ストック
ナイフ
カメラ
ヘルメット
|
---|---|
備考 | 水を3l持っていってほとんどを2日目に消費。 山荘で都度補給すれば2lで足りそう。 |
感想
ここの所、日帰り山行が続き忙しかったので、今回はじっくり
歩くコースをチョイスした。
兼ねてから目標にしていた穂高岳〜槍ヶ岳の縦走。
日本の高い山Top10のうち5つを踏破する贅沢なコース。
そして、このコースは涸沢〜北穂の急降下と大キレットがある。
8月は午後になると天候が崩れることが多く、行動はリスクがある。
なので稜線の小屋で1泊、翌日午前中に難所を通過する計画にした。
1日目
初日は稜線へのアプローチ。
天気予報は曇り時々雨。実際に空の様子を見るとイマイチ。
悩んだ末に稜線へのアプローチはザイテングラード経由にした。
ゆったりと歩いて15時過ぎに穂高岳山荘に到着。
山荘に宿泊の申し込みをして、夕食までの2時間で奥穂高岳に
登頂した。
遅い時間なので暫くの間山頂を独り占め。(超贅沢)
雲は多いけれど、幸いにして雨がふる気配は無かった。
結果論だけど、吊尾根方面から登山者がやってくるのを見て、
自分も吊尾根経由にすればよかった、と残念に思ったりした。
2日目
今日が正念場。
睡眠は十分、時間もたっぷりある。
まずは涸沢岳に登り、山頂でゆっくりコースを眺めた。
気力を溜めてから涸沢岳〜涸沢槍間の下降を始める。
高度感はかなりあるけど、探せばしっかりステップの岩がある。
(でも浮石や落石には注意)
涸沢槍からの降りは更に傾斜がアップ。
序盤から筋力と集中力をフルに求められるけれど、慎重に
手と足を掛ける岩を選んで降りた。
最低のコルまで降りれば難所は終わりと思っていたけれど
北穂への登り返しにも油断できない岩場があった。
決して南行なら楽というわけではなさそう。
焦らずにゆっくり歩くとやがて北穂高岳南稜に到着。
(標識が無かったためかスルーしてしまった)
北穂高岳の北稜は某大学の学生で一杯だった。
やはり夏山シーズン真っ只中なので人が多い。
とても混み合っていたので写真を取った後北穂高小屋へ移動した。
飲み物を買い、水分を補給しながら大キレットをじっくり眺める。
北穂高小屋出発は9:40になった。
ここで、登山マップの標準コースタイム通り(13時)で南岳へ
到達できない場合は南岳小屋で宿泊すると決めて出発。
序盤は谷底へ吸い込まれるような勢いで降り続ける。
鎖やハシゴをこなして、ひたすら降ると飛騨泣きがやってくる。
大キレット北行の行程で特に難しいのは、飛騨泣きからの降りと
A沢コルから長谷川ピークまでの区間と感じた。
飛騨泣きからの降りの道中には大量の浮石が積み上がっていて、
一歩でもコース外にでたり、コース上でも足の踏み場を間違えると
落石を起こす。
飛騨泣きを越えて安心した所にやってくるので、歩くときは不用意に
一歩を踏み出さないように細心の注意が必要。
A沢のコルはザックを置いて休息できる平場だけれど、
そこから長谷川ピークまでは、人一人が通過するのがやっとの
ナイフリッジが続く。
飛騨泣きから降る時に向かってくる人が見えたら、A沢のコルで
待機するのがベターかもしれない。
でも、今回自分はそこまで注意が至らず、長谷川ピークの手前で
韓国人30人規模のグループと鉢合わせした(滝汗)
向こうは危険ゾーンから「こっちにこい」と手振りして来る。
普通の感覚ならば広いスペースで待機して危険ゾーンでは
立ち止まらないと思うけど、考えなしに数珠繋ぎでやってくる。
そんな所から更に、自分の後続のUSから来たと思われる方が
通過しようとするカオスな状態になった。
