念願の剱岳 一年越しの想いを叶えに
- GPS
- 56:00
- 距離
- 21.6km
- 登り
- 2,331m
- 下り
- 2,335m
コースタイム
- 山行
- 6:00
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 7:10
- 山行
- 8:35
- 休憩
- 2:30
- 合計
- 11:05
- 山行
- 1:10
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 1:10
天候 | 8/15 晴れのち曇り 8/16 晴れのち曇り 8/17 雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
(4:00時点で満車、車中泊を嫌って(?)駐車スペースにテントを設営する方がいなければ、あと数台は停められましたが…) 扇沢駅〜室堂駅(片道:5,860円/人 往復:9,050円/人) ※手回り品(重量が10kgを超える荷物) 扇沢駅〜黒部ダム駅200円/個 黒部湖駅〜室堂駅300円/個 |
コース状況/ 危険箇所等 |
一の越山荘〜雄山:一般の観光客の方が大勢登っていて、何でもアリ状態です。落石に注意。 剣山荘〜剱岳:全般的に注意(特に一服剱から先)。 |
予約できる山小屋 |
|
写真
感想
去年のお盆休みは槍ヶ岳に登ったので、「槍の次は剱だ〜!」と今年は剱岳に登ってきました。
(本当は海の日の三連休に行くはずでしたが、天気が悪く延期になっていたのです。)
剱岳といえば、岩と雪の殿堂、鎖場も多く国内一般ルートの中では難関の部類に入る上級者の登る山…果たして私に登ることができるのだろうか?と不安になりながらの出発です。
8/15
早朝4:00頃に市営駐車場に到着。
始発の6:30のトロリーバスで黒部ダム駅に向かいます。
黒部ダムではダムの上を通って次のケーブルカー乗り場まで行くのですが、ちょうど観光放水を行っていました。
白く煙る水しぶきが大迫力!
黒部ダムは初めてだったのでもっとゆっくり見学したかったのですが、ロープウェイの定員が少なく混むらしいので、写真を撮って急いでケーブルカーに乗り込みます。
おかげで無事始発のロープウェーに乗ることが出来、8時過ぎには室堂に到着しました。
さて、ここからは雷鳥沢を登って剣沢キャンプ場まで行く…のではありません。
kenboさんが「せっかくだから立山三山にも登りたい。」と言うので、まずは浄土山に向けて登山開始。
立山三山とは「雄山、大汝山、富士ノ折立の三つのピークを総称して立山と呼ばれる。また、別山、立山、浄土山の三山を合わせて立山三山と呼ばれることもある。」とのこと。
結構メジャーなルートのようですが、雄山から登る人が多いらしく、浄土山から登る人は少ないのだとか。
たしかに雄山に直接向かう人がほとんどでしたが、浄土山に登らないと立山三山にならないので頑張って登ります。
浄土山登山口までは石畳のハイキングコース、ところが登山口から先は急斜面の岩場が出てきて意外と登り甲斐のある道が続きます。
下山してきたおじさんに「これから先はストックを仕舞った方がいいよ。」と言われ、テント泊装備でストックなしでその岩場を登ったのでかなり疲れました。
最初からこんなバテバテで大丈夫か?と心配になりながらも、なんとか浄土山に到着。
これから進む雄山へは、一旦一の越山荘まで下って登り返さなければなりません。
これがまた結構な急登に見えて、kenboさんに「大丈夫?」と尋ねられても「だめかも。」と気弱な答えしか出来ませんでした。
しかし実際登ってみると、人が多すぎて渋滞していてゆっくりしか登れないので、あまり疲れることなく雄山に登頂出来ました。
ここからの眺めは最高で、黒部ダム方面や室堂方面はもちろん、これから進む立山の稜線が綺麗に見えてテンションがあがります。
登拝料(500円)を払い、頂上の雄山神社でお祓いをして頂き、お昼ご飯を食べて次へ向かいます。
次の大汝山へは稜線をトラバースする感じで緩やかな道。
また人も雄山よりは少なくなるので、ストレスなく歩くことが出来ました。
さらに稜線を進むと富士ノ折立に到着。
山頂真下にザックをデポして、少し急な岩場を登ります。
富士ノ折立の標高は2,999m。剱岳と同じですね!
ザックを回収してさらに進むと、残雪の美しい内蔵助カールが見えてきます。
ここから真砂岳への稜線は、アップダウンの少ないとても歩き易い道で、歩いていてとても楽しい道でした。
ただ、だんだんと濃くなっていくガスで眺望があまりななかったのが残念でした。
晴れていたら、絶景を眺めながらのまさしく空中散歩を楽しめる箇所だと思います。
真砂岳は巻くことができるようでしたが、せっかくなので巻かずに登ります。
この辺では少し余裕が出来て、朝の「だめかも。」が「大丈夫かも。」に変わりました(笑)
しかし、最後のピークの別山に到着する頃にはガスで辺りは真っ白。
楽しみにしていた剱岳の雄姿はお預けとなりました。(残念!)
別山からは、本日の宿泊地である剣沢キャンプ場までこれまた急斜面を下ります。
疲れた足にはキツイ下りを終えて、15時半頃なんとかキャンプ場に着くことができました。
8/16
いよいよ本番、剱岳。
剣沢キャンプ場〜剣山荘 雪渓を2箇所渡りますが短いので特に問題なし。見た目よりも距離が長い印象でした。
剣山荘〜一服剱 最初は緩やかな登り、途中で鎖場が出てきますがここではまだ鎖を頼らなくても登ることが出来ます。
一服剱で小休止。
目の前にデデーンと聳える前剱の姿に身が引き締まります。
一服剱〜前剱 だんだんと道が険しくなっていきます。鎖場が連続し、浮石も多いので落石に注意しながら進みます。
前剱を越えると目の前にはいよいよ剱岳の姿が。
山頂下の垂直に近い岩場に人が張り付いているのが見えました。
あれが有名なカニのたてばい…あんな所果たして登れるのか!?
前剱〜剱岳 鎖場の連続。登りはまだいいのですが、下りが結構やっかいな所があり、(6番目鎖?)先行するkenboさんに指示してもらいながら慎重に進みました。
カニのたてばいは少々渋滞していて、前の人の登り方を見ながら順番を待ちます。
ボルトが岩に打ちつけてあり、足場、手掛かりになっているので最初は意外と簡単に登ることが出来ます。ただ、最後の方で足が足場に届かない所があり、鎖の支点に足を掛けて無理矢理登りました。
登り終わって後続の人を見てみましたが、やはり女性や小柄な方は同じ所で手こずっているようでした。
その後も鎖場を越え、岩稜の九十九折をしばらく登って行くと、岩の向こうに小さな祠の姿が現れます。
標高2999m−ついに剱岳山頂に到着です。
山頂はやはり賑わっていて、祠の前では写真の行列が出来ていました。
みなさん「剱岳2999m」の看板を持って満面の笑みで記念撮影をしています。
私たちも列に並んで記念写真を撮りました。
山頂は360度の大パノラマ!少し雲が多いですが、今まで通ってきた立山連峰の山々の眺めが素晴らしかったです。
ただ、遥か下の方に剣沢キャンプ場が見えて、「これからあそこまで下るのか・・・」と思うと少々憂鬱でしたが。
何はともあれせっかくここまで登ってきたので、しばらくこの景色を堪能してから下山することにします。
やはり登りより下りの方が大変で、特に垂直に近い下りからトラバースするカニのよこばいは、先行のkenboさんに足の置き場を教えてもらいながらクリアしました。(難しいとされている最初の一歩目には赤いマークがついています。)
その後も鎖を下って登って、前剱〜一服剱と一気に標高を下げていきます。
一服剱から先は特に問題なく、お昼前には剣山荘につくことが出来ました。
ここで下山祝いのコーラとジュースを飲み、昼食を食べてテント場へ帰ります。
テント場から見える剱岳は本当に険しい姿で、先ほどまであの頂きに自分が立っていたことが信じられませんでした。
本当はここでもう一泊する予定でしたが予定より早く帰って来ることが出来たので、テントを撤収し今日中に雷鳥沢まで下りることにします。
剣沢キャンプ場から剱御前小舎までは結構な登りに見えましたが、1時間ほどでそこまでつらくなく着くことが出来、ここからは一気に雷鳥沢まで下りました。
(疲れた足にはこの下りの方が堪えました・・・)
雷鳥沢ではテントの受付を済ませ、テントを設営。
その後、雷鳥沢ヒュッテで温泉に入り疲れを癒しました。
8/17
朝から雨と強い風。
久しぶりの雨の中のテント撤収に手間取りましたが、なんとか荷物をまとめて室堂ターミナルへ向かいます。
地獄谷は通行不可なので、ぐるりとミクリガ池を周回する1時間ほどのコースを行きます。(意外とアップダウン有り)
それでも、雨の中雷鳥沢を下ることに比べればかなり楽。昨日のうちに雷鳥沢まで下りてきて本当に良かった・・・。
室堂ターミナルからは来た時と同じようにバスやケーブルカーを乗り継いで、扇沢駅まで帰りました。
剱岳は予想していた通り、岩場と鎖の連続で登るのも下りるのも緊張しましたが、この山を登れたことで少しレベルアップできたような気がします。
自分としては、去年の槍ヶ岳表銀座縦走よりも今回の方が達成感がありました。
高度感はあったのかもしれませんが、目の前の足場や手掛かりに目が行っていたので、あまり怖さは感じませんでした。
立山三山の縦走もつらかったけれど楽しかった!