最終的に話が通じそうなUSの方に韓国人が一杯来ることを説明
して、2人でナイフリッジ上の狭いスペースに退避。
危険ゾーン付近で10〜20分待って韓国人を全員パスさせた。
(完全に失敗で、素直にA沢のコルで待っていたほうが楽だった)
長谷川ピーク手前で時間と気力をロスしたものの、その後は比較的
穏やかなトレイルが続く。
やがて、大キレットを歩いている間ずっと見えていた南岳南側の
断崖が近づいてきた。
斜面をよく見ると、長いハシゴや岩場をこなす登山者が分かる。
ルートは明快だけれど強度の高い登りが20〜30分続く。
(南行ではここの岩場が結構難しいかもしれない。)
梯子をこなした後ひと登りすると、木で整備されたトレイルに
変わり難所は終了した。
なだらかな斜面に建っている南岳小屋には13時ごろに到着。
失敗もあったけどほぼオンタイムで大キレットを踏破した。
泊まるのも有りだけれど15分ほど休憩して槍へ向かうことにした。
少々時間が遅いので、同じ方向へ向かう登山者はほとんどおらず
静かな稜線散歩になった。
南岳から20〜30分ほど歩くと雷が鳴り始めた。
周囲を見ると、飛騨側から競りあがるように雲が上がってくる。
そして雷は笠ヶ岳の方向から鳴っていた。
一旦天狗原方面に降りることも考えたものの、周囲の風向きから
急に天候が崩れる事は無いと読み行軍を続行した。
長閑なトレイルを巻きで歩き、15時半すぎに槍ヶ岳山荘に到着。
空いていたら槍の穂先に登ろうと思ったものの、人が多く時間が
掛かりそうだったので明日にお預けにした。
今回は槍ヶ岳山荘ではなく、去年お世話になったヒュッテ大槍へ
向かった。
16時過ぎと少し遅い時間になったけれど無事に山小屋に到着。
でも、中に入ってみると「仕込みの関係で宿泊は予約した人のみ」
との紙が張られていた。
仕方ないので殺生小屋に泊まろうかと思いつつ、小屋番の方に
詳しくお話を聞いたら素泊まりならば受付OKとのこと。
ということで素泊まりさせていただいた。
宿泊の受付時に今日の行程を書いたら、マスターが
「頑張りましたね」と言葉を掛けてくれた。
その後、持ってきていた食料を自炊して、夕焼けの槍を
眺めながら食事した。(なかなか風流)
3日目
朝食を待つ必要が無いので4時に起きて準備を開始。
ヒュッテ大槍を5:30に出発した。
東鎌尾根を登って6時過ぎに槍ヶ岳山荘に到着。
槍の穂先には人が一杯取り付いていた。
混んでいる時に槍の穂先を登るのは賢くない。
少し様子をみることにして、山荘でクロワッサンを食べ、
紅茶を頂いてのんびりした。
食事後に再び穂先を眺めるけれど、あまり状況は変わって
居ない様子。このまま待ち続けるのも得策でないので、
見切りをつけて穂先へのアタックを開始した。
穂先には7時半過ぎに到着。
人が一杯なので、一通り景色を見て写真を撮ったあと、
人の流れに任せるように下降を開始した。
が、しかし、なかなか列が動かない。
様子を見てみると、先に降る数十人のグループの年輩の方が、
梯子と鎖が連続するゾーンで動けなくなっていた。
ガイドが必死にコース取りを指示していたけれど、非常に
危険と感じた。
槍の穂先に登る人は多いけれど、決して万人向きではなく
自らの体力と技量にあった登山の重要性を再認識。
アタック完了後、水の補給など済ませて8時過ぎに山荘を出発。
13時前に上高地へ戻ってきた。
今回の山行で得られた教訓は、難所ほどルート取りと足の
置き場の確認は重要ということ。
今度、時間があるときにボルダリングをやってみようかな、
と思ったのでした。
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