黒部の険しさ美しさに触れた3日間でした。
今度は大日岳方面や今回行けなかった黒部ダムへ下り、秋の紅葉の下の廊下にも行ってみたいと思います。
中学生の時に読んだ、新田次郎著「剱岳・点の記」。読書後、剱岳は「普通の人は登らない、登ることが困難な山」との印象を受けたことを覚えています。当時の記憶のまま、2009年に公開された映画を観ても、同様の印象を受けたのでした。また、そんな私が登山を始めてしまい、監督が同じだったので昨年にたまたま観た「春を背負って」でも、「アルプスの登山は危険」ということを改めて認識したのでした。
その後迎えたアルプスデビュー。岩稜帯の経験がないくせに、初の北アルプスで唐松岳〜五竜岳を選択し、ビビりながら登った五竜岳。五竜山荘のテント場でお会いした男性(後にヤマレコユーザとして登録)に「あのギザギザの山が剱岳です」と教えていただき、遠くから見ても岩岩しているその山容になぜか魅かれ、生意気にも「来年の海の日の3連休で登るぞ!」と決意したのでした。それと同時に、五竜岳をサクサクと往復されたその男性のようにならなければ登頂はまず無理だろう、と少し気持ちが沈んだのでした。
そして迎えた今年の海の日3連休。残念ながら台風11号の影響で場所を変更、延期となりました。満を持して迎えた今回、初日に室堂から剱沢キャンプ場へ行き、2日目に剱岳に登り、3日目に立山三山を経由して下山、と計画していました。しかし、3日目の天気が午後から崩れる予報だったので、初日に立山三山経由で剱沢キャンプ場へ行き、2日目に剱岳に登って疲れがなければ雷鳥沢キャンプ場へ行き、3日目に天気次第で黒部ダムまで徒歩で下山か、室堂から乗り物を利用して下山するかを判断することにしました。
8/15
4:00に大町市市営駐車場に到着すると、先着の2台が駐車スペースを探しているようでした。空きスペースらしき場所があるのになぜ停めないのだろうと?そこに近づいてみると、なんとテントが設営されています。車中よりもテントの方が眠りやすいからでしょうか。他にもテントがいくつか設営されてあったり、縦向きで駐車するところをなぜか横向きで駐車している車があったりと、これだけで軽く7台分の駐車スペースが無駄になっていました。私はかろうじて停めることができましたが、後から到着した車は、諦めて有料駐車場に向かって行きました。
準備をして5:00前に扇沢駅に到着すると、まだ数名しか並んでいませんでしたが、5:35のチケット販売開始時には結構な行列ができていました。チケットは、往復分で購入した方が安いのに下山を想定して片道分を購入し、6:30の臨時便で黒部ダム駅に到着。雪の大谷の期間にしか来たことがない私にとって観光放水は初めてで、ゆっくり眺めたい気持ちでいっぱいでした。しかし、ケーブルカーで黒部平駅まで行くことができても、乗車定員が少ないロープウェイで詰まることは経験済みなので、足早にダムを通過。無事に始発のロープウェイの整理券を手にすることができました。あとは順調に室堂駅に到着。この界隈で宿泊されていた方なのか、富山側から来られた方なのか、既に混雑していました。
多くの方が一の越方面に向かう中、まずは浄土山を目指します。浄土山への登山口までは、よく整備された石畳の道でした。しかし、結構傾斜があり、久しぶりのテント泊装備で、慣れる前に先制パンチを食らった感がありました。登山口からは一般の登山道で、岩場が出てきたりしながら次第に傾斜が増してきます。急傾斜の岩場を登りきって浄土山山頂に到着すると、左側に人工物が目に入りました。近づいてみると軍人霊碑が祀られている石組でした。日露戦争で亡くなられた方を祀るために建立されたようですが、8/15で終戦記念日でもあったので、黙祷を捧げました。
浄土山から稜線を歩いて、富山大学立山研究所の建物がある南峰に到着。ここから見える雄山に登るためには、鞍部にある一の越山荘まで下らねばなりません。結構な登り返しに若干うんざりしましたが、立山三山制覇のためには進むしかありません。室堂方面からゾロゾロと歩いて来る方々が雄山に登っておられ、渋滞しているのがわかりました。また、ここから黒部ダム方面の道が綺麗に見えて、下山時は是非歩いてみたいと思いました。
一の越山荘から雄山に登り始めます。結構苦労するかと思いましたが、渋滞していたため、まったく疲れることなく登ることができました。ただ、一般観光客の方が多く、何でもアリ状態。譲り合いの精神は皆無に等しく、渋滞を無視して登れそうな場所から登り、登れなくなったら横入りしてきたり、勢いで登り下りするので落石しまくるのには閉口でした。
社務所に到着すると、休憩する方でごった返していました。山頂のある雄山神社でのお祓いに結構な列ができていましたが、せっかくなので受付で登拝料(500円/人)を納め、鳥居を越えて順番を待ちます。3巡目で案内され、神主さんからお祓いを受け、お神酒を頂いてから横にある山頂標識の撮影を済ませました。ここで20分程経過してしまったこともあり、大汝休憩所での予定を変更して昼食にしました。
稜線をトラバースするような感じで大汝山に向かいます。多くの方は雄山までのようで、ここから先はほぼ登山者に限られるのでスイスイ進むことができます。しかし、ガスが発生してきてしまい、楽しみにしていた別山方面への稜線を眺めながら歩くことができず、残念でした。
立山連峰最高峰となる大汝山に到着し、さっくりと山頂標識を撮影し、楽しみにしていた大汝休憩所に向かいます。ここは、映画「春を背負って」の菫小屋として利用された場所。映画では登山者が宿泊していましたが、実際は緊急避難時でしか宿泊はできないようです。内部を観察させていただきました。密かにファンであった市毛良枝さんもここに来たのかな?
大汝休憩所から平坦な稜線を進むと富士ノ折立です。少し急な岩場の登り下りがあるので、多くの方が真下にザックをデポしていました。富士ノ折立の標高は2,999m。剱岳と同じだな、明日はこの高さまで登るのだな、と身が引き締まる思いでした。
まだ残雪がある内蔵助カールを右下に眺めながら、真砂岳の鞍部まで下ります。このあたりから歩きやすい道となりました。真砂岳は巻くことが可能でしたが、せっかくだから巻かずに登ります。
真砂岳から鞍部まで下り、本日最後の登りとなる別山に向かいます。見た目ではキツそうな登りでしたが、実際はたいしたことはなく、別山に到着。ガスで真っ白でしたが、本来は剱岳がドーンと見えたのだろうな。。。お楽しみは明日にして、本日の目的地、剱沢キャンプ場を目指します。
剱御前小舎のある別山乗越に向かう途中の分岐から下ります。結構な傾斜の下りを終えて、漸くテント場に到着。遅い時間の到着となってしまいましたが、トイレと水場から少し離れた場所には、まだ平らな場所が残っていました。
夕日を眺めようと粘りましたが、剱岳は残念ながらずっとガスの中。ご来光を拝むために暗い中の危険な道を歩きたくはないので、3:30に目覚ましをセットして早めに就寝しました。
8/16
3:00前に、若い男性たちの話し声で目が覚めました。ご来光を拝むために準備でもしているのかな?こんな時間にうるさいなぁと我慢していると、「2:47、テント撤収!」と聞こえたので、テントを撤収しているようでした。笑い声やフライシート(?)をバサバサと大きな音を立てながらの撤収作業。若干イライラしてきたところ、やはり周りの方も同様だったようで、「オイ、お前ら。うるさすぎるぞ!話さんとテントを撤収できないのか。まだ寝ている奴がおるんだ。静かにやれ!」とキレた男性が忠告。当たり前だよ。。。
朝食を終えて外に出ると、既に灯りが山肌を動いています。結構登っているな。混雑するかな。7月よりも明るくなるのが遅くなっていることを感じつつ、のんびりと準備をして出発です。
剣山荘までは意外と遠く、35分かかってしまいました。この間に、団体さんが出発して行くのが見えました。しまった、団体さんが出発する前に剣山荘を通過できなかった。のんびりと準備したことを後悔しました。
剣山荘に到着し、気合いを入れます(剣山荘は朝すぐに登り始められるのが魅力だけれど、山に近すぎて剱岳は前剱で隠れて見えないため、少し気が抜けてしまいますが)。
まずは一服剱を目指します。 一服剱までは鎖場が2箇所ありますが、鎖を頼らなくても簡単に通過できます。特に標識がないピークに到着し、休憩されている方が多いので「ここが一服剱かな?」と、前剱を眺めます。前方にデーンと聳える前剱。大きい…。さらにその後ろに聳える岩の塊の剱岳…。前剱に登るだけでも大変そうだな。
先に進むと、「一服剱」と書かれた標識があったので、やはりさっきの場所が一服剱だったと判明します。一度下ると、道の状態がガレへと変わってきます。前剱大岩までは急な登りで、「下りは嫌だな」と思いながらしばらく登り、前剱大岩の左側を登ると3番目鎖場(前剱大岩)が現れます。
しばらく進み、4番目鎖場(前剱)を通過すると分岐が現れます。登り専用と下り専用ルート登場です(登りは右側へ、下りの上部を進むこととなるので落石注意)。そして、すぐに前剱に到着。ここで一休みしながら、岩肌に張り付いて垂直に登っている方が見えました。あれがカニのたてばいかな?
前剱から先は、岩稜帯に突入します。
梯子を渡って5番目鎖場(前剱)で岩峰をトラバースし、6番目鎖場(前剱)で結構下ります。ここでkazuruさんが少し手こずったので、下から指示してあげました。少しなだらかな道を進むと、急な登りの7番目鎖場(平蔵の頭)が登場。ひょいひょい登って裏側に回ると、急な下りの鎖が…。続きがあったのですね。
この辺りから、「登りは良いけれど、下ることができるのか?」という声が周りから聞こえ始めます。(この平蔵の頭の通過は、山頂からだととてもスリリングなルートに見えますが、実際は普通に通過することができます)
小さな峰をトラバースすると、終盤にとても短い8番目鎖場(平蔵のコル)がありました。その後、平坦な道を進むと、いよいよ登りの最終となる9番目鎖場(カニのたてばい)が登場!カニのたてばいは、2区間にわかれているような感じで、特に有名なのは前半ではないでしょうか。順番を待って挑戦です。
お助けボルトのおかげもあり、特に苦労せずにスイスイ登ることができ、意外と簡単にクリアできるかな?と思っていたら、鎖を終える最後の地点で足の置き場がわからず、進めなくなってしまいました。焦れば焦るほど、手のひらに嫌な汗が滲みでてきて鎖を握ることができなくなる悪循環。鎖を吊るす支柱に足をかければ簡単に登ることができるけれど、命を預ける大切な鎖の支柱に足をかけて良いものか?下を見ると、kazuruさんが直前まで迫っています。ここはクリアすることを優先して、支柱に足をかけて(なるべく最低限の体重をかけるようにしましたが)よじ登りました。
kazuruさんがクリア後にしばらく他の方の登り方を観察してみると、やはり支柱に足をかけている方がほとんどでした。本当はどのように登るのだろうか?
そのまましばらく登り、また鎖場が登場。ここを超えると広々としたルートに変り、ジグザグに登ると早月尾根との分岐の標識がありました。北アルプス3大急登のひとつ、早月尾根に目をやると、登って来られる方が見えました。あれは大変そうだな。でもいつか挑戦してみたいな。
そして、しばらく登って、念願の剱岳に到着です。山頂は広く、賑わっていました。まだ早い時間であったのでガスはなく、穂高方面は雲で隠れてしまっていましたが、それでも素敵な眺望を楽しむことができました。昨年に奥穂高岳に登った時も感無量でしたが、今回はそれを大きく上回る感じでした。
記念撮影を終えてから休憩し、下山です。かなり遠くに見える剣山荘まで、無事に下ることはできるのか?
しばらく順調に下って、10番目鎖場(カニのよこばい)が登場!いきなりトラバースするのでは無く、最初は直下に下ります。その時、前のグループの方が「今年から最初の一歩目の足の置き場に印が付けられて、難易度が下がったらしいよ」と話しています。
いざ、私の番になって下を覗き込むと、なるほど、赤色で印が付けてあります。でも、はっきりと見えるわけではなく、印のあたりに足を下げて置き場を探す感じでした。kazuruさんが不安そうだったので、先に進まず、指示してあげました。
トラバースを終え、そのまま鎖を下ると、頑丈そうな梯子があります。この梯子を下り、再び鎖場を下ると、倉庫みたいな建物があり、確認するとトイレでした。
先に進み、短い11番目鎖場(平蔵のコル)を下ると、平蔵の頭が見えてきます。12番目鎖場(平蔵の頭)は急な登りですが、呆気なく通過。裏側に回って下り、なだらかな稜線地帯を下山すると13番目鎖場(前剱の門)があります。
これを登って前剱を巻き、一服剱を目指してガレ場を下ります。登りのときに「下りは嫌だな」と思いましたが、そんなに大変ではありませんでした。登り返して一服剱に到着。ここまで来れば、あとは特に問題ありません。無事に剣山荘に到着して、昼食にしました。
予定よりも早く下山することができたので、テントを撤収して今日のうちに雷鳥沢まで行くことに決めました。剱御前小舎まで結構登り、あとは下に見える雷鳥沢まで下るだけ。しかし、この下りが地味に長く感じました。それでも、テント設営後のお風呂を楽しみに歩き続け、雷鳥沢キャンプ場に到着。受付を済ませ、テントを設営し、16時過ぎでも入浴可能な雷鳥沢ヒュッテで汗を流しました。
入浴後、管理所で明日の天気を確認すると、3:00から雨が降り出すとのこと。あれ?雨の降り出しが早まったな。でも、それ以降も毎時間ごとの雨量は1mm/hだったので、少し安心。もしかしたら、黒部ダムまで歩くことはできるかな?明日の帰りの車の運転に備え、たくさん睡眠をとっておこう。
…雨の音で目が覚めました。時計を確認すると22:37。さらに雨の降り出しが早まったのかな?その分、上がるのも早ければいいな。。。
8/17
3:00頃から風雨が強まり、何度も起こされました。結局熟睡できぬまま明るくなりましたが、雨脚は強まるばかり。風でテントが歪みます。ここで黒部ダムまで歩いて下山することを諦めました。同時に、昨日のうちに雷鳥沢まで来ておいて良かったと思いました。
風雨が強かったので、テントの撤収に手間どりましたが、なんとか終えて室堂駅まで歩きます。地獄谷が火山活動のせいで立入禁止となっているため、整備されているとはいえ、結構な階段の登りを超えねばなりません。ミクリガ池等で立ち止まりながらのんびり歩いて室堂駅に到着。往復割引ではなく片道分の正規料金で下山したのでした。
天気にも恵まれ、念願の剱岳に登ることができました。収穫は、高度感による怖さを感じなかったことでした。次に登ることがあれば、もう少し成長した自分を確かめることはできるかな。
目標達成おめでとうございます
天気も最終日以外はまずまずで良かったですね。
立山三山を制覇されたのがとっても羨ましいです。
次回は白馬〜唐松ですか?
ヤマレコ楽しみにしていますね!!
立山三山の定義は、人によって異なりますよね。
浄土山〜別山を縦走すれば、間違いないだろうと思いました。
でも、浄土山は地味にキツイですよ。人気がないのは理解できます。
大雨と強風のために3日目の予定が変更となり、若干消化不良でした。
これを補うためにも、次に狙うは…どこでしょうか?
kenboさん
念願の剱岳おめでとうございます!
別山尾根からの剱岳はアスレチックのようで登り応えがありますよね。
実はボクも海の日の連休に登ってきたんですが、
その時よりも雲が少なく景色が良くて羨ましいです。
次回は早月尾根からも登ってみませんか?
将来は北方稜線とか♪ボクの北方稜線は未踏です。将来池ノ平から剱を目指したいです。
それと9月、10月の紅葉の時期に仙人池に行くと良いですよ。表からでは見られない剱岳の姿。裏剱が見られます。ぜひ!
五竜岳をサクサクと往復されたその男性…あの時、ssm330さんにお会いしていなければ、剱岳への挑戦はもっと遅れていたかもしれません。
早月尾根を見て、あそこをトレーニングがてら登っているのか…と、ssm330さんのお顔が浮かびました。大変なのでしょうが、なぜか挑戦してみたくなったので、近いうちにでも。
雪の大谷の季節にしか来たことがない立山の雰囲気は、気に入りました。
紅葉を楽しめる時期とかに、のんびりと歩いてみたいものですね。
